~~~ミルク色のコチカ~~~
奮闘記 -3-
* 9月17日(月)
サッカーに夢中 |
うちに来て16日目。 入浴した。 毛繕いをする濡れねずみの鶏がらコチカ。 |
入浴。
シャワーの音が恐いので(うちの湯沸し器が古くて轟音をたてるからなのだけど)、
風呂場へ連れて行っただけで大騒ぎして逃げ出すので、
バスタブにコチカの首くらい深さのぬるま湯をはり、
どうあがいても逃げられないようにした。
浸けてみると、最初こそピクッとなったが、
お、気持ちいいじゃん!と思ったらしく、じっとしている。
ブラシで身体を梳かし水を浸透させ、ノミの根絶を図る。
やれやれ。
しかし、坐れないのでまもなく上に上ろうと焦り始めた。
タオルに包んで部屋に戻ると、鶏がらみたいで貧相である。
知り合いにこんな老人いるな、なんて思いながら、写真を撮った。
大雑把に水気をふき取ると、後は自分で舐めて乾かした。
* * *
しっぽの毛がごっそり抜け落ちた。
幅2mm縦1,5cmほど禿げてしまった。
しっぽは神経が行き届いてなくて、動かないのである。
でも毛は普通に生えていた。
どうしたのだろう。
トイレでの生活のための、単なるストレス性の脱毛症だったら、いいのだけど。
ちょっと心配。
* * *
ノミ駆除用の首輪をつける。
かなり薬品の臭いがするが本当に大丈夫なものなのだろうか。
ピンクなので、よく似合うけど。。
* * *
探検したくてにゃあにゃあ泣く。
やりたいときが伸びるときである。
脚がなまってもいけないと思い、ケージの外へ出した。
あちこちに広告を敷いて、どうするのだろうとじっと見ていると、
見るな〜と怒る。
* * *
窓辺の網戸のところに坐っていたら、chaaーっ!となんどもやるので、
見に行ってみると、近所のノラが正座し、
コチカをじっと見ている。
目と鼻の先である。
コチカの4倍はありそうな黒っぽい虎猫。
コチカは何度も威嚇するが、向こうは悠然たるもの。
私の気配に気づくまで表情ひとつ変えなかった。
* * *
<奮闘記23からリンク>
夜、紙を丸めたボールでひとしきりサッカーを楽しんだ後、
トイレ・ベッドに入っておとなしくしていると思ったら、
にゃっっにゃっっと小さく声を漏らしている。
ウンチしてるのかな、と思っていたら、
こちらを見てにゃーにゃー鳴き出した。
なんだ、まだ遊びたいのかと思い、わがままは許しません、とばかり無視していた。
しかし鳴き声がだんだん尋常じゃなくなってきて、必死で何かを訴えかけているので、
とうとう抱き上げてお尻を見てたら、便が出かかっている。
それが大きく硬くて、痛かったのだった。
*
正座した両足にあお向けに寝かせると、おとなしく目を閉じた。
肛門の脇を徐々に押すと、
痛いのだろう。にゃっとか、んっとか、声を出す。
しかし目は閉じたままで、自分の手を噛んだり、両手で目を隠したりしながらも、じっとしている。
拾われてきた頃、時々こうして出してあげていたので、
こんなものだと思っているのか。
やんごとなき家柄の、頼みまする・・とお尻をまくった姫君よろしく、
すっかり安心してまかせきっているのである。
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折悪しく私は食事中だったのであり、大変に不愉快なのだけど、
まあ、仕方がない。
無知だったとは言え、出すべきではない手を出したのは、人間である私なのだし。
最近は自分でウンチもできるようになってはいるが、
居心地の悪いトイレなんかで寝てたりするから、たまにはウンチが硬いこともあるのだろう。
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10分くらいもするといつもより大きなのが、無事とれた。
よほど痛くて応えていたのだろう。
じっと目を閉じていたままのコチカはたちまち熟睡してしまった。
ザル蕎麦がかたまってしまう〜と思ったが、
あまりにも気持ちよさそうなので、しばらく身動きがとれなかった。
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うちに来て20日目。 病院から引きとってきた。 久しぶりの自宅でひとしきり遊ぶ。 |
病院に迎えに行くと、『クロ』という病院の猫に仲良くしてもらったらしく、
親しそうに寄り添ったりしている。
私の足元に来て、一言にゃー!っといったが、あれは帰りたくないよー!と言ったのかな。
医院の床を走りまわり、テーブルの下でこちらを伺う。
なんかすっかり病院に馴染んでいて、ちょっと太って逞しくなったようだ。
* * *
うちに帰るとここはどこだったけ〜と見まわしている。
ケージの中には猫砂トイレと、コチカのベッド・トレーを置いた。
しかし、前は好きだったベッド・トレーよりも、トイレの方がいいのか、
トイレに座りにいってしまう。
いつものように砂を掘り返してみたりした後、
ケージの中と外で派手に遊んだ。
上から吊るしたひもと、ヴィデオ・デッキの隅っこ突つきとボール紙でのサッカー。
以前のようにすぐには疲れず、一つのことに飽きると他の何かを探している。
* * *
病院の先生の話では、
布とトイレシートを並べて置いておいたら、
布の方にはおしっこもウンチもしなったとのこと。
へ〜。お利口さんなったものだ。
尻尾の毛が抜けてきたのは、ちょっとした皮膚病だったのだそうだ。
* * *
ということでさっそくシートを買ってきた。
犬用だけどいいのかな。
トレイの中に入れ、コチカも入れておいたら、
ちょっと汚し、たちまち嫌になってどけてしまい、トレイに直に座っている。
医院ではどうしていたのか???
