7月・8月・9月

~~~ミルク色のコチカ~~~


日課牧歌 -111-

2010年8月



のたるネコ


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8/7礼儀正しい? 8/10涼しい景色 8/11一大事 8/19解せない繊細さ 8/26優しいコチカと人間のクールさ 8/30爪の切り方


8月1日(日)

とうとう8月。
気分はいまだ4月。
なんとかならないか、この往生際の悪さ。。

折角生えてきた観葉植物の、
新しく生えてきたまだ短い丈の薄緑の葉が、
しゃーしゃーに割かれている。
この見るも無残な光景を作った犯人は、
考えなくてもわかっている。
名前を思い浮かべる前から、反省をしてしまう。
ベランダのガラス戸脇に置いてあるのがいけないのだろうな。

夏になると、
人間はそうめんなど冷たいものが食べたくなるけれど、
コチカは草なのだ。
和室の窓辺に行き、ベランダの草花を見るだに、
あー葉っぱ食べたい、と思うのだろう。
ついそばにある葉っぱを噛んでしまう。
食べられる葉っぱではないので、
きっと咥えたまま頭で引っ張るのだと思う。
結果、幼く柔らかい葉は、
しゃーしゃーに割かれしまったのだ。
まあしょうがない。
歯磨きの効果くらいあるかもしれないなら、よしとしよう。。



 *  *  *  * 

8月2日(月)

夜、寝るとき。
よっこらしょとベッドに上がったコチカは、
私の肩まであったタオルケットを引っ掻き、
何するのかとどけてやったら、
なんと脇の下に入ってきた。
エアコンで涼しくしていたせいかな。
ちょっと嬉しいような気持で、
あら、来たの?と言いながらコチカの体に腕を回すと、
うわ〜!この毛の分厚いこと!
冬なら極上のいい毛皮に触った気がして、うきうきするけれど、
夏だとぜんぜん!だった。

すぐさま丸くなったコチカの背中から温かさが伝わってくる。
あばら骨の厚みを超え、さらに1cm、さらに・・と沁みこんでくる。
熱い生命体のエネルギーをひしひしと感じた。
コチカ、しっかり生きてるねえ。
でもそれでなんで暑くないの?



 *  *  *  * 


8月4日(水)


恍惚のとき


 *  *  *  * 


8月5日(木)

コチカがリビング隅のテーブルの下で過ごすようになってから、
日に1回くらいしか顔を合わさなくなった。
よほど居心地がいいのか、ずっとそこにいるし、
私が立ってうろうろしているときに、
キャット・タワーに登っていることもあるけれど、
意外と目が合うことがない。
夕方になると、ぁ、と声をかけつつソファにくるので、
ぴょーん!と言ってやると膝に来る。
それで7分もいるだろうか。
すぐにそそくさとテーブルの下に戻ってしまうのだ。
コチカと私を隔てているものと言えば、
「暑さ」なのだから、寂しく感じるわけでもないけれど。
悪い毎日ではないが、でも早く涼しくなってほしい。



 *  *  *  * 


8月6日(金)

友人来場。
暑いですね〜、などと言いながら友人がリビングに来ると、
コチカは、にゃ〜!!!と叫びながら、私の所に来てすりすりした。
そういえば、事前に彼女が来ることを言ってなかった。
お風呂に入る前にも、
夜寝室に行く時にも、
朝寝室から出る時も、
誰かが来る時も、
人間二人が出かける時にも、
事前に通告しておかないと、必ずブーイングが出る。
いったいいつからこうなったのかな。


盛り上がっている人間たちに触発されてか、
テンションが上がって最上階のハウスに飛び込んだ。
久々なのでじっくり点検。


 *  *  *  * 


8月7日(土)

<礼儀正しい?>

うにゃ〜〜、と言いながら夫の後をついて歩く。
ちょうどベランダの植木に水をやろうとしていたところ。
よくわかるなあ、と言いながら、水をやり、葉っぱを手にしてきた。
コチカは、葉っぱはっぱはっぱはっぱ!
