2005年11・12月/2006年1月

~~~ミルク色のコチカ~~~


奮闘記 -55-

2005年12月



自力でウンチ再び!


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12/9タロウが。。 12/14ご飯の時間がシフトしているらしい 12/20首輪がきついのではずす 12/16チャコちゃん情報:歯石取りで半日入院&猫まんま
12/20街灯が新しくなった 12/22よしよし…ゴロンとなるもタイミングがあるらしい 12/23お風呂の窓にて考える 12/26決闘を避けた辮髪猫とのやりとり

12/27コチカ、何考えてるの?

12月1日(木)

自力でウンチ。わお!
きれい日の今日、防寒を完全にして遅い時間にのんびりでかけた。
十字路の駐車場の隅っこ、盛大に咲いた赤い山茶花の下の枯葉溜りに入り、
真剣な表情で枯葉を掻き始めた。
そして猫のおしっこスタイル。
垂れ下がった山茶花越しに、しばらく待つ。
長い。。
やけにがんばるな、と見てみると…
おお!ウンチがひとつころがっているではないか!
1年4ヶ月ぶりの「自力でウンチ」である。
やったー

チャコちゃんの奥さんが自転車で帰ってきたので、
ちょっとちょっとと呼び止めて、話した。
へ〜、と驚いてにっこりしてくれ、気持ちよかったでしょうね、
と言ってくれた。




 *  *  *  * 


12月2日(金)

十字路の角のお宅…アスカが居候している…に庭師さんが入っていて、
何人かの職人さんがちゃきちゃき音を立てているので、コチカは行こうとしない。
うちのすぐそばを何度もうろうろするばかり。
チェリーんちの庭のある通り…うちの玄関前から東に向かう通り…
は陽が当たらないのだが、途中まで行ってコチカはある方向をずっと見ている。
視線の先にはミルキー。
ひさしの上で毛づくろいをしていたミルキーは、もっと暖かいところでくつろごうと、
物干しの上に上がってきて、ごろんごろんとはじめた。
フェンスの間からミルキーの足やら手やら尻尾やらが見える。
そのうちに、最後の毛づくろいをしてから動かなくなった。
それをずっとコチカは身じろぎもせず見ている。
カラスも電線の上から見ている。

* * *

夕方から具合が悪くひっくり返っていた私に、
ご飯〜外〜、と言っていたコチカは、
ご飯はあげたものの、どうにも立って歩いていく自信のない私は、
ごめんね、具合悪くて外行けないよ、とコチカの顔を見ていったら、
以来コチカは催促しなかった。
ありがとうね、コチカ。

ミルキー
ここの庇にいかにして上るか < コチカ




 *  *  *  * 


12月5日(月)

夕方の散歩。
夏に草を食べ過ぎないようにするため、
ご飯をちゃんと食べてからでないと散歩に出ないということを徹底しようと思い、
その旨をトクと言って聞かせ、コチカが外に出たがってもすぐには出なかった。
おとといだっただろうか。
それがあったからかどうか。
今日は、コチカにご飯をやって、外行こー、と言ってきたとき、
私はメイルを書いていた。
その様子を見たコチカは、カツオブシだけを食べただけだろうご飯を、
また食べにいったのだ。
明日もそうしたなら、コチカは話がわかったということだろう。

* * *

夕方の散歩。
チャコちゃんちの角を曲がっていったところの、
桃の木のあるお宅の門柱にミルボーが座っていた。
いつ見ても、薄暗がりで見ても、チンピラ猫という印象。
私は縁石までしか行けない。
コチカは、ぴんぴんにリードを引っ張ったまま、
座ってチャンスをうかがっている。
ずーはーずーはー、と呼吸の音が聞こえる。
風邪引いてるの?
