2003年7月

~~~ミルク色のコチカ~~~


奮闘記 -26-




平らかなる猫の尻(?)



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7月1日(火) 曇りのち雨。

やぐらの上で嘔吐。
胃の中の残留物と、赤く長い草と、直径1cmくらいの毛。
やはり散歩のときに草を食べ、その後、居間の物見やぐらにいたのだ。
いつもの順序といえば順序。

よく吐くものである。
28日に毛を大量に吐いたばかりなのに。

*

前に、大量のキャット・フードと今日くらいの毛玉を吐いたことがあった。
今朝は、昨日のキャット・フードが足りなかったのか、おなかがすいた、と鳴くので、
少しやったのだ。
その後、散歩に行って草を食べ、吐いた。
でも、キャット・フードの大半は消化されていて、なかった。

以前に吐いたとき、
大量のキャット・フードがまだ胃の中にとどまっていたのは、なぜだろう。

* * *

吐いてからコチカは、いつもなら元気になるのに、
今日は、元気ではあるけれど、お皿になんか残ってないかな、と見に行ったりはするけれど、
なにか覇気がなく、珍しくテーブルに座っている私の膝に乗りに来た。

玄関のベルが鳴り、出ていくと、コチカも走って出てきた。
大家さんだとわかると、三和土に降りて、にゃ〜とか言っている。
まあ、元気そうだ。

でも、またテーブルのところに座ると、コチカは膝に乗りに来る。
今日は少々涼しいからだろうか。

そして毛づくろいなんかして、
めいちゃんのお家に預かっていただいているときに、
左足の指の間に挟まったままとれなかった猫砂を取ったりしている。

覗き込むと、あらあ!赤いペニスが勃起している。
かわいそうに。コチカは精液がたまりすぎて、それで具合が悪いのだろうか。
でも毛づくろいが終えて気分が落ち着くと、ひっこんだ。

* * *

なんか体が熱いように思うのだけど、気のせいかな。
膝の上にじっとしてればそりゃ温かくはなってくるのだろうけど。

* * *

ただれていた睾丸の皮膚が治ってきて、ばりばりのかさぶた状態だったのが、
めらめら剥がれてきた。
こういうのって剥がしたくなるのですよね。むふふふ。
でも、無理に剥いだりしません。もちろん。

しかしながら、何かに似ている。
あ、そうだ。栗の渋皮!




 *  *  *  * 




7月2日(水)

顔つきが元に戻った。
前よりも甘えん坊。

牙をむき出し、にゃ〜〜〜〜!と鳴く理由がわからなかったけれど、
困惑気味ながらも体を触り、撫ぜてやると、満足そうにしている。
撫ぜてほしいって言ってたのね。
んーな、こわ〜い顔して、よしよしして〜〜〜〜!って言ったって、わかんないってば。

* * *

夕方には、筋向いのチェリーんちの前がにぎわう。
ノラちゃんたちのお食事タイムなのだ。

コチカもお散歩。
チェリーがコチカのことが好きで、コチカの声がするとそわそわするのだそうで、
奥さんは、コチカが散歩をしていると、チェリーを外に出される。

私もチェリーと仲良しだし、コチカの友達になってほしいので嬉しいのだけど、
コチカは、いまいちチェリーが恐い。
なので、私はコチカを抱っこし、コチカをチェリーから遠ざけて、挨拶をする。

突き出たコチカの足先を、くんくんするチェリー。
前までコチカは、にゃ〜と力ない声をあげるだけで、チェリーは傷ついて退散してしまったけれど、
今日は、そんなでもなく、もっとコチカに近づいてきた。

kchaーーーーッ!というコチカ。
でも、もっと最初の頃は、こんにちわのときから威嚇モードだったのだから、
それを思えば、進歩したもの。
鼻をつんつん、とやるようになるのも時間の問題かもしれない……だったらいいな。

* * *

遅い夕方、アスカがうちの車の上を通り過ぎて行った。
ちょうど、居間の物見やぐらの上で見ていたコチカ。

にゃっ!と声を上げ、物見やぐらから飛び降りてきて、
アスカが行方が見えるはずの場所……2階の物見台……に駆けて行った。

で、見えなかったのだろう。
にゃっにゃっにゃにゃ…ア、アスカだ、アスカだ、と言ってるみたいに聞こえる…と小さな声を上げつつ下りてきて、
また居間の物見やぐらに駆け上がり、また下りてきて、今度は2階に走って行った。

最近は外で会ってもアスカがツレナイので、
コチカももう諦めているかと思っていたが、そうでもなかったのね。

* * *

夜。
夫と私がいる居間に、コチカがふら〜と入ってきた。
と、ぶぶ、ぶー、ぶぶ。。
へ?と人間二人が顔を見合わせてからコチカを見ると、同じく、へ?という顔をしている。
ったくー。しらばっくれてもう(笑)。




 *  *  *  * 




7月4日(金)

朝から立て続けに、2度もお水を飲んだ。
そんなもの?

