2002年5月
5月1日(水)
私が具合悪くて、うだうだしているせいか、
コチカがまいまいしにくる。
これまではあまり、ぺったりくっついて、眠るなんてことはなく、
一人で絨毯の上に寝ていたのに、なんとなく、そばにくるのだ。
正直言って、心温まるというのだろうか、
なんかほっとして、嬉しく思う。
困ったときには助け合おうという、生きとし行けるものとしての、
遺伝子に組み込まれた優しさなのだろうか。
そっけない顔してるけど。
* * * *
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5月2日(木)
夜。
西の縁側にぶしゅぶしゅぶしゅぶしゅガラララ、という音、というか、声が聞こえる。
コチカは網戸に鼻をくっつけて、見入っている。
どうやら、猫が来て、コチカに向かって言ってるらしいのだ。
人間には暗過ぎて、見えないので、どんな猫なのか、わからない。
それにしても、あの声が猫だったなんて。
喉がやられているのだろうか。
でなければ、どういうサインなのだろう。
* * * *
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5月3日(金)
居間へ戻ってくるときには、必ずにゃ〜と言って入ってくる。
お帰り、などと言って、手を差し出すと、首筋を擦りつけてくる。
この仕草がとってもかわいいのだが、
大概眠くなってきているので、
首筋をさすってもらいながら、もう目がしょぼしょぼしている。
目が顔の中にめり込んで、くしゃくしゃの顔になるのだ。
* * *
眠ろうとするときに、手を出すと、人間の人差し指と親指の又をペロペロ舐めてから、
カプッ、と噛みつく。
ときどき、噛んだ歯にどんどん力を込めてくることがある。
きばが長くするどいので、痛いのだが、
我慢してみていると、そのまま眠ってしまう。
* * * *
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5月4日(土)
就寝直前。
ふとんの上から窓のカーテンレールををじっと見てると思ったら、
いきなりカーテンに上り始めた。
まだこちら側は、上ったことがなかったのだった。
2本のカーテンレールを足を踏み外すこともなく、上手に歩き、
部屋の隅にある棚の上に上陸。
やっだな〜。
ふとん叩きなぞが置いてあるが、滅多に掃除をしていないので、
明るければホコリが舞っているのが、目に見えるだろう。
明日、考えることにしようと、知らんふり。
* * * *
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5月5日(日)
人間は朝寝坊。
コチカは5時22分に(朝早いときは、いつもこの時刻)、外に出る〜開けて〜と起こす。
出ていって、しばらくすると戻ってきて、また起こす。
何度も人間を起こすのには、どういう理由があるのだ。
寝かせてってば!
* * * *
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5月6日(月)
人間が起きるまで、じっと枕元に座っているコチカ。
何としても起こしてやる、という、コチカの意志が強いときには、それなりに存在感があり、
座っているのを見ているだけで、降参してしまう。
* * *
夕方過ぎ。窓辺の観察から戻ってくると、レスリングやろ!っとけしかける。
カシカシ・・と指で絨毯を引っ掻いて音を立ててやる。
コチカから見える位置で、妖しげな動きを作ると、もぞもぞと足踏みを始める。
動かしていた手をすうっと物陰・・私の足の陰など・・に持っていくと、
もう我慢ができない、っとばかりに、走り寄って飛びつく。
そのときに、ぱっと手を上げると、コチカは20cmばかりジャンプするのだが、
それが面白くて、何度もやる。
ジャンプし、手に届くと、grrrrrrrrrrrrとか言いながら、元の位置に戻るのだ。
それを5回くらい。
タイミングが合わず、うまく飛びつけないと、さらに何度もやるハメになる。
ラスト2本くらいはうまくいかないと、お互いに気分が悪い。
こちらも真剣にならないと、できないのですよ〜
* * * *
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5月7日(火)
乾いたキャット・フードが体に良くない、というのなら、
かつおの出汁を食事時に置いておくのはどうか、やってみた。
今日のところは、食事と同時に飲んでいた。
これで、尿路結石になるのを比較的防げるのではないだろうか。
* * * *
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5月8日(水)
神棚にウンチをして、叱られた。
以前は、必ず人間のいるところに来て、ウンチ〜と言っていたのに、
最近は、今そこにいる場所で、ウンチ〜と言う。
だから、誰に言っているのかわからず、
(窓辺にいるときには、庭にいる大家さんを呼んでるかも知れないのだ)、
聞き過ごしてしまうことがある。
それだとコチカは、無視された、じゃあ、いいや、と思うのかどうか、
このところ3回くらいその辺にしてしまい、叱られている。
ちゃんと人間のところへ、言いに来なさい!
