2005年1月

~~~ミルク色のコチカ~~~


奮闘記 -44-


人に頭をくっつけてると安心?



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1月1日(土)

あれよあれよと言うに間に年が明けてしまった。
気分はまだ去年の4月くらいだのに。

去年は最後の最後まで災害続きだった。
実は、1月に会おうという話のやりとりをしている私の友人から、
どことは言わずに、旅行に行ってくるので1週間くらい携帯繋がらないから、
とメイルが入っていた後、スマトラ沖地震があったので、
嫌な感じだと思っていたら、案の定行っていた。

でも無事で帰ってきた。
正に津波があったときには船上にいて(津波の上は最も安全なのだそうだ)、ピピ島に向かっていたが、
なぜかピピ島に上陸できないらしいので、プーケット島に戻ってきたら、
港とホテルが船で出発したときと一変していて仰天した、という。
日本人7人で乗船していて、7人とも無事。
あっと驚くラッキーの波に乗っていたのだろうが、
話が正反対だったら、と思うとぞっとする。

* * *

朝は晴れていたものの、霙が降りそうだったりした。
あまりに寒くて夕方の屋上の散歩はなし。
夜になって、抱っこして近所をうろり、としてみた。
つーんと新鮮な空気、漆黒の空に、満天の星。
今年はよい年になるのだろうか。




 *  *  *  * 

1月2日(日)


何曜日かわからないような休日の日々。
でも実は日曜。
お正月に日曜日なんて、なんだか損したみたいな。。

朝から暖か。
屋上をうろり。
うちより高い場所にあるお宅の庭先から誰かが見ている。
あれはあそこのあの人、と思われているのだろうが、
コチカまでは見えないだろうから、
家の屋上でコートを着てボーッと立って、何をしているのだろう、
と思われるのだろうな。
お辞儀をするにも遠すぎるくらいの距離。


* * *

夕方の屋上。
小鳥たちがねぐらへ戻る時刻なのだろう、
家の北側の山の笹薮や、そのほかの山でも、
ぎゃーぎゃー、ピーピー、大変な騒ぎである。

耳をぴーんと立てたまま、わずかずつ左右へ動かし、
あっけにとられている様子のコチカ。
背中を丸めて座ったまま、動かずじっとしている。

つるべ落としに陽は落ちて……
あっと言う間に暗くなってきた。
小鳥たちの喧騒が静まると、
コチカは私の顔を見上げては、何度も足に擦り寄ってくる。
コンクリートをくんくんと嗅いでは、
ごろんごろんしようと耳の辺りをつけようとして、やめる。
そして人の顔を見上げて、すりすりをするのだ。
どうしたのだろう。

ご飯?と言ってみると、さらに擦り寄ってきたので、
抱っこして中に入ったけれど、よかったのかしらん???

* * *

夜。
隣の犬も、山に向かってキューンキューンと切なげな声を上げているが、
コチカも家の中で落ちつかなげな声を上げている。
部屋の東の天井を見上げて、鳴くのだ。
なんだろう。。




 *  *  *  * 

1月3日(月)

帰京。
酔い止め飲ませる?とか話した後に、
コタツの中にいるコチカを覗くと、
雰囲気を察したのか怯えた顔でかしこまっている。
ひっつかまえてブシュッ、と一発。

フェリーで酔わず。

車に乗ると、すぐに助手席に来る。
1度ウンチ。

ドアに突っ張っている手をずらして、顔にすりすりする。嬉しい〜
コチカの好きなテノールの歌曲集をかける。

東名高速を降りると、そわそわしだして、声を上げる。
よくわかるねえ。
いつものことながら感心。。

帰宅。
ご飯よりも家中の点検。
ご飯よりもカツオブシよりもお外。
まだ残っている雪。




 *  *  *  * 

1月4日(火)

三が日が終わっただけなのに、もう仕事である。
あと4日も働かなくっちゃならないなんて信じられない!と言いつつ会社へ行く夫が、
靴を履いている間も、その足の間をまいまいして、外に行きたくて仕方がないコチカ。

夕べから落着かず、寝室で寝ている時間も短かったようだ。
朝になってもご飯がたくさん残っている。
寝食を忘れても世情の様子が気になるのだろうか。

* * *

朝の散歩もとても暖かく、のんびりできた。
帰ると、階段下の棚の上から庭を見ているので、
出汁用の厚削りのカツオブシを一枚ペラリとやったら、
パクついていたが、しばらくしたら、嘔吐しそうになった。

* * *

そういえば、こんなことがあった。
夢を見ていたらしいのだが、
親指に被せた帽子を取らなければならないのに、指を動かしたらいけない、という
大変もどかしい状況に、頭が痛いくらいにぎりぎりしてきて、気が確かになった。

そろそろと目を開き、指を動かさずに、左手の親指を見てみると、
なんと、親指の先がコチカの左の耳の中に突っ込まれていた。

コチカ、なんともないの?