* * *

夜。
縁側とお風呂との間を、アスリートの選手よろしく走っている。
何本かやった後、居間にへたりにきた。
ぐったりとしているようだけど、すっかりくつろいでいる様子でもない。
なんか妙だな、と思っていると、やおら起き上がって、
お尻がついていたあたりをくんくん嗅いでから、立ち去った。
?と思い、臭いを嗅いでみると、むむむ、臭う。
なんというか、おしっこにも似ているのだけど、違う。
台所でぼーっとしているコチカを捕まえておしっこまわりを見てみると、
睾丸がべっとりと濡れたようになっている。
何これ?
夫は、マーキングじゃない?と言うが。

*

縁側にあいまいな座り方で座り、ぼーっとしているコチカ。
どしたの?
誰がいたの?




 *  *  *  * 




7月5日(土)

朝、お散歩。
玄関の門に寝そべっているので、ひもを結わえておいたら、
門の柵を出たり入ったりして首が絞まっちゃったらかわいそうだから、と、
大家さんが、フェンス屋さんがくれたフェンスをくれた。
どうもありがとうございます。

* * *

おしっこまわりのただれた皮膚も再生してきたので、お風呂に入れることに。

また戦争を覚悟したけれど、
熱めのお湯……人間の私が手を入れて少々熱めと感じられる程度だから39度−40度くらいか……、
に入れてやったら、あいまいな表情ながらも、悪くなさそうだった。

でも、嫌であることが基本にある。
いつもよりおとなしめではあるけれど、引き戸の合わさり目に顔を向けたまま、
いつなんどきでも逃げられる体勢での、入浴。

* * *

最近、抱かれることにも慣れてきた、というか、もう諦めを通り過ぎた、というか、
しばらく抱かれているようにもなった。

なので、バスタオルをまいたまま、しばらく抱っこして、涼しい風に当たる。
それでかなり水気が取れて、あとはコチカにまかせる。
居間の物見やぐらで、水気取り&毛づくろい。
きれいな真っ白白猫のできあがり。
なんか腕が長いと思う。

* * *

あんなものだったろうか。
猫のかかとからとふくらはぎの関節あたり、肉がほとんどない。
シッターさんのところにいる間に、おしっこがついたせいでただれて毛が抜けてしまっていて、
皮膚が透けて見えてるせいもあるけれど、
こんなに肉ってないもの?
関節のすぐ上の裏側なんて、肉がなく、つまんでみると、皮だけなのだ。

でも、歩き方が変わったわけではない。
つま先立って普通に歩いているし。
近々、チェリーんちのペッタンの足を触らせてもらおうっと。


入浴後のコチカ。なんか腕長くありません?


