5月1日(土)
書いてしまわないといけない文章があるので、
PCにかじりついていると、
コチカがやってきて、ソファの下からじっと見ている。
なに、コチカ。
と言ってみるが、ご飯の時間でもなし、
夫もいるから、何かあるなら夫に頼もうというつもりで、
PCから離れないでいた。
それでもコチカは、ずっと私を見ている。
なにさ、気になるじゃん。
穴開くよ。
などと言いながらようやく終え、
コチカを放っておいて、立って別の用事をしに行った。
コチカはうろうろしている私を見ていたが、
やがてキャット・タワーに上ったようだった。
ご飯を食べた後くらいで気付いたのだが、
そういえば毎日夕方にはコチカは私の膝に来てくつろぐのだった。
忙しさにかまけて、そんなことはまるで頓着できなかった。
こんな風に人間の都合で、
日々の習慣も果たせないで葬られていることがしばしばあるのだろうな。
気をつけないと、と思った。
コチカ、ごめんね。
* * * *
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5月2日(日)
あまりにコチカの爪が衣類に引っかかるので、
何本か、切った。
引っかかった爪をひっこめても、
長くなりすぎていて、うまくとれないのである。
外ネコならこんなことはないだろうに。
* * * *
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5月3日(月)
床の真ん中・・心もとないとか、そういう風には感じないもの?
* * * *
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5月4日(土)
<ダニ?>
膝の上に来たコチカ。
背中から続く横腹の毛先に、2、3の黒い点。
なんぞやと指に取り、白いテーブルの上に置き、
指先で押さえつけてみたら、なんと血のような赤いものが!
ダニ?
毛先から取ろうと触って見てもダニなら動きそうなものだけど、
そうでもない。
なにあるか、これ?
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5月5日(水)
頑張ったお蔭でちょっとは毛が舞わなくなった。
いやだ〜
* * * *
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5月7日(金)
オーディオ前のテーブルの周辺を片付けたら、
テーブルの下を囲う物がなくなり、
ぱーぱーになって落ち着かないのか、コチカは行きたがらない。
結果、ソファに座る私の上か隣に来るようになった。
心ひそかに陣取り合戦するような気分になっている。
* * * *
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5月8日(土)
<っしあわせーってなんだーっけなんだーっけ♪>
こんな図でんねん^^\。
さわやかな五月晴れの週末。
静かな午後。
夫は床でごろりとなり、
私はソファで長くなる。
夢とうつつの行き来の途中で、
コチカがおなかに乗ってきて、
あごを伸ばして体勢を整える。
さらさらの毛並み。
遠赤外線効果抜群の温かさ。
もうなんにもいりません。
* * * *
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5月9日(日)
コチカがベランダをうろうろ見に行っては、
ふにゃ〜あ〜、と人の顔を見て鳴く。
いい季節になってきたからね。
でももう外へは行けないし、残念だねえ。
と言ってみる。
“外”と言ったところで、ぴたりと鳴きやむ。
やっぱり外か。
行きたいよね。
廃品回収車のアナウンスを耳にしても、
お、とばかり頭を持ち上げて、キャット・タワーにかけ登っていく。
きっと昔のことを思い出すんだろうなあ。
とってもわかるけれど、どうしようもない。
前の家の通りに散歩しに行こうかしら、とさえ思うけれど。。
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5月11日(火)
夜中に耳をムキになって掻いているので、
触ってみたら、わずかだがぼこぼこと表面が荒れているようだ。
朝になって見てみたら、耳がぽーっと赤い。
白いネコなので毛細血管が透けて見えやすく、
元々ピンクなのだが、
思えば昨日くらいからか、ピンクが濃い。
外に出たかったりして、
頭にエネルギーが溜まりすぎているのかも知れないと思い、
触らない程度に手を近づけて、
鼻先から尻尾まで撫ぜるようにして、エネルギーを発散させた。
それが効いたのかどうか、数時間経った今、
毛づくろいをしているが、なんともなさそうである。
これで治ってくれれば。
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5月12日(水)
<動物も生まれ変わるというけれど・・>
4時ごろ。
お茶にしようと台所に立った。
コチカがやってきて、んあ〜、という。
ソファに来て、と言っているのだろう。
わかった、ちょっと待ってて、と言いつつコーヒーを淹れる。
コチカは座ってじっと私を見ている。
今淹れたらね、向こう行くから、そしたらお膝にぴょーん、しようね。
もうちょっとだから待ってて。
というと、うん、わかった、という感じでリビングに戻っていった。
もうちょっと、と言ったくせに、私は考え事をしていて、
コーヒーを台所の椅子に座って飲んでしまった。
さっきのやりとりをすっかり忘れて台所から出ると、
コチカはソファの前に、ソファの方を向いて座っていて、
私の気配に頭だけをこちらを向けた。
その絵!