爆睡しているのかもしれないが、
普通、夢うつつながらくすぐったいものなのではないか。

その反面、この私のカンの良さよ。
生きとし生けるものとして、まともすぎるくらいのカンではないか。
ね、そう思いません?




 *  *  *  * 

1月5日(水)

夜中。
何度目かのコチカの声にようやく気がついたのは、
頬に冷たいものが当たったからである。
声をかけても私が目覚めないので、手を頬にかけたのだ。
ピキッと冷たい1点に風が入り込んでいくような錯覚を覚えたくらい、
コチカの手は冷たかった。
そんなに冷やして大丈夫?

* * *

夕方。
ただいま、と帰ってきて、ドアを開けると、
なんと、入り口に向かってお尻を突き出し、伸びをしているところだった。
私はコチカの真っ黒な目が出迎えてくれることを期待したのに、
ケッコウなご挨拶だこと。。




 *  *  *  * 

1月6日(木)

とっても寒い朝。
外へ行きたいとも言わずに寝ていたコチカ。
午後に私がバタバタしていると、のっそり起きてきて、
らん!とした目で玄関に座り、人の顔を見上げていたが、
期待には副えない。

そのうちに雨が降ってきた。
霙になりそうな雨である。
降り続いたわけではないが、夕方には路面が濡れていた。

しかたなく抱っこして散歩。
下に下りたいコチカは、私の体から剥がれようとした。
その手が頬に当たり、少々爪が当たった。あ痛ぁー

ちょっとゆっくり目に、
十字路に行ったり家の前を通りすぎたりするのだけれど、とにかく寒い。冷たい。
早く家に戻りたい、という人間の気持ちをよそに、
コチカは、あっちへ行きたい、下に下りる〜、うぉぉぉぉ、ともがくもがく。
こうなるともう収拾がつかないので、強制的に家に入る。
普通に抱っこしているのでは、
ひょっと爪が当たったときに怪我をしそうで危ないので、
脇の下に腕を回し、だらりとした格好で門の中を開ける。
通りを行く人が横目で見ていく。
うぉぉぉぉ、ふーっっっ、とえらい鼻息のコチカ。

それでも台所に入ってくると、カツオブシ…とすりすりしにきた。
ち、カツオブシでももらってやるぜ……
という態度だったけれど。




 *  *  *  * 



1月7日(金)

十字路にあるアスカがお世話になっているお宅に、
庭師さんの車が止まっていて、
コチカはその車が気になって仕方がない。
時間をかけて、匂いを嗅ぎまくり、
何度も何度も鼻をこすりつける。

前脚をかけ、伸び上がり、
力を込めてこすり付けるので、
車のボディーの表面で皮膚が引きつれて、
唇がめくれ上り、奥歯まで見えている。
すっごい形相。
カメラを持ってなくて、残念!

