2月・3月・4月

~~~ミルク色のコチカ~~~


日課牧歌 -106-

2010年3月


テーブル下、パネルヒーターの前、向こう側の人と話す

* ミルク色のコチカ・トップへ *

3/17悪癖 3/21ぶんちょー!


3月2日(火)

行きつ戻りつする冬が、今日はまた戻ってきた。
午後になってから空が暗くなったと思ったら、気温も下がったらしい。
私の膝に暖を取りに来ようとキャット・タワーのタコつぼからコチカが這い出るのと、
なんか寒くなってきたからエアコン入れよう、と母が立ち上がったのが同時だった。
犬猿の仲だった二人は、だんだん気が合ってきたようだ(笑)。



 *  *  *  * 


3月4日(木)


見てるし


 *  *  *  * 


3月7日(日)

おととい、母が帰った。
玄関から母が出て行ったあと、
コチカは私の膝の上に来たが、
私の顔を見るのかと思ったら、
額の上、いや、もっと上、頭頂あたりを、
目をかっと見開いて見ている。
コチカ、どうしたの?と言おうとした瞬間、
手をはっとばかり伸ばした。
何をかをはたき損ねた手先がヘアーバンドをかすった。
な、何がいるの???
こんな至近距離に、と思うとぞーっときた。
なんだったんだろう。。
もしかして、守ってくれたのなら、ありがとうね。



 *  *  *  * 


3月9日(火)

ノルマをいろいろ果たしたので、
ご褒美に録画しておいた爆笑レッドカーペットを観ていた。
いいよともいってないのに、勝手に膝の上にコチカが座っている。
私が爆笑していると、怪訝な顔で私を見る。
ほっといてもらいたい。
うるっさいなー、という目をしている。
うるさいなら降りていったらいいのに。
じっと見つめないで。
気分が冷めるから向こう向いてて。



 *  *  *  * 


3月10日(水)

足伸ばしたいんだけどな・・


夢心地らしい


 *  *  *  * 


3月14日(日)

遅くに帰宅した人間に、甘えた声ですりすりしつつ、
遅いでしょ!と文句を言うコチカ。
grrrrrrrrrrrrん!
文字では到底書き表せないが、
小象がパォーン、と鼻を上げて鳴いてるみたいにも、
トロンボーンがポルタメント(スライダーをスライドさせて、
音程を変えるやり方)してるみたいにも、
ショパンのピアノ曲のスケルツォ2番の最後に出てくる、
素早いアルペジオにも聞こえて、面白い。



 *  *  *  * 


3月16日(火)

ある歌手が、若々しい肌を保つのと声帯を鍛えるのに、
顔の筋肉を上げる練習を毎日100回やっている、
というのを聞いたので、やってみていた。
夜、ベッドに入ってからのこと。
にーっと笑った顔・・頬を思い切り上げる・・を何度も繰り返していたら、
なにか視線を感じる。
目だけ動かして見てみると、
ベッド横の椅子に座って毛づくろいをしていたコチカが、
目をまん丸にして見ている。
顔の体操やってんの。
見ないでよ。
と言いつつ続けていると、
口に持っていこうとしていて止めた手を下し、
確かめるように、じーっと見てきた。
んもー。
気になるから見ないで、っていうのに、
とむっとした気分でコチカを見ると、
顔上部の筋肉が見事に上がっているのだろう、
目はまん丸、きっと額のしわまで伸びているに違いない、
耳までぴーんと立ち上がって、
子供みたいにきょとんとした表情になっていて、かわいい。
なるほどね。
やはり顔全体が上に上がった状態の方が見栄えがいいのである。
そうすることで、気持ちも上向きになり、
きっといいことがあるに違いない。
よし。
毎日続けよう、と心に決めた。
そのうちにコチカも慣れるだろう。
でも毎日100回はきついので、50回にしよ(笑)。



 *  *  *  * 


3月17日(水)

<悪癖>

ダイニングテーブルで繕いものをしていると、
コチカがやってきて、ワンピースのすそに手をかけ、うーんとのびをした。
コチカの爪が布の下の皮膚に触って、痛い。
なんで人の洋服を利用してのびをするのか、
私はこの行動パターンが許しがたいのだけど、
毎日のコチカの習慣なのだからしかたない。