犬だったらぴったりの光景である。
コチカは前世はきっと犬だったのに違いないと思った。
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5月13日(木)
サッシの隙間・・ぴったり閉められていると人間は信じていても、ネコとしては隙間なのだ・・
から漂う初夏の匂いに、もう居ても立ってもいられない、あー外行きたーい!
という気持ちでいっぱいのコチカがとうとう暴挙に出た。
ベランダの窓のカーテンを引っ掻くのである。
引っ掻きたい気持にならないように、
サッシの隙間を塞がないよう、カーテンは壁側によけてあるのに、
何度やめさせてもカーテンに吸い寄せられていく。
あまりにダメ出しをするから可哀そうになって、
撫ぜようと手を出したら、ぁあ〜、と頭のてっぺんから絞り出すような声を出して、
噛みつこうとした。
よほど頭に来てるんだねえ。
昔の家では、カーテンを開ければ、10cmほど開けた窓の向こうには、
網戸があって、外の匂いをふんだんに嗅ぐことができたのだ。
しかも運が良ければ、網戸が開いて、脱走することもできた。
今、コチカとしても、もうカーテンの向こうには網戸などない、
と分かっているはずなのだが(普段はしないから)、
出ておいで、外はいい気持ちだよ、
と誘う初夏の太陽、立ち上ってくる温められた草木の匂いに、
生き物としての本能が疼いてたまらず、
カーテンを開けて飛び出そう!という衝動にかられるのだろう。
もしもコチカが自分だったらと思うと放っておけない気持ちになる。
なんとか外に連れ出すいい方法はないものだろうか。
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5月16日(日)
この寝方・・
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5月17日(月)
<草!?>
夫が帰ってくるなり、コチカの草買ってきたぞ、と言った。
私がおお、草ね、と応じていると、
キャット・タワーにいたコチカが、
え、なになに?という目を私に向けた。
ちゃちゃ、草だって、よかったね、というと、
え?え?とあわてた顔をするので、
こっちおいで、と膝を叩くと、降りてきた。
そのタイミングで、夫は草をショッピングバッグから出してテレビの前に置いた。
コチカは、床に降り立って私の膝に向かおうとした瞬間、
くるっ!と直角に体を草の方に向け、
そのまま一直線に草に向かい、むしゃむしゃ食べた。
大したものである。
草はコチカの大好物なので、ピンと来るのは当然と言えば当然だが、
半年以上やってないのだから、
コチカにとっても、今もらえる、という現実性を帯びているとは思えない。
でも、
クサ、と耳にしたときから、すでに本能が動き始めていたのだろう。
床に降りたときには、カンなのか臭覚なのか、それともその両方なのか、
脳ミソが草を確信するより前に、体が向かっていった、という感じだった。
やっぱり人間とは違うのねえ。
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5月18日(火)
なんか辛いことでもあるのかな。。
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5月19日(水)
<日常的バトル>
コチカがソファに来るようになってから、少々私は不自由になった。
なぜならコチカがいつも私に体のどこかをくっつけているからである。
背中か頭か、でなければ手を私のTシャツやカーディガンにかけている。
そのわずか一点がすごく熱い。
気功師にピンポイントで気を流されているみたいである。
熱いなあもう、と体を避けると、
コチカはその空いたスペースに体をずらす。
そうしてだんだん私の居場所がなくなるのだ。
立とうとしても、コチカが爪を服に引っ掛けているので、
中腰のままで、んもー、と言いつつ手をつかんで、