とばかり夫の足にぶつかりそうになりながら、後を追う。
さあさあさあさあ、とあおるようなことを言って、
コチカのお皿にちぎった葉っぱを入れてやると、
コチカは、ありがとう!というように、
今一度夫の脛にすりすりすり〜、としてからお皿に向かった。
私がご飯をやるときに、そんなこと一回もした事ないのに。



 *  *  *  * 


8月8日(日)

そういえばむかーし習ったような。。


フレミング右手だか左手だかの法則
体で表現する天才ネコ、コチカ


 *  *  *  * 


8月9日(月)

朝の6時過ぎ。
夫の、はっとこちらを向いた様子で目が覚めた。
私越しにコチカを見て、さっと立っていって、
ティッシュをさっさっさ!と取って何かしている。
どうしたの?と聞くと、
コチカ吐いた、さっきご飯食べに行ったんだよ、
と夫。
しえ〜・・
全然知らなかった。
夫よ、あなたは主婦としても母だったとしても、良い素質を持っています(汗)。



 *  *  *  * 


8月10日(火)

<涼しい景色>

先週の金曜日以来、
キャット・タワーの最上階のハウスで過ごすことの多いコチカ。
大概背中か耳だけが出ていて、
向こう側の出入り口から出ている尻尾が、
たらんと垂れているのが見えている。
ところが、
ふと見上げた時に、こっちに顔を向けていることがあって、
それが結構不気味なのだ。
じっと見るともなしに見ている、という目。
見てはいけない存在の視線みたいで、ぞっとくるのですよ。。



 *  *  *  * 


8月11日(水)

<一大事>

青くなった。
一瞬呼吸が止まった。
額から汗が出てきた。
カツオブシがなかったのである。
おとといあたりから、もう買わなくては、
と言っていながら、他の買い物はしても、
忘れていた。
どこかに一袋くらいないか、
と血眼になって捜したが、今日に限ってない。
うーん。。
コチカ、ごめんの気持ちをうんとこめて、ご飯を差し出した。
コチカはいつも載っているはずのものがないことを、
念には念を入れて確認しているのだろうか、
手足をバラバラの位置に置いたまま、じっと動かない。
そしてこちらを向いた!
私は、今日はないの、とだけ小さい声で言った。
その気持ちが伝わったのかどうか、
コチカはお皿に向き直り、何にも言わずに食べた。
ありがと。。



 *  *  *  * 


8月12日(木)

サマー・ヴィラにすっかり定住。


ぺろりッ


 *  *  *  * 


8月13日(金)

おととい、カツオブシがなくて、
ごめんねごめんね〜だったので、
昨日は、袋の底に残っていた、
冷凍のままのシラスを、直径1cmばかりをサービスした。
コチカはとても興味を示し、
カツオブシも目の前にあるのに、
シラスをくんくん点検し、
冷たいので、そっと舐めていた。

そして今日。
ご飯〜、といいながら台所まで入ってきて、
椅子の上に飛び乗り、
カツオブシが置いてある水屋を向いて座った。
鼻の下を伸ばして、くんくんしている。
私はさっさとご飯の上にカツオブシを載せてやり、
さ、コチカ、できたよ、お食べ、といつもの場所に置いてやった。
コチカは水屋から離れるのをためらっていたが、
リアルご飯には負けたようだった。
ちゃんと隠しておかないと、カツオブシ。



 *  *  *  * 


8月14日(土)

ソファで膝の上に本を置いて読んでいたら、
斜め左上から、あ〜、と声がかかった。
見るとキャット・タワーの最上階のハウスにいたはずのコチカが、
一段降りて、首を伸ばすようにして私を見ている。
私がうつむいていたので、悲しんでいるように見えたのだろうか。
じわっと温かい気持ちになり、大丈夫よ、こっちおいで、と膝を叩くと、
しばらくまん丸の目をして私をじぃっと見ていたが、
すぐに下を向き直り、たん、たん、と降りて私のところにきた。
ありがとう。
優しいね、本当に。



 *  *  *  * 


8月15日(日)

ソファに座って録画を観ながらスイカを食べようというときに、
コチカが膝の上に載ってきた。
フォークで食べられるようにスイカを切ってあるので、
さして食べにくいものでもないけれど、
コチカの背中越しにスイカを行き来させなければならない。
まあたまにはいいかと、食べだしたところ、
出した種をお皿に置こうとしたのが、コチカの背中に落ちた。
コチカはびくっとした様子で、あわてて膝から飛び降りて行った。
こっちとしてもやれやれだけど、
それにしても、スイカの種って重い?