でももっと困ったことに、たまに爪が布に引っかかったまま、
コチカが自分で取れないことである。
布は引っ張られ、ニットなどは悲惨なことになる。
今日も引っかかった。
爪をひっこめても取れず、そのまま手を引こうとするので、布が危ない。
幸い夫が後ろを通りかかるところだったので、助けを求めた。
彼はコチカを肘をつかみ、うまく取ってくれた。
やれやれ。
しかしそのとき、緊張して突っ張っていたコチカの足が夫の足の甲に乗った。
緊張していたので、爪は出したまま。
あ痛っ!と夫。
靴下を脱いで見てみると、
ぎぎぎぎぎ、といった印象でしっかり切り傷ができている。
あーあ、やられちゃった・・と苦笑いしていたけれど、
このコチカの悪癖。
なんとかならないかな。



 *  *  *  * 


3月19日(金)

夕方。
日が長くなった。
部屋が薄暗くなってきた、と思って立ったのが5時過ぎだった。
キャット・タワーの最下階のタコつぼを覗き見ると、
白い塊の中に黒い点がある。
お尻の穴見せちゃって、と笑いながら明かりを点けて戻り、
もう一度見ると、お尻の穴ではなく、耳の穴だった。
ごめんね、変な間違いして。。



 *  *  *  * 


3月20日(土)

コチカがときどきサッカーボールにしている、
椅子の足カバーのリボンを振り回して遊んでやった。
ある程度回したら、投げるつもりでいたのに、
振り回している最中に飛びかかってきた。
勢い余って、私の手に爪を立てた。
あっと思い手を見ると、人差し指の第2関節に、
コチカのはがれた爪がささっていた。
私の皮膚に刺さって、爪がはがれたのである。
びっくりした。。



 *  *  *  * 


3月21日(日・春分)

<ぶんちょー!>

昨夜東京はものすごい風で、
背の高い植木は窓側に避難させたものの、
朝になってみたら、ベランダにあるあらゆるものが、
激しく踊らされた跡が残っていた。
午前中はまだ風が収まりきらない感じで、
夕方近くにようやく静かになったが、
窓を偵察にいったコチカが、
窓を引っ掻きながら、ひゃーひゃー言っている。
見に行ってみると、小鳥!
文鳥らしい一年草などの枯れた植物の土を入れた段ボールの中に、
白い小さな鳥がいて、コチカを見張っている。
これは文鳥?
夫が行って覗きこむと、今度は夫をじっと見た。
どうしたの?どっからきたの?
と言ってみるけれど、小鳥は何にも言わない。
足に緑色のわっかをつけられている。
飼われていたんだね。
小鳥が箱から飛び出した。
体が小さく、そうは弱ってはいなさそうだけど、
どうやら塀の高さまでも飛べないらしい。
ならどうやって来たのか、ますます不思議。
隅へ行って物の陰に隠れようとする。
夫がかごを逆さまにしてつかまえようとしたが、
なかなか上手に逃げる。
どうしたらこうしたら、と言っていたが、
こっちもこれからしようとしていたことなどがあって、
そちらを優先させなければならない、という結果になり、
とりあえず、お水ともちあわを入れた器を置き、
様子を見ようということになった。
しかし夜になってしまった。
しばらく鳴きながら飛びまわっていた小鳥の声がしなくなり、
そうだよ鳥は夜目が見えないんだった。
うかつだった。
なんとしてもつかまえて、部屋の中に入れるべきだった。
どうしよう、夜中に寒くなったら。。
大丈夫さ、もう春なんだし、
明日の朝、元気な姿を見せてくれるに決まってる!
と明るいイメージを何度も描いて、
明日になるのを待つことにした。



 *  *  *  * 


3月22日(月・休)

朝、休みの日だけれどちょっと早めに起きてきた。
きれいなお天気!
リビングでコチカを探すと、窓際で朝陽浴かたがた朝寝をしている。
ということは、小鳥はいないな、と思った。
念のためにベランダに出てみたが、ざっと見まわしたところ、いない。
どこか見えないところで伸びていはしないか、
あちこちくまなく探したが、やはり姿がない。
置いておいたもちあわは、粒がばらばらになっていた。
口をつけたのなら、元気になって飛んで行ったのか。
それならそれでいいけれど。
でもどうやって?
