11月・12月・1月

~~~ミルク色のコチカ~~~

奮闘記 -79-

2007年12月



懐かしい縁側


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12/3木の実の楽器の記憶 12/20お風呂には窓が・・

12月1日(土)

コチカは大分新しい空間にも慣れたらしく、
夫曰く、ウ○チが元に戻ってきたぞ。
おしっこも少なかったり、そうすると臭いがきつくて、
心配になったりしたが、とりあえずは大丈夫そう。
よかったよかった^o^/

相変わらず窓のそばへ行っては、
サッシの隙間から入り込んでくる外の空気を嗅ぎ、
ぅお〜、と歩き回っているが、
それでも押入れやリビングの床の上など、
居場所を見つけて、なんとか馴染んでいこうとがんばっている。



 *  *  *  * 


12月2日(土)

朝のおしっこが終わり、
私の足元で寝ていたと思ったら、
突然体を起こし、2、3度しゃくりあげて嘔吐した。
胃液だった。
ストレス?



 *  *  *  * 


12月3日(月)

<木の実の楽器の記憶>

ゴルフボールくらいの丸い2つの木の実を15cmくらいのひもで繋げた、
アフリカかどこかの民族楽器を手にして遊んでいたら、
じっと見ていたコチカが膝に乗り出すようにして、匂いを嗅ぎにきた。
嗅いだ瞬間に、ぅあぉ〜〜〜〜〜〜〜!
と悲鳴のような大声を出した。
それからちょっとの間ぼんやり座っていたコチカは、
ぅお〜ぅお〜、と言ってうろうろ歩き始めた。

この楽器は、前の家の階段下の手すりに引っ掛けてあって、
ときどき私は掃除の合間などに、奏んで(あそんで)いたものである。
そこは爪とぎ用に切り売りのカーペットが巻きつけた柱があり、
コチカはそこを上っていき、棚の上に飛び移っていた場所でもある。
私は外を眺めるコチカの丸い背中を見ながら、カチカチ遊んでいたのだ。
この木の実の楽器には、そのあたりの空気が十分沁み込んでいて、
匂いを嗅いだ瞬間、あの窓の辺りの記憶が一気に甦ったのかもしれない。


階段下の棚の上


 *  *  *  * 


12月4日(火)

前の家ではコチカトイレを日中は人間のトイレの中に置いてあったが、
今の家では置くスペースがないので、
ドーム型の蓋というかフードをして、台所の脇に置いている。
コチカはときどきフードの中に入っていって、砂を掻いている。
そして出てくるときがケッサクなのだ。
コチカは何度も何度も自在に動く開閉式ドアを引っかく。
コチカとしては、
前の家の居間と台所を仕切るカーテンのように、
あるいは人間のトイレのドアを開けるように、
手前に持ってきたいらしいのだが、そうはいかないのだ。
そうはいかないけれど、素直に押せば簡単に開くのに。
たららっ、たららっ、たららっ、たららっ、たららっ♪、
とやけに調子のいい音を聞いていると、
不透明のフードの中でムキになっているコチカが想像されて噴出してしまう。
コチカ、バカじゃない?
早く学習しなよ。



 *  *  *  * 


12月6日(木)

昨日はまたコチカに頼まれごとをされた。
ゃう〜、と低く鳴きながら、私の足元に正座をしている。
正座なのだけれど、なんとなく背を低くしている。
奇妙なな、と思って見ていると、ときどき視線を左右に流し、
どこかをポイントで見ているようだ。
なんとなく後ろを振り返ると、
あー!