* * * *
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5月9日(木)
外出から帰ってくるときに、通りを歩いてくる私の足音を聞きつけて、
玄関に走ってくる。
最近は、いつもの靴でなくとも、わかるようだ。
大したもの。
相変わらず、レスリング。
手を噛ませている間、手のひらが上を向いているときには、
指先がちょうどコチカの鼻をふさげる位置にくる。
ふさいでいると息ができないので、コチカは一旦、口を離して、呼吸を整える。
死ぬわけじゃないし、と、面白がって何度もやっていたら、
とうとう正座し、にゃ〜!!!っと抗議の声を上げた。
苦しいことをするのは、フェアじゃない!と言いたいのだろう。
はい、すみませんでした。
と、それ以来やめてあげている。
が、私の方は一方的に手がキズキズになる。
もうかなり慣れてきて、引っ掻きキズができないように注意はできるものの、
レスリングのパターンが変るので、やはりキズはできる。
私ばっかりキズだらけの人生。
それって、不公平でない?
* * * *
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5月10日(金)
さすがに毎日のレスリングは、飽きてきた。
互いの呼吸も合わなくなってきた。
しばらくやめとこうよ、ね。
* * *
かつおぶしの出汁でとったスープ・・・要するに単なる出汁なのだけど
コチカにとってはスープ・・・は、なかなかいいようだ。
キャット・フードを食べてから、スープを飲んでいる。
大成功!
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ビニール袋を隅っこへ持っていって
どうにかしているところ。
5月12日(日)
出かけていた人間が再度出かけるときには、コチカもいっしょ。
車に乗せようと、抱っこしていたら、
角の奥さんが黄色いトラ猫のチャコちゃんを抱っこして出ていた。
*
チャコちゃんはある日、外に出かけていって、その夜は帰ってこず、
次の日、背中にすごいキズを負って帰ってきた。
どこかで一晩中、キズを舐めていたのだろう、キズは乾き、
治りかけていたので、ほっとしたが、
もうそれ以来外には出さず、抱っこして散歩するだけ、ということだった。
*
その話を聞いていたので、それにならってコチカも外に出さないようにしているのだが、
当のチャコちゃんに会ったのは初めてである。
よその人が手を出すと即座に爪を出す、ような、気のはやる性格らしいが、
私が手を出してみたが、そのときには大丈夫だった。
大きくて毛並みのきれいな猫だった。
プラッシングも車に乗るのも嫌いな気難しヤさんで、
お宅の猫ちゃんはいいわね、と奥さんはうらやましそう。
では、とコチカの手を振らせて車に乗ると、
チェリー(筋向いの犬:テリア系の雑種)を連れた奥さんが行ってらっしゃーい、
と手を振り、
チャコちゃんちの旦那さん(以前にひさしにいるコチカを助けてくれたおじさん)も出てきて、
にっこり微笑んだ。
いいな。ご近所さん(^^)。
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5月14日(火)
昨日の夜、人間はふとんの中に入ってからどういうわけか、つり橋の話になって、
高所恐怖症の私は、想像したらぞわっときたので、思わずぎゃ〜〜っと悲鳴を上げたら、
すでに足元の方で丸くなっていたコチカが
どしたの?とわざわざ起きて、枕元まで見にきた。
振り向いたら鼻先が当たる位置で、真っ黒な目をして私と夫とを交互に見ている。
夫と吹き出していると、なんだ、と戻っていって、再び丸くなった。
* * * *
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5月15日(水)
筋向いの奥さんが、トイレシートいらない?と言うので、
なんだろう、と思ったら、
クーちゃんがが死んでしまったのだそうだ。
クーちゃんは、交通事故で顔の半面がダメージを受けていた猫である。
片方の耳が聞こえず、方向音痴になっているので、外には決して出さなかったそうだ。
でもやたらと元気な猫で、何回か脱走を図り、そのたびに奥さんは、
電信柱に捜索願を貼ったりして、探したそうだ。
2月のことなのだが、
交通事故の後遺症で鼻が悪かったところへ、菌が入り、
風邪と重なり悪化したのだそうだ。
最後は、苦しみもがいて死んだという。痛々しいこと。。
お宅では、トイレシートの上に細かく切った新聞紙を置き、
用を足すと、新聞でくるんで捨てていたのだそうだ。
