2004年3月
3月1日(月)
午前中にコチカを連れに行った。
結構手こずりました、と獣医さん。
CHA〜と威嚇して、そばに人を寄せず、
おしっこさせようとすると、噛み付くので、
皮の手袋をして挑んだのだそうだ。
というわけで、1日3000円の預かり料を5000円に吊り上げられた。
あの獣医さんが手こずる、というのは相当なものだと思った。
コチカは獣医さんのお宅に連れていっていただいて、
子供の頃にお世話になった奥さんにもおしっこさせていただいたが、
それでもだめだったのだそうだ。
私でもさせないときがあるのだから、
子供の頃のことなんて覚えていないだろう。
ケージから出すのに、ドアを開けてもなかなか出てこず、
リードで引っ張ってようやく出てくる、というようなことをおっしゃっていたが、
そのあたりでもう防衛線を張ってしまっていたのだろう、と思う。
コチカはなにかしようとしてから、時間がかかるのである。
その辺の間合いを計ってていただけたら、
と思うのは、こちらの勝手な言い分である。
手のかかる猫を預けようとするのが、いけないのである。
時間内に収まる手間で済んでようやく規定の料金なのだ。
何にしても、今朝までおしっこは出していただいたのだし、
コチカは無事で、健康は損なわれてはいない。
お金で済むことであれば、それに越したことはない。
……とは思う。
* * *
家に帰ってきたコチカは、玄関に入るなり、うにゃ〜うにゃ〜とたけり始め、
家中の窓を点検してまわった。
しばらくすると、うわぁぉ〜と言いながらそばに来て、思い切り甘えた。
頭を押し付けて、眠る。
なんかすっごく獣臭い。なにこれ?
そして起きて食べる、ウンチ〜という、うわぁぉ〜うにゃ〜と猛りながら家中をうろつく。
どれも激しい様子で繰り返す。
挙句の果てにコチカは、階段下の絨毯の上を掻き、おしっこスタイルをしていた。
うっとりと目をしばたかせながら。
唖然として私が見ていると、コチカは気付き、臭いを嗅ぐこともなく、掻く動作をすることもなく、
知らん顔をしてどこかへ行ってしまった。
頭がおかしくなっちゃったのか?
預けることによって、相当なストレスをかけたようだ。
今はまだ若いからいいけれど、年を重ねたら、狂ってしまうのではないだろうか。
あー動物を飼うのって、大変。
* * * *
▲
3月2日(火)
夕方の散歩。
パグを散歩させていた奥さんに、あらあ、と声をかけられた。
アメショーを飼っていた頃、完全な家猫にしていたので、
ときどきリードをつけて散歩させてたのだそうで、
懐かしいわー、といわれた。
* * *
風呂場の網戸をしきりに掻くので、見にいったら、
お隣との間の塀の上に見たことない猫が座っていた。
暗いのでよくわからなかったが毛の長いもっさりした猫だった。
フラッシュを焚いたら写真で見れるかも、と思ってやってみたけど、
網戸越しだったから、真っ白に写っただけ。ばっかー^^;
* * *
コチカはよしよしして〜とやってきて、
喉など掻いてもらっているとき、ときどき薄目を開けてこちらを見る。
お利口ちょちょた、かわいいちょちょた〜などと、
子供の頃から言っているような甘い猫撫で語を言ってやると、
またうっとりと目を閉じるのである。
でも夫との場合はちょっと違うようだ。
夫が帰ってくると、玄関に迎えに行き、
居間に座ると、コチカは夫のまん前に座って甘える。
夫は何も言わずによしよししてやるのだが、
コチカはそれでとっても満足そうなのである。
*)うちでは滅多にコチカとは呼ばない。なぜかバリエーションで呼んでしまう。
基本的には、ちちー、あるいは、ちょちょ。
最近では、夫は、ちっちょー、と言い、
私はちーちょろり。長く言いたいときには、ちーちょろりろちょろり。
言ってみてください。ちーちょろりろちょろり。なるべく早口でいうと、結構舌が快適です。
* * *
内緒の話だけれど、
今日、コチカがウンチだというので、抱っこしてトイレに連れていく間に、
コロリ、と落っこちてしまった。
ブツはコロコロッと転がり、
夫が今朝居間に履き(置き?)忘れていった赤いスリッパの中にちょこっと収まった。
夜、夫が帰ってきて、はっと思ったときには、夫はもう履いていた。
もちろん、
スリッパの中は除菌スプレーをシュッシュッとやって拭いといたけど。
私たちは最近は緑のスリッパと赤いスリッパを履いていて、
互いにどちらを履いてもいいことになっている。
でも私はもう赤いスリッパは履かない^^\
* * * *
▲
3月3日(水)
あじさいの枝にものすごく執着し、噛んだりして自分の匂いをつけている。
誰か、気になる猫の匂いでも?