ウ○チがあっちとこっちにころがっている。
そういえば、コチカはよく私の座る籐椅子の背後で寝そべっていることがある。
そこへ行きたいのだけど、ウ○チがあるので、取って〜、って言ってんのね。
だったらその前に申告してよ。



 *  *  *  * 


12月8日(土)

ちゃちゃ〜、おしっこしよ〜、と夫が声をかけると、
ちゃちゃ〜、の時点で耳がピーンと立ち、
それからこそこそこそ、と私の籐椅子の後ろに回って、
べちゃー、と平べったくなる。
こうすれば逃れられると思うのだろうか。
おしっこはしないといけない、ということはわかっているのに、
なぜかいつも形ばかりの抵抗をする。
ヒラメみたいなお尻をして、
おなかに吸盤があったら、さぞかし安心だろうにねえ(笑)。



 *  *  *  * 


12月9日(日)

今年最後のご挨拶に、前住んでいた通りに行ってきた。
チェリーんちをピンポンしたらお留守で、
庭から奥さんの代わりにチェリーがウォンウォン返事をした。

駐車場の十字路まで行ってみると、
クロキがひょろひょろ歩いていて、
声をかけたら、胡散臭そうに寄ってきた。
手を出さずに、おいで〜、よしよしされにおいで〜、というと、
注意深くすねに向かって寄ってきて、すりすりの、すっ、くらいはしてくれた。
久々のご挨拶である。
懐かしいなあ、この感じ。
改めて通りを眺めたら、ため息が出た。

今のこのマンションは、とっても静かで暖かい。
それはいいのだけれど、まるで生活感がない。

前の家なら、朝の8時も過ぎたら、
筋向いの男の子たちが大騒ぎをしながら学校に出かけていき、
後に残された3歳くらいの三男が兄たちの名前を立て続けにいいながら、
母親に何か尋ねるのに、あまりに高い声なので、
腰に手を置いて子供を見下ろしているだろう母親のため息が聞えて。

そうこうしているうちにチェリーんちの玄関がきぃ〜、と開いて、
コチカの耳がピクリと動き、あ、チェリーが出てくるぞ、と思うらしい。
チェリーんちの奥さんがどうするの、ここにいるの?とチェリーに聞き、
花に水をやろうとする奥さんのつっかけの音が足早に聞える。
近所のネコたちがご飯をもらえると思って、わらわら寄ってきているだろう。

向かいの兄ちゃんが出てきて・・きっと顔を洗うか洗わないかくらいの眠そうな顔で、・・
駐車場のフェンスを開け、新しくした車のエンジンをかけ、
道路に出ると、車を降りずにフェンスを閉めるために、
一旦バックしてそれからすごい勢いでフェンスを閉め、
ぶRォォォォ〜っと出て行く。

人々の生活パターンとともに時間が過ぎていき、
その中で私も洗濯をしたり干したり、していたのだ。

ところが新しい住処では、
隣の人が本当に住んでいるのかどうかさえわからない。
二人の小学生のお嬢さんがいるのに、さっぱりその気配もない。
住民の1割は動物を飼っているのだそうだけれど、
エレベーターで見かけるくらいで、声なんてまったく聞えない。
まるで離れ小島にいるようで、
騒音が苦手で無音の状態が好きな私だけれど、
さすがに寂しくなってしまった。
人や動物の気配が恋しい。
やっぱり地べたがいいな。
そうだよね。
ざみじいね゛ぇ。。
ね、ちゃーちゃ、今夜は飲み明かそうか。



 *  *  *  * 


12月12日(水)

床で寝そべるコチカの耳がピーンとなっているので、
どうしたのだろうと思ったら、
テレビから「千の風になって」が流れていて、
どうやらそれを聴いているらしかった。
あの有名な男性の歌う歌である。
そして歌が終わると、
そのタイミングできっちり立ち上がってご飯を食べにいった。
どうだった、今のすてきだった?