一本一本爪を丁寧に取らなければならない。
どこかに行って戻った際に、どさっと座ると、
うにゃぁっ、とダメ出しが出るし。
なんとも面倒な日常なのだ。
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5月21日(金)
<うちの母って浄化されてる?>
1週間ほどいた母が帰った。
帰り支度がほぼ終わり、しみじみと話していると、
コチカは急に落ち着きがなくなり、
私や母の間をうろうろと歩き回り、母の脛にすりすりする。
もう帰るの?と言っているように見えるのだが、
すりすりの理由のわからない母は、毛がつくのが嫌なので、
わーやめて、と厳しいことを言っている。
私のところに、にやあ、と力なく言いながら来て、
肩を落とした様子で座り、声を出さずに、ぁ、の口を小さく開けたりする。
帰っちゃうの、いやだ・・と聞こえる。
いよいよ母が玄関に出ていったとき、
コチカを振り返ると、ぼさっと座っているので、
行こ、お見送りしよ、と優しく誘うとついてきて、
廊下の半分くらいのところにちょこんと座った。
あら、コチカ、と母が面白そうに見たので、
さびしくなるね、て言ってるよ、と通訳したけれど、
当のコチカの表情はひとつも変わらないので、
母はさして本気にも思えなかったらしい。
そしたらね、体に気を付けて、とか言い、出て行った。
リビングに戻ってソファに座ると、コチカも飛び乗ってきて、
べた〜、ともたれかかって、
私の腕に手をかけ、じっとしていた。
息をひそめて、いつにない気持ちが収まるのを待っているようだった。
お母さん、行っちゃったね、
でもまた来てね、て言ったもんね、
などと言いながら体を撫ぜてやった。
コチカは母にはなかなか慣れなくて、
今回も、やはり親しげに寄っていくことはなかった。
でも、母と私が穏やかに話している時には、
きっとその雰囲気が好きなのだ、という気がする。
あるいは、
いつも感じるのだが、数日いた母が帰ってしまうと、
空気がさーっとさわやかというか、軽くなっているように思う。
相当に浄化された人であり、だから周りの空気も浄化する能力があり、
ということは、相当にエネルギーが高い、ということである。
動物だから、生の方向に色濃いエネルギーを持っていることを、
好むのではないか、とそういえばこの前も思った。
派手に喧嘩をする相手でもあるけれど、
母って不思議な人ではある。
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5月22日(土)
念願のかいかいタイムにほっとしているコチカ
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5月23日(日)
<コチカの逡巡>
夜、寝る時間。
私が柔軟体操をやめて、息を整え、布団を被ると、
ベッド脇の椅子の上で待っていたコチカが、そろそろと私の隣に移ってくる。
もう私は夏の薄い布団を使っているが、
左半身をコチカのために開けてやっている。
コチカはとりあえず、腕と胴体の間に入ってくるが、そこでじっと考える。
ここで眠りたいが布団が被されると、暑くなる。
なので最初から枕の横で寝るべきか。
いやでもやっぱり肩の下の肉でもみもみして、
腕と胴体の間で丸くなりたい。
でもすぐに布団が・・とぐるぐる頭の中を巡るのだろう。
3分ばかり小難しい顔をして、動かずにいる。
そして、
枕横のコチカシーツに目をやったり、
脇の温度を確かめるのだろう、
くんくんするでもなく脇の下に鼻を近づけたりする。
そして最近は、結局諦めて肩をまたぎ、枕の横に長くなるのだ。
そんなネコの思考がわかるわけないだろう、と思うでしょ。
わかるのです。
コチカが脇の下でじっとしている間中、
私もじっと待ってなくてはならなくて、
仕方なくコチカの顔を眺めているからです。
こういうときの3分って、結構長いのです。
毎日のことなので。
