2001年9月

~~~ミルク色のコチカ~~~


奮闘記 -2-




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* 9月9日(日)
うちに来て8日目。

ここがお気に入りの場所。
外に出たくて仕方がない。
カラスやら小鳥、蝉の声がコチカの中にたまっていく。
ときどき近所のノラ猫が様子を伺いに来る。 



昨夜はおむつをつけないで寝かせた。
したがって人間の寝室ではなく、一人でいた。

なんの問題もなかった。
が、おしっこはしていて、ウンチをしていない。
いつもおむつの中でしていたので、そのくせがついたのか。
だとしたら私のせいだ〜

今日はあまり抱っこもねだらず、窓辺を雨を見ていたり、
一人で畳みに寝そべって静かにしている。

エサをなかなかもらえない間に自立したのかな。

あれ!脚を開き、頭を突っ込んでお尻をきれいにしている。
だんだんできることが増えてきた。

* * *

しばらく窓辺でうたた寝をした後、
にゃ〜と甘えた声でひざのそばに来たので、来た来たと思い、
布を敷いて抱っこしていたら、おしっこをしてしまった。
どうやらおしっこは布の上でするものだと思っているようだ。

鳴きながら来たときに、トイレでさせてあげればよかったということか。
よし。次回にかける橋である。



 *  *  *  * 


* 9月10日(月) --- 今日からトイレの訓練 ---



うちに来て9日目。

雨が降っていて窓も開けられないので、
カーテンと遊ぶ。

まだ身体が軽いので
ぶら下がったっていいけど。。



寝てる間におもらしするので、
見つけ次第、叱ってみた。
遊んでいる間はもらさないようなので、
感覚がないわけではないと思うのだ。
ただ、リラックスして眠りに入るときにもらすのは
どうやって止めさせるのか今一つわからない。

叱って、布のもらした部分の臭いをかがせ、手の肉球をぎゅっとつまむ。
コチカはぎゃっと言って手を引っ込める。
そして猫砂の入ったトイレにしばらくその布を置いておくのだ。
私の剣幕にたじたじとなるコチカ。
なんのことだかわかっているのだろうか。

あ〜これでいいのでしょうかどうなのでしょうか。。

もしも感覚がマヒしていて、どうにもならないことなのに、
叱っていたのでは可哀想だが、やってみなければわからないのだ。

* * *

最初は嫌がっていた耳と首筋のノミ取りも
やってもらうとかゆみが止まる、ということがわかったのかどうか、
平気でやらせるようになった。
こんな小さな身体に何匹もいるなんて、動物はなんて大変なんだろう。
次に生まれ変わるならなにか動物に・・と思うことがあるけれど、やめとこうっと。



 *  *  *  * 

* 9月11日(火)


          のびをしたままポーズ

うちに来て10日目。

だんだん大胆になってきた。
が、昨日から私に叱られてばかりいるので少々不安気。
でも眠りバナと起きたばかりは優しいので安心。 


寝てるか遊んでるか食べてるか。
何か面白いことはないかな、とあたりを物色して歩く。
隙間があれば手をつっこんでみる。
ヴィデオの下とか本棚の下とか。
ほこりがいっぱい出てくるので仰天する私。

* * *

昨夜もおむつなし。
でもそれでは人間が不安なので、
新聞紙を敷き詰めた。

新聞を敷いているときのコチカの表情!
