2004年9月
9月1日(水)
ずっと駐車場に。
夕方になったら、網戸をがりがりやり、開けてやったらそこから入ってきた。
* * *
夕食後、私の後ろで寝ていたコチカ。
テーブルに座っている私がちょっと動くのに、
ガサッと音を立てたら、うにゃ〜、と始まった。
手を目掛けて噛み付こうとする。
目が真っ黒。
私は、何もしていないでしょ、私だって動くわよ、噛み付いたらだめよ、
と立て続けにきびしい声で言ってやった。
後ろに隠した手を目で追い、噛み付いてやろう、
という態度でいるけれど、ずっと牽制していたら、
そのうち顔の方向を変え、横になった。
よほど嫌な特殊な音ってあるのだろうか。
同じように寝ていても、私が意識的に触ったりするのは、全然平気なのだ。
よくわからない。。
* * * *
▲
9月3日(金)
暑くなく、空気が乾いてすがすがしい日。
あー生きた心地ぞする。。
それでどうしたか、忘れました。。
* * * *
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膝の上で毛づくろい
9月6日(月)
人間がふとんに入るとほとんど同時に寝室に入ってきて、
私の脇の下で丸くなった。
そのくらい涼しいのに、ご飯があまり進んでいない。
人間が食べる小袋に分かれたカツオブシをやっても、嬉しそうな顔をしない。
チャコちゃんちの奥さんがこないだ買い求めていたので、まねしてみたのだが。
コチカは出汁をとる用の厚く削ったものが好きなのだ。
袋を開けたての人間の食事用のカツオブシ(どういう分類だ?)をやったときに、
嬉しそうな顔をして飛びついてきたのだけど、やっぱりカツオブシは厚い方、と決めたのだろうか。
* * *
雨上りなので、路面が濡れているので、抱っこしてお散歩。
カラスが向かいのお宅の…あれはなんというのかソテツに似た南国の木でヤツデのような葉の植物…
に止まっていた。
抱っこされたコチカにもようく見える位置にいて、
なにかご馳走を運んできたのだろうか、小さくちぎりながら何かを食べている。
コチカは、カカカ、と顎を震わせながら凝視している。
何を食べているのだ。
私も見上げている。
4つの目に見つめられているせいか、
カラスの落ち着きがなくなり、こちらを一瞬見た後、飛び立っていった。
* * * *
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9月7日(火)
夕べだったと思う。
脇の下で寝ているコチカが、ちぁあ〜、と高い声を出して怒っていた。
また始まったと思った私は、ごめんごめんコチカ、大丈夫だから寝なさい、
とわけのわからない言い訳をしていたら、
コチカは困った顔をしたものの、しょうがないな、という表情に変わり、また寝直した。
ふむ。
だんだん要領がつかめてきた。
* * *
十字路の駐車場にある、コチカがよく食べる猫じゃらしの葉。
夏が終わりに近づき、日に日にこわしなくなってくる。
葉先だけ食べてしまった葉は、葉の老化が進み、葉の端が黄色くなっている。
それでも未練がましく食べるコチカは、
とうとう穂を食べてしまったらしい。
そんなものが消化できるわけもなく、今朝、穂だけ吐いていた。
今日もまた食べようとするので、
途中で阻止し、猫じゃらしが育つ前に食べていた、
小さい葉の草を求めて、うちの駐車場に戻った。
* * * *
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9月8日(水)
夕方のお散歩。
玄関のドアを開けて1歩外に踏み出したら、
顔の横でがさがさがさ!とただならない音がしたので、
思わず、ぎゃぁっ!と悲鳴を上げてしまった。
見ると、大きなヤモリが太い重そうなおなかを左右に振りながら、
壁を真横に逃げていった。
体が大き過ぎる上にあわてたからだろう。
顔のすぐそばだったこともあり、頭全体に響くような物音を立てたのだ。
それだけ、といえばそれだけだが、
あれがまかり間違って、私の顔に飛びついてきたら、