 *  *  *  * 


12月13日(木)

おいしいおミカンがあるというので、送ってもらった。
段ボールのふたを開けていると、コチカがやってきた。
彼はまっすぐに私の籐椅子の下に来るつもりらしかったのだけれど、
ん?と開いた箱の蓋部分で立ち止まった。
くんくん匂いを嗅ぐ。
念入りに念入りに。
そして鼻を離すと、わずかに周囲を見渡すようにしてから、私の顔を見た。
そのコチカのまぬけな表情^^\
目が点になっている。

思わず噴出してしまったが、
みかんを送ってくれた人は、猫を飼っているので、
きっとその匂いがついていたのだろう。
あれ〜こんなところに猫の匂いが・・
でもどこにもいないのに・・
と不思議に思ったコチカはわかっちゃいるけど思わず周りを見渡し、
なんで?という視線を私にやったのだろう。

またしばらく匂いを嗅いでみていたが、
そのうちにどうでもよくなったらしく、
私の足元に来て、寝転んだ。

猫はしばしば口を開いて匂いを嗅ぐことってあるけれど、
今回はそれはしなかった。
なんでも口の中にも特殊な臭腺があって、
鼻でもそこでも匂いを嗅ぐのだそうだけれど、
鼻と口の中を使い分けるその理由(?)というかは、いったいなんなのでしょうねえ。



 *  *  *  * 


12月15日(土)

コチカは大分新しい空間と生活に慣れたようで、
まだ日に2回は、窓を巡回ししては・・と言ってもコチカが行ける窓は二箇所しかない・・
ぅわぉ〜ぅわぉ〜と鳴き続けれるが、その程度で、
夜中も寝室に来て、今まで同様、私の枕の横で丸くなっている。
コチカが落ち着いていると、人間も落ち着ける。

キャット・タワーも組んではあるが、
まだまわりがごちゃごちゃしているせいもあって、
気づかないのか、
上ると人間が大声を出すと思うのか・・
前の家では柱に爪とぎが設置してあったので、
新しい家でも、壁の端などがあると、つい爪を砥いでしまい、
そのいちいちで、人間が悲鳴を上げるから・・もうあちこちに無残な爪あとが(涙)・・
コチカは警戒しているらしく、キャット・タワーにも上ろうとしない。

ただ、この設置の仕方に問題があって、
今のままだとあつらえたばかりのお気に入りのカーテンに飛びつかれる恐れがあるので、
コチカに気づかれないでいる方がいいのだけれど。。

とにかく、
コチカの大好きな高いところに上ることもなく、慣れていっているので、
いざ荷物がどいてキャット・タワーに上れるようになった日には、
コチカには新鮮に感じられることだろう。

何事もよいようになっていってるのさ^^\・・と思うしかない。。



 *  *  *  * 


12月16日(日)

初めて外に行った。
行方不明だったリードがようやく見つかったのである。
夫が、コチカ、外行くぞ〜、と声をかけると、
寝そべっていたコチカは、ほんと?という顔をして後をついていった。

割合早く帰ってきた。
真っ黒い足をして、私にすりすりを何度もして、
ばったり腰を落として寝てしまった。

夫によると、
ゴミが風にあおられて、カラカラカラカラと音を立てるだけで、
びくびくして散歩を楽しむどころではなく、早々に帰ってきたらしい。
猫って馴染んだ居所と切り離された新しい場所は怖いのよね。

前の家の道を始めて歩いた頃もそうだった。
人も車もいっぱい通るし、まだ馴染みない動物がウォンウォン吼えるし→('03年5月25日)
でも数ヶ月もするとすっかり慣れた。
今度だってすぐ慣れるよね。



 *  *  *  * 


12月18日(火)

こないだ散歩に行ったときのようやく写真がアップできた。
あれからまた1週間後にお散歩のチャンスがくるわけだけど、
またこんな顔して行ってくるのかなあ。


さてそっちは安全かな。。

匍匐前進にてそろりそろり




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12月20日(木)

<お風呂には窓が・・>

なんで洗面所のドア(引き戸)を開けようとして引っかくのか。
洗面所の向こうのにはお風呂があって、
前の家と同じ石鹸の匂いがするのである。
だから窓があると期待する。

洗面所のドアの隙間からは懐かしい石鹸の匂いが。
窓の外が見たい。
窓はきっとある。。
だからドアをが開けようとがんばる。
あまりにしつこいので業を煮やした飼い主が開ける。