* * *

冬になってから、食べる量が増え、体重も増えたが、
このところまた落着いてきている。
もう冬に備えて必要な肉と脂肪をつけたのだろうか。
あるいは、冬毛になるだけでも、食べる量が増えるのだろうか。
首輪が若干きつくなってきたので、心配していたが、よかったよかった。


日なたで気持ちよさそうなニャオン


 *  *  *  * 

1月8日(土)

夜中に入って来たコチカ。
ふとんを開けてほしくて、
何度呼んでも私が目を覚まさなかったのだろうか。
頬を触ってみたその手の爪が長すぎたらしい。
痛っ、と思って目を覚ましたのだが、
朝になって鏡を見てみたら、うっすらと傷がついていた。
ちょっとコチカ、気をつけてよ。




 *  *  *  * 

1月9日(日)

朝目覚めたら、コチカは私の枕に両手を顎を乗せ、
ちんまり丸まって寝ていた。
コチカシーツもまっすぐなまま。
お利口コチカ。

* * *

すばらしくきれいなお天気なので、
人間二人は樹林公園にウォーキングに出かけた。

公園には、1歳にならないくらいのコチカにそっくりの白い猫が、
トラ猫の母親らしい猫に寄り添って座っていた。
警戒した目で人間を見るので、遠巻きに見るだけだったが、

チェリーんちのトラちゃんみたいな白黒のトラ猫の母親から、
あんな真っ白な猫が生まれるのだろうか。
コチカの親はどんなだったろう、と再び思う。




 *  *  *  * 

1月10日(月)

朝から夫婦して出かけて、夕方夫だけが先に帰ったら、
コチカは猛っていて、ご飯もすぐ食べ始めなかったという。
朝、ばたばたしていて、おしっこさせるのも忘れたので、
空腹感がなかったのかしら。

私が帰宅する頃に、再び外出した夫と一緒に玄関に立つと、
あれ、誰が帰ってきたの?という顔をしていた。
それからは全く通常通り。
私にさんざんすりすりして、ご飯を食べ、居間のいつもの場所でよしよししてもらい、散歩に出た。

* * *

新月な上に雲ひとつなく、冬の星座が派手に夜空を飾る今日、
マックホルツ彗星が見えないか、と夫と空を見上げていると、

チェリーんちの奥さんがトラちゃんを探しに外に出てきた。
話している間中、トラちゃんは足元にすりすりしたり、
地面にゴロンゴロンしたりして、一緒にいた。
尻尾がすごく長く、毛並みがつやつやしていて、
野生味を帯びた感じで、かっこいい。

ときどきコチカとやりあったりしている。
体の大きなコチカと比べると、まだまだ小さいが、
もう大人の域に入ってきたような。
そろそろ去勢しなくちゃ、と奥さんが言っていた。




 *  *  *  * 

1月11日(火)

なんか書くことがあったのに、忘れちゃった〜〜〜




 *  *  *  * 

1月12日(水)

コチカが寝そべっていた場所に、
毛が玉になって残るようになってきた。
もう抜け毛の季節である。

ご飯を少々残すようになってきて、
もうすっかり冬毛のしたくも、冬脂肪(?)のしたくも整った、
ということなのだろうか。

動物は偉い、と思う。
動物は、というか、自然はうまくできている、ということなのだろうけれど、
備えが不十分であるときには、
必要な食べ物をきちんと摂取して、
ある程度賄えた、となると、それ以上を望まず、やめる。

人間だったら、本能とは別の欲望、というのがあるので、
体の健康は保たれているのに、必要以上に食べたいものを食べてしまう。
それだから、思いのほか太ってしまったりする。
猫を見習わねば、とときどき思うのだけど、思うだけ^^;




 *  *  *  * 

1月13日(木)

朝、起きてきたら、にゃーにゃー鳴き声を上げてうろうろしていたコチカは、
階段下の隅っこでウンチングスタイルをしているではないか!
な、なんで?
コチカ、そんなところに…と抱き上げようとしたが、
体全体が、もちっ、と固くなっている。

猫は、排泄のとき、かくも体をトイレスタイルに固めるものなのか???
不思議に思っていると、やおら立ち上がり、座っていた場所よりも、
少々離れたところの臭いをくんくん嗅いで、掻いている。
居間に戻ってきたので、お尻を確かめてみると、
ウンチがあったので、させた。
単にウンチしたかったってこと?