 *  *  *  * 




7月6日(日)

夕方、お散歩。
アスカが出てきて、あ〜、と鳴いた。
コチカは、まただ、という表情で立ち去ろうとしたが、私はアスカを撫ぜた。

そうしたらコチカが戻ってきて、アスカのお尻をくんくん嗅いだ。
アスカは、居候をしている家の門から出て、左に歩き出した。
コチカも後を追った。
アスカが振り返ると、コチカは一旦座り、それから隣の家の庭に行こうとした。
私は入れないので、コチカを牽制したが、そのうちに、アスカは、
そこの家の母屋脇にある、アパートへ続く階段に少し上り、後ろ向きのまま座っている。
きっとコチカを誘っているのだ、と思った。
コチカもじっと見ている。

よその家の前にずっといるわけにいかないので、
私はコチカを抱っこして、一旦家に戻ったが、あのまま私がいなかったら、どうしていたろう。

*

カメラを取ってきて、アスカを何枚か撮った。
アスカはだんだん私に慣れてくるようだ。
今度は、タロウである。

* * *

昨日お風呂に入れたので、今日は、ノミ・ダニ駆除剤をつけた
本当は、皮脂の充分出てきた3日後くらいがよい、と何かで読んだけれど、
そんなもん、待ってられない。
コチカはまだ若いので、昨日の今日でも大丈夫だろう、とシロウト考えを実行。

*

ところがこれが、かゆいらしいのだ。
ときどき足で掻いたり、舐めたりしている。
皮膚を傷めてもいけないし、舐めても毒だろうと思い、
そばにいて、気づいたときには掻いてやる。

掻いてやる、と言っても、撫ぜてやるだけなのだけど、
肩甲骨の間を撫ぜると、肩甲骨や頭を、右、左、と痒い方向に動かすからおもしろい。

それにしても、前からこんなに痒がっただろうか。
以前は、違う薬だったように思うけれど。
今使っているサンスポットは、コチカに合わないのだろうか。
あと2回分買ってあるのだけど、それが終わったら、別のにしよう。




 *  *  *  * 




7月8日(火)

夜中に、がたり、と音がするので、台所に見に行ったら、
コチカのキャット・フードの入っているお皿の上に何かが倒れて、
お皿の中身が散乱している。

炊飯器などが置いているラックの下に、コチカのお皿はいつもある。
そのラックの下から2段目を、昨日からコチカはずっと気にしていたのだ。

ゴキブリでもいるのだろうか、と特に気にも留めなかったが、
ニンジンやジャガイモなどを入れた大きな目の篭製の入れ物をどけてみると、
何これ???
何かの皮やビニール袋が細かくちぎれていて、その初めて見る光景は、
まるで麦などの入った、朝食シリアルさながら。

かなり不審に思いながら、野菜篭を見ると、
なんと、忘れていたサツマイモが何者かによって、かじられている。
篭の隙間から食べられるだけを食べた、という感じ。
朝食シリアルは、その食べかすなのであった。
では誰の?
ネズミである。

そういえば、昨日かおととい、大家さんが、小さな家ネズミが庭を走っていた、
と言っていたな。。

*

朝の散歩のときに、大家さんにそれを話すと、
近所の家を打ち壊しているので、そこに住んでいたネズミが追い出されて出てきたのかも、
ということだった。

隣のアスカとタローが居候しているお宅にもネズミが出て、
テーブルの上に置いてあった食パンを、まわりの堅いところは食べず、
真ん中だけ齧ってあって、
これはなんだろう、とうちの大家さんに見せに来ていたのだそうだ。

近くに地下鉄ができてから、
地下鉄に住むネズミが、食料を求めて、近所の家々に出るようになったけれど、
それらはドブネズミなので、人間のいるところには出てこないはず。

だからきっと家ネズミの仕業だろう。

むむ。
田舎みたいな東京である。
古い家が多いし、庭がたくさんあるし。
面白い、というべきか。。




 *  *  *  * 




7月10日(木)

夕方、出かける前にコチカにご飯をやろうと冷蔵庫を見ると、
あ〜!!!そうだったそうだった〜キャット・フードを買っておかないといけなかったのだったのだ!