よく顔を会わす人なのに、私は全然知らなかった。
3ヶ月たった今、ようやく他人に話す気にもなったのだろうか。
クーちゃんの使っていたものが家のあちこちに残っているのだろう、思うと、
考えるだけで、悲しくなってしまう。
* * *
夕方を過ぎて、すっかり暗くなるころから、
コチカは、西側の縁側を通り過ぎた、玄関への角っこに座るようになった。
この間など、知らなかったので、
玄関脇のトイレに行く途中に、コチカのどこかを蹴飛ばしてしまった。
そんな中途半端なところにいるのは、なぜだろう、と思っていたら、
今日、その謎が解けた。
がさっと音がし、静かながらも緊張感が漂ってくるので、
見に行ったら、なんと小さなヤモリと戯れているのだった。
気の毒な子供のヤモリは、もはや両手と尻尾がなかった。
薄暗がりでそれを確認した私は、ぞーーーっとなって、
コチカをお風呂に閉じ込め、眼鏡をはずして、箒でソロリと外へ出した。
千切れたところは、食べてしまったのだろうか。まったくも〜〜〜〜〜〜〜〜〜。ぞぞぞぞぞぞぞぞ。
今も、コチカは玄関付近に待機している。
ヤな季節になってきた。。
* * * *
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5月16日(木)
ときどきではあるが、どうしてウンチをそのへんにしてしまうのか、
わかった。
おしっこをさせて、朝のバタバタ状態の延長でトイレの汚物を始末せずに外出してしまい、
帰宅してもそのまま忘れていたりすると、コチカはウンチしたい、と言わないのだ。
なぜかと言うと、汚いトイレの砂は、掻きたくないから。
汚いといっても、砂全部が汚いわけではなく、
ウンチ1個に砂をかけるくらい、できるはずなのに、
コチカは嫌がるのだ。
く、くやしったらもうほんとに。。
* * *
今朝は、ウンチ出る〜、と申告する鳴き方が、ちょっと変っていた。
窓辺に座りながらこちらを見て、にゃう〜〜〜〜〜、と声をわざわざ押し出してるみたいに、長い。
そのうち、本格的ににゃうにゃう言うので、
トイレに連れていこうと抱き上げると、逃げようとする。
捕まえてウンチをさせると、いつもの3倍くらい大きい。
長さ3cmくらいで、夫曰く、ヘチマみたい。。
たぶん、直腸あたりで痛かったのではないだろうか。
出すときに痛いのがわかっているので、逃げようとしたのでは?
なぜ、同じものを食べているのに、出る大きさが違うのだろう。
ここ1週間くらい、猫草を食べさせていた。
その間は、小さなコロコロしたものだった。
それを、草も長けてきたし、ずっと続けることもないだろう、とやめたのだ。
そのせいか?
でも、草を上げなくても、そんな巨大なウンチは滅多にしないのに。
わからないことがいっぱいあります。
* * * *
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5月17日(金)
なぜウンチがいろいろな大きさで、色まで違うか、わかった。
ヤモリである。
ヤモリを食べてしまっているのだ。
今日は、白く長いものが茶色いウンチに混じっていた。
ハイエナは動物の骨をバリバリ食べるので、白いウンチをする。
ひょ、ひょっとして、ヤモリの骨のカルシウム分が白いのではないだろうか。
ヤ、ヤモリを食べたなんて。
こんな猫、うちの猫じゃありません!!!
これだから動物飼うのは、嫌だったのよ〜
これから夏になるのにどうするのよ〜〜〜〜〜〜
* * * *
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5月18日(土)
草津温泉へ。
ホテル(ペンション)ブランシェ草津。
オーナーが動物好きなので、基本的には犬と一緒に泊まれるホテルということだが、
もちろん、猫は可。感じの良いオーナーで、連休後の週末だというのに、満員だった。
3泊している夫婦もいた。
出かける際、自分は置いていかれるもの、と思ったのか、
玄関と居間の間を行ったり来たり飛び跳ねていたのに、
人間が最後の荷物を積み込み、さあコチカ、行こう!と玄関に戻ったら、そこにいない。
鰹節を探しに行ってしまったのだ。
2階まで行ったのか、呼んでも来ない。
しょうがないな、と折角結んだスニーカーのひもを解いたら、来た。
横っ腹をかかえて、車に放り込む。
もうすっかり車にも慣れたコチカ。
嬉々として車内を点検する。
* * *
宿。
動物の臭いもなく、とても清潔。
コチカも、全然不安そうにしていない。
それでも必ずする、お部屋の点検。
あちこちくんくんやった最後に、ベッドの下から出てこなくなった。
見ると、ホコリだらけのベッドの下!