うちは掃除がしやすいように、猫砂を少なめにしている。
枯葉が溜まっているところだと、わさわさと掻くわけだから、
こういうときのために、猫砂をたっぷり入れておくことにしよう。

* * *

散歩の途中で、リードをつけてない黒っぽい中型犬が姿を見せた。
その犬は、コチカをちらちら見ながら、道路をジグザグにやってくる。
コチカは身を低くして警戒している。
やがて、コチカはうちに向かって歩き出したが、とさかが半分立っていて、
相当に緊張しているのが見て取れる。

犬はコチカを追い越し、チェルーんちのガレージに隠れた。
コチカは犬が様子を伺っているのがわかるのか、
そろそろと近づいていく。
駐車場を覗いてみると、
犬は、止まっている車の反対側に行ったのか、姿が見えない。
車をやり過ごすと、いた。
道路へ出て、大きく弧を描くようにして、コチカを見ている。

コチカは、うぅ〜〜〜〜、と言い出した。
私はコチカを抱き上げ、とっとと家に入ってきた。

黒い犬は中型犬だし、そばに寄ってきたら、私もちょっと恐い。
犬は当然チェリーに興味があるのだと思うが、
コチカにも近づいてきて、挨拶くらいはしたい様子に見えた。
それにしても、
コチカはどうしてあんなにすごい剣幕で怒るのだろう。
どの猫に対するよりも、チェリーやマー君に対するよりも、怒るのである。
よそ者は許さん!というところだろうか。




 *  *  *  * 

1月14日(金)

散歩から帰ってくると、カツオブシをやることにしているが、
それを喜ばなくなってきた。

コチカにとっては、まだまだ途中の散歩の最中に、
カツオブシカツオブシ、と中断させられるのが腹立たしいのだろう。
甘い気な言葉を使って、
自分を家に連れ戻そう、という手口に辟易しているというか。

散歩から帰ってきても、以前のようにカツオブシを待たずに、
お皿に残っていた昨日のご飯にむしゃぶりつき、
コチカ、カツオブシ…と買いたての上等のカツオブシを見せても、
ふん、と知らんふりして残りのご飯にがっついているのである。

その憎たらしい態度よ。
そんなもん、食べてやるものか、と言っているように見える。
そのくせ、お皿の中に入れてやると、
食べる勢いで吹っ飛ばしてしまったカツオブシを、
ちゃんと拾ってバリバリ言わせて食べるくせに。

コチカの散歩も、だんだん時間が長くなってきて、
人間と折り合いがつきにくくなってきた。
最近は時間切れのことが多く、
カツオブシしよー、ご飯しよー、
などと唱えてその気にさせることが難しくなってきていて、
しかたなく、抱っこして強制送還の運びとなるのだが、
コチカはそれがおおいに不満なのだろう。
でもだったら、どうすればいいのか。
コチカの思う通り、外にいてやったら、
さらに時間は延びていくに違いないのだから。


トイレスタイルを触発されるらしい枯葉溜まり


 *  *  *  * 

1月15日(土)

人間が起きて間もなくすると、コチカは下に下りて来た。
私が起きるときにかけてやった、コチカシーツを背中に被ったままで。
今日は霙のような雨が降っていて冷たい。
人間は外出もせずDVDを観ている人間のそばでひたすら寝ている。
お茶を用意したりして、物音がするとコチカは目を覚ます。
そして立て続けに欠伸を繰り返す。
私が眺めている間だけで3回ほども。
バカになりそうだけど、大丈夫?




 *  *  *  * 

1月16日(日)

夜明け頃。
ふにゃ〜にゃ〜、と戸口のところで声を上げている。
呼び寄せてお尻を確かめるがウンチでもない。
布団と上げると、ちょっと前脚を入れてみたものの、
ぴょん、と出ていってしまった。
そして再び戸口のそばで、
ふにゃ〜にゃ〜ひゃ〜、と力の抜けた声で鳴いている。
さてはご飯だな、と思い、
しぶしぶ下まで行ってみると、案の定、ご飯がない。
最近は少々食べる量が減ってきたので、
少なめにしていたら、少なすぎたらしい。
おなかがすいた〜ご飯ちょーだいー、と言うのに、
人間二人が寝ている雰囲気がそうさせるのか、
強く言うのではなく、へなへなした声で遠慮がちに呼びかけていたのだ。

* * *

夫と夜の9時ごろ、駅からの帰り道。
暗闇をさっと何かが通り過ぎた、と思ったら、
車庫のセンサーライトがパッとついた。
見ると、トラちゃんが長い尻尾をピーンと振り上げて、走り回っている。
その家は、うちの前の通りの裏側に当たる。
トラちゃんはこんなに遠くに来るようになったのだ。

私たちが路地を抜け、うちの前の通りに出ると、
トラちゃんも家と家の間を抜け、難なく自分の家に辿り着いた。
急いでいるのは、やはりまだ恐いからだろう。
あんなにすばしっこくちょこまかしているのでは、交通事故が心配。




 *  *  *  * 

1月17日(月)

夜、寒いだろうに廊下の縁側に座って、
なにやらひゃーひゃー言っている。
夫が、あの切なそうな鳴き方は、アスカでもいるんじゃないか、
というけれど、これほど寒い中に老猫アスカがじっといるわけはないんじゃない?