低い植木鉢から順番に上がっていって、
あとは上昇気流に乗って・・そんな風くるか?、
外に出たのだろうか。
きっとそうだろうね。

あーやれやれ。
これで小鳥を家の中に入れて、
コチカを刺激することも、
小鳥を危ない目に合わせることも、回避できた。
無事に帰るよね。
飼い主さんと感動の再会を祝っているイメージを描いて、
ちゃんちゃん!ということにした。



 *  *  *  * 


3月24日(水)

数週間ほど前にじゃこの存在を知られしまったので、
あれからずっとご飯にじゃこをトッピングしてやっている。
夜の7時前に、一度ご飯コールをしたが、まだまだよ、もうちょっと待とう、
とダメを出されて、とぼとぼとキャット・タワーのタコつぼに戻って以来、
8時半を回っても起きてこない。
ご飯も洗いものもすませた私は、座ってからまた立つのが面倒なので、
ご飯をやっておこうと思い、カツオブシを載せたキャット・フードを台所に持っていき、
冷蔵庫を開けて、じゃこ〜じゃこ〜おじゃこだよ〜、と歌いながらじゃ子を載せ、
さあ、コチカ、ご飯だよ〜、とキャット・タワーへ聞こえるよう大声で言いつつ台所から出たら、
もう足元にコチカがいて、寝ぼけた顔ながら、ギロッと私を見た。
あーびっくりした、そこにいたの。
こういうときは反応早いねえ。



 *  *  *  * 


3月26日(金)

最近ご飯におじゃこのトッピングをするようになって、
コチカはご飯の用意している時間さえ待ち切れず、
つま先立ちでうろうろし、人間のすねにすりすりする。
かわいいので、もうちょっとだけ時間をかけることにした。
準備の整った器を、おじゃこだよ、と器を見せ、でもすぐにはあげず、
ご飯ください、あー、と言わせることにしたのだ。
ちゃちゃ、あー、は?
最初は何を言っているのかわからずうろうろしていた。
でも次の日には、あー、と言った。
その声があせって不機嫌そうに聞こえるので、
もっと嬉しそうに、あー(ちょっと高めに)、って言って。
とやってみせると、コチカは歩きながらも、
あー!と同じトーンで言った!
早っ
こういうことはすぐに覚えるんだね。



 *  *  *  * 


3月28日(日)

いいなあ。
私もネコだったらなあ。
え?甘いって?
どういうわけさ。


あんばいよかよか。。


 *  *  *  * 


3月29日(月)

昨日も今日もコチカは嘔吐した。
昨日は、朝人間が置きだそうとする頃、
私の枕のそばに置いてある椅子の上で、
所在なさそうに座っていたコチカが、
ごそごそしている人間にしきりににゃあにゃあ声をかけた。
こんなことは滅多にないので、
どしたのかな、と顔を見てみるが、わからない。
人間が居間に来ても、コチカは来ない。
今日は寝室が居心地いいんだな、と勝手に解釈していたが、
あまりに来ないので、夫が呼びに行った。
なにからなにまで変である。
いちおう元気そうに走ってきたコチカは、
ソファに座る私の足元に座った。
目の前にパネルヒーターがあって温かいのだろう。
ヒーターぎりぎりに鼻を近づけて、目を閉じている。
桜のつぼみがほころびかけているというのに、
東京はすごく冷たくなったのだ。
コチカ、風邪引いたのかなあ、などと思っていたら、
しゃくりあげて、嘔吐した。
棒状に撚られた毛玉がどーんと出ている。
そうか、コチカは気分が悪かったんだね。
わからなかったよ、ごめんね、と言っても、
わかったところでどうにもならない。
そして、今日もまた嘔吐した。
これから5月の半ばまでこんな日々が続くのだ。
せいぜいファーミネーターで毛をすいてあげないとね。



 *  *  *  * 


3月30日(火)

6時半ごろご飯をねだるので、まだ早いよと言ってみたが、
食べたい時に食べないと、嘔吐の季節だし、
トータルで食べる分が減るだろうから、と思って用意してやった。
でもまあ今日は吐くことはないだろうと思いながらも、おじゃこを割愛したが、
はらぺこだったコチカは何にも言わずにむしゃぶりついた。
そのわずか15分後、やっぱり嘔吐。
あらあ、かわいそうに。
でもそのわずか1分後、もう吐いた分を食べている。
なぁんだ。
心配なさそうで、ほっ



 *  *  *  * 




105 ⇔ 107