と言ってももう買いに行っている閑はない。
しかし、幸いにもキャット・フードは数時間分なら残っている。
帰りはもうキャット・フードが買える店は閉まっているので、
電車に乗る前に買って、出先には重いけれど持って行こう、
と決め、音楽会に行くのに、わざわざ大きめのバッグを持って、出かけた。

わずかながらのキャット・フードを食べてしまい、空腹のために目を光らせているだろうコチカを思い、
大急ぎで帰ってきたら、

なんと夫がいつもよりも早く帰宅していて、
わざわざキャット・フードを買いに行って、コチカに食べさせていた。
なんでも、目を吊り上げて、チンピラさならがらの形相だったのだそうな。

あはは〜ごめんね、夫よ。
でもでも、うまいチームプレイでよかったよかった……ってチームプレイとは言わないか。。




 *  *  *  * 




7月13日(日)

夕方、玄関の門に結わえてあったコチカがのたうちまわっている。
リードが柵に複雑にぐるぐる巻きになっている。
どうしたのだろう、と通りに顔を出すと、

グレイのほっそりした新顔猫と、その飼い主さんが、帰って行こうとするところだった。
まだ若い飼い主さんは、ニコニコ顔で、
手綱つけてるんですね、と言った。

たづな???、と思いながらも、そうそう、と首を振り、
その猫ちゃんのことを聞きたいと思ったし、
彼らが行く方を見ながら、コチカのリードをほぐしていたのだけれど、
もう行ってしまった。
また会えないかな。。




 *  *  *  * 




7月14日(月)

昨日の夜中、猫2匹が庭でやりあっていた。
隣の家の窓が乱暴に開いて閉まるのが聞こえた。
ひょっとしてコチカ?と思い、下に行ってみると、
階段下の棚の上で正座をし、闇の中に見入っていた。
しかし、庭の端の方向なので、ここからは見えない。
耳だけをそばだてている。
私の気配に気がつくと、少しだけ後ろを振り向き、にゃー、と小さく言った。

* * *

夕方。
黒のレトリーバーに会った。




 *  *  *  * 




7月15日(火)

朝の散歩。
筋向いのチェリーんちのガレージの、ノラちゃんたちのお食事タイムに、
グレイの猫が、食べにきていたのだそうだ。
ピンクの首輪をしていたけれど、飼い猫かしらね、なんて。

そのうちに、うちの大家さんが出てきて、昨日、飼い主見たわよ、
などと話をすると、チェリーんちの奥さんは、あ、それならよかったよかった、
とほっとしていた。

以前は、アスカの母親である、ノラ母さんが何度も子供を産むので、
ノラがいっぱいいたが、
チェリーんちの奥さんが去勢・避妊手術をしたので、
めっきりノラも減ったのだそうだ。

ノラが多くて問題の起きている地域ではうらやましいだろうが、
私は、淋しい。

家のまわりに馴染みの動物がいるのって、大切なことだと思う。
それでなくても、殺風景な都会である。
精神が自然の一部として許容できるのは、人か動物くらいなのだ。

疲れて帰ってきた道すがら、
慣れ親しんだ場所で無防備な姿で、ゴロリとなっている姿は、心が和むし、
ほっとした気持ちで、手を出すと、急に身構えたりする態度を見て、
ああ、一生懸命生きてるんだな、なんて思ったり、
生きとし生けるものの反応って、なにかしら、脳ミソにいい影響を与えるものだと思う。

田園風景なんて、もはや望むべくもないけれど、
原っぱや、野原がなくて、動物もいなくて、
医療ばかりが発達して、
人はなかなか死なせてもらえないし、
清潔かもしれないけれど、温かみというものがない環境で、
生き延びたいとは思わない。

そりゃ、家猫でも、やたらと増やして、家でトイレの設備も充分に作らず、
野放しにして、近所の庭を徘徊させている飼い主はいて(私は実際に知っているのだ)、
そういうのだと、モラルに差し支えるし、
ノラ猫の排泄物でやたらと庭が臭うのも、嫌なものである。

しかし、どちらをとるか、ではないだろうか。

究極的なことを言えば、船に乗っているネズミは、
船に異変が起きると、いなくなってしまう、というではないか。
動物と一緒にいて、人が助けられることは普通にあるし
言い換えれば動物がいない場所に、安全と平和はないのである。

もはや、猫が自分自身で死に場所は探せない。
野や山がないからであり、世間が危なくて、猫を外に出せないからである。
そんな日本に誰がした?




 *  *  *  * 




7月16日(水)

またもやグレイのニャンコにやられた。
と言っても、グレイ・ニャンコは外を通っただけ。

コチカはつい射精したのだろうか。
畳に直径2cmほど、臭いのシミを作ってしまい、
消臭剤をしゅーしゅーしたけれど、
臭いを嗅いでは、砂を掻く動作をしている。
それにしても、この臭いの正体はいったい何?