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5月25日(火)
<コチカとのバトル、私の勝ち>
今日は私が強硬な態度で出た。
ソファの座面の左隅には私がいつでもごろりとなれるよう、
枕が置いてある。
そちら側は窓から入る光がひじ掛けなどで遮られ、
ネコとしては眠るのに程よい暗さになるらしいので、
コチカもなるべくそちらを陣取りたい。
要するにコチカも私も、ソファの左側を狙っているのだ。
昨日は一日中、コチカに取られていた。
だから私はちょっと休みたいとき、わざわざ寝室に行かなければならなかった。
するとどういうことになるか。
ベッドの上だと、ついタオルケットなどをおなかの上にかけてしまい、
うつらうつらどころか、ぐうぐう眠ってしまう。
これを我慢して眠りこまないようにするのが、疲れる、ということを体験した。
だから今日、私は譲らなかった。
朝、夫が出勤していった後、
台所の洗いものをし、歯磨きをして戻ると、
コチカはソファの左側で、これから寝るんだもんね、という目をしていた。
私は強い調子に、どいてどいて、とあおりたてた。
腰の下に手をやり、持ち上げたりした。
コチカは、な、なんなのさ、と信じがたい面持ちで、
どっこいしょと体を起こし、ひじ掛けを乗り越え、キャット・タワーに行った。
私はやれやれと思い、今日一日のノルマをこなすべく、PCに向かった。
昼前に一度、昼食後に一度、ごろりとなって休めた。
そして夕方。
私が最後の締めにかかり、PCにかじりついていると、
コチカは、さっと私の背後を通り、左側に移った。
もういいでしょ、僕の番だもんね、ときっぱり決めていたような動きだった。
私もこれからの時間は、ごろりともならないので、どうでもよかった。
というわけで目出度く、今日は私の勝ち!
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5月26日(水)
<コチカに励まされた?>
今日も私はソファの左側を勝ち(?)取った。
ここ数日の寝不足のために、
お昼を食べてから、1時間ばかり熟睡した。
目が覚め、起き上がろうとしたら、
まだ頭が朦朧としていたのだろう。
腹筋に力が入らず体が起こせない。
すると私の右隣で寝ていたコチカが気付き、
私のズボンに手をかけた。
数時間ぶりの挨拶だろうと思ったが、
なにしろ苦戦している私を、
コチカは手をかけたまま、眉を引き上げるようにして見ている。
鼻筋がすっと額に引っ張られ、
ほらほら、頑張れ頑張れ、と言ってる感じで、
なんか人間くさくて可笑しくて、余計に力が抜けそうだったが、
妙に励まされて、起きられた。
ネコ同士でもそんな風なやりとり、あるのかなあ。
こんなの見つけました。
物・人の名前、なんでも入れてみましょう。
スピリチュアル成分解析機
脳内パーセンテージ解析結果も。
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5月27日(木)
<お足つないで>
午後。
PCに向かったままうたた寝をした。
感情的に太いパイプラインで結ばれていたい、
と強い気持ちで思っている夢を見たところで目が覚めた。
太ももにコチカの足先が当たっている。
そうだこれだ、と思い、
その足をつかんでもうしばらくまどろんだ。
静かな幸せを感じた。
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5月29日(土)
ソファの上で、私の右側にいることに慣れたらしいコチカ。
私が座ってなくとも、右側にいる。
これで我ら二人は平和に日々を過ごせる。
コチカは朝から夕方までソファにいて、
それから先はキャット・タワー、
ご飯を食べてからはキャット・タワーかオーディオ前のテーブルの下。
バラエティに富んでいて、なかなか良いのでは。
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