と思うと、今考えてもぞーっとする。。
あーびっくりした。。と思いつつ門の外を見ると、
ソラちゃんにそっくりのシープドッグとその飼い主さんが、歩いていた。
飼い主さんはいつぞやの男性で、
私がすっかりソラちゃんだと思い込んで、ソラちゃん、などと呼びかけていたのに、
否定もせずにニコニコ応じていてくれた人である。
私はそのときの体裁悪さをまだ忘れられずにいるので、
あ、と思ったが、男性は悲鳴を上げた人が敷地の中にいたので、
じろじろ見るわけにもいかなかったのだろう、
とっさに顔をそむけて行ってしまった。
ほっっっ。
* * *
夜。
外に不穏な気配でもあるのか、縁側とお風呂の間を走り回っている。
お風呂の網戸に爪を立てて、ふーっ、と鼻息を荒くしている。
誰がいるのだろう。
* * * *
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9月9日(木)
今月に入った頃からコチカは、新しい居場所を見つけた。
玄関前の本箱の上、である。
文庫を収納するための棚で、120cmくらいの高さ。
文庫の大きさの奥行きしかないが、
ちょうど天板はコチカがライオン座り(?)するのにちょうどいい広さである。
手足を投げ出してくつろぐことはできないが、
ちょうど後ろにある窓から通りからの風も吹いてくるし、
ものを考えるのには(?)いい環境なのではないだろうか。
台所から廊下を歩いてきて、角を曲がると、
足音を聞きつけて体を起こしたコチカが、
首をかしげてこちらを見ている。
あーコチカ!と感激するほどにかわいらしい。
* * *
夜も更けたころ、夫があー!と声を上げた。
コチカが廊下の縁側の網戸とガラス戸の間に入り込み、
さらに進もうとしていたのだ。
庭に猫がいたのだろう。
前にもこんなことがあった。
途中で気がついたからよかったが、
ガラス戸はしなっている。
へたをしたら危ないことになるので、夫もびっくりしたのだろう。
私は電話をかけていたのだが、コチカの、うぎゃー、という声が聞こえた。
いったいどんな懲らしめ方をしたのやら。。
* * * *
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9月10日(金)
朝から感動した話。
起き抜けに考え事をしてタンスの前に座り込んでいる私に、
ふとんを横切って(普段コチカは絶対に布団の上を歩かない)私のまん前に来て、
私の顔をじっと見上げた。
かなり長く見ておいてから目を放した。
足をちゃんとそろえないまま、あいまいに立っている。
東の窓から入る柔らかな日差しを受けて、
コチカの毛並みが柔らかく、しっとりミルク色に落着いている。
私は思わず、ちゃちゃ…、と言いながら体を撫ぜた。
それからコチカは体を横たえた。
私はコチカをしばらく撫ぜてから、着替えるね、と声をかけた。
コチカにじーっと見つめられて、こんな目を見たことがある、と思った。
そうだ。
私が座って泣いているとき、コチカは同じ目をして私を見上げたことがあるのだ。
一番最初に私の涙を目撃したときには、ぎょっとなってどこかに行ってしまったが、
それ以来、涙を見ると、ぺたっと体を私の体にくっつけ、横になる。
まるで一緒にいてあげるから、と言ってるように思えて、
心がきゅーんとなって暖かい気持ちになる。
そんなことが今までに数回、あった。
でも今日、私は泣いていたわけではない。
コチカは私が目に涙を溜めているのでは、と思って私のそばへきた。
なるべく早く着くために布団の端を回らず、近道して布団の上を歩いてきてみたが、
ようく観察してみても私の顔に涙はない。
でも何か考えているようなので、とりあえずそばに寝そべってみた、
ということだと思う。
もう涙が出るほどに嬉しいし、ありがたい。
夫が出て行ってから、お外〜と言っているコチカを、なるべく早く外へ連れてってやった。
そういえばいつも家事にかまけて、コチカの言うことは後回しにし勝ちだった、と反省。
* * * *