私は、ミルボー具合が悪いからそっとしといてあげよ、
とコチカに3回ほど言った。
わかったのかどうか、コチカも歩き出した。

* * *

私にもたれて寝そべっているが、眠るわけでなく、
目をかっと開いたままぼーっとしている。
私が覗き込むと、開いたままの目玉がぎろー、とこっちに動く。
こ、こわい。。
こんなバリ島のお面あったな。。
いろんな顔するねまったく。




 *  *  *  * 


12月6日(火)

最近、食べる量が落ち着いている。
夏場とほとんど同じ量で足りているようだ。

思うに、
夏が過ぎて秋の終わりになるころには、
冬毛を備えるために一時的に食べる量が増えるのかも。
ある程度、毛が(恐らくは脂肪も)そろってしまうと、
もうそれ以上は食べなくなるのかもしれない。
うちは1匹だから競争もなく、いたずらに食べねば、
と思うあせりもないだろうし。




 *  *  *  * 


12月8日(木)

最近コチカは、夫がいないときには、私の横に寝そべらないで、
いつも夫のいる側に行くようになった。

そして今日、来客があった。
彼女はいつものように、いつもの私の場所に座る。
コチカは、というと、こないだは私の横に来たのに、
なんと彼女の横に寝そべりに行き、
あろうことか、いつも私にするように、
のびする際に、彼女の方にうーんと手を伸ばしたのだ。
コチカはもうすっかりお客さんに慣れている。

* * *

おしっこするのを嫌がる。
昨日の夜から、うぉ〜、と怒るようになった。
ときどきこういうときはあるのだが、
痛みでもあるのかしら、と心配になる。

夜の散歩は、さして寒くもなかったので、
じっくりコチカの歩きたいだけ、歩いた。
自動的にうちの門に戻ってきて、
玄関先の匂いをくんくんしたものの、
カツオブシしよ、と一回言うくらいで、中に入った。
平和な気持ち。




 *  *  *  * 


12月9日(金)

きれいな朝。
10時ちょっと過ぎに出ると、
通りに陽が当たり、お散歩が楽しくなる。

暖かなので、チェリーの奥さんが花の手入れをしていた。
タロウは…と言ってみると、
顔を曇らせて、もう死んだみたい、と言った。
姿を見せないことと、タロウがいなくなってから、
タロウが子供の頃の飼い主だったというおばあさんが、
しばらく見なかったのに、しばらくぶりに顔を見せに来た、
と話していたそうなのだ。
そのおばあさんも猫好きで、そこのお宅では、
タロウと他の母親から生まれたアスカを含む猫たち3匹を引き取って一緒に飼っていたのが、
さらに新しい猫が来るようになって、何匹かが逃げ出したらしい。
その中のタロウは遠くへは行かずに、
この界隈で暮すようになった、とのこと。
その一番最初にお世話になった飼い主さんに最後に挨拶に行ったのだろう、
とチェリーの奥さんは言っていた。

タロウは愛想のない顔つきではあったが、誰にでもすりすりする人懐っこい猫だったので、
結構人気があり、十字路を過ぎた辺りに住んでいる小学1年生の女の子も、
タロウにあげるおやつを手にしながら、あれえ、タロウは?と言っていたのだそうだ。
奥さんは、合同葬にでもしてあげられたらよかったのに、
と言っていたが、でも、猫の流儀で逝けたのだったら、タロウとしては本望だろう。
またね、タロウ。
誰かになって帰っておいで。
待ってるからね〜。

* * *

夕方の散歩。
シープドッグのライフくんに逢った。
コチカはアスカを追って走り、
十字路の駐車場を通り過ぎたところで、
私から足止めを食らっていたのだが、

小柄な犬が向こうから来たので、そちらに矛先を換えた。
十字路をうちへ続く道に折れて、
おばあさんらしい小さな人間と小さな犬の姿を見据えている。
向こうもコチカを見据えている。
私は近づきながら、猫でぇす、といった。
おばあさんは、あら、猫ですか、うちにもいますよ、
と親しげに言って近づいてきた。

まだ大人になりきっておらず、毛もふわふわ。
聞けば5ヶ月だということ。
人懐っこくて、座って手を出した私に、飛びついてきて、
鼻先が私の眼鏡に思い切り当たった。
こら、とリードをひっぱるおばあさん。
まだ家と外との区別がつかなくて、
おしっこを廊下にしちゃうのよねーもー、と嘆きの声。
犬は猫よりも覚えるのが遅いというから。。

早くウンチしてくんなくっちゃ寒いんだよぉ、とネを上げるおばあさんをよそに、
コチカに興味津々のとライフくんを、コチカは背を丸めたままじーっと見ている。
最初に興味を持って近づいていったのはコチカなのだ。
ルークくんのはしゃぎように慣れているから、
きっと時間の問題で仲良くなれるのではないかしらん。

じゃあまたね〜、と立ち去っていくと、
ライフくんは電信柱で一度くんくんしたものの、
一目散に向こうの角を目指して走っていった。
おばあさんも負けずに走っている。
すごーい!
なんかとっても元気になれそうな光景だった。
また会えるといいな。

* * *

おしっこは嫌がらなくなった。
ほっ




 *  *  *  * 


12月10日(土)

樹林公園に行った。
ミュミュの親らしい猫にまた会った。
ジョギングのコースに、にゃ〜、と言って近づいてきた。
立ち止まった夫と私の足元に、尻尾をぴーんと立ててすりすりしてきた。
しばらく撫でたりしていたけれど、なんでこんなにすりすりするのかな。
おなかすいてるの?