字がたくさん書いてあるのが気味悪いのだろうか、
目をまん丸にし、毛を逆立てて見ていたと思ったらそのうちぶるぶる震え出した。
心配になってきて撫ぜてあげたりしてたら、
そのうち新聞紙の上をそろそろと歩き出し、
紙の端っこで遊び出した。
すっかり興奮してバタ狂い、なかなか寝ようとしない。
放っておいて、人間は先に寝た。

* * *

昨日さんざん叱られたせいか、
朝起きてからはベッドの中で眠ってもおしっこをしないようだ。
かと言ってトイレでもしていない。
うまくトイレでするようになるだろうか。

私が近づくと少々びくつく。
というか、今度は何を言われるのだろう、と様子をうかがう。

* * *

身体自体はだいぶん曲がるようになってきた。
このようにお尻をきれいにします。 

そもそも猫坐り(ウンチング・スタイル?)ができないのだ。
足の裏が地面につかないからである。
ぴーんと脚を前に伸ばしたままか、横坐りする。
猫坐りくらい遺伝子の中に組み込まれているだろうが、
坐れるように身体がなってないといけない。

足の裏を逆方向にそらせてみると、突っ張ったようになっている。
やはり筋が固まっているというか、伸びなくなっているらしい。
これをなんとか伸ばすことができればいいのかも。



 *  *  *  * 

* 9月12日(水)


ちっ

うちに来て11日目。

人間のいうことがいまいちわからず憂鬱。
トイレでいじけるコチカ。
でもそのお蔭で今日は何度かほめられた。


昨夜トイレを大好きなスポット、窓側のカーテンの陰に置き、
ほらあそこ、と指差したらのそのそ入っていった。
トイレに自ら入っていくのは、はじめてである。
ごそごそ音がするので覗いてみると、コチカも真っ黒な目をして
こちらを伺う。
何やってんのかな。

朝になると、自分のベッドに戻っていた。
そしておもらしして。
昨日一日おしっこをしていなかったので、ほっとした。

トイレに行ってみた、というのは大きな進歩である。

* * *

気持ちの良いお天気で、窓辺で本当にのびやかに眠る。
しかし!なのだ。
ただいまおトイレの訓練中なので、そそうをやらかすと怒られる。
かわいそうなコチカは最も理想的で快適な惰眠を貪ったあと、
2度も大目玉を食らった。
おしっこの臭いを嗅がされた後、ここでするのよ、とトイレを指差すので、
そこにいるべきだと思うらしい。

その後はずっとトイレに篭城。
トイレで眠ったり毛繕いしたり・・お蔭で何度かほめられた。
全くお利口な猫である。

* * *

体重が750gを越えた。
昨日は顔が丸々して見えたが、
今日は顎が尖り、目ばかり大きく見える。
昨日は肉がつき、今日は骨が成長したのか。
毛が無かったら、人間の子供のように顔の皮膚がムラムラしていることだろう。

* * *

もうほとんどのみもいないようだ。
首筋などの、地肌に近い部分の毛はとても細く、ノミ取り用のくしも容易には入らない。
真っ白で真綿そのもの。
よくこんなに美しく生まれたものです。



 *  *  *  * 

* 9月13日(木)

     

うちに来て12日目。

思いきり遊ぶ。
好きなものが増えた。
ティッシュ、ひも、ケーブル、
TV(おすもう)、カーテン、隅っこ。




日常的に優しいときと叱られるときと、人間の声色でわかるようになってき
ている。イケナイことをしているときに「コチカ!」と呼ぶと、やめるのだ。

おもらししたときには、にゃーにゃー鳴いて、こちらに来るな、と防衛線を張る。
可哀想だし、もうわかっているらしいので、声を緊迫させるだけで、懲らしめる
のはやめにした。

昨日の日中はそんなわけでずっといじけてトイレの中で寝ていたので、
夜にはおむつをして思いきり遊んであげたりべたべたしたり。

ときどき狂ったように遊ぶ。
過激な遊びが好きらしく、大きく動く物体を追って、
身体を床に左右に打ちつけるようなのが好きなのだ。
こちらが疲れてやめると、もっと〜と催促する。

* * *

夜寝るときにはおむつをはずした。
朝起きてみると案の定おもらししている。
あ〜あ、と抱き上げると、恨めしそうな目をした。わかっているのだ。

しかし、トイレを折檻部屋だと思っている節があって、
叱られるとトイレに行っていじけたようにしているが、
そのうちに寝てしまう。そうすると居心地が良くなるらしく、もうそこにずっといる。
でもおしっこはしないのだ。
う〜ん。

* * *

猫砂をかいて穴を掘っている。そのうちににゃーにゃー鳴き、私を
呼ぶ。なんだろうと思ったら、おむつの中にウンチをしていたのだ。

夫がいるときは彼と気楽に遊べるようにおむつをするのだが、穴を
掘ったら野生が甦ったのか、ウンチをしたのだ。だから呼びにきた。
だったら、やはり感覚は確かにあって、トイレのくせも可能なのかも
しれないと思えてきた。あともうちょいだ!