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9月11日(土)
夫が柱の爪とぎ用の絨毯を変えた。
もうかなりぼわぼわになっていたので。
* * *
十字路の角のアパートの外階段を上ったところに、
ペッタンがいた。
コチカはペッタンにいち早く気がついていて、
ブロック塀に駆け上がった。
6段くらいなら、上れるのだ。
ペッタンはコチカがこれないことを知っているので、
涼しい顔をして見ている。
コチカはしばらく未練気にうろうろしていたが、
諦めて、駐車場に向かった。
* * * *
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9月12日(日)
夜の散歩。
人間が遅くに帰ってきたので、抱っこしてぶらぶら。
十字路の駐車場では降りて、ごろんごろん。
急に走り出したりしたら困るので、尻尾を握っている。
握られている尻尾はぴくぴくしている。
できるだけ長くそうしてやっていたが、
抱っこすると、コチカは怒ってちょっとばかり爪を立てたり噛んだりした。
* * *
深夜、車で帰ってくると、
コチカは物見やぐらのカーテンの隙間から、顔だけ出して外を見ていた。
車を認めると、お帰りお帰りのポーズだろう、
頭をひねりながら、うぁあ、アクビをしている。
頭だけが出ているので、とてもかわいい。
白い顔なので、夜でもよく見えるので、嬉しい。
* * * *
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9月14日(火)
朝、ゴミを出しに行ったら、
タロウがいたので、近寄っていって撫ぜたら、
しゃがんだ私の背中やわき腹に頭を何度も何度も頭をこすりつけた。
なんでこんなに慣れているのかよくわからない。
いつもコチカが向かって行こうとするのを、
私が牽制しているのを見ていて、
この人は安全な人だ、と思っているのだろうか。
気管支をやられていて、
もうこの夏は持たないかと思われていたらしいが、
チェリーんちの奥さんが薬をもらってきて与えたのが効いたのか、
すっかり元気になって、体も少々大きくなったようだ。
しかし、痩せ型で小さいペッタンよりも軽いのだ、と
チェリーんちの奥さんは言う。
* * *
夕方の散歩。
十字路にアスカがいた。
コチカと私がそうっと寄っていくと、
懸命に牽制する声を上げていたが、
あろうことか、コチカはさっと飛び掛り、たぶん背中に噛み付いたのだと思う。
なんということをするのだ!
アスカは当然逃げていった。
あーあ。また嫌われる。
* * *
涼しくなってよく食べるようになったら、あっと言う間にふっくらしてきた。
と思っていたら、今朝はたくさんご飯を残している。
気まぐれなんだからあ。
車の下で
* * * *
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9月15日(水)
朝の散歩。
タロウを居候させているお宅のご主人に会った。
タロウは元気になりましたね、といったら、
もうこの夏はだめかと思ってたから、
納屋に棺桶用の箱を用意したんだけど、使わなかったよ、アハハ、と言った。。
気の早い人だな、と思ったけれど、
結構ノラ猫に懐かれるので、優しい人なのだと思う。
そういえば、すぐそばに立っているのに、コチカは怯えない。
話が途切れて、ご主人がコチカに手を伸ばしたら、
さすがに体を引いてびっくりしていたが、
それでも威嚇もしないし、
悪がきが校長先生の前で緊張しているみたいになっだけれど、
そんなに恐がってもいない。
時間がたてば慣れていきそう。
* * *
気候もよくなってきて、そろそろ発情の季節か。
外では見かけない猫が出張にきている。
コチカは追いかけられない不満から、
私の背中のリボンにちょっかいを出してみて、
それはちょっと困るのでやめさせたら、
いきなり走り出して、天国への坂道から鴨居渡しへ行ったり来たり、
大変な騒動を始めた。
* * *
午後。
このところの寝不足がたたって具合が悪い私は、
仕事場でとうとうくたばってしまった。
