11月1日(火)
華々しく11月を迎えた今日(?)、コチカはまた夜中に出ていった。
朝になって目覚めたら、私の枕の横のコチカシーツに、コチカが来た形跡がない。
そういえば、どこか遠くで網戸がバタン、というような物音を聞いた気がする……
と思いながら眠ってしまったのだった。
着替える前に階下に下りて行き、縁側から庭を見ると、いた。
窓を開けて、コチカ、と呼ぶと当たり前に縁側から入ってきて、
当たり前にカツオブシをもらって、当たり前にご飯を食べた。
私が二階で着替えていると、眠いからだろう、むくんだような顔をして、
寝室の入り口から、私のすね越しに自分のシーツの辺りを見ている。
もう起きるんだよ、というと、コチカは座って私を見、そして下に下りていった。
今回は、洗面台の横の窓から脱走した。
この窓は駐車場の車の後ろに当たり、地面からは高いが車に降りられるので、
網戸をスチール製の網に替えてある。
そして手前に、コチカの子供時代に使ったいたケージの柵の一面を当て、網戸をガードし、
ガラス窓である程度動かないようにしてあったのだが、
コチカは、ケージの柵の隙間から手を入れて、
ほぼ1年ほどかかって網戸の網をフレームからはずしつつあった。
そして時満ちて、たまたまケージの柵がずれていて、あとはコチカの思う壷。
力づくで網戸に穴を開け、出て行ったのだ。
ったくな。。
今日はさして汚くもなく、少々薄汚れただけで帰ってきた。
冬の夜なら、出してやってもいいのかな、とさえ思えてくる。
でも出かけるとき、青くなるような話を聞いた。
チャコちゃんちの奥さんや、チェリーんちの奥さんがご飯をやっている、
ミルボーとそっくりの猫が、喉を噛まれて血だらけになっている、というのだ。
またもやコチカが出て行った夜と同じに日に。。
でもコチカに血の跡など全然ついていない。
いったい誰の仕業なのか。
他の動物がやったとしたら、コチカだって夜に出歩いていたら、危ないのだ。
この間、チェリーんちの奥さんが見つけて獣医さんに連れていった、
何者かにおなかを噛まれて大怪我をしていた三毛猫は、ダメだったのだそうだ。
もはや腸がほとんどなく、蛆がわいている状態だったという。。
犯人がコチカじゃないことを、切に願う。。
*
そして今日はまた新しい迷い子が出た。
うちの通りからはちょっと離れたところで、チェリーんちの奥さんが小さなテリアを撫ぜている。
飼い犬らしいのだけど、首輪がなくて車に轢かれそうになっていたの、ということだった。
見れば寒そうにぶるぶる震えている。
散歩か買い物かで道を歩いている際に、首輪が取れたかなんかで、一人歩きをしているうちに、
迷子になったか、あるいは家から抜け出してみたものの、帰り道がわからなくなったか。
かわいらしい顔をして、逞しさなんか全然ないので、
チェリーんちの奥さんが抱っこして家に連れ帰り、私はカメラを持ってきて写真を撮った。
明日になったら奥さんが、プリントアウトした画像をその辺に貼るつもりである。
荷物を持った奥さんが犬を抱いているので、私はチェリーの綱…はっきり言って綱です…
を持ったが、チェリーの引きが強くて、肩から腕が抜けるかと思った。
さすがに元気な中型犬である。
こんなのを2頭も毎朝毎晩散歩させていたら、運動不足にはならないだろうなあ。
* * * *
▲
11月2日(水)
ようく考えてみたら、昨日の夕方は散歩に出なかった。
世にも珍しいことがあるものだと思うが、
そういえばコチカはずっと私の横で寝ていたのだ。
昨日の夜通し外で起きていたせいで、疲れたのだろうか。
今も、カーペットの上で寝そべっている。
いつもそうなのだが、
脱走して帰ってくると、なんか態度が私にもよそよそしくなる。
楽しかった外の様子を思い出しているのだろうか。
猫こけた体制のまま、目をぼーと開けていることもある。
何考えてるのかな。
昨日も帰ってきてまもなくは、私のまん前に来てよしよしして〜
の顔つきだったが、それっきり、散歩も行こうといわなかったのだ。
* * *
朝の散歩。
お隣のご主人に会った。
一週間ほど前にお宅の玄関先で、
大喧嘩があって、そこらが血だらけになっていた、ということだった。
(やったのは)ミルボーじゃないかと思うんだけど……とご主人。
とするとミルボーに似たのは2匹いて、
昨日には1匹が喉が血だらけに怪我をしていたというから、
きっと時間的には勘違いがあるのだろうと思うけれど、
コチカじゃなきゃいいが、とまた思う。
それにしても、
猫が喉を噛まれる、というのはどういう状況なのだろう。
* * *
夕方。
ご飯を食べて少したったら、吐いた。
今食べたものが出た、というだけ。
これって嘔吐ではなくて吐き戻し?