* * *
台所にいる私に、にゃ〜〜!!!にゃ〜〜!!!ときびしい目をして激しく鳴き、
目が合ったらそのまま居間に入って行くので、
何かと思いついていってみると、ペタンと腰を下ろし、横になった。
なんのことはない、よしよししてほしいのである。
「う」も「す」もない。
絶句しながらよしよししてやる私。。
人間もこんな風に求めたらどうだろうか。
かけひきや常識・品格うんぬんと格好つけてないで、とにかく叫ぶのである。
ご飯っ!
お茶っ!
お金っ!
愛してっ!
死んでっ!
* * * *
▲
3月4日(木)
風は冷たいけれど、ぽかぽかと日差しが暖か。
みいちゃんがチェリーんちのガレージ横の塀の上から、
な〜、こっちを見るな〜と鳴いている。
そんなんじゃみんな見るってば^_^
* * *
アスカに会った。
チャコちゃんちのガレージフェンスの向こう側に座っている。
見つけたコチカが飛んでいく。
アスカはフェンス越しなので大丈夫と思っているのか、
こちらを見つめたままでいて、ときどき、にゃ、と言う。
コチカも座ってじっと見ている……と思いきや、
私がぼーっとしている間に、
フェンスの中に入ってしまっていた。
あ〜こらぁ、と言うと、出てきた。
わかっているならしなさんな。
それから歩き出し、通りの反対側の植え込みの垣根に鼻をすりつけ、
またアスカの方を見て座った。
私もアスカを振り返ると、両手をきちんとそろえて、お雛さんのように座っている。
かわいくっておかしくってつい噴出していると、
コチカはまたアスカの方に近づいていった。
こうなったら膠着状態になるだけなので、
私はコチカを抱き上げ、カツオブシ食べよカツオブシカツオブシ…と耳元で繰り返し、
うちの玄関に戻ってきた。
門に近づくと、ふっふっ、と鼻息を荒くした。
不満なときコチカはこうする。
でも全身の力を抜き、たらん、となったまま抱かれていて、
強く長い鼻息ではなく、くんくんいう感じなので、
可愛そうに思って、玄関の門に繋いでおいてやったが、
ぅにゃお〜ん、ぅにゃお〜ん、と哀愁を帯びた声で、
しかも近所中に聞こえるように鳴くので、
またカツオブシの呪文を唱えて、とうとう家の中に入れた。
* * * *
▲
3月5日(金)
朝のお散歩。
風は冷たいが太陽が背に気持ちいい。
うちの車庫の斜め前のアパートあたりで。
grrrr、と聞こえたので振り返ると、黒っぽいトラ猫を白猫が追っかけていた。
まだやってんの?