ではなんだろう。
発情かなあ。
昨日あたりから気付いたのだが、
マーキング(する振り)の回数がかなり増えているようにも思うし。




 *  *  *  * 

1月18日(火)

嫌な季節が近づいてきた。
見かけない猫たちが出張してきて、あたりをうろつくのである。
発情である。

ミルキーみたいに、年がら年中鳴き声を上げているのは、
もう気の毒としかいいようがなくて、去勢してあげればいいのに、
と思ってしまうが、
ああやって、よその陣地に出かけていけば、
まだ雌猫がいるのだろうか。




 *  *  *  * 

1月19日(水)

夜中に何度も起こしに来る。
ご飯を残している。
おしっこの臭いが強烈。

* * *

夕のお散歩で枯葉を掻き、座る。




 *  *  *  * 

1月21日(金)

昨日といい今日といい、
コチカの足を何度も踏んづけてしまった。
こんなことも滅多にない。

1度はトイレを捨てに行った帰り、
階段の柱の下で爪を研ごうとしに来たコチカに気がつかずに、
足を踏んでしまった。

その後の何回かは、私の至近距離にいるから。
前からこんなにしょっちゅう私のそばにいたかなあ。。

* * *

朝の散歩。
とってもよい天気。
こんな日は太陽に背を向けていると、とても気持ちいい。
2軒隣の家の南天の下で匂いを嗅いで嗅いで嗅いで嗅いで……
二人のおばあさんと立ち話で、時間切れ。




 *  *  *  * 



1月22日(土)

コチカがべちゃー、としているので、チェリーもべちゃー
 コチカがべちゃーとしているのでチェリーもべちゃー
買い物から帰ってきた奥さんとチェリーと会った。
いつも門に結わえられているので、自由に動けず、
コチカが来るのをじっと待っているのと違って、
喜び勇んでコチカに向かってきた。
その様子が可愛くて、カメラを向け、シャッターを切った。

コチカはというと、
勢いのついたチェリーに恐れをなして、
べちゃー、と身を低くし、コンクリートと同じ高さになっている。
そしていよいよ、くんくん、とチェリーの鼻先が寄ってくると、
勇気を振り絞って立ち上がり、背を丸めてとさかを立てて、フーッ!!!
チェリーもたじたじとなり、
これをもって、ッチャンチャン、である。





 *  *  *  * 

1月24日(月)

朝、散歩に出ようと一旦は外に出たが、
鍵を忘れたので、コチカに門に結わえておいて、
中に入り、再び出てくると、ミルキーがいた。
コチカは門の柵の間から外に出て、様子を伺っている。
ミルキーは、どうゆうつもりか、
悠々とした態度で、大家さんに玄関先に置かれた鉢植えの匂いなぞを嗅いでいる。

名前を呼びながら近づいてもミルキーは逃げない。
ちょこっと触ってやった。
体のあちこちに、皮膚に塗った薬なのだろう、黄色く染まった後がある。
どれだけ怪我をしても、懲りないのだな。

* * *

夜のお散歩。
十字路を東に曲がった路地で、コンクリートに固めた庭のお宅で、ごろごろ。
5回くらい、ごろんごろんした。
駐車場の次に、お気に入りの場所のようだ。
猫がごろんごろんと、地面に転がるのは、どういう意味があるのだろう。

駐車場に行ってみると、
ぅあ〜、と懐かしい声。
コチカは一目散に声の方向に走り出した。
塀の上にアスカ。
お尻を上げて、あ〜、と繰り返しながら、
そばの木の枝に頭の天辺をこすり付けたりして、うろうろしている。

地面にじっと座って動かないコチカを尻目にアスカを撫ぜてやると、
コチカは、ぅあ〜!と抗議するように鳴いた。

コチカを抱っこして、アスカに近づけてやると、
アスカは正座をしたまま、お饅頭みたいな顔で、じーっと見ている。
アスカのお饅頭顔を見ていると、なぜか秋の月を思い出す。




 *  *  *  * 

1月26日(水)

雨戸を開けても外は薄ぼんやりと暗い朝。
霙交じりの雨が降っている。
道理で…コチカは人間が起きだしても寝こけている。
結局、私が外出するのに寝室に着替えを取りに行っても、
同じ格好で寝ていた。
寝ぼすけ猫よ。。




 *  *  *  * 

1月28日(金)

階段下の棚の上に座って外を見ていたコチカは、
私が玄関から歩いてくると、背中を丸めてくるりと方向を変え、私を見た。

ちゃちゃ〜(最近私はこう呼ぶ)、と言いながら通りすぎようとしたとき、発見してしまった2個のウンチ!