敵対しそうな相手がいると、こうなのだ。




 *  *  *  * 




7月17日(木)

夜中に、茶色い猫の、尻尾の伸びた背中にのしかかっていく夢を見た。
と思ったら、うにゃうにゃうにゃ〜と声がし、コチカだ!と思ったので、
手をのばしたら、ガブガブに噛まれた。あ痛てててぇ〜
どうやらコチカの足に乗ってしまったらしい。
痛かったのだろう。相当な制裁を受けてしまった。あーびっくらした。

* * *

アスカに会った。
珍しく近づいて、鼻挨拶。
でも、それだけ。

* * *

カラスの羽。差し渡し30cmほど。
おっかなびっくりのコチカ。
それにしても、生体のものだと思うところがすごい。
生きとし生けるもの特有の共通した臭いって、あるのだろうか。

* * *

草の食べすぎ。
やめてほしい。おならをするから。
音なしの構えでこられると、たまんないときってあるのですよ。。

* * *

チェリーの奥さんとお話。楽しいお散歩。


ネコ型に破れた写真?
いえ、アスカと鼻つんつんしてるとこ。


 *  *  *  * 




7月18日(金)


朝のお散歩。
ゴミの山は宝の山?
いろんな臭いに、興奮気味。

エエ加減にしなさい!

* * *

昨日のびっくりは、カラスの羽。
今日は、ドロにまみれてコンクリートと同化しかけているヒモ。

おっかなびっくり、臭いを嗅いだり離れたり。体を前後に揺するようにしてブツを確かめている。
こんな動作をする爬虫類いたな。。

しかしながら、単なるひも。
さすがに生きとし生けるもの特有の臭いはないはずだけど、
そっか。
猫やらなにやらの動物の臭いに満ちている場所なので、生き物だと疑うに充分なのかも。




 *  *  *  * 




7月20日(日)

どうやら台所の隅に、ネズミを飼っていたようでした。。
6月、家を数日間空けたので、炊飯器や、ニンジン、イモ類を入れた篭の周辺に住んでいたらしい。
サツマイモが食い荒らされ、掃除した……のは8日のできごと。

その周辺に、山から汲んで来たお水の20Lタンクがあるのだが、
なんと、その上にダニがうろうろしている。
息を吐きかけてみると、あっ、と驚くほどたくさんいる。
1mm以下の小さい、黒っぽいのや、それより小さい白っぽいの。
点、点、といるところに、息を吹きかけると、蘇生したかのように、動き出すのだ。
なんで!!!、と頭から湯気。

で、いろんなものをどけてみると、
炊飯器置き場のうんと後ろの普段滅多に掃除もしないところ……だからいけないのだけど……に、
う、うわっ、ネズミの糞が!
これか〜
今一度頭の天辺から湯気を噴出して、大掃除し、ラックの上から下まできれいになって、ほっっ

としたのも束の間。夜になったら、まだダニが。

不思議なことに、プラスチックや、厚手のビニール袋みたいなものについている。
だから洗って干してある、ペットボトルや、その蓋にもついている。
ふきんや、木の柱など、目を凝らして何度もようく見てみるのだけど、いない。

わけわからん。
ダニってふとんみたいな布や植物系の繊維につく、というのが常識ではなかったのか。
ではこれはダニじゃないのかな?
でも、その手の写真から、ダニだと信じていたものと、同じ格好してるけど。

天井を見ると、柱と天板との間に、わずかに隙間が開いているところがある。
そこから降ってくるのだろうか。
いやいや、何でも起こる昨今である。ましてや不思議の家、私んちなのだ。
20Lタンクの上空に、四次元からの扉ができ、
そこからわしわし這い出してくるのかも知れない。
むむむ。
もう頭がおかしくなりそうだ。

そういえば、昨日の夜、通りで立ち話をしている人たちが、ネズミの巣を見つけてたまげた、という話をしていた。
よそのうちでもネズミの被害があるのかもしれない。
もう手は尽くしたのだ。今日のところは、これくらいにして、明日、誰かに聞いてみよう。。

* * *

車で買い物に行くと知って、コチカは二階に上がる。
人間がバタバタしているので、コチカとのコミニュニーケーションも気迫…じゃなくって希薄に。

よくお水を飲むので、ときどき心配になるのだけど、
オシッコもいつもと同じだけ出るので、ほっ




 *  *  *  * 




7月21日(月) 今日も休日。

雨が降っていたので、午後にようやくお散歩。
シェトランド・シープドッグが来た。
コチカに興味がありそうだったので、コチカを抱っこしたまま座ってみたら、
鼻先がもうすぐコチカに届く、というところで、
コチカは、右手を出した。
目の辺りに触ったように思ったので、ぎくりとしたけれど、目はなんともなかった。
謝ったものの、頬にでも傷がついてたらどうしよう。。

* * *

ネズミの巣退治にいそしむ人間。
最低な仕事。
炊飯器やオーヴンレンジを収納しているラックを解体して、
風呂場に持ち込み、マイペットをつけブラシでごしごしこする。
コチカは興味津々のようだけど、いかにせん台所一杯に散らかしているので落ち付かない。
にや〜〜〜、と不満たらたらの声。

そばにきたコチカをよしよしと撫ぜてやると、
私の顔に顔を寄せてきて、鼻水をくっつけ、それを顔でなすりつけ、伸ばす。何度も何度も。
今更そんなことしなくっても、もう私たちは共通のなわばりの中に住んでいるのに。。
淋しかったのね、コチカ。
とはいえ、ネズミ退治の後である。
コチカとはいえ、猫であり、動物なので、
コチカが背を向けた直後、洗面台でバシャバシャ顔を洗った。

* * *

赤いダニが二匹。
サンスポットをつけていても?