見えているところはきれいだが、
お客さんの大半は犬なので、ベッドの下になぞもぐるお客はいないのだろう。
掃除していない。
カーペット掃除用ローラーが備えつけてあったので、
さっそく掃除。20枚ばかりシールを剥がした。
* * *
お風呂。
男女の露天風呂(とはいえ、外に面した建物の中)に、
動物が入浴するスペースがしつらえてある。
大型の犬用だろう、犬専用のお風呂場もあった。
でも今回は排水溝の修理のために閉鎖。
男子露天風呂が貸し切りにできたので、鍵を借りた。
折角だから、とコチカも入れた。
しかしこれは失敗だった。
なにしろ初めて足を踏み込むスペースは、
徹底的に点検をしないと気のすまないコチカであるが、
湯かを舐めるといけないので、
いきなりお風呂に浸けられるものだから、
何がなんだかわからない。
いや〜もうやめて〜〜〜〜〜〜〜の連続。
気の毒なので、すぐ止めた。
コチカは濡れた体を自分で舐めて乾かす。
しかし、お湯が「含流化水素酸性明ばん泉」という、
強い酸性の飲めるお湯ではなかったので、すぐ真湯をかけた。
その、シャワーもまた恐がる。
濡れ鼠の妖怪老人と化したコチカをひっつかまえて、
耳に入らないよう、気使いながらシャワーをかけるのに、
寒いは、引っ掻かれて痛いは、とさんざんな目に合った。
お湯は、ストレス解消、皮膚病に治癒などに効果がある、ということで、
乾いた後は、驚くほどにふわふわのさらさらになった。
しかし他のお客さんによると、
お湯に浸からせた犬に真湯をかけなかったら、
翌日痒がって大変だったという。
やはり、強いお湯なのかもしれない。
* * *
いつもは、横になりながら、あるいは寝て起きた後に、
うーんと体を弓なりにして、のびをするのに、なんだかしていないし、
フラストレーションが溜まらないかと心配だったが、
たまたま持ってきていた、金色のヒモを丸くまとめたもの、を見つけ、
夜中に大暴れした。
今度は、階下に迷惑がかからないかと、ちょっと心配したけど、よかったよかった。
* * * *
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5月19日(日)
チェック・アウトの際、玄関先で記念写真を撮っていただいた。
オーナーは慣れたもので、動物がちゃんとカメラを見るよう、
シャッターを切るときに、パッフッッ!とハデな音を鳴らした。
お蔭で写真嫌いのコチカも、思わずカメラ目線。
良い記念になった。
オーナーは、テリアとしては最も大きい、
エアデール・テリアを3頭飼っていて、1頭と挨拶した。
以前に、子供のエアデール・テリアを見たことがあって、
茶色いくるくるの毛がとても可愛らしいので、
飼いたいと思ったことがあったが、
レトリーバーと同じくらい大きい。
あんなに大きな犬は、うちには入らない。。
* * *
白根山の火口湖に行くのに、
火口湖のふもとに車を止めたが、
暑いので、コチカを抱っこして、歩いていった。
あっらっかっわいいわね〜・・・
何人もの人に声をかけられた。
いきなり、シロちゃんっていうの?という人もいた。
ちょっと抱かせてもらっていい?