散歩。
冬ほどではないが、冷たくなってきた。
ヤモリはもう冬支度に入ったことだろう。
隣の庭の植え込みで、なにやら興奮させてくれるものを見つけた。
コチカの爪に追われてあわてて出てきたのは、
どうやら小さなバッタ?たぶんカマドウマだと思う。
私がヤモリよりも苦手とする羽のないバッタみたいな虫である。
虫は、ぴょんぴょん飛んでいくが、元より小さいので距離が伸びない。
監視範囲にいるのでコチカは焦りもせず、じっと眺めてはちょい、と手を出したりしている。
やがて追いかけていた背中の動きが止まった。
頭だけが若干動いている。
食べているのだな。
やっぱり獣。。
* * * *
▲
11月3日(木)祝
透明(?)を走り伊良湖からフェリーに乗って実家へ。
その旨については、昨日から言ってあった。
5回くら繰り返し言う私の言葉を、聞き耳を立てて聞いたコチカは、きっちり理解できたはず。
昨日のご飯を食べた後に吐いたのは、そのせいかもしれない、と思っている。
すべての荷物を車に積んでからコチカを乗せる。
果たしてコチカは、寝室に逃げ込み抵抗した。
置いてくわけにはいかないんだよ。。
前回、行きの車の中では吐かなかったのは、
事前に言い含めておいたせいか、と踏んだのだが、
今回は、それが返ってストレスになったのかもしれない。
昨日もご飯の後に吐いたし、車の中では吐かなかったものの、
フェリーの中では大量の胃液を2度も吐いた。
でもフェリーから降りたら、わ、ここ知ってる知ってる!とばかりに、
体を乗り出し、窓から外を見、匂いを嗅ごうとする。
実家についたら荷物を全部下ろし、
階段下の柱を切り売りカーペットで覆ってから、コチカを車から降ろす。
コチカは嬉々として家の中に入ってきたが、すぐにうや〜うや〜、と不満そうな鳴き声を上げた。
コチカの期待するものは、外なのである。
東京とは違い、緑の濃い匂いのする外へ行きたいのだ。
フェリーから降りたときに、イの一番に思ったこととは、たぶんそれだと思う。
もう夕食だという頃だけれど、
気乗りのしないまま車に乗せてこられたコチカの気持ちを無視するのもナンなので、
抱っこしてちょこっとだけ外に出てみた。
コチカのお気に入りの場所へ行ってみる。
木造の家々に、森の木の葉の影が黒々とのしかかる中、
街灯がたった1本しかないコチカお気に入りの石段は、
幽霊というよりは妖怪が何人(何匹?)も潜んでいそうで不気味。
お地蔵さんの祠とかあるのも恐くて、とっとと帰ってきてしまった。
当然不満なコチカ。
うや〜うや〜、と言いながら歩き回っている。
しょうがないね。
夕食が終わってから、今度は夫と一緒に散歩にいった。
今度はリードをつけた。
雨上がりの空に星がいっぱい出ていて、きれいな夜の空を人間も楽しんだ。
よほど暗いところはダメを出されたけれど、それでも少々は気がすんだかな。
* * * *
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11月4日(木)
よいお天気。
今日は雨だと言っていたけれど、ちょっと前の天気予報では、と母。
そういう意味のない話もあるんかいな、と爆笑。
人間は外出。コチカはお留守番。
家中の窓をきっちり閉め、
コチカの好きそうなガーゼの夏のシーツをベッドにかけ、出かける。
帰宅したら、人間を待ちわびていたコチカは飛び出てきた。
寝室のベッドの上には、コチカの丸くなった痕が、おかいしくらいにくっきりと残っている。
ご飯を食べて、屋上に外の風を吸いに行く。
明日は天気が崩れるという今夜、くっきりというわけではないけれど、星がいっぱい。
さすがは田舎。
星に見とれてコチカが柵から山へ飛び出してしまわないように、
リードの引きの感覚を手に集中させて空を仰ぐ。
寒いからもうカツオブシしよ、というとコチカは意外に素直に戻ってくれた。
しかし、家の中に戻ってきてからも、うぉ〜うぉ〜、とコチカは訴えは続く。
例の妖怪の出そうな階段に行きたいのだろうが、今はちょっとご勘弁。
人間が夕飯を食べてから、夫と一緒に行こうね、と言っていたものの、
夕食後、夫は眠ってしまった。
玄関でうぉ〜うぉ〜が止まらないコチカを、なんとかせねば。
追いかけっこで気分を盛り上げる。
そのうちリードで遊ばせることにした。
赤いリードを柱の陰からちょろちょろと動かすとコチカは、すわっ、と飛びついてくる。
そんなことを何本かやると、コチカはどうやらくたばったようだった。
その後、台所の椅子に座ってDVDを見ている私の膝の上で眠った。