毛の上をふらふらしているけれど、真っ赤に膨れている。む。

* * *

めでたく念願のデジカメ・プリンターを購入したので、
第一号の作:チェリーとシルヴィーの写真をチェリーのママに差し上げる。
喜んでいただけて、嬉しい。




 *  *  *  * 




7月22日(火)

朝。雨が降っているのに、コチカは外に行きたい〜、と騒いでいる。
空気圧計を見ると、結構な高気圧なのだ。

空気の重い、気圧が低い日には、コチカはとてもおとなしいのだ。
なんにも言わないときもある。

* * *

夕方のお散歩。
アスカがやってきた。
近づいていく、コチカ。

あ〜〜〜、と歌舞伎の子役が声をあげると、コチカはすごすごとしり込みする。
でも、やっぱりアスカなのだ。
それとなく後をつける。

アスカは隣の家の植え込みの下に正座し、コチカを眺めている。
1mくらい距離を置いて、コチカも正座。しばらくそのまま。退屈な私。

そのうち、アスカが植え込みの方を向いて座りなおした。
コチカは歩き出し、アスカを越していく。
アスカがコチカの後を歩き出した。
どうするのかと思ったら、コチカはふいにびくっとし、後ろを振り返った。
このリアクション、よくわからない。
アスカは何にも音をたててないのに、なんでコチカはびくっとするのか。

そのうちに、アスカはコチカを追い越して、十字路に行き、右に曲がった。
コチカも後を追う、というか、いきなり走り出した。
私がついていけないスピードである。

角を曲がる直前に、私はコチカのリードを引っ張った。
アスカがこちらを見ながら、また右へ曲がろうとしている。
きっと家と家の間に入っていくのだ。
だったら、私はもう行けない。
ちょうど男性が歩いてきて、私も決まり悪かったので、コチカを抱き上げた。
怒ったコチカ。
鼻からふーっっっ、と息を吐いた。

もう帰ろ、ご飯にしよ、と言っても、抱かれたまま、体の力を抜いている。だらり。。
家に帰り着いて下に下ろしても、むっ、としている。
中に向かって歩いていく背中にも、失望と怒りがあらわになっている。

台所について、ご飯にしよ、と言うと、うぁぁ、と低い声を出した。
ご飯を用意している私のそばで、身じろぎもしない。
はい、どうぞ、とお皿を差し出すと、モノも言わずに食べだした。

* * *

炊飯器の置いてあるラックに手をかけ、コチカが伸び上がって中を覗いている。
なんだろう。
昨日おとといと掃除をしたし、どこにもネズミの穴は見当たらなかった。
でも、なにか気配がするのだろうか。

もう一度、よーくよーくあちこちを見ると、ああ!!!
台所の入り口の上部に取り付けてある扉付きラック、と、壁板との接着部分に齧られた跡が!