いいも何も、毛がつきますよ、と言ってる間に抱き上げてしまい、
頬ずりまでしてくれちゃったので、コチカの耳に赤い口紅がついたり。
しまいコチカは、人の視線に食傷したのか、
腕と脇の間に頭を突っ込んでしまった。
* * * *
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5月21日(火)
気持ちの良いお天気なのに、ゴロゴロ。
居間の端っこに寝てる。
こっちへおいで、と何度か言ってみた。
目をこちらに向けたまま、じっとしている。
言ったってこないのが、猫。ふん。いいわいいわ。
と、いじけたようになって、気功としようとあお向けに寝ると、
しばらくしてから、コチカが脚の間に入ってきた。
知るもんか、と、しかとしていると、太ももをそぉっと噛んだ。
来てやったよ、という言ってるように思えるのだが、
そんなことは、初めてだった。
* * * *
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5月21日(月)
夜になったら、また廊下にひっそりと座っている。
ヤモリ出てこないかな・・である。
ヤな感じ。
* * * *
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5月22日(水)
Hill'sのSience Diet のp/dがまだ一袋残っていたので、それを先に与えることにした。
猫草がとても好き。
ちょっと前に買ったのが枯れかけているので、
あげないでいたら、不満そう。
* * *
近所の猫が塀の上で座ってくつろいでいるので、
写真を撮ろうと窓を開けたらこちらへ来た。
飼い猫なので人に慣れているのようだ。
折角なので、コチカを呼び、窓を開けてやった。
2匹は、目出度く鼻挨拶した。
2度、したところで、コチカはもっとしたかったようだが、
相手が、ハーーーーッと怒り出した。
オス猫だったのだろうか。
コチカはどうしたらいいかわからないのか、
そのままじっとしている。
そのうち、その猫は車の屋根(?)に上り、お腹を見せてゴロゴロやってから、通りへ下りて行った。
なんだか得意げに見えた。
* * *
5/22 壁引っ掻き防止用ボードが剥がれてきた。
妙に膨らんでる、と思いきや・・↑タッチ!
* * * *
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5月23日(木)
尻尾が前よりも動くなっているような気がする。
前よりも蛇行(?)して動くようになってきているし、
なにかを表現することも多くなってきた。
尻尾の動きはお尻周辺の筋肉の成長と関わりがありそうなので、
多いに期待している。
排泄ができるようになるかもしれない、という望みはまだ捨てていないのだ。
* * *
猫草を新しく買ってきて、与えた。
* * *
思うに、もうコチカはわけわからない子供時代を過ぎ、大人になってきたようだ。
お互いにコミュニケーションをとろうとするし、
おいで、というと、相変わらずすぐには来ないが、
コチカの方に来たくない理由がない限り、2回に1回の割合で来るし、
名前を呼ぶと確実に反応する。
体が大きくなってから、一時的に好きでなくなった抱っこも、
しばらく抱かれているくらいは平気になった。
外の物音にも慣れ、ちょっとやそっとのことで、びくびくしなくなった。
人間の行動のパターンも覚えてきた。
着替えをしてなければ、玄関の方へ行っても出かけない、とわかっている。
子供の頃に排泄のしつけがうまくいかなくて、
人間不信に陥っていた様子も、もうすっかり解けているようだ。
夫にも私にも完全になついている。
* * *
人間の方も、だいたいのことがわかった気にはなっている。
が、
夏が過ぎてみないと、やっぱり少々の不安はある。
ダニのことやら、
クモなどの虫に対して、どのようにコチカが反応するか。
今夜もコチカは、ヤの字を心待ちに、薄暗い廊下に座っている。
あ〜
* * * *
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5月24日(金)
昨日の夜のこと。
2階の窓で外を眺めていたコチカは、フェンスを乗り越え、
ひさしに上ってしまった。
以前からときどき下りていた母屋に続く、1階の広いひさしではなくて、
2階の窓につけられた、せまい小さなひさしである。
どうやって上がったのか、全然わからないが、ともかく、驚いた。
* * * *
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5月25日(土)
何か新しいことはないか、とあちこちを見まわし、
隅っこをしつこく探検して、ヤモリを探したりしている。
* * * *
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5月26日(日)
のみ忌避剤「プロテクト」を首筋に。
5時間のドライヴ。
駐車した際に暑ければ、キャリーの中に入れて連れて歩くことにした。
ホーム・センターのペット売り場へ行ったら、急に顔を上げてくんくんしだした。
ハムスターなどの動物が売られていたのだ。
人間よりも早い反応。
車の中では、いつものように私の膝でお昼ね。ずーっと。
夜、小さなウンチをひとつ居間にして、叱られた。
* * * *
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5月27日(月)
居間へ入ってくるなり、いきなり遊ぼっ!と怒鳴る。
今日はヤモリが出なかったのだろうか。
いいよ、遊ぼう、とも言っていないのに、勝手にスタンバイ。
レスリングの構えを待っている。
* * *
あまりに暇だ暇だと歎くので、ビニールを被せてやった。
そのまま森永の黄色いキャラメル相手にレスリング。
そのうち、袋の手の部分にうまい具合に身体を入れた。
袋を背負って歩く猫。
スーパー・キャットとも?