コチカと目が合った瞬間にトラは塀に登って行ってしまった。
白猫もコチカを気にしながら、別の方向へ行った。
コチカは追いかけ、向かいの家の車庫の前で座っていたが、
あきらめて、カツオブシ…に応じた。。
* * * *
▲
3月6日(土)
夫婦そろって深夜に帰宅した。
出かけたのが早い時間だったので、
コチカの6時のご飯はお預けになってしまっていた。
帰ってきてみたら、
いつもなら、にゃあにゃあ言ってまとわりつくのに、
今夜は、言葉少なにまん丸の目で見上げている。
いったい何があったの?というところだろうか。
ご飯を食べてしばらくしてから、
夫が散歩に連れていった。
* * * *
▲
3月7日(日)
今日は日曜日。
夫がピアノの練習をしているので(爆)、しかたなく私はPCをパチパチしている。
すぐに音を上げるに決まってる、と思っているので、
中途半端な格好…ウンチングスタイルの足先を立てた座り方でテーブルに向かっていると、
何かが足のすねを押す。
ソフトな感触なので気にも留めずに続けていると、また押す。
下を見ると、コチカがウンチングスタイルの真下で寝そっていて、目が合った。
甘えたような顔をしている。
よしよしして〜と後頭部を私のすねに押し付けているのだった。
無言のままで、である。
つい手を伸ばして、後頭部を押し付けることで平たくなった喉元をよしよし、と掻いてやる。
うっとりしたような目でこちらを見るので、もっとしてやる。
そのうち自分の手をぺろぺろ舐め出したので、もう満足したのだろう、とやめる。
子供の頃、私は森へ行って鹿やうさぎなど、
森に住む動物たちと暮らしたいと思っていた。
自分は人間の言葉を使わない動物たちの言いたいことがわかると信じていて、
言葉のないまま、視線や態度で優しいやりとりをすることに強い憧れを抱いていた。
コチカが来てからそれが実現できていることに気付き、嬉しく思う。
でも、嬉しく思っているわりには、ときどき忘れていて、
相手(コチカ)のことなんか全然眼中にないこともあるのだけど。
もちろんそんなときがあったっていいわけで、
そうすると、コチカはにゃあ〜と声を上げる。
今コチカは目を閉じたまま、
招き猫のような手つきで何度も左耳から頬にかけてこすっている。
か、かわい〜
* * * *
▲
3月8日(月)
朝のお散歩。
チェリーんちの庭の前の道を行くと、
いつものようにマー君のほえる声がない。
その代わりに、スーハースーハーと寝息が聞こえる。
思わず庭の中を見ると、縁側の真下でマー君がぐっすり眠っている。
朝から寝てるなんて、珍しー。。
* * *
夕方の散歩。
向かいのお宅のガレージの前で座ること数分。
私には暗くてなんにも見えないので、ボーッ待つ。
と、ガササササッ。
本当だ、猫がいる。
何をしているのだろうか、おしっこかな、と思った途端、コチカが躍り出た。
私の左手首にかけていたリードが強く引っ張られた。
いきなりのことで私は対応できず、
コチカは廻旋塔の鎖にぶらさがった子供みたいに振り回された。
ザザザッと爪がコンクリートに激しくこすれる音した。
コチカが地面に張りついたような格好をしている。
首吊り状態になったら、と思うとぞっとした。。
私が驚いている間に、猫はどこかへ行ったようだった。
* * * *
▲
3月9日(火)
夕方の散歩。
十字路のガレージ。
一人の男性が急ぎ足で歩いてきた。
警戒するコチカ。
身を低くして、動いていく足元を見つめる。
男性が十字路についた。
行ってしまうと思いきや、ぶつぶつ言い出した。
独り言である。
こ、恐い。。
花々がほころんできたし。もう春なのである。
さてどうしよう、と思っていると、買い物に行っていたらしい大家さんが歩いてきた。
一緒に帰ろう、と思い、コチカを抱き上げ歩き出した。
コチカは嫌がらない。
鍵をポケットから出すのに玄関のドアの前でもたついたが、コチカは逃げ出そうとしなかった。
やはり異様な雰囲気を感じ取っていたのだろうと思う。
* * * *
▲
3月10日(水)
はっ!とした感じで地面をくんくん嗅ぎ出し、
激しい調子で体を地面に擦り付け始めた。
のたうちまわるようにして、しばらくやめない。
こんなことも珍しい。
ここまで妙なる匂いとはいったい???