敷居の上の横木のところなので、反対側の壁との間には空間があって、天井から繋がっているはず。
ここだ〜

なんで今どき、東京なんかでネズミなのだ、普通の民家なのに、と思うが、
そういえばゴキブリ除けのホウ酸団子(うちはなぜかゴキブリはあまりでないのだけど)を買ったら、
ゴキブリ退治のグッズ(?)と同じくらいの広さのラックにネズミ退治グッズが山積みにされていた。
うーむ。やっぱり。




 *  *  *  * 




7月23日(水)

雨がしょぼついているけれど、コチカは外へ行きたい。
でもそんなにうるさくは言わない。

抱っこして、縁側の網戸のところに立つ。
外から入ってくる空気も、コチカがいる下と、人間の鼻先がある上とでは、匂いが違う。
雨に濡れて生き生きとした葉っぱの間を吹き抜けてくる風は、
湿っぽいけれど冷たく新鮮で、体が内側から洗われるようだ。
その空気だって、コチカには何種類もの匂いが混ざって感じられるのだろう。
私もコチカのまねをして鼻をひくつかせ、空気を嗅ぎ分けてみる。
結構なリラクゼーションになるのですな、これが。




 *  *  *  * 




7月24日(木)

来客の約束がキャンセル。手持ち無沙汰な午後。
コチカはずっと寝てるし。
いつもこんなに寝てばかりいるのだろうか。
脳ミソ溶け出したって知らないよ!

* * *

ウンチの粗相。
二度ばかり。
人間がいて、ウンチ〜と言えるときはいいのだけど、
そうじゃないときがあるのがナニね。




 *  *  *  * 




7月25日(金)

夜10時ごろ帰宅。
空腹を通り越して、むっとしているコチカ。
あまり激しくにゃーにゃーも言わない。
ご飯を用意すると、一心不乱に食べ続けた。

* * *

物見やぐらにウンチが2つ。
私が不在だったからであり、特に今日は雨が降っていたので、
あちこちの窓を閉めていったのだ。
さぞかし退屈だったに違いない、とは思うけれど、だまっておくわけにもいかない。
背中を、ぎゅっ
どこへすんの?とトイレに連れて行く。

*

しばらくあちこちを点検したあと、またすぐに居間の物見やぐらに上った。
しばらくしてから覗きに行くと、また新しいウンチが2つ。
夕食の時間を過ぎても放っておかれたからブー垂れてるということか。
私がいるのに、言いもせず。
ごめんね、とは思うけれど、ダメなものはダメ。
背中を、ぎゅっ
どこへすんの?とトイレに連れて行く。




 *  *  *  * 




7月26日(土)

夕べはコチカがくっついてくるので、
暑いやら鼻先がくすぐったいやらで、何度も目が覚めた。

私不在の時間が長かった日には、こういうことが起こりやすいのだが、
いつもは枕の横に丸くなって眠るのに、
どうかすると私の首や肩や腕に両手を乗せ、私の体に垂直に寝るので、
しかも自分の体がふとんからはみ出ないように、なるべく私の上にのしかかりにくるので、

なんとなくそれを避け避け眠る私は、
いつの間にか反対側に押しやられる格好になって、
気がつくと私の寝場所が極端に狭くなっている。

人間二人とコチカ、それぞれに必要なだけの幅、というのをちゃんと決めている私は、
侵害されると、とってもハラが立つ。
コチカは丸くなって寝る習性があるので、それを考慮して、
コチカの体の幅より、少しばかり余計に取ってあるのだから、ちゃんと守ってもらいたい。
特に夏は、毛皮が暑い。
毛皮脱ぎなさい。




 *  *  *  * 




7月28日(月)

朝のお散歩。
玄関を出ると、アスカが右方向から来た。

こういうの、2回目。

アスカはうちの門にすりすりし、臭いつけをしながらコチカを伺っている。
コチカはおっかなびっくりな様子。でも近づいて、鼻挨拶した。
やっぱりアスカの方が優勢なような。

アスカが歩き出し、コチカもついていく。私も。
隣の家を通り過ぎ、道の角に来て、アスカは電信柱にすりすり、そのうちゴロンと寝転がった。
見ているコチカ。

さらに行ってしまう。追うコチカ。人間はもう行けないので、あえなくギヴ・アップ。
はい、そこまでー。
コチカ、怒った。怒った怒った怒った怒った怒った怒った!