何を見ていたかというと、
10月22日に再放送されたペ・ヨンジュンと黒柳徹子の例のやつ。
DVDに録った再放送を、私はようやく見たわけだけれど、
母は3回目だと言った。
母は(ほぼ!)狂っている。。
韓国もののドラマは全部見ているのはもちろんのこと、
驚くことに俳優さんのカタカナの名前をほとんど覚えていて、
話をしていてもすっと口をついて出てくるのである。
私は、そう狂ってるわけでもないけど(冬ソナも見てないし)、
ペ・ヨンジュンはやっぱりいい俳優さんだと思う(イ・ビョンホとチェ・ジウも好き)。
黒柳徹子も好きなので、番組を興味津々で見入っていた。。
てな具合で、誰もが静かにしているので、コチカは私の狭い膝の上でもよく眠れたようだ。
* * * *
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11月5日(土)
休みだというのに7時ちょい過ぎから、うや〜うや〜。
お皿を見るとご飯がなくなっている。
ご飯?と聞くと、思い切りすりすりしてきたので、ちょっとだけやる。
わざわざ下まで取りに行ってきてやった。
物も言わずに食べているので、やれやれと思って布団に入ると、
それでもまだ、うや〜うや〜。
おしっこ?と聞くと、じっとしてトイレを見、私を見たので、させる。
それでもほどなくしてまた、うや〜うや〜。
しかたなく夫が起き出し、外の石段に連れて行こうとしたが、
コチカは屋上に行こうとしたので、夫はちょこっとラッキーしたような。
*
出かけようとしている人間を牽制するかのように、
真剣!な目つきでうや〜うや〜と鳴くコチカ。
明日も出かけるし、床が毛だらけになってきているので、
掃除をしようと私だけ残ることにしたら、うや〜うや〜がピタリと止んだ。
そして今、掃除の前にこうしてバチバチ打っている私の横で、
毛繕いをし、惰眠をむさぼっている。
きっとこういう状態にしたかったのね。
私も一緒にごろっとしたいけれど、掃除せねば。そうじそうじ。。
* * *
夕方、コチカは夫と屋上に行った。
そして帰ってきたときに、私は畳の部屋にいた。
階段の上がりはなに面したベランダのドアが開くと、
寝室の次に畳の部屋があり、そこにいる私を一直線上に見ることになる。
ドアから入ってきたコチカは、
リードを引きずりながら、私を見つめたまままっすぐにやってきた。
そしてよしよしよし〜
かわいいなあ、猫って。コチカって。。
陽をためるための背中?
* * * *
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11月7日(月)
いざ東京へ。
フェリーに乗る1時間前に酔い止めを飲ませたが、効き目なし。
2回もげぼげぼ。
こないだ乗ったフェリーとは違う船種らしいし。。
* * *
フェリーを降りてからは、コチカは必ず前へくる。
コチカお気に入りのチャチャチャをかけるが、それほどの感動はなかった。
もう飽きたの?
あるいは疲れたのかな。
ずっと寝ていた。
東名を降りて首都高に入ると、むくっと起きて伸び上がって窓の外を見る。
ときどき、うにゃ〜〜、と奇声を上げる。
そのたびに、もうすぐ家につくよ、つくよ〜、帰ってきたね〜、と何回言っただろうか。
家につくと荷物を下ろしつつ、家中の窓を開ける。
コチカは何にもしないくせに、人間は自分らのこととコチカのことを両方する。
猫ってやっぱりいいかも。……てうそ。
嫌いなドライヴにも付き合わないといけないんだもの、
人間といるのも楽じゃないよね〜
* * * *
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11月8日(火)
朝から溜まったメイルのチェックに返信を繰り返す私は、
お昼近くまでテーブルから動かなかった。
さっさか繋がる回線ってなんて気持ちいいのだろう。
勢いにまかせて受け取っては書いて送って、とやっていたら、
あっという間にお昼だったのである。
コチカ、散歩、と言ってみたが、コチカは寝そべったまま動かない。
家の中にいたのではバチが当たりそうに良い天気だというのに、
コチカはやけに静かである。
昨日はようやく東京に帰ってきて、わくわくして夜中にもあまり寝てなくて、
今日は一日眠かったのかもしれない。
こういうこともあるんだ、と思って放っておいたら、
夕方まで本当に何も言ってこなかった。
今日はよく休んで、また明日から元気にコチカしようね!