* * *
疲れてくると足元に寄ってくる。
久しぶりにお膝においてお仕事。
あそこ掻いて〜ここ掻いて〜・・
要望のある場所を掻いてあげると、私の手やら腕やらを軽く噛んだり舐めたり。
猫同士だとそんなふうにするのだろうな。
もうそろそろいいかなと、テーブルに向かって片手間によしよししていると、くぁ〜、と怒る。
確かにね。
人間だって背中掻いてくれる人がテレビ見ながらだと、
気が入ってなくて気持ちよくないもんね。
まじめにやってよ、くぁ〜。。
もう眠くてすでに声がかすれている。
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9月22日(土)
うちに来て21日目。 いただきものの“七転び八起き”で猛獣に戻った。 低い声でウーッとうなったりする。 将来は白いライオンか? |
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“七転び八起き”で30分は暴れた。
やっぱり獣なのである。
目つきが変わり、いつものコチカとは全然違っている。
隅っこへ持って行って、
静かにごそごそ音だけ聞えると思えば、
出てきて格闘技さながらのパフォーマンスも見せる。
* * *
毛の抜けるのは尻尾だけだったのが、
背中の下、お尻の方も少し抜けている。
なぜだろう。
* * *
医院ではちゃんとわかっていたとのトイレの認識も
うちではダメらしい。
前々からうちでしていたと同様、寝るために敷いているタオルにおしっこをしてしまうのだ。
しかしタオルが汚れるのは嫌なので、
その上にトイレシートを自分で敷いてしまう。
賢いやらそうでもないやら。
うーん。。
* * *
嬉しいのは猫座りができるようになってきたこと。
夫が言うには、なんと右足で顔を掻いていたのだそうだ。
あとは左脚である。
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入浴させ、ノミ取り用の薬を首筋につけた。
1ヶ月持つのだそうだ。
爪研ぎ用シート(?)も買った。
いつの間にか猫グッヅが増えてきた。
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9月23日(日)
うちに来て22日目。
あまりに激しく遊ぶので “七転び八起き”はあっと言う間にねずみのかつらが 取れてしまった。 猫のトイレ坐りができるようになっている! |
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昨夜人間が寝るときにあまりに鳴くので、
やはり寒いのだろうと思い、ビールの空き箱で寝室を作ってやった。
気に入ったようで、たちまち静かになった。
* * *
朝になってみると、やはりタオルにおしっこをしている。
そして、うちではトイレ・シートは具合悪いのか、
昨日からウンチをしていない。
人間が出かけるとき、このまま放っていったら死んでやるから!とばかりに鳴くので、
あれこれやるのは良くないだろうと思いながらも、猫砂に変えてみたら、
しばらく掘り返した末にようやく座り、おとなしくなった。
帰ってみると、ちゃんとウンチもおしっこもしている。
やれやれ。
タオルを置いていかなかったので、そこでするしかないと思ったのだろうか。
* * *
なんと猫のトイレ坐りをした!
トイレの訓練をはじめて13日目の快挙である。
遊んでいるとき、トイレに入ったと思ったら、
砂を丹念に掘り返し、坐り、しばらくたってからまた砂を掘り返した。
そのとき排泄したのかどうかはちょっとわからないが、
とにかく、トイレ坐りができるようになっているのだ。
医院の大人の猫を見ていて学習したのだろうか。
それとも最近は坐れるようになってきたので、
だんだん猫らしさが思い出されてきたのか。
進歩するものである。
* * *
“七転び八起き”でさんざん遊び、よい訓練になったようだ。
左の後脚も曲げられるようになり、左右の脚が動き易くなっている。
だから、中腰に坐った状態で前脚での作業(?)もできるようになった。
あとはつま先が伸びて、ロココ調の猫脚になれば。。
頑張れコチカ!