* * *
夜おしっこのたまり方が少なかった。
今日はお水を余り飲んでいないらしい。
ストレスがかかるときにはお水をいっぱい飲むが、
ということは今日は穏やかな日だったのかな。
* * *
寝そべっているコチカの手を見ると、
指の間から長い毛が伸びている。
よく見てみると、爪が短く折れたようになっていて、
爪の根元と新しい爪の間(?)に毛が挟まっていたのだ。
おととい(8日)コンクリートにこすりつけたときに短くなったのだろうか。
それにしても猫の爪っていったいどうなっているのだろうか。
爪を研ぐ際に、ぽこっと古い爪が剥がれ落ちるのは知っているが、
結局それ以外は知らないでいたのでした。。
* * * *
▲
居間でぐてぇっとしていたコチカが、 いきなり緊急体勢に入った様子で脚立に飛び乗り、 坂道をあがり天井のコーナーに上った。 天井に手を伸ばし引っかく。 すると、ごそごそごそ、と音がした。 ネズミである。 2月に区から薬が回されて近所中で駆除をしたのに(うちはしなかった)、 温かくなったので、また出てきたのか。 それにしても久々に天国への道を渡り、"神棚"に上がった。 鴨居渡しから下にいる人間を見下ろすコチカ。 思い出した?いい眺めでしょ。 |
* * * *
▲
3月12日(金)
朝のお散歩。
うぎゃ〜〜〜〜、と遠くから声が聞こえる。
向かいの家のガレージの向こうらしい。
コチカもそちらの方向を向いて耳をすましている。
やがて走り出した。
右手に行ったところのアパート。
するとアパートの塀にグレタに黄色いトラと白猫が向き合っていた。
まず黄色いトラがそうっと近づくと、グレタに牽制されたのだろう、
白猫の向こう側にいるグレタの姿は見えないが、トラが体を引いた。
白猫は様子を伺っているのか。
コチカが動いたときに、鈴の音が鳴った。
すると、3匹がこちらを振り返った。
コチカと私を凝視している。
残念!カメラを持ってきてない。。
と思っていると、アパートのひとつの窓が開いて、男性が顔を出した。
後頭部しか見えないが、あはっ、と笑ったのがわかった。
グレタのご主人である。
猫たちは彼に見つめられて、毒気を抜かれたようになったのだろう、
まずトラが塀を下り、白猫が下り、グレタもどこかへ行ってしまった。
グレタのご主人が振り返り、私に気付いた。
グレタちゃんモテモテですね、というと、そうですかぁ、と嬉しそうに言った。
白猫がときどき窓辺のそばで、セレナードならぬ雄たけびをあげているのを話すと、
え?ここでですか?と興味深そう。
地面に座って窓を見上げていたり、塀の上に座っていたりしてますよ。
自分があまり遊んであげられないから他の猫に遊んでもらってよかったな、なんて思って。
と彼。
避妊しているから大丈夫なんでしょ、と聞いたが、
生まれつき懐妊しない、とのこと。
へー
ならコチカと一緒だ。
去勢してないけど、マーキングできないし。。
でも女の子大好きなんですけどね、
と言ったら、あはは〜そうかそうか、と受けてくれた。
それにしてもあの白猫は、白黒トラも追いかけて、グレタにも手を出している。
欲深いやっちゃな。
* * * *
▲
3月13日(土)
遅い朝。
カラスの鳴き声がすごい。
恋の季節だからだろう。
ノラちゃんたちにご飯を配っているチェリーんちの奥さんが、
早く食べなさい、カラスに取られるから、とか言うのが聞こえてくる。
* * *
向かいのガレージの前から動かないコチカ。
いつも倍時間がかかったと夫が文句を言っている。
十字路の駐車場のところでも車に顔をこすりつけてねばったのだそうだ。
車など毎日洗うものではないから日ごとに汚くなっていく。
匂いをつけようとして、鼻水をつけて頬をこすりつけるから、
車を掃除しているようなものである。
ったく。
洗車しといてください、って書いておこうか。
でなければ、
掃除していいでしょうか、と書いて、お返事欄もつけておく。
面倒なので、
水を入れたバケツを持っていって洗ってやろうか。
スカート部分だけでいいのだから。
* * * *
▲
3月15日(月)
散歩の後、お天気がいいので玄関につないでおいて、なのにすっかり忘れていた。
仕事が一段落して、はっと気がついたら、部屋の中にコチカの気配がない。
家中探し回ったけれど、いない。
あっれー???