夫とコチカ:同じ夢見てる?
* * * *
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11月9日(水)
実家からお雑魚をたくさん持たされたので、
人にもらってもらおうとビニール袋に入れ外に出た。
しかし用を思い出したので、
家に戻ってちょっと居間に行っている間、
玄関付近にある文庫用本棚の上に乗せておいた。
そして戻ってきたら…
居間で寝ていたはずのコチカが玄関にきていて、
袋を見つけ、本棚の上に飛び乗ったのだろう、
下に落とし、穴を開けて食べていた!
ったくもう。。
普通、散歩から帰ったらずっと居間で寝ていて出てこないのに。
さすがは地獄鼻!なこと。。
* * * *
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11月10日(木)
本日のコチカはこれと言って特筆すべきことはない。
ずっと寝ていて時々起きて外を見に行き、また寝て。
お約束の散歩にもちゃんと行ったしご飯も食べた。
おそらくは猫的にはこういう日を平和で幸福な日、というのかも知れない。
朝。
青いペンキを塗ったみたいに青一色の空の下を、のっそりという感じで外へ出た。
ここまで真っ青だとちょっとそっけないな、と思いながら歩いていると、
ちゃこちゃんちのご主人がちょっとちょっとと手招きする。
行ってみると、ご主人が指差すチェリーんちのガレージの地面には、黒い点々がいっぱい。
これ全部ねずみの糞、とご主人は言った。
ひえ〜
直系1mくらいの範囲内にこんなにたくさんのねずみの糞が、
これってまさか1日にしてなったわけじゃないだろうけれど、何匹分?
のらニャンたちのご飯に寄ってくるのである。
ちょうど車がなかったからわかったわけだけど、チェリーんちの奥さんは知っているのだろうか。
これだけねずみがいる、ってことよ、とご主人は言ったが、いったいいつからだろう。
何度考えても、うへ〜なのだが、
ここに集中させとけば、他の家に出ることはないかな、なんて。
そんな気楽なものじゃないよね。
ねずみって病気持ってるし。
それにしても、なんで猫たちは知らん顔してるわけ?
PCが壊れてしまい、あーらえっさっさー状態。
こうしてみるといかに日常生活をPCに依存しているかがわかる。
ちょっとでもわからないことがあると居間に来てPCを開く。
立ち上がる時間を利用して、やかんにお水を入れてコンロに置いて火をつけ、
ソフトをいくつか立ち上げながら、お茶を入れる。
もう哀しいくらいに生活のリズムそのものがwith my PCなのだ。
どういう状態かというと、キーボードが利かない。
ときどきカタカナだったら打てるけれど、そんなことやったことないので仕事になりゃしない。
コントロールキイが押しっぱなしになっているらしい。
デスクトップのソフトのアイコンが立ち上げるたびにコピーされて増えてくる。
メイラー(Eudra)の受信フォルダーに入ったメイルが、
場合によってはやみくもにゴミ箱に入ってしまい、削除されてしまう。
昨日、リターンキイのあたりにちょこっとお茶をこぼしてしまったのが最大の原因だと夫は言うが、本当にそれだけかなあ。
とりあえず夫のマシンを使わせてもらって、
ヤフーのメイラーで文章を書いて自分のPCに送り、そうっとコピペしいしい仕事しています。
今朝からどんどん症状が悪化してくるように思うので、
ファイルをちゃんと移しておかないと、と思っているところ。
…というわけで、またもここの更新が滞るかも知れませんが、
あしからずご了承ください。
* * * *
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11月11日(金)
来客があった。
誰かが来ると、いつも私の座る場所に座ってもらい、私は反対側に座る。
コチカは、猫であるという理由から、いつもの場所に座る。
ということは、お客さんの隣にコチカは座る。
お客さんがいることに気を取られ、コチカがどこにいるかなど、
気にしていなかった私だが、あるときテーブルの下を見ると、
あっちにコチカがいる!
これって結構みょ〜、だった。
さらに、穏やかに話す来客はもう何回も来たことがある人であり、
コチカもそのことをわかっていて、すっかり安心しているのだろう。
ホットカーペットの電源が切れていて、寒くなったらしく、
いつもするように私の方に寄ってきて…ということはお客さんの方に寄っていって、
暖を取ろうとしている。
お客さんも猫好きなので、悪い気はしないようだが、
コチカはときどき排泄器官からの分泌物でその辺を少しだけれど汚したりするので、
私の方へこさせようとしたけれど、こないのだこれが!