 *  *  *  * 

* 9月14日(金)

     

うちに来て13日目。

冒険したくてしようがない。
念願の窓の敷居に乗せてあげたら
しきりに外の匂いを嗅いでいる。


昨夜はお医者さんの勧めで猫用トイレで寝かせることにした。

トイレを折檻部屋だと思っているコチカ、なんで何にもしてないのに
ここに入れられるわけ?と納得いかない目をしている。仕方がない
ので猫ナデ声で話しかけながら、しばらく背中を撫でていてあげた。

* * *

布のベッドを探すといけないと思い、洗った食器を置く“オケと水切り”
のオケにトイレを入れ、水切りを逆さまにオケの上に置き、ガムテープ
で留め、即席のケージを作った。なんだか不憫だが、トイレに慣れさせ
るため、仕方がない。

* * *

朝になったらウンチをしていた。万歳!
しかしおしっこをしていない。

私が家にいるときにウンチをしたくなると、私を呼ぶことがある。うちに
来た当初、便秘勝ちだったので、私が肛門の脇を押して出してあげて
いたからだろう。それが板についてしまい、私の伸ばした両足に寝かせ
るとウンチが出てくる。困ったものだ。このタイミングをのがさず、トイレ
でできるようになれば。

* * *

午後になって少々おしっこをしていた。よかった。でも全部じゃない。
おなかが張っているのが心配。

* * *

友人が見に来て、かなり小さいことに驚いていた。写真で見ると大きく
見えるらしいが、まだ800gそこそこなのだ。牛肉1kgに毛を生やしたら
そちらの方が断然大きい。

コチカは少々とまどい気味だったがはじめて会った人に遊んでもらって
新鮮な気分だったことだろう。



 *  *  *  * 


* 9月15日(土)


= 今日のコチカ =      

うちに来て14日目。もう2週間!

ケージを買ってきた。
しばらくは不安そうだったが、じき慣れた。  
で、
人間は人間のすべきことをしに外出した。
そしたら・・ 


慣れない猫砂トイレではおしっこをしないので、
いつものタオルをペラリと入れておいた。

朝になったらおしっこをしていた。よかった・・

お利口だったね〜などと言って背中を撫ぜてから、
汚れたタオルを風呂場に持って行き、洗っていた。

かさりと音がし、そのまま静かになったので、振り返ると、
背を低くして真っ黒な目をし、こちらを伺っている。
どした?と向き直ってもこちらの目をじっと見ている。
卑屈になってもいない、まっすぐな目である。

真っ黒な目に身体中の神経を集中させて
こちらを刺すように見ている様子に圧倒され、私はたじろいだようになり、
一瞬なんて話しかけていいか、わからなかった。

自分は叱られると思ったが叱られなかったので、
私がどういうつもりなのか、こっそり伺いに来たらしい。

白く小さく丸いコチカもいろいろと感じ、考えているのだと思った。
感動するほどに精密に創られたものである。

*

思うに、汚れたタオルを指さしたら、もうそこで叱られる、と思う回路ができている。
指を指したらいつものように叱られないと、何がどうなのか、わからないのではないだろうか。
だったら、
指を指して誉めるよりむしろ、何も言わず知らん振りした方が良いような気がする。
何も言わなければ、悪いことをしたわけではないのであり、
ことはそれで済んでしまい、それからも同じことを続けていけばいいのだから。

* * *

どうもウンチの切れが悪く、というより、トコロテン式に押し出されてくるらしく、
その辺を汚す。
そうすると、自由に歩かせてあげたいと思っても、こちらも神経質になり、
新聞の広告を敷き詰めていたのだが、それでは人間のいる場所がなくなる。

と、いうことで、とうとうケージを買ってきた。
60−85cmと、そこそこの大きさ。
まだ小さいので当分は大丈夫だろう。
ハイキング用のビニール・シートの上にケージを置き、
その中にトイレとキャット・フードのお皿とお水を置いた。

トイレのしつけができる間だけなのだし、その中で遊べる道具を入れて置けば、
ひとりでいても退屈はしないだろう。
これなら半日くらいは外出しても安心だし、掃除も簡単で人間も嬉しい。

* * *

では・・と人間は外出した。
そして3時間後。ただいま〜と帰ってきたら、
なんとコチカは台所の所で出迎えているではないか!