と玄関に出てみると、
玄関前の木かぶに繋いでおいたコチカは門の間を行ったり来たりしたのだろう、
リードが柵にぐるぐる巻きになっている。ごめんねえ。。
* * *
夜。外出先からの帰り道。
塀の間から白い猫の手がシュッ。
覗いてみると、例の白猫である。
こちらを見上げた顔が、暗がりの中で真っ黒な目がまん丸。
コチカにそっくりなので、つい名前を呼んでみると、
白くなめらかな毛並みの尻尾が、ゆっさ、と1回だけ横に振れた。
あ、やっぱり違う、と思っていると、
家と塀の狭い隙間からよっこらしょ、と上がってきて、
道に下り、反対側の大学の柵の隙間から入っていった。
よく汚れずにきれいでいるもの。
* * * *
▲
3月16日(火)
昨夜、珍しく人間と一緒に寝室に来て、
私がふとんを整えている間、毛づくろいをしていた。
人間がふとんに入ると同時にコチカも入ってきて、
私の左脇の下でもみもみをやり、丸く収まった。
話をしていた人間も言葉がだんだんしどろもどろになり、
やがてしーん、とした頃、
コチカが深いため息をついた。
ッテケテケテケテケテケテケテケ……
まるでエレキギターみたいで、思わず噴出してしまったが、
こんなの初めて聞いた。
* * *
朝、起きようと思っていると、コチカが寝返りを打った、と思ったら、
吐き気を催したように何度かしゃくりあげた。
そろそろ抜け毛の季節だし。
やだな。
* * *
朝の散歩
カラスの大群がケチャ音楽を演奏している。
一羽一羽の鳴き方が違うために、
一斉に鳴くと特殊な聞こえ方がする。
子供の頃、田舎でもこんなだったのだろうか。
もっとカアカアだけだったように思うが。
東京の、というか、現代のカラスは多言語なのだろうか。
それとも東京の空が狭いので、鳴き声もひしめき合うのだろうか……
* * *
ここ数日、ご飯の食べ方が少ない。
ちょこっとばっかさかりがきているのかな。
そういえばまた地面の匂いを嗅ぎ、
狂ったように体をこすりつけてたなあ。
* * * *
▲
3月17日(水)
暖かいが風が強く、コチカは外に行きたい、といわなかったので、
朝のお散歩は、なし。
それにしても汚い猫だこと。
いつお風呂に入れようか。
* * * *
▲
3月18日(木)
東京も今日は雨降り。
今もコチカは、うわ〜ん、お外〜と言いにきたが、
雨降ってるからダメ、と首を振ると、
ぅぉー(最後が力なく下がる)と言いつつ2階の窓辺に行き、
うわ〜んうわ〜ん、と鳴いている。
ご近所にアナウンスするよのやめて!
* * * *
▲
3月19日(金)
朝のお散歩。
十字路の角を東に入り歩いているところで、ゴミ収集車が来た。
あーよかった、作業の人々に顔を合わせずに済む、と思っていたら、
あ、ニャンコだ!と声がかかり、
おじさんかお兄さんか、塀の角っ子から、いないいないばー、を2度ほどやられた。
背を低くして警戒するコチカ。
3回目には私もイェーイ^^\と返さないといけないか、
とはらはらしていたが、2回で終わりだった。よかった。。
* * *
家の前の三叉路の角、チェリーちの植木…マーガレットみたいな菊の木に、
鼻をくっつけて丹念に丹念に匂いを嗅いでいる。
なかなか動かない。
そろそろ私がじれてきたところに、大家さんが出てきた。
ミイちゃんが、こっちを見るなー、こっち来るなー、と言いながら、
日なたにごろりと横になった。
大家さんは、コチカを放したらどうなる?やってみて、とけしかけるので、
しぶしぶミイちゃんの方に近づいたら、
遠慮会釈なしに近づいてくるコチカに、ミイちゃんは、は〜っっ、と威嚇した。
コチカは体をひきつつ片足をあげて、見ている。
私は大家さんを振り返り、この通り、というと、ふーん、という顔をした。
それでおしまい。まったく。。
* * * *
▲
3月20日(土)
雨の朝。
だまって寝ているコチカ。
雨上がりの夕方。
お外〜お外〜。。
道が濡れてるからだめ、とはなかなか通じない。
夜遅くになって抱っこしてお散歩。
寝る前にちょこっとPCチェック。
それとなく付き合うコチカ。
* * * *
▲
3月22日(月)
桜が咲きそうだったのに雪になりそうな雨。
調子狂うのよね。
お利口なうちの猫、コチカは散歩に行きたいといわない。
窓を開けてほしいともいわない。
ただ、じっと寝ている。
外に行かなかったためにスケジュールが狂い、
午前中におしっこさせるのを忘れていた。
夜になっておしっこしよう、と言いいつつ抱っこしようとすると、