ちょうどコチカもソファーで寝ていたので、
よっこらしょ、と抱っこしておなかの上に乗せ、眠った。
おなかが温かかったせいか、2時間も爆睡。オヨヨ。。
コチカもずっと同じ姿勢で寝ていた。
目覚めた後、コチカの足にノミを発見!むむむ。
そういえば昨日、散歩に出たときに、私のTシャツについていたゴミが、
ぴゅん、って飛んだのを不思議に思ったのだけど、あれだったのかな。
* * * *
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9月16日(木)
夕べは、早々と布団に入ってきて、
まっすぐ私の脇の下を狙ってきて、もみもみもみもみ。
そしてばたんと横になり、丸くなり、さっさと眠ってしまった。
私の丸くした腕の中で、いやにかっちり小さくまん丸になっている。
苦しくないのかな、と思っていると、
そのうち、片足がにゅーっと出てきて、
もう片方もにゅーっと出てきて、
しばらくしたら、ぴょん!と起き上がって、
布団から離れ、畳で矢印形になった。
暑かったのね。
しばらくして体も冷えただろう、と思う頃に、
コチカを振り向くと、コチカも頭を上げた。
真っ黒い目でこちらを見ている。
こっちおいでよ、と声を出さずに口まねをしつつ、コチカ・シーツを指指すと、
ちょっと考えてから、うぁーっ、とアクビをし、
やおら起き上がって、こっちへ来た。
今度は私の体には触らずに、自分のシーツの上に矢印形になって寝た。
そして朝までそのまま。
* * *
お昼。
そばで寝ているコチカの肩あたりが汚れているので、
今日は外に寝てたわけでもないのに、と思って払ってみたが、
落ちない。
指でこそこそと触っていたら、ノミがよたよた、と出てきた。
砂粒のように見えたのは、ノミの生活の証しだった。
糞か卵か、半月形の黒いのは、幼虫か、動いてなかったから違うのか。
あーもうだめ。
痒がってもどうでも薬をつけよう。
と思って探してみたが、買い置きがない。
このまま冬まで頑張ろう、と思ったのに。
タロウなんかに触ったのがいけなかったのかしらん。
* * *
夕の散歩。
十字路まで来ると、あ〜、とかなり遠くで声がする。
声を方向を見ると、黒いシルエットが、あれはアスカ。
アスカ、と思わず声をかけると、コチカは走り出した。
途中で止まると、背を低くし、ダッシュの構え。
私はついていけるように、ちょっと先に歩を進めた。
コチカは走り出した、と同時に、アスカも逃げ、姿を消した。
あんな遠くから呼んだのは多分初めて。
昨日、コチカに噛み付かれたのに、懲りていないのか。
それとも、もっと好きになったのか。
それとも、もっとからかってやろう、と言う気になったのか。
年増猫の考えることはわからんっ
*
もう帰ろう、カツオブシしよう、と声をかけかけ家路を急ぐ。
最近は、おいしいカツオブシ、ということにしている。
大きな袋に入った細かいカツオブシはご飯(コチカの)のときにかけるもので、
おいしいカツオブシとは、出汁を取る用の厚削りのもの。
コチカはこっちが好きなので、散歩から帰ったときには、ご褒美としてこっちをあげる。
門のところに座り、しばし未練がましく本日の夕刻の通りを目に焼き付ける。
おいしいカツオブシ、と唱えていた私だが、サラリーマンらしい男性が通っていったので、
しばらくだまっていた。
コチカは男性が通り過ぎるのを見送った。
するとコチカの右耳が私の方へ向いた。
私がだまっていると、コチカは私を振り返った。
そして、門の中へと歩き出した。
きっと男性が行った頃に私が何か言うと思ったのだろう。
しかし言わないので、振り返ってみたら、私と目が合った。
その目は帰ろ、と言っている。
やっぱり帰るしかないのだな、と決心がついたのだろう。
こんなふうなコチカとのコミュニケーションが好きだ。
でもまだコチカはぐずぐずと玄関とは反対側の草地へ行き、
くんくんと匂いを嗅いでいる。
またヤモリでも飛び出すと嫌なので、私はコチカの体に手を添え、
玄関の方向へ促した。
コチカは案外素直に従った。
なんかお利口。