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うちに来て23日目。
トイレで本当におしっこをしているのかどうか 確かめようと近づいたら、すごく恐い顔をした。 コチカのトイレ・スタイル! |
![]() おしっこしてる振り? |
眠る時間が短くなってきた。
四六時中遊んで〜とせがむ。
“七転び八起き”はもうねずみの部分の毛皮がとれてしまった。
毛皮を買ってきて、くっつけなければ。
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今度は猫砂飛ばしを覚えた。
タオルを敷いたベッドだと排泄してしまうので、
トイレとは別に、猫砂を敷いたトレイを目下の寝室であるビール箱に入れたら、
寝るどころか砂を散らして遊び出した。
んも〜。誰が掃除すると思ってんでしょ。
* * *
それにしてもコチカ、遊んでほしいとき、
人間が本当に忙しいときには、適当に自分で遊ぶのだ。
でも、
ちょっとでも人間がその気がありそうなときには、
にや〜〜う〜と長々と鳴く。
そのピンクの口が長いこと開いていると、口の避けた雪女のようで、
恐くなってついそばにいって遊んであげてしまう。
* * *
コチカは随分大きくなってきた。
いつものように左腕に抱っこして、右手でおなかをさすろうとしても、なにか具合が違う。
目もビー玉のように大きくなり、顔だけ見ていると、大人の猫のようである。
* * *
トイレで坐ってしばらくじっとした後、砂を掘り返す前におしっこしたのかどうか見ようと思い近づいたら、
怒られると思ったかどうか、身体全体で警戒し、すごい表情でこちらを見た。
とりあえず、背中を撫ぜておいたが、やはりおしっこしているのだろうか。
砂が濡れてるのかどうか、今ひとつ確認できないのだ。
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9月25日(火)
うちに来て23日目。 近所の猫(シルヴィー)が私の足元に 首筋をすりつけ、挨拶をした。 そのまま部屋に戻り、コチカに近づいたら、 いつもと違う匂いに驚いた表情のコチカ。 |
むむむ |
今日はウンチを立て続けに何度もしてしまったので、
一度に何度も叱られた。もうペンペケペンである。
しかし、トイレと違うところにすると、
鳴いて知らせるのだ。
それは見上げたものだと思うのだが、
誉めたり叱ったり、同時に言葉で言って聞かせられないところが残念だ。
猫といると感情を捨て、とっさの判断力と知恵がいる。
頭が鍛えられる思い。
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はじめてなのだろうか、外の猫の匂いを私がつけてきたのは。
何これ〜???と異様な雰囲気に包まれ、
そのまま固まって透明になっていきそうだった。
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9月26日(水)
うちに来て24日目。
ケージから外に出たくて仕方がない。 鳴いてせがむが、私にその気がないことがわかると 自分で何か見つけて遊ぶのだ。 トイレに入ったまま手を伸ばしてひもと遊ぶコチカ。 |
昨日たくさん叱られたせいか、
今日はなんだかお尻まわりがきれいである。
なので、2時間くらいケージの外に出しておいた。
暴れる暴れる。
畳から40cmはある窓枠へもなんとか自力で登った。
そこらここらの臭いを嗅いで、あっちへ走り、こっちへ走り。
曲がるときにずっこけるのだが、気にしてるのだかどうなのだか。
見ていると疲れるので、放っておいた。
ひょっとして汚していたとしても、知らぬが仏である。
夜になったら掃除するからいいのだ。
* * *
さんざん遊んだ後、ひざのところに来たので脚のマッサージをした。
肛門が脱肛気味なのは、まわりの筋肉に神経がいってないせいかも知れない、
と思い、氷を当ててみると、はやり反応がない。
手足の裏に当ててみると、んぎゃっ!と応えるので、
やはり尻尾がダメージを受けてるのと同様に、感じないのかな。
ちょっと深刻。
でも、便意を催すと知らせるし、そこらにしてしまっても知らせるので、
全く垂れ流し状態ではないと思うのだ。
まわりの筋肉がもう少し発達してくれば、もうちょっと良くなるかも知れない。
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ということでツボ治療をすることにした。
といって、私は専門家ではないのだけれど、
骨に沿って、あるいは人間だったら気持ちいいと思えるツボらしいところをシャーペンの先でつんつん刺激するのだ。
肛門の周りなど、全然感じないらしい。
骨盤のおなか側、人間でいうと恥骨に当たるあたりだろうか、は少々痛いらしく、
私の腕に抱きついたまま噛みついたり、
自分の手を噛んだり顔を隠したり(このしぐさがかわいいのだ!)している。
でも、がまんすれば良くなると思うのかどうか、逃げ出さない。
面白いものである。
右脚のももに当たる部分を刺激すると、声を上げて、顔を見上げる。
でも左脚の同じところは感じないか、痛くないらしい。
マッサージをし、身体を動かすことで、脚がこれだけ動くようになってきたのだから、
もう少しくらいなんとかなれば、と切に思う。