コチカは体を自ら起こした。
いつもいやいやながら抱かれるにまかせているのだが、
今日は、おしっこしたい、と思ったのだろうか、自ら体を起こした。
こんなことは初めてである。
* * * *
▲
3月23日(火)
朝は雨。
お散歩に行きたいとも言わず。
夕方は待ちに待ったお散歩。
道路の端っこにはまだ湿ったところがあるけれど、まあしょうがない。
昨日もお散歩していないので、時間を大幅に割いて大サービス。
うちと十字路までの間を2回ほど往復した帰り、
隣の庭からアスカが、あー、と来たからもういけない。
顔を門の下に引っ込めたアスカを求めて、座り込むこと数十分。
もう行こうよ、と抱っこしようと手を伸ばすと手が来た反対側に体をかわすコチカ。
私は右手を出すからコチカは左へ左へ、と移動する。
でもコチカはアスカを求めているわけだから、
円を描くようにして、何度も同じ動きを繰り返している。
3回目くらいに、はっと気がついたが、客観的に見てみると、
相当におかしなことをしている、ということに思い当たった。
もうだめだ、とコチカを無理やり抱き上げて、うちの玄関に向かったけれど、
grrrrrr、ふー、grrrrrr、ふー、と落胆のため息を繰り返すコチカについ同情してしまい、
地面に下ろしたら、またアスカの元へと戻ってしまった。
で、また同じことの繰り返しである。
あーあ。
私はいったい何をやっているんだろう。。
とうとう家に連れ帰ると、コチカはカツオブシをねだるでもなくキャット・フードをパクついている。
カツオブシは?と聞いても知らん振り。
まるでやけ食いしているみたいに。
* * * *
▲
3月24日(水)
春休みの子供たち。
何してんの?と聞いたら、犬猫を探してんの、との答え。
じゃあ、植え込みの下とか家と家の間を探すといいよ、
と教えてやると、さっそく道路に寝転んで見ている。
ちょうど凪の時間帯だったのだろうか、いつも見る動物たちは皆無だった。
ところが、
子供たちがいなくなったと思ったら、
白猫、ニャオン、ペッタン、アスカが、あっちにこっちに、と姿を見せ始めた。
面白いものである。
もうすぐお昼だからなかな?
まるで森の動物か、古い家に棲む妖怪みたいに、
それとなく集まってきているのだ。
* * *
夕方。
またアスカ。
昨日のおさらい。。
おもわせぶりなアスカ
* * * *
▲
3月25日(木)
朝は雨のためお散歩なし。
夕方は道が濡れていたので抱っこしてお散歩。
チャコちゃんの奥さんとちょこっとおしゃべり。
チャコちゃんはもう12歳。
おばあちゃん(奥さんのお母さま)も心配だけどチャコも心配で……
と奥さん。
ぅえ〜ん。なんか悲しくなってしまう。。
* * *
夕飯時にテーブルの下、座っている私の足にもたれかかっている。
覗き込むと、伸ばしたままの腕を左手をグー、右手をパーにして、
上を見上げる。
テーブルの下なので薄暗く、まん丸お目々が真っ黒。
か、かわいい……とため息の出る飼い主でした。
* * * *
▲
3月26日(金)
道が濡れているので抱っこしてお散歩。
しかしまずい時間だった。
アスカにニャオンにタロウにペッタン、白猫まで勢ぞろいしていて、コチカはハッスル。
興奮して抱っこの領域から飛び出そうともがくもがく。
しかたがないので、なだめすかして家の中へ。
あーあ。入れられちゃった。。のコチカでした。
* * *
ソマリという猫を飼っている方からメイルをいただいた。
ペットショップで一目ぼれしたソマリを買うために猫貯金をし始めたが、
里親を探している人が結構多いことに驚き、同時に動物虐待の悲惨な実態も目にした。
お金を出して動物を飼うか、里親になるべきか、迷いも生じた。
でも結局は念願をかなえることにして、ソマリを買った。
そんな中でコチカのページを見つけ、感動した、とのメイルをくださったのだ。
動物を飼うのが好きでなかった私だがコチカを拾ってきて結局一緒に暮らしてきて思うことは、
動物に出会うというのも一種の運命であり、こうなることになっていたのだ、ということである。
結婚するのに、お見合いであったとしても恋愛であったとしても、結局は運命的な出会いによるもの、であるのだから、
動物をペットショップで買うにしても、そこらで拾うにしても、やはり同じことだと思うのです。
コチカが来てから、野良猫事情などを聞くことなどで、近所つきあいが親密になり、