* * *
夜にもまたノミの影を目撃。
……てわけで、ペッツテクトを投滴。
* * * *
▲
9月17日(金)
ペッツテクトのお陰でまたもや悪夢の夜中を過ごした。
夜通し断続的にかゆみの発作を起こすコチカは、
その度に人やふとんに首筋をこすりつける。
勢いあまって、鼻っ柱や頬に何度も頭突きを食らわされた。
毛が十分生えてて、よかったよかった。
しかし朝にはもう収まっていたらしい。ほっ
* * *
最近噴火した浅間山の火山灰が車の上に積もっている。
駐車場に繋いでおいたコチカだが、猫灰だらけになるな、
と思いなおし、早々に中に入れた。
* * *
涼しくなって動きが活発になってきたコチカ。
何かしたくてしかたがない。
滅多にしないことを、いろいろ試している。
古紙入れの袋に入ろうとして、入りきれなかったので、
その上で寝てみている。
狭くて、体がはみ出ているのだが、無理無理我慢している。
おかしなやつ。
と思えば、
階段下の物見台用の棚に入り込んでみたり。
*
仕事場にいると、玄関の方から激しく水の流れる音が聞こえた。
大家さんが庭で水を出しているのに似ていたが、方向が全然違う。
私は恐くなった。
以前に、朝、廊下から玄関に行くまでの間がびしょ濡れになったことが、
3、4日続いたことがあった。
靴箱などを全てどけ、絨毯を上げて、
大家さんに床下を調べてもらったのだが、
水道管があるわけでもなく、床下は全く水気はなかった。
そうこうしているうちに、夫の妹の旦那の母が亡くなった、と知らせがあった。
お葬式が終わった頃、ピタリと水濡れは止まった。
今までのそのような経験から、
誰かが亡くなる、といった大きく人の気が乱れたりするとき、
あるいは、体の具合が悪くなりかけているときには、
決まって電化製品などに支障をきたしてくることがわかっている。
そう信じているのは、うちだけなのかもしれないが、
人間の気と電化製品とか通じ合っている、なんていうのは、ほんの偶然である、
というにしては、だったら偶然が重なりすぎているのだ。
……てなことがあるので、
また恐いことでも起こるのか、でもだったら把握しておくべきだ、
と強く心に思い、勇気を振り絞って玄関側のドアを開けて出てみたら、
なんのことはない、玄関入ってすぐ脇に置いてある、
全自動の洗濯機のスイッチが入って、水道の蛇口から水が出ていたのである。
そばにある小さな本箱の上にはコチカがいた。
その本箱の上というのは、最近、コチカのお気に入りになった場所だが、
本箱から洗濯機の後ろの窓へ向かおうとして、
洗濯機のスイッチを踏んづけてしまったのだった。
洗濯が終わったばかりで、乾かしかたがた開けてあり、
電源コードは入れたままだった。
考えてみたら危なかった。。
果たして驚いただろうコチカは、
水が流れるのをじっと見ていたところへ、私が出てきた。
私を見上げると、大丈夫、だという顔をしているので、安心しただろう。
私は水を止め、排水した。
蛇口から出ていた水音が止まり、今度は違う音が始まったので、
ますます興味を持ったコチカのパラボラ・アンテナは完全に洗濯機の底へ向かっている。
じっと聞き耳を立てていると、やがて排水が終わり、水音も止まった。
もう大丈夫かな、と思ったコチカは、そろそろと洗濯機の中を覗いてみる。
私も覗く。
洗濯が終わったら、必ずコンセントを抜こう、と決心した私だが、
いやはや、何をやってくれるか、わからないもの。。
* * * *
▲
9月18日(土)
まだノミの生活の跡が見える。
いつ絶滅するのか。
* * *
夕方の散歩。
夫が誘って、首輪をつけようとしても、何か乗ってこないコチカ。
玄関でふたりで困っているので、私が行ってみると、コチカはまず私の方へきて、
すりすりをし、私が夫と一緒にお外行くんでしょ、と言ってみると、
首輪をつけさせた。
何を考えてんだか。
しかし、十字路の駐車場へ行ってちょっとゴロンとしたら、
もうすぐさま帰ってきたのだそうだ。
とっととうちを目指し、門をくぐり、玄関の前にちょこんと座った、という。
どうしたの?