いつもは誰にご飯もらうの?
私たち何にも持ってないよ。
いつもの人に言いな。
とか言いながら撫ぜてやる。
猫はなかなか離れようとしない。
なので、真剣にゆったりと同じことを3回ほど繰り返して言った。
そして、またね、
と離れると、猫は心得たのか黙って離れて、
両手を前にきっちりそろえ、猫の正座をして私たちを見送った。
なんだか後ろ髪を引かれる思いだけれど、しかたない。。

* * *

夕方。
人間が食事をしているときのこと。
ものみやぐらから外の様子を見ていたコチカは、
カーテンに突っ込んでいた顔をおもむろに元に戻し、
テレビの上の天井を見た。
突き刺すような目のまま、むっくり立ち上がり、
鴨居渡しをそろりそろりと渡り、天井を凝視。
しばらくその体勢でいたが、そのうち眠くなったのか、
あるいは常駐体制に入ったのか、
橋の上に長々と体を伸ばした。
蛍光灯の明かりの下で見るコチカは、
なんだか灰色に汚れてきったなーい。。
でも橋の幅にちょうど長くおさまっているコチカが面白くて、
写真を撮ってやろうと思い、
そうっと立ち上がって押入れからカメラを取り出したら、
きっ、とこちらを見、何するつもりだ、という目をして、降りてきてしまった。
ち。

* * *

なぜか珍しくコチカがウニャ〜ンと甘えてくる。
どしたのかな。よしよし^^\




 *  *  *  * 


12月11日(日)

朝早く出て、遅くはないけれど長時間不在にして帰ってきた人間に、
みょーにコチカが甘えてくる。

いつも居間では私の左側にいるのに、座ったことのない右側に座り、
あーr、と憂いた様子で声を上げ、何かを訴える。

どこか具合が悪いのだろうか。
おしっこはちゃんと出ているし、と最近気になった履歴を頭の中でめくる。

そうだ、キャット・フードを器の周りに飛び散らかして食べるな。
歯が痛い、と言っているのだろうか、
と抱き上げて膝の上に寝かせ、夫と二人で、あーんさせて口の中を見てみる。
数本、歯茎付近に歯垢だろうか、が黒く付着しているのを気にはしているが放ってあるのだ。
なるべく早く獣医さんのところに見せにいこう、と話し合った。

人間の気持ちが決まったところで、いや、もしかして、
とコチカの目線に注意を払い、後をついていくと、
果たして、台所の引き戸を出たところで、ダダッ、と走り出した。
追いかける。
そのまましばらく追いかけっこを何本か。
暗い玄関の三和土で、目がきらり、と光っている。
リードをハンガーから取り、獲物にしてちょろちょろと動かす。
嬉々として食らいついてくるコチカ。
ずっと玄関で遊んでいたが、少々飽きてきたので、
ちょろちょろやりながら台所に走り出す。
追いかけてくるコチカ。
何が病気だ。
コチカはエネルギーが余っていて、遊びたかったのだった。。

で、満足した?

PCがようやく直って手元に戻ってきた。
あ〜〜〜〜愛しのパソコン
日々これPCと共にいます、という私を気の毒がって、
夫が仕事用のPCを置いていってくれたけれど、
どうにも他人のキーボードは手になじまず、気に入らない。
本来なら浮かぶべき文章が全然出てこないのである。
指先の感触と脳みそとの連携プレイは、このmyPCじゃないともうダメなのよ〜。




 *  *  *  * 


12月13日(火)

ご飯をほとんど食べないで残している。
どして?

* * *

朝の散歩。11時過ぎ。
吸い込まれるか、と思うような青い空。
朝も遅い時間だと少々は暖かい。

十字路の駐車場から戻ってくると、
辮髪猫が、ものの陰からそうっとコチカを伺い見ている。
しかしコチカはそれには気づかず、別の匂いに気を取られている。
チェリーんちの南側の塀の向こうに、ミニ・ミルボー…かな…がいるのだ。
いつも顔に怪我をして、ブーっとした顔をしているミルボーそっくりで、
ちょっと小柄なので、ミニ・ミルボーなのだけど、
ほっそりしていて、ちょっとお疲れ気味に見える。

コチカはフェンス越しに、うぉ〜むにゃむにゃむにゃ、と始めた。
コチカを、というよりは私を警戒しているらしく、じぃっと見ていたミニ・ミルボーも、
コチカに対抗するよに、なにやら小さな声で言っている。

フェンスの前後にはプランターがいくつか置いてある。
そのお陰で容易にコチカは向こうへ行くことができない。
そのことがわかったのかどうか、ミニ・ミルボーはそろそろと庭の方に歩き出した。

するとまー君がいきなり家の中から、うぉんうぉんうぉんうぉん、と飛び出してきた。
ということで、ミニ・ミルボーは俊足で逃げ出し、っちゃんちゃん!でした。

* * *

夜の散歩。
さ、寒い。
冷たい。。
玄関の門を出ると、さてどこに行こうかと、じっと座って考えるコチカ。
ったくもー神経ないの?