奥さんたちに挨拶ができるかと思うと外へ出るのも楽しいし、
コチカと一緒にいることでより豊かな時間と空間を持てることに、感謝している。
コチカが障害を持っていなかったら、その美貌からとっくによそにもらわれていたかもしれないが、
障害を持っているがために、うちにいる。
逆に言えばうちにいるために障害を持っていたのかもしれない、のである。
今のこの状況がコチカにとってそう悪くないものであれば、
そこそこよい人に拾われて、幸運だったのかもしれないが、
動物好きの人々のいる近所があり、私の大家さんも理解のある方で、
飼い主に負担をかけないでいられる、というのは本当の幸運を背負った猫だといえるだろう。
その幸運は私たち人間にも与えられている。
言い換えれば、コチカは私に幸運を与えるためにやってきた。
しかし動物を飼うのが嫌いだった私のところにいつくためには、
障害を持ってなければならなかった……こと思うと、
私はなんとしてもコチカを幸福に保たないといけないのだ、という使命感にかられる。
* * * *
▲
3月27日(土)
朝寝坊の人間につきあって寝ているうちに、ウンチを2つほど。
お尻ぺんぺん!って人間が悪いンだけど。。
* * *
午後になってからお散歩。
暖かくなったものの杉花粉が少々飛んでいるらしく、マスクをしている夫。お気の毒〜
* * * *
▲
3月28日(日)
もう寒くはないので、寝室に入ってきてもふとんには入らない。
私の枕の横に敷いたコチカシーツの上に上手に座るのだが、
私の枕に顎と両手を乗せるので、ちょっとでも私が陣取るのが遅かったり、
枕の端っこに頭を乗せていたら、コチカに大幅に取られるので、
呼吸の差で負けないようにと、ついムキになる。
* * * *
▲
3月29日(月)
明け方ウンチ。
このところ毎日。
夜中に起きないで寝ていればウンチもないはずなのに。。
* * *
具合悪いのでご飯も定刻からずれて、お散歩も行けず。
ごめんねコチカ。。
* * * *
▲
3月30日(火)
夜、コチカは寝室に入ってくると、
まず、にゃ。。と声をかけ、
ふとんがいつもの匂いがするかどうかくんくん嗅ぎ、
それからそろそろとふとんの上にあがる。
もう暖かいので、ふとんの中に入ってくることはない。
私の枕に手をかけ、背中をまん丸にして座る。
すると私の顔の真横にコチカの鼻先がくる。
顔を横向けてコチカを見ると、近すぎて見えないくらいに至近距離。
コチカの下を見るために少々薄めになった目も私を見ているようだが、
その目には私はぼやけてよく見えないはず。
ここまで近いと、すーすーと頬が寒い。
寒いと言うと大げさに聞こえるけれど、10回も鼻息がかかってくると冷たく感じてくる。
コチカ、寒いよ、と言ってみるけれど、それはさすがに通じない。
では、仕返し、とばかりにコチカの方に顔を向け、
コチカの鼻先めがけて、私の鼻息をスースーと吹きかけてやる。
するとコチカはわずかに顔をそらす。
2cmくらい動いただけで、コチカの喉元が私の耳に近づくのだろうか、
今度は、グルグルグルグルとコチカの喉が鳴る音が地響きのように聞こえ、うるさい。
あーうるさいー、と思うのだけど、それも時間の問題である。
2、3分後にはコチカは私の枕から頭を落とし、体を丸めて深い眠りに入るのである。
* * * *
▲
3月31日(水)
暖かいのでゆっくりお散歩。
小さなワゴン車が来た。
コチカのリードを短く持って端に体を寄せて待つ。
変わった犬だねっ、と声をかけられた。
思わず、え?と振り返ると、
おじさんが、えっへっへ、と運転席から笑い顔を見せた。くぅ。。
* * *
もうそろそろ帰ろう、という頃、
近所の保育園のお散歩の集団がこちらへ歩いてきた。
や、やっばー。
何を言われるかわからない。
コチカ、もう帰ろ、カツオブシしよ、と言っている間にも、
あ、犬だ、違うよ、猫だよ、と利発そうな女の子がの声が聞こえ、
えー???と言うのと同時にバタバタバタと足音が聞こえてくる。
私は早々にコチカを抱き上げ、とはいえあわてたいのをこらえて、
ことさらゆっくりしながら玄関のドアを開けて入ると、
ほらー、と言っているのが背後から聞こえる。
よかったなんとか間に合った、とほっとする私。
大人には、この猫は障害があって、の次に、排泄が、と言っても通りがよく言いやすいのだが、
子供には、自分でオシッコとウンチができない、というのを説明するのがどうにも面倒に感じるのだ。
* * * *
▲