* * * *
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9月20日(月)
夕方、帰宅してすぐにご飯の用意をしてやったが、
具合が悪くて2階でくたばってしまった私のそばに、
コチカはピタリと寄り添って、
夫が散歩に誘っても、すぐに行こうとしなかった。
私が帰ってきてから、まだよしよしをしてなかったせいもあるが、
ある程度、よしよししてやっても、
夫と散歩に行くんでしょ、と言ってやっても、
目を細めて話を聞かない様子を見せ、
手を揃えて顎を乗っけている。
私がある程度体が休まって、下に行こう、
というと、コチカはさっと立ち、一緒に下に来た。
それから首輪をつけてやると、夫と一緒に外に出て行った。
ここまでのコミュニケーションが取れるようになってくると、
それだから動物が死んだら、
病気になるくらいのダメージはくるのだな、と想像できる。
相手は動物なのに、人間に対して無償の愛情を注いでくるのだ。
どうかいつまでも一緒にいてほしい、と心底思う。
できるだけコチカを悦ばせてやろう、と再び誓う。
* * * *
▲
9月21日(火)
朝から機嫌が悪く、その上コチカがウンチをそこらにしてしまい、
頭に来ている。
最近は、粗相をしても言葉に力を込めて、だめでしょ!というくらいに
とどめているのだが、それが効かないとき、というのはあるのだ。
私の機嫌が悪いときには、背中をぎゅっとつねるにしても、
思い切りやりそうで、恐い。
十分気をつけながら、まず深呼吸をしてから、
そんなにダメージがないように、きゅっ、とやった。
コチカは小さく、にゃっ、という。
それから私はメイルの山に追われ、
他にやらなければならないこともあって、
焦る気持ちでメイルの返信をしていると、
お外〜、行こうよ〜、早く〜、と容赦ない声が背後をうろうろする。
怒り心頭に発した私は、
今忙しいの!待ってって言ってるでしょ!
と思い切り声を荒げた。
コチカは、唖然として私の前に座り、じっと私の目をみている。
見開かれたコチカの目は、瞳孔が警報機のように、
2、3度大きくなったり小さくなりし、当惑がありありとみられる。
それから、私の腕に顔をこすりつけて、うぉ〜、と低い声で言いながら、
廊下の方へ出て行った。
ここまでくると、私もさすがに、悪いな、と思い、
気持ちを静めよう、と深呼吸をした。
こんなんじゃ自分だって1日持たない。
それから間もなく、コチカを散歩させた。
反省かたがた、ゆっくりさせようと思い、読むべき資料を片手に。
しかしコチカは十字路へは行こうとせず、すぐ車庫へ向かい、
車の下に寝そべった。
拍子抜けした思いで、ドアノブにリードを結わえたのだが、
私を理解している、ということなのだろうか。。
* * * *
▲
9月22日(水)
16日ということは、6日前にペッツテクトをしたのに、
まだノミがいる。
今日は、2箇所、生活を跡を見た。
いったいいつ効いてくるのだ!
もうこれはお風呂に入れるしかないのだろうか。
http://www5.ocn.ne.jp/~imas/nomi_taiji.html
プログラム→www
ノミ→www
ノミ撲滅!完全必勝法→www
* * * *
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9月23日(木)
外でサカリの猫の声が聞こえたりするせいか、
コチカは頭がきゃ〜〜〜、としているらしい。
こういうことだと、去勢すべきどうか、と迷ってしまう。。
* * * *
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9月24日(金)
しぶとく生き残っていたノミをやっつけた。
体のあちこちに黒い点々が残っているが、
まだいるのだろうか。
* * *
最近、夫がコチカの散歩の様子が変わってきた、という。
以前のようにあちこちに歩き回らず、
ひとところでじーっと座り込んでいる、というのだ。
そういわれてみればそうである。
行けない範囲が大きくて、想像力が増し、
考えることが多くなってきたのだろうか。
* * * *
▲
9月25日(土)
ピアノの部屋に入ってきて、ソファーに陣取り寝ているコチカ。
不思議なことに、この部屋では、
コチカは自分では自分の居場所を決めない。
ピアノの前に座っている私に、にゃーにゃー言うので、