期待に胸を膨らまして入っていくけれど、
でも中は窓もなく真っ暗。
しばし呆然と座るコチカ。
もうね、不憫なのですよ〜




 *  *  *  * 


12月22日(土)

コチカはトイレの左脇の壁、押入れの左脇の壁で、爪を砥ごうとする。
前の家での同じ場所である。
今の家に馴染んでいくうち、前の家とのいくつかの共通点を見出し、
そこで前の通りの行動をやるのだ。
当たり前だといえばそうなのだけど・・・
いちいち大声を出してしまう人間なのである。
それもまた当たり前だと思う。
だって真新しいクロスなんだもん。
もうあちこちきずきずなのですよぉ(涙)。。




 *  *  *  * 


12月25日(火)

テーブルに座る人が立ち上がるときに、
ちょうど足を踏ん張る位置に寝そべるのであるコチカは。
すっかりくつろいで床のナマコと化しているネコを、
踏んづけないように人間が気をつけているから、
まったく問題はないのだ、と思っているだろうコチカの安心感が憎たらしい。
人が座る気配があると、まずその場所を陣取る。
コチカね、そばにいてくれるのは嬉しいけれど、
もうちょっと、ちょっとでいいから、違うところにいてよ。。


耳のある白いナマコ


 *  *  *  * 


12月28日(金)

荷物の整理にほとほと疲れている私たちを救うべく上京してきた母が・・じゃなくって、
私たちの新居を興味津々で見に来た母が、
今だに荷物を片付けきれないままぐったりしている私たちを見るに見かねて、
台所だけはなんとかしようと、なぜか張り切ってくれている。
大変にありがたいのだけれど、張り切っているものだから、
調子が良すぎて動きが早い。
バタンバタンと開きなどを開けたり閉めたり、
がちゃがちゃぱちゃん、と食器の触れ合う音が派手に聞える。
そういえば実家にいてもこんなだな、
と思いながら、ものが片付いていく様子を耳で伺っていると、
コチカが神妙な顔をして私の前にネコの正座をして、
ぁあ〜、という。
なんだろうと思っていると、激しい音のする台所の方を見て、
ぁあ、ぁあ〜
うるさいのでどうにかして〜、と言いたいらしい。
そんなこと言っちゃだめ、私のお母さんが片付けてくれてるんだから、
と諭すようにようにいうと、
理解できているとは思わないけれど、
目をゆっくり細めて横を向き、しばらく座ったままでいて、
また耳をつんざくバタンバタンがちゃがちゃに、ぁあ〜、と声を上げる。

昨日など、お昼ごろまでウォークインクローゼットから出てこなかった。
冷たい床にかっちり長くなったまま、呼んでも出てこないのである。
あまりに気の毒なのでムートンの座布団を置いてやったら、
やはり居間に行った方が暖かいし、と思ったかどうか、
ぅお〜、と文句を言いながら入ってきた。

今日は、そんな狭く寒いところに篭ったりはしてなかったが、
相当にうんざりきているようである。
せっかく新しい場所に慣れたのに、今度は騒音である。
コチカね、お正月が終わるまでの辛抱だから。
私のお母さんなんだから。
ね。
ごめんだけど、我慢してて。
と祈る気持ちなのである。。



 *  *  *  * 


12月31日(月)

コチカはようやく母のいる空間にも慣れてきたらしい。
今回、母が玄関から初めて入ってきたとき、
不審そうに出迎えたコチカに、お母さんよ、と言ったら、
ふん、なんだ、という顔をして奥に戻っていったから、
母がいること事態は、許せているのである。
ただ、私の実家よりも空間が狭いし、
コンクリートの建物のせいか、
床に寝そべっているコチカにとっては、
騒音が倍増して聞えるのだろう。
それが我慢ならなかったようだけど、
もうそろそろ部屋も片付いてきたし、コチカも慣れてきたし、
でなんとか全体的に落ち着いてきたように思える。
床に座って何かしている母を、
そばでじーっと見ていたり、
母のすねにすりすりしたりする。
やれやれ・・
これで穏やかな新年を迎えられるかな。

* * *

今年も多くの人々にコチカの日常を見ていただき、
励ましメイル、耳寄り情報なぞをいただきました。
ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ暖かく穏やかな新年を迎えられますよう。



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