いつも私のそばに来るのは、私が好だからだ、と信じていたのに、
なーんだ。。という思いがした。
やっぱり猫なんだな、コチカは。
* * * *
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11月12日(土)
ひさびさにコチカの歌を歌った。
居間に座る私に、よしよしして〜と言ってきたからである。
実家に帰って以来、一度も言ってこなかった、そういえば。
かわいいちゃっちゃっちゃっちゃ
おりこうちゃっちゃっちゃっちゃ
○〜○のちゃっちゃっちゃっちゃ
○〜○○のちゃっちゃっちゃっちゃ♪
注)○は私と夫の普段の名前:夫はちゃっちゃっちゃっちゃだけ唱和する。
これが1番で3番まである、
そして歌い終わりにゴッロ〜ンというと、
コチカはごろーんと横になり、私によしよしされながら、
のんびり毛づくろいを始めるのである。
しかし、最近全部歌うことはなくなっていた。
コチカがもう飽きたらしくて、途中でつまらなそうな表情をするようになったから。
そこでまた新たな短い歌ができてはいるのだが、
気分によってメロディーや歌詞が違ってしまう、という不安定な状態なので、
このシチュエイションではまだ歌わない。
それにしても、いつもの歌を歌い、
コチカがいつものように安心したようにごろーんとなると、
平和が続いているのだな、という気持ちになって嬉しい。
* * * *
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* * * *
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11月14日(月)
夕方の散歩。
外に出るや、とっとっと、と家の外壁へ。
そして匂いを嗅ぐ間があったのか、と思う速さで、
フェンスに飛びついた。
絶対に逃すものか、という意気込みが両手の先と丸い背中に伺える。
フェンスから何かをずずず、と引っ張り出した。
この寒いのにいったい何を?と見ようとしたが、暗くてだめ。
が、ばりばり、と噛み砕く音が聞こえる。
やっぱりヤモリ?
すぐに食べ終わってしまったところを見ると、
小さかったのかな。
それからしばらく歩いたが、
戻ってくると、あの感動をもう一度、とばかりに、
さっき獲物をしとめたところをくんくんする。
そう何度もいないってば。
それにしても、
無駄のない狩りをしたこと、と感心してしまう。。
* * * *
▲
11月15日(火)
朝の散歩。
結構冷え込んできたが、猫コチカは全然平気らしい。。
十字路の駐車場でごろんごろんやって辺りをうろうろしてから、
さて戻ろうとしたころ、
後ろからごぉーっと重たい音を響かせながら、リサイクル物収集車が来た。
こういう音が大の苦手のコチカは、一目散に駆け出した。
私も走る。
チェリーんちの奥さんが、あらあらあら、と面白そうに見ている。
十字路の角のお宅とその隣の家を通り越し、
うちも通り過ぎるのかと思ったら、コチカは急にうちの駐車場に入った。
減速もせずにほぼ直角に曲がったのである。
すごい勢いをつけたままだから、まさかそこで曲がるとは思わなかった私は、
駐車場には車とフェンスがあるし、リードがどこかに引っかかって、
コチカの首を締めてはならない、というのが頭にあって、
コチカの方を見ながら、急に足を止めた。
結果、前後に大きく足を開き、体をねじるようにして、急停止。
ねじった上体が後ろにとどまり、両足だけ前に出した格好になったので、
あ痛ててて〜
背骨がばっきり折れるかと思った。
よくぞ止まれた、と自分の反射神経に感心していると、
ずっと背後ではチェリーの奥さんが手を叩いて笑っている。
さぞかし面白い光景だったろうと思います、はい。
* * * *
▲
11月16日(水)
昨日の夜、コチカの頭にわずかではあるけれど、
不自然にささくれ立っている毛が何本かあって、
そうっと引っ張ってみると、
数本の毛が束になって抜けてきた。
根元はどうやらかさぶたになっていたらしい。
そういう所が何箇所か。
肩でも一箇所同じような毛の抜け方をした。
これってけんかでもして怪我をした場所?
いつしたの?
脱走したとき?
あるいは皮膚病?
地肌を見ても、なんともないけれど。
ねえ、コチカ、どしたの???