* * *

うちの前の東へ続く道で、
この通りに住む、白い猫が姿を見せた。
向こうの道路の方に歩いていく。
いきなり追いかけるコチカ。
危ない。
向こうの通りは車が結構通る。
チャゲもあそこで交通事故に遭ったのだ。
やっぱりだめだ。外に出すのは。

* * *

この間のシェットランド・シープドッグに会った。
なんかこじんまりとしたと思ったら、散髪したのだそうだ。
写真を撮らせてね、と言ってカメラを構えると、
驚いたことに、人から少し離れて、正座をした。
モデル慣れしているのだろうか。
しかも目線をはずし、すましている。大物だこと。。

* * *

夜。
テレビを見る人と人との間で、眠るコチカ。
あごの下に手を置いていたのだが、
寝返りを打ってみると、畳の上が濡れている。
あれ?と思い、あごを触ってみると、濡れている。あー!アハハー。
コチカ、よだれ垂らしてんの〜




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7月29日(火)

朝のお散歩。
チャコちゃんちのご主人に、ねずみ対策をいろいろ伺う。
ネズミの来そうな穴をトタン板でふさぐこと。
家の中も外も全部!
誰かに頼まれて、作業をしに行ったら、1日じゃ終わらなくて2日かかった、とか。

そんな難しいことできるのかいな、と思いながら、検索エンジンを見てみると、
ネズミ小僧というのを見つけた。
ネズミを殺すのではなくて、忌避剤である。
置いておくだけでネズミが嫌がって来なくなる、というもの。
よし、これだ。これでいける〜〜〜〜〜!!!

私はこの、忌避剤というのが好きだ。
ダニ退治にも忌避剤を使っている→ダニ・クリン
殺虫剤といわないだけで、安全そうに聞こえるし。

うちに出るのは、家ネズミという、その昔から人間と一緒に住んでいるネズミなので、
夫も私も、殺す必要はないと思っている。
生き物の気配がないところは危ない、という言い伝えを信じているし。
人間に被害を及ぼさない程度に、勝手にやっててくれるのなら、それでいいのだ。
天井裏で運動会することもなく、しーんとなったら、危ないことが起きるとき、
という生きとし生けるものとしてのカンを持っていたいし。
だからどうできる、というわけでもないと思うけれど。。

* * *

夕方。
アスカが、隣の家の塀から居間の前のうちの車の上に飛び乗り、下りていった。
物見やぐらにいたコチカは、飛びつこうとして、思わず網戸とやぐらの間にずり落ち、
そこらに引っかかってまたよじ登った。
こうも見境のないものか。

それから、2階に1階にと大騒動して走り回っていた。ご苦労なこと。

 
コチカの愛するアスカ。美人???



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7月30日(水)

階段から下りてきたコチカの足音が止まったのでふと見ると、
後ろ足がない。
え?と思いよく見ると、下から2段目に腰を置き、足を折りたたみ、
前足はもうひとつ下の段についているのだった。
変なことするね。

* * *

夕方のお散歩。
仕事帰りのチャコちゃんちのご主人とこんばんは。
きれいだね〜といわれた。

毛づくろいをしょっちゅうしますから、と言ったのを、
うちの猫なんか、ブラシ見ただけで嫌がりますから、なんて、
私がブラッシングしてやっているようにカン違いされたようだけれど、
抜け毛の季節以外、私はブラッシングなんてしない。

私がコチカの毛づくろいを目撃するのは、朝と夜の2度ばかり。
でも、人が見ていない間にも、数回していると思う。
毛に、さっきついていたものがきれいになくなっているな、と思うことがしばしばあるし。
きれい好きな猫の毛がたまたま真っ白なので、さらに強調されるのだろう。

日の暮れた薄暗がりの中では、その白さがさらに際立つ。
蒼く沈むアスファルトの上に、はっきりと白く浮き出るのだ。
止まれ"などの白線と同じくらいに、なぜか光る。

うわー白いのねー、と人々が見とれるように言うので、
なんだか凡庸な私んちにいるのが不思議に思えてきて、神掛かって見えてくることもあって、
つい、蛍光塗料が塗ってあるんですよー、なんてふざけて言いたくなるのだけど、
それすら冗談が過ぎて白々しく思えるくらい、特殊な光景である。

そんな人の気持ちをよそにうろうろと歩き回るコチカだけど、本当は君は誰なのだい?




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