あっちとこっちに2つウンチをしている。
なんで〜???
ケージの高さは60cmある。到底上れる高さではないと踏んでいたのに。。

*

夕暮れに拾ったとき、薄暗がりにも紛れず、白くて目が真っ黒で神懸っているように見えたが、
やはり魔女の化身だったのか?
はたまた現代における逆戻りエスパーか。
キツネならぬ猫につままれてしばしボウゼンとしてしまった。

またケージのトイレに戻されてしまい、
静かに目を閉じているが、なんとなく眉をひそめて苦笑しているようにさえ見える。ゾゾゾ...

*

でも簡単に種証しはできた。本人がやって見せたのだ。
コチカはカーテンの陰が好きなので、夫がレースのカーテンをケージにかけてやっていたのだが、
そのカーテンに前足の爪を引っ掛けて登り、ケージを乗り越えたのである。
このように・・

    

でもこのくらいのことは猫なら普通にやってのけるのだろうが、
コチカはまだ生後2ヶ月足らずだし、脚が不自由なのだ。

写真を見ると、ケージの横棒に脚を踏ん張り、後は腕力というか前脚の力でよじ登っている。
地面から飛びあがったりすることはできないが、のびをするのに後脚を突っ張ることはできるので、
そこをうまく利用してケージをよじ登ることができたのだ。

私はこれを写真に撮るため、夫に見せるために何回かやらせた。
最初は偶然できたことかも知れないが、やれることは何でもやりたい、という意気と運動神経に、ものすごく感動した。

* * *

それにしてもあれからの3時間どこで何をしていたのだろう。



 *  *  *  * 

* 9月16日(日)


うちに来て15日目。

ケージの中でつまんなそうなコチカ。
窓の外を眺めたり眠ったり。
ウナ・コーワを置いてみた。
大きさがわかるでしょうか。 


昨日はケージから脱走して驚かされたが、なんのことはない、
あの程度で驚いていてはいけなかったのだ。

“今日のコチカ”を更新した後である。
レースのカーテンをどけて安心していたら、
なんとコチカは闇雲にケージに飛びつき、よじ登り始めたのだ。

一度は失敗して落ちたが、2度目には成功した。
ケージのドアにある横棒に前脚を掛け、懸垂すると同時に腰を曲げて持ち上げ、
もう一つ下にある横棒に後ろ脚を掛けて器用に登って、飛び降りた。

あっぱれコチカ!
あんたはやっぱり猫だった。しかも健康でお利口な。

人間ははたと考えた挙句に、ダンボールで猫返しを取り付けた。
今度こそ大丈夫そうだ。
猫と一晩中いたちごっこになったどうしようかと思った。あ〜やれやれ。

* * *

今日は人間が忙しくしていたこともあって、
ずっとケージの中にいたので、夜になって夫が遊んであげた。
たまっていたものがあったらしく、ティッシュ・ボールで大興奮!
20分ほど大騒ぎした。

動きが緩慢になってきたので、ケージに入れたら、
遊ぶ前にキャット・フードを食べたのに、また食べている。
そうしたらぼーっとしてきたらしく、ふらふらしながら自分で目下のベッドであるトイレに入った。

* * *

なんだか急に大きくなってきたような。
明日は体重を測ってみよう。

* * *

写真が多く重くなってきたコチカのページを分け、掲示板を設置。





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