猫に口なし…なのよねー
* * *
今日は十五夜。
輝面比:99.992%の満月である。
6時半にしてとっても明るく東の空に上ってきた。
だからかどうか。
夕方の散歩は、何度も通りをうろうろして、
なかなか家に帰らなかった。
玄関を開けても、入りそうで入らない。
玄関先に生えている花にらの葉をなんとか私隙を狙って食べよう、
としているせいかもしれないけれど。
仕方ないので、
抱っこしてやると風が吹いてくる方向を鼻先を向けようとする。
私も一緒になって匂いを嗅ぐ。
コチカの頭に月の光が落ちている。
私の顔も照らされているに違いない。
こうして月光浴していれば、私もコチカも浄化されるのだろうか。
それとも魂を月に吸われるのだろうか。
* * * *
▲
11月17日(木)
夕方の散歩。
やっぱり壁へ。
月日は暑い時期からはるかにたっているのだけど。。
ヤの字の気配どころか匂いもまったくないのだろう。
フェンスに顔を近づけるなり、Grrrr!とうなってすぐに離れた。
いつになったらまったく諦めるのか。
* * *
ルークくん(茶色いミニチュアダックス)に会った。
昨日お散歩に出なかったというルーク君は、
人間が無駄話をしていると待ちきれなくなって、甲高い声で鳴く。
はいはい、行ってらっしゃ〜い。
2度目に会ったときには、その辺を一回りしてきた後で、
少々落ち着いていたようだったが、
じっとしているコチカに体を乗り出して、吠え立てた。
コチカはちょっと驚いたのだろう。
手をエイエイと振り上げた。
コチカちゃんとけんかしたら負けるよ、ルーたん、と飼い主さん。
いや、コチカは悪い気はしてなくて、
これ以上近づいてきたらヤだな、と思っているだけ。
だーいじょーぶよー^^\
ルークくん&飼い主さんと別れ回れ右をすると、
コチカは体を低くかまえた。
前方を見ると、黒っぽい猫の陰。
コチカは走り始めた。
私も走る。
速度を上げたので、私もパワー全開!にした途端、
コチカは止まった。
私も止まる。
猫はもっと向こうにいたと思う。
だからそこまで全速力で走って行くのだと思っていた。
しかしコチカはチェリーんちの角を曲がって行った、と勘違いしたのだ。
だから急停止。
またである。
私が行き過ぎてコチカのリードを引っ張ることにならないよう、
おとといのように背骨が折れそうにならないよう、
衰えた筋肉と思考を一瞬のうちに緊張させて、急停止するのだ。
運動不足の日常の中で、よくできると思う…私はえらい。。
* * * *
▲
11月18日(金)
昨日のこと。
お風呂の網戸をコチカが引っかくので、
ケージ用の柵を一枚あてがい、ガラス窓を大きめの洗濯はさみで固定しておいた。
コチカはいつものように敷居に飛び乗ろうと、洗い場のタイルの床からジャンプした。
ところが柵を置いたために、壁部分と敷居の幅が狭くなってしまい、うまく乗り切れずに落下。
ふーっ、と荒い息を吐いた。
これではかわいそうだと思い、善処したものの、
一度失敗したのでコチカはもう試そうとせず、
お風呂の入り口に座って、じっと窓を見ている。
お風呂を隔てる壁に接した洗面台のある窓も、
スチールの網戸に穴を開けてしまったので、柵がしてあり、
そちらはうまく固定できないので、窓が少ししか開いておらず、
上半身を傾けるようにして外を見なければならなくなっている。
いつにも増して不自由になって、ぶーたれるコチカ。
居間で丸くなっているコチカのお尻を、あ、と夫が指さした。
ぽこぽこと茶色く丸いものが2つある。
コチカ、ウンチ産んだの?
といいつつ、ティッシュでつかみ、言わないとだめじゃん、というと、
腕の中に鼻先をつっこんだまま、知るもんか、てな目つきで私を見た。
ま、しょうがないわね。。
* * * *
▲
11月19日(土)
夫と散歩(コチカがよ^^\)。
カメラを持って私も同行。
かわいい写真が撮れたので、先に家に入った。
ちょっと居間にいてから台所に出たら、
もうコチカが帰ってきてご飯の器に顔を突っ込んでいた。
夫も戻ってきた。
私がじゃあねと家に向かうと、
まだ散歩は始めたばかりだというのに、
コチカはとっとっとっと、と私の後をついていき、
それでおしまいだった、という。
ああいうシチュエイションだと、そうなるのね、と夫。
* * *
昨日、来客があって、私がいつも座る場所に座っていた。
先週は、コチカはお客さんの横に座っていたが、
今日は、私の横に来た。
お客さんがいる間4時間ほど、私の横でくつろいでいた。
ようやくこちらになじんだのね、と思っていたら、
夕食のとき、コチカはどこかの窓にいるのだ、と思っていたら、
夫がニコニコして、えへへコチカがもぞもぞしてる、
と嬉しそうにいうので、テーブルの下を見ると、
なんとコチカが夫にペタリと背中をくっつけて毛づくろいをしている。
あらあ、めっずっらっしー
私がいるのに向こう側にいるなんて。。
コチカ、なじみすぎ!