私がソファーのところにいって、おいで、と誘い、
コチカを座らせてしばらくよしよしする。
するとコチカは納得したように体をストンと落とし、
横になって毛づくろいなぞを始めるのである。
コチカにとって、
ピアノの椅子に座る私との距離がありすぎるからだろうか。
*
大音量で音を鳴らすと、頭を持ち上げて、
眉根を寄せ、うるさそうな顔をする。
それはわかる。
耳障りな音、というのはあるだろう。
しかし、今日はちょっと様子が違った。
どんな音を鳴らした(弾き方をした)ときだったろうか。
コチカはやおら起きて、ドアの方へ行き、
また戻ってきて、不審そうな顔を私に向けた。
一旦中断したピアノをまた引き出すと、
耳をピーンとそばだて、それから私の座るピアノ用の椅子に飛び乗り、
私のお尻と背もたれのわずかな間にどうにか居座ろう、
と体の方向を変えていろいろに試した。
結局どうにも狭いので諦め、ソファーに戻ったが、
どうしたのだろう。
恐かったのだろうか。
ピアノのというのも、アコースティックな楽器なので、
それを木造の家の中で鳴らせば、
動物の嫌な音響を作り出すことがあるのかもしれない。
ふむ。
興味深いことはである。
しかしながらコチカが嫌そうな顔をすると、
妙に気にかかり、つい、うるさくないないように弾こうとしてみたりする。
うるさいのだったら部屋を出ていってよ。
寝こける猫
* * * *
▲
9月26日(日)
涼しいせいか、コチカは元気が余っているようで、
興奮気味で走り回っている。
私も走らされる。ぜいぜい。。
* * *
またノミの生活跡を見つけた、と思ったら、ノミが死んでいた。
* * *
居間の私の座布団を陣取って寝ているので、
私は遠慮して斜め横からテーブルに向かって、PCを見ていた。
畳に座っていたのをちょっと動いたら、
畳に皮膚がくっついていて、べりっ、と音を立てた……からだろうか、
うにゃっ、と声を上げ、コチカは頭を上げた。
突き刺さるような目で見上げるので、
こりゃまた来るな、と思い、思わず目を覗き込んだ。
するとコチカの眼力(?)がふと弱まったので、
手を出してみると、噛みつこうとしたのをやめた……からだろうか、
いらいらした態度で私の手の甲を思い切りざーりざーり、と舐めた。
あいたたたー
* * *
新聞紙置き場に乗ってみる。
新聞の安定が悪くゆらゆらするのを、耐えながら。。
バッカみたい^m^
* * *
ペッツテクトの製造元:ドギーマンにメイルを書いた。
>ノミが1匹いたので、ペッツテクトを滴下したところ、
>6日たった今も、まだノミの生活の跡が見られます。
>黒く点々としたものや、3ミリほどの曲がった黒いものが、
>一箇所に固まったものが、2箇所、あります。
>滴下した後、いつごろ効いてくるものでしょうか。
以下、お返事。
通常であれば、3日後には効果は出てまいります。
効果が見られない事に関し、原因の特定を今の段階ではする事ができませんが
効果が見受けられない可能性とその対策と致しましては以下に記させて頂きます。
可能性@ シャンプーをしてすぐに滴下する、また、個体差により油が出にく
いペットの場合、皮膚の表面の油が少なくなっている為、全身に薬
剤が広がりにくくなっている。
可能性A 環境中にノミおよび予備世代(卵、幼虫、サナギ)が存在し、ペッ
トが近づくと寄生してしまう。
可能性B 特に長毛のペットさんの場合、毛の中に成虫が隠れてしまっており、薬
剤のある方へは近づかず、人間が確認すると皮膚表面に逃げ込んで
いる状態。
以上の3点が考えられます。対策と致しましては以下のようになります。
可能性@の対策
シャンプーしてすぐに滴下せずに、2〜3日たってから滴下して下さい。
2〜3日たってから滴下して効果がないようでしたら、次回滴下される際は
もう少し日にちをあけて(4〜5日ほど)から滴下してみて下さい。
可能性Aの対策
ペットがよく行く場所やお休みになる場所をお掃除してみて下さい。
可能性Bの対策
多量のノミの予備世代がいる可能性がございますので、
屋外でこまめにブラッシングしてノミの予備世代を落として下さい。
成虫に関しましては吸血時に皮膚につくことで駆除されますので、
しばらくは様子を見て頂くようお願い致します。
誠に勝手ながら、上記をご確認の上
再度お試しくださいましたら甚だ幸いでございます。
*
丁寧なお返事なのだが、さしずめ可能性Bが該当するかも、