 *  *  *  * 


8月16日(月)

夕方。
ぁあ〜、とキャット・タワーの上から甘えた声で呼ぶから、
膝に来たいのだろうと思い、
隣に散らかしていた書類やらをあわてて片づけ、
さ、おいで、とキャット・タワー見ると、
もう向こうを向いて寝ていた。
なにさ。。


えへっ


 *  *  *  * 


8月18日(水)

いつものように、
お風呂上がりにバスタオルをかけたと勘違いした夫に背中をつかまれそうになった。
背もたれにかけたつもりのバスタオルが、座面に落ちたと思ったのだそうな。


いつもいないところにいるから・・


 *  *  *  * 


8月19日(木)

<解せない繊細さ>

夕方。
テーブルの椅子に座って、電話をかけていたとき、
キャット・タワーの4段目にいるコチカと何回か目が合っていた。
コチカはときどきこちらをちらちら見るのである。

そんなに長電話をしていたわけではなく、
7分ほどであり、そろそろおしまいだと思う頃、
コチカが、ぅにゃ〜、と言いながらそばにきて、
ワンピースに手を伸ばして、ん〜、と言ったり、
床に座ったまま、怖い目をしてじっと見ている。
なんだろう、と思いながらちょっと撫ぜてやると、
反対側にまわり、ひにゃ〜(「ひ」がすごく高く、「にゃ〜」は低くてドスが効いた目)、
とびしゃげたような、凄みのある声で訴える。
目の色が明らかに不快そう。

なんか落ち着かず、ではまた、という挨拶もそこそこに、
なにさ、コチカ、と向き直り、ソファに行こうとすると、
コチカはさっと身をひるがえして、キャット・タワーに登って行った。
さっぱりわからない、と思い、そのままの位置で本を読んでいると、
果たしてまたも、ひにゃ〜、にゃ〜〜〜!と言いながら降りてきた。
私は何も言わず、さっさとソファに行って座り、
おいで!おいで〜〜〜〜〜〜〜〜〜、と明るく誘った。
コチカはすぐにやってきた。
そうすると、別にどうということもなく、
よしよしされて、私の手をぺろぺろし、
しばらくスフィンクス座りでくつろぎ、
黙って降りて行き、キャット・タワーに上った。
わからないものである。
テーブルで電話をかけたのが、そんなに気に障ったのだろうか。。



 *  *  *  * 


8月22日(日)

夜、就寝時。
入浴後のほとぼりが冷めない人間は、
眠ってもしばらくエアコンをタイマーをかけて点けているが、
そういう状態だと、コチカが脇の下に入ってくるようになった。
ちょっと丸くなって、またすぐ出て行くけれど。
丸くなっている時間が長くなって、
そのうちに人間が布団を使うようになったら、
またすぐ出て行って、
やがてはずっといるようになるのだろう。
季節が着実に変わりつつあることを、
コチカが微細に教えてくれる。
ありがたいことである。



 *  *  *  * 


8月23日(月)

夕方。
部屋の中の陰影がはっきりする時刻。
膝の上に飛び乗って私を見るコチカの目頭と目じりがほんのり紅く、
澄ました顔に、かっきり見開いた目の黒目が真っ黒で、
まるで歌舞伎役者が見栄を切る寸前みたいで、
迫力がありながら、妖艶である。
家にいながらにして、歌舞伎役者が見られるって、
結構でしょう?



 *  *  *  * 


8月24日(水)

お尻の穴、見えてます。
いらないよ!


ある時刻の眺め


 *  *  *  * 


8月26日(木)

<優しいコチカと人間のクールさ>

今日もコチカは私を気遣ってくれた。
ブナシメジがちょっと大きめなので、
茎の部分を割いて冷凍しようと思い、
くずが散らかってもいいようにシンクの中に置いて作業をしていた。
すると、ぁあ〜、と声がするので顔を上げると、
コチカがキャット・タワーの4段目に座り、
顔を突き出すようにして私を見ている。
最上階のハウスで寝ていたはずなのに。

集中するあまり、頭がだんだん下がっていって、
完全にうつむきの状態だったのだろう。
コチカは私が悲しんでいる、と思ったのかもしれない。
大丈夫よ、ちゃちゃ、と私は言ったが、
コチカは不審そうな顔つきで、ぁあ〜、を繰り返す。
大丈夫だってば、ブナシメジ割いてただけよ、
というと、わかったのかどうか、急に黙り、最上階へ飛び移った。

やっぱりコチカは優しいな、と思った3時間ばかり後、
夕食を食べている最中に、コチカがやってきて、
不満そうな顔をして、にゃーにゃー言った。
もしかして膝に来たいのかもしれないけれど、
私は夕食の最中である。
また後で、と顔をよしよししてやり、そのあと物を取りに席を立った。
戻ると、コチカが椅子の上に載っている。
だめよ、どいてよ、と言ってもどかないので、
強引にお尻でにじにじとコチカに迫ってやると、コチカは飛び降りて行った。
ちょっと心が痛んだが、でも食事は大切な行事である。
ここはクールに、と自分に言い聞かせた。



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8月29日(日)*爪を切った。

終わりそうでなかなか終わらない今年の8月最後の日曜日。
近所の氏神さんに行ったら、
つくつくほーしが花火大会のフィナーレ連続何連発!に似た勢いで、
それはそれはかまびすしいものだった。
石畳を歩くすぐ右側からアブラゼミの声も負けじと聞こえたが、
どんなに耳を澄ましても、そのときは1匹の声しか聞こえなかった。
もう秋が来ているのだな。

昨日あたりから、
コチカもソファに座りに来るようになった。
私の太ももに手をかけ、横になって私の顔を見上げる。
ソファでくつろぐ季節がやってきたのである。
また一緒にいられる時間が長くなる。
ふふふふふ。
冬ももうすぐ^^\。



 *  *  *  * 


8月30日(月)

<爪の切り方>

昨日爪を切ったら、少々切りすぎたのか、
勢いをつけてキャット・タワーに飛び乗ったコチカは、
板部分に爪が引っかからず、
そのまま反対側へ飛んでいって落下した。
コチカは一瞬何事が起きたかわからず、
キョトンとした顔をしたが、人間はびっくりした。
同時に、あんなふうに板に爪をひっか掛けて踏ん張るのだとわかった。
爪の切り方も考えなくてはいけない。
湾曲した爪をうまく尖るように切らないと。



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