塀に飛び乗りたい…と考えていたコチカ
* * * *
▲
11月20日(日)
遅くに帰宅した人間二人を出迎えたものの、言葉も出ないコチカ。
おなか空き過ぎたよねー
急いでご飯をあげて、ある程度ぱくついたところで、散歩に出る。
かなり空気が冷たくなっていたが、コチカと夫は出ていった。
帰ってくると、私の横に来て、うにゃ〜ん、と甘えた声を出した。
撫ぜながら、コチカの歌を歌う。
一通り歌っても、コチカはじっと私の顔を見上げている。
ごめんね遅くなって。どうしてた、あったかくして寝てた?あ、コチカのざぶとん置いてくの忘れた。大丈夫だった?寒くなかった?今度から忘れないようにするからね、ごめんねごめんね。
などとつらつら控えめな声で言いながら撫でてやったら、
許してやるぞ、と思ったかどうか、
腰をどしんと落として私の太ももに手を伸ばし、
もう片方の手はぱーっとひらいた。
顔とか体とかをそうっとなぜてやる。
ようやくコチカは悦に入ったような表情をして、手などをなめ始めた。
* * * *
▲
11月21日(月)
お隣を通りかかったら、ご主人がぼんやりしていた。
挨拶をしようとしたら、タロウがね、といった。
3日前にご飯も食べずに植え込みの下に横たわっていたが、
姿を見たのがそれが最後だという。
界隈を名前を呼んで歩いてみてもいない。
去年の夏に、もう危ないかも、と言っていたのが持ちこたえ、
今年も難なくあの暑さを乗り越えたのだが。
もう死んじゃってんのかなあ、とご主人。
私は言葉もなく突っ立っていたら、ご主人はタバコを取り出して口に咥えた。
最近、よそのオス猫が来ているから、やりあって怪我をしていたのかも。
でもこの寒さである。
心配。
ご主人は夜にタロウがどこで寝ているか、知らないようだった。
生きているものはいつかは死ぬけれど。
なんだか気持ちがバラバラになったような。。
* * * *
▲
11月23日(水・祝)
私だけ外出。
帰宅途中で家にいる夫に電話をすると、
コチカがやーやー言っている声が聞こえた。
家に帰り着くと、コチカは玄関に出迎えにきて、
上がりはなに立って、よしよししてくれるのを待っている。
居間に座ると、コチカはだまったまま、
私の真正面に座って、じっと人の顔を見ている。
ちょうどご飯の時間なので、
夫がご飯を用意してくれてあるのに、ご飯に口もつけない。
夫がそばに来て座ると、夫に向かってなにかしきりに言いだした。
ご飯用意したから食べておいで、というのに、行かない。
夫はご飯をトッピングを雑魚じゃなくて、
カツオブシがほしいのではないか、というのだが、
いつもお雑魚でうれしそうに食べているのに。
一生懸命何かを訴えているのだが、
何を言っているのかさっぱりわからなくて、
困ってしまうときが、ときどきある。。
* * *
コチカはおしっこさせられるとき、
もしも直腸にウンチがあったら、
自分で体をひねって押し出そうとしているらしいことを、
昨日になって気づいた。
左腕にコチカを乗せ、
左手で腰椎あたりを支え、
しゃがんだ太ももにコチカを乗せるのだが、
コチカは体を捻って伸び上がり、
私の上腕に爪を立てて引っ掛ける。
もうずいぶん前からそうしているが、
ウンチがあると尿道を圧迫して痛く、
それを避けるために、体を捻って押し出そうとするのではないだろうか。。
* * * *
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11月24日(木)
朝の散歩。
近所のアパートの入り口で、コチカは階段の方を向いて座っていた。
あまりに長々と座っているので、声をかけた。
するとコチカは、座っているお尻は動かさずに、
両手だけちょこちょこと動かして、180度回転した。
怠慢な猫だこと。。
* * * *
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11月25日(金)
何が不満なの?
そりゃいろいろあるのはわかるけど。
最近、どうもウンチの申告をしない。
もちろん基本的にはするらしいが、
しないということは、何かぶーたれる原因がある、
ということ。
あ!!!
そういえば今朝は散歩に行かなかった。
いや、私は誘った。
でも寝そべったままのコチカは行こうとしなかったのだ。
私のせいじゃないのに。
でもそんな何時間も前のことが、夕方以降に効いてくるかな。
コチカはそんなに執念深い方じゃない。
夕方の散歩もちゃんと行ったし、
カツオブシも新しいのを開けたし。
ではどういう理由で?