あー、と言いつつティッシュを取ってすばやく戻ると、
コチカはしまった、と逃げようとしたが、私が手で制する方が速かった。
だめじゃん、ちゃちゃ、こらー、と言いながら顔を寄せていき、
ウンチって言うんでしょー、と抱きついて繰り返し言ってやった。
コチカは人間のこの遣り種(?)に辟易して体を引き、
窓の敷居へお尻を落としている。

……てなことがあった後の夕食時。
食卓の準備も整い、最後のお皿を持って居間に入っていくと、
私が座る場所に、どーんとばかりにコチカが平べったく座っている。
コチカどいてよ、と言おうとした瞬間、っにゃ〜〜〜〜っ!と、だみ声を張り上げた。
ウンチである。
普段、ウンチの申告の声はもっと訴えるようだったり、弱々しかったりするのに。
言ってやったぜよ、どうだい、と言ったみたいに聞こえた。
そんな思考ってあるのか猫に。本当か???


にへら〜


 *  *  *  * 

1月30日(日)

夜明けごろ、うにゃ〜、と起こしに来た。
ウンチかと思い確かめてみるがそうでもない。
ご飯がなくなってしまったのか、と下に行ってみるが、
まだ全部食べ切ってもいない。

私がトイレに行くと、
コチカは嬉々としてついてきて、
玄関の三和土に下り、ドアの隙間から外に匂いを嗅ぎ、こちらを振り返る。
外に行きたいのだ。
当然、ダメダメ、だめよー。
と二階に戻り、眠りに着くと、またやってくる。
にゃ〜と言いながら人の顔を眺め、ふとんの中を見る目つきをするので、
ふとんを上げてやると、ちょっと入ってみるが、すぐ出て行く。
そんな風にして10時ごろまでに7、8回起こしに来た。
とんだ迷惑である。

*

起きてから夫が散歩に連れていったが、
戻ってくる際に、玄関前の草を丹念に丹念に匂いをかいでいる。
何なのだ?

*

夜になって、スーパー銭湯に行った。
帰ってくると、たいていコチカは玄関に迎えに出ていて、
夫が車を入れて出てくるまでの間、私はコチカを抱っこして、ちょっと散歩に出る。
コチカはそれを楽しみにしているのだ。
なのに、今夜は出てこなかった。
居間に行ってみると、テーブル下の隅っこで丸くなって寝こけていた。
夜中に寝ていなかったのなら、眠いはずではある。
夜中にいったい何があったのだろう。




 *  *  *  * 

1月31日(月)

どうしてこう、外に出たがるのだろう。
昨夜ほどではないが、今日もまた夜中に何度も起こしに来た。

朝の散歩の後も、しつこく玄関に私を呼ぶし、
私が出かけるときには、玄関までついてきて、
ドアを閉め際にコチカを見ると、
ち、という感じで、目を閉じ、私の顔を見なかった。
頭に来ているのだろう。

ここまでしくこく出たがることも、季節的なものだと思うので、
連れていってやってもいいとさえ思ってしまっているが、
都合のいいことは癖になるに決まっているので、心を鬼にしてやめておく。

え〜〜〜!!!
今日で1月終わりぃ???

43 ⇔ 45