というくらいで、さして新しい情報はない。
コチカの場合、毛が白いので、体にノミが住んでいる様子はよくわかる。
今のところ1、2匹である。
薬の効き具合を知りたかったのだ。
速くて何日、遅くて何日など。
こまめにブラッシングなどはしていないので、してみようかな、とは思うけれど。。
* * * *
▲
9月27日(月)
雨降りなので散歩はなし。
ノミの跡。
むむむむむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
* * *
夕方、ご飯を食べてから私によしよしされ、
ちょっと気持ちが落着いてきたかな、という頃に、
コチカはゲボッと吐きそうになり、あわてて台所に行った。
結局吐かなかったが、畳の上にいたコチカが、
台所に走ったのは、なぜだろうか。
まさか人間のために汚れを最小限に済ませよう、と思ったりはしないだろうし。
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9月28日(火)
夕方の散歩。
木の上になにかいるらしい。
一緒になって下から眺めていると……といってももう暗いので、何も見えないのだが……
コチカは下にあった原付バイクに正面から飛びついていった。
が、フロントはつるつるのプラスチックのカバーがかけられていて、
コチカはずるずる、と落ちた。
ちょっとは考えなさい。
今度は足置きに乗った。そこならいいだろう、と思っていたら、
いきなりサドルに飛びついたので、下ろした。
抱っこしてやったが、バイクに乗りたがる。
私に抱かれてる方が高さ的には高いのに。
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9月29日(水)
雨降りにつき、起きないコチカ。
まねした〜〜い。
夜。
遅く帰宅した私はコチカのご飯を買い忘れたことに気付いた。あ〜
今日の分は3分の2しかない。
買いに行ったが、セイフーにはヘアボールコントロールがなかった。
セヴンイレヴンにもないし。。
どうやってしのごうか。
昨日の残りのご飯が少しだけ、お皿に残っている。
たいてい捨ててしまうのだが、その上に新しいご飯を足した。
* * *
ひや〜、ひや〜、とコチカが鳴いている。
玄関から私を呼んでいるのである。
出ていってみると、追いかけっこに誘ったのだった。
しかたなく3本くらい走る。
私が台所のシンクの前でぜいぜい言っている、
コチカは、あーR、と声を出している。
私もまねした。
あーR。
ぴくっ、という感じでコチカは耳をそば立てて、私を凝視する。
さては猫を感応させる発音だったのだろうか。
それともコチカ語をまねできた?
階段下のちょっと向こう、台所からの光が途切れたところにいるコチカの目に、
わずかな光が反射して、黄色いビー玉のように光っている。
コチカは、私から目を離し、窓の方を見た。
そして私の背後に目をやり、完全には目の玉を動かさずに、私をちらちらと見る。
コチカの体から不思議マークがぴゅんぴゅん飛んでいる。
ふっふっふ。
どうだ。私も猫語がしゃべれるぞ。
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9月30日(木)
昨日の夜、
おとといの残り+いつもの量の3分の2のご飯を、
早いペースで食べたが、寝る頃には、ご飯を残していた。
なんと、おとといの分だけ、残していた。
朝になって残っているご飯はたいてい捨ててしまうからか、
コチカは割合、古いものを食べようとしない。
しかし、よほど空腹だったのだろう。
朝になったらお皿はカラになっていた。
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散歩に出ると、草を貪るように食べた。
そして家に戻り、しばらくしてから吐いた。
ある程度、計算どおりである。
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おなかがすき過ぎて眠れないのか、
コチカはしょっちゅう、体を起こし、私の顔を見てにゃーにゃー鳴いていた。
昼間、私は家を出ることができず、
買い物に出られのは、夕方になってからである。
いつものヒルズのご飯を求め、さあ、ご飯だよ〜と声をかけたが、
コチカはいつものように嬉しそうな顔をしない。
おなかすき過ぎて感覚がなくなったのだろうか。