さてさて。。
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11月26日(土)
朝起きて下に下りてきてみたら、
コチカのご飯がほとんど残っている。
昨日は一日ウンチの申告をほとんどしなかったし(お粗相を3度ばかり。。)、
具合が悪いのだろうか。
とはいえ、今頃になってちょこちょこ食べているけれど。
ようくコチカを見てみると、
いつもは美しいコチカの白い毛皮が薄汚い。
むむむ。
ちょっと心配した方がいいのかな。。
ん?
でも昨日の夜は追いかけっこをしたぞ。
* * *
夕方になって、ご飯を新しくしてやると、
ごく普通にぱくついていた。
散歩に行った後も、よしよしして〜と言いにきた。
いつものコチカと変わらない。
心配いらないのかな。。
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11月27日(日)
夜中に何度か布団から出て行ったらしく、戻ってきては、布団上げて〜、と起こされた。
その割にはご飯をまた残している。
起きてから夕方までには食べていたけれど。
ウンチの申告も再びちゃんと言うようになった。
いったい何がいけなかったのだろう、とまた思う。
最近カツオブシ代わりにやっていたお雑魚が、
硬い(よく干した)ものしかなくて、それが気に入らなかったのか。
それとも何か他に気に入らないことがあったのだろうか。。
コチカは最近、お風呂の網戸をしばしば引っかくけれど、
私が行って、やめて、だめよ、と言うと確実にやめる。
ちゃんと人間の言うことは聞くのに、
人間はちゃんとしてくれない、と思っていることでもあるのかしらん。。
* * *
そういえば昨日、夜、テレビを見ているとき、
コチカは寝言を言っていた。
ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ、と何度も言うのだ。
顔の上に手を乗せて高い声で、
ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ。
いったいどんな夢を見ていたのやら。。
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11月28日(月)
1.ご飯を翌日の朝にもかなり残している。
2.ときどきではあるが、おしっこをご機嫌でさせない。
この2つが重なってくると、心配ごとが心をよぎる。
発情である。
秋だし、出張してきた猫たちがうろうろしているし、
落ち着かないコチカなのだ。
また去勢について話し合わなければならない?
しかし今年は、発情しているといっても、
いつもの秋に比べたら、格段におとなしい。
どうなってしまっているのか。
肉体的な機能が弱くなってきたのか。
精神的に諦めがついてきたからか。
精神作用だけで発情が緩和されるもの?
このまま放っておいていいのかどうか。
これといって取り立てて注目すべき発情の兆候がないのもまた、
ある種の異常に感じられる…
いろいろ心配の種ってあるものです。。
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11月29日(月)
夜中。
2階の南の部屋の窓のフェンスに設置したコチカ用網戸をがりがりひっかく音で目が覚めた。
こらこら、といいに行くこと2回。
今度は大丈夫かな、と再度布団に入ってうとうとすると、
階下からガッシャーンと何かが落ちた音がした。
飛び起きて下に行くと、階段下の窓の下に置いた棚の上、
網戸の端に手が届くのを防止する用の、
簡易書類置き棚…プラスチック製の重ね棚…全部を落としたのだ。
そして網戸の開け口を引っかいていた。。
「戸」なるものの開け口を猫ながら心得ていることに感心しつつも、
どーしたものか、と困ってしまった。
考えてみても、半分眠った頭では名案が思い浮かばない。。
もう今夜は我慢してちょーだい、とガラス窓を締めてしまった。
ついでお風呂の窓も閉めた。
寝不足になったら人間の健康が危ない。
そうしたらコチカ、散歩に連れていってあげられなくなるんだからね。
朝になって、ケージ用フェンスと網戸止め具をあれこれ工夫して、
なんとか網戸に手を触れられないようにした。
あーやっぱり発情なのだろうか。
コチカにとってはもちろんかも知れないが、
人間にとっても何回か目の受難の季節到来らしい。。
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11月30日(水)
夜中に2、3度布団に入りにきた。
最後の回ではコチカ・シーツをしきりに掻いている。
明かりをつけずに目を凝らして、ティッシュで原因をとってやったが、
朝になって起きてみたら、もう一個布団の中に転がっていた。
ウンチと添い寝てたなんて。。
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最近、夫の座る側に寝そべるようになったコチカ。
今まではずっと私の横にばかりいたが、
来客のときに、
いつもの定位置の反対側に座る私の横にきていたのが定着、
そちらの方が広くて心地よい、と踏んだようだ。
不用意に私に足を踏まれることもないし。
ち。
暖冬の東京は、
ホットカーペットをつけた上にエアコンも入れると、
猫には暑いらしく、
寝ていてもおもむろにもっさり起き上がり、涼しいところを探して、寝に行く。
すると省エネしなくちゃ、とエアコンを切ったり。
私が外出中は暖房器具を切っていくので、反ってすごしやすいのかも。