私が笑い転げていると、不機嫌そうにこちらを見る。
きつくはないし、動くのに不都合はないけれど、
いちいちみしゃみしゃいうので、気色悪くはあるのだ。
そのうちに鳴き声を上げた。
* * * *
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5/28 このまま滑り下りてきた
5月28日(火)
深夜、縁側でじっと庭を見ていたと思ったら、
居間に入るなり、頭の天辺がから細い声を出す。
口を小さく開けたまま、脚立の上に座り、
しばらく、なんか言っている。
手をもぞっとさせてみると、
すぐにハンティングの構え。
遊びたかったのだ。
でも、いつになくアグレッシヴ。
どうしちゃったの?
* * *
おかしなことを覚えた。
神棚、またの名を天国、への橋を下りるのに、
おとといは、横座りのまま、滑り下りてきた。
今日は、頭は上方に向けた状態で、またがったまま滑り下りてきた。
* * * *
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5月29日(水)
コチカは、人見知りである。
女性には比較的よいが、男性はだめ。
ましてや用もなく大声で騒ぐ子供は大の苦手。
でも、興味はとってもある。
毎週ピアノを習いに来ている子供に、ようやく慣れてきた。注)私はピアノ教えたりします。
いつもはベルが鳴ると、一目散に出ていき、
ドアが開いて、子供と目を会わすや否や、居間に駆け戻っていき、
帰る頃になると、廊下の人間からは見えない位置にこっそり見にきていた。
それが先週は、兄妹の兄の方に頭を触らせた。
でもやはり、今日は相変わらず居間で寝ていたが、
妹のトイレが入り、ドアを閉めた音を聞きつけ、
私が入っているものと思い、やってきて、あ〜。。と鳴き出した。
妹の方は、少々猫が恐いようなので、トイレから出てこられなくなっては、と思い、
ピアノの部屋のドアを開けると、コチカがあれ?という顔でいる。
おいで、というと、カーペットに首をすりすり擦りつけた。
あーんどうしよう、入りたいけど、恐い・・
入りたいのなら、と抱き上げて中に入れると、
ピアノの下に入ってしまい、とうとう最後まで出てこなかった。
兄の方は、コチカが黄色が好きだと教えたら、
黄色のボールペンを持ってきて、見せていた。
妹は、兄がレッスンしている間に描いた絵を、
これコチカちゃんに上げて、とくれた。
黄色い色がかいてあるけど、コチカちゃん、わかるかなあ、と言って。
動物と人間の子供って、同じくらい面白い。
* * * *
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5月30日(木)
夜になると活気付いて、遊ぼ遊ぼと、けしかける。
歩いていたりすると、
足に猫パンチを食らわせながら食いついてきたりする。
ふいに走ってみる。
走ると言っても狭い家のことだし、
また、そうっと走らないと、母屋に振動が伝わってはナニなので、
気を使いながらのことでですが。。
コチカは追いかけてきて、足にちょいっとタッチして、追い越していく。
いろいろなわざを思いついた。
逃げる、と見せて、止まるのだ。
追いかけてきたコチカは、止まれずに、足の間を抜けて走っていく。
向こうの柱を登ってから、あれ?という顔をする。
あるいは、
玄関から大急ぎで階段の下に辿りつき、
壁の陰に隠れて柱の上の方に指をかけ、ちょこっとだけ見せる。
コチカがそそられて柱に登る。
お尻のあたりをこちょこちょ、とやって、
私はまた玄関の方へ逃げ去る。
コチカが追っかけてきて、三和土に下りる。
私がまた走る。
コチカがまた追っかけて、と続く。
結構息が切れるもの。
* * * *
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2階からの眺め
5月31日(金)
2階の窓から下りてこられないひさしへ上ってしまって以来、
窓の網戸を開けなくなった。
窓の高さにテーブルを起き、外が見えるようにはしているけれど、
やっぱり前みたいにフェンスから体を乗り出して見ている方がいいだろう。
でも、もう恐いので、開けない。
人間が外出するときには、1階の窓も閉めていくので、
さぞかし退屈だろうと思う。
「2階の窓フェンスからのひさしよじ上り防止柵」を作る計画が進んではいるが、
どのような代物になるだろうか。
* * * *
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