のそのそと歩き、立ち止まっては熱心に匂いを嗅いでいる。
私は凍えてしまう〜〜〜〜〜
空から頭の天辺に暖かい光が降りてきて背筋をほかほかに暖める。。
とか頭に必死に思い描き、体を温めるメンタルトレーニングをしながら待つ。
これ、さまざまな人にお勧めです。
信じれば……の世界でもあるだけど、10分もすれば寒くなくなります。
疲れも少々取れます。
本当です。

*

向かいのお宅の駐車場にもぐりこもうとするコチカ。
やめさせようとするのに、やけに強引である。
リードで引っ張りすぎるといけないので、そっと頭の前側に手を添え、牽制する。
きっと猫がいるのだな、と思っていると、
いきなりコチカが走り出した。
例によって猛ダッシュである。
そしていきなり止まるっっ
軽やかな影がチャコちゃんちの角っこに消えていった。

尻尾が長い。
もしかして、あれがチェリーの奥さんが言っていた、尻尾がしゅ〜、という猫か。




 *  *  *  * 


12月14日(水)

またご飯を大量に残している、と思ったいたが、夕方には全部なくなっていた。
時間がシフトしたのかな。

6時の正規の時間には、今日はちょっと少なめにしておこう。

* * *

朝の散歩。
出かける準備に手間取って、コチカの散歩が短くなってしまった。
まだまだ世情の様子を伺わなければならなかったのに、
強制的に抱っこされて玄関に放り込まれた。
わけわからず私を振り返るコチカ。
ごめんね〜

……ということで夕方の散歩は、長々と45分も外にいた。
しかしながら、万全の寒さ対策をとって望んだ散歩は大変に快適だった。
今日は何日目の月なのだろう。
玄関を出るときから東側の窓から白い月の光が入ってきて、
思わずわくわくしてしまった。

出てみると、満月にはまだ数日かかりそうだけれど、
白くくっきりとした月が。
冬月さえてすずしかりけり……あれ、ちょっと違う^^;

頭の天辺に月の光を意識しつつ、ぼーっとコチカの後をついていく。
みいちゃんが向かいの家の駐車場の奥に捨てられてボロボロになった折りたたみ椅子に座っている。
行ってケチをつけたいコチカ。
駐車場のフェンスに頭を突っ込んで突撃体勢である。

コチカの胸の下に手をまわして押さえながら、
みいちゃんはあそこでもう休んでいるのだし、
コチカはうちでぬくぬくできるけれど、
みいちゃんは行くとこないんだから、放っといてあげよ。
と言うこと3回。
一旦はその場を離れても、また戻ってきてしまうので、
今日の散歩の間に都合3回繰り返した。

1回につき3回も言うと、ぅ〜、とうなりながらもやめるのだ。
でも、その付近に来ると、また同じ体勢に入るのは、
猫としての本能のなせる業かと思うのだが、
でも、私が熱心に言うと、またやめる。
かわいそうだから、という私の気持ちが伝わるかどうかはわからないが、
やめないといけないのだ、と理解することは確か。
感心なもの。。




 *  *  *  * 


12月15日(木)

朝にまでにご飯を食べてしまわずに、食べ残すので、
昨日の夕方には少なめに上げたら、朝にはきれいさっぱりなくなっていた。
日中、コチカがおなかすいた、と言ってくるかと思ったら、言わなかった。
あれば食べる、という状態なら、ない方が健康にはいいはずなので、
このまま様子を見てみようと思う。

* * *

朝の散歩。
隣のご主人に会った。
タロウが死んじゃったら他の猫も来なくなって静かでいいや……とかいって笑った。。
え〜〜〜〜つまんなくなりましたぁ、と言ってみたら、
でも代わりの猫(代わり…やっぱり^^\)の猫が来るようになったよ、だって。

* * *

夕方。
あかあかやあかあかあかやあかあかや、の月!
頭に巻いていたマフラーを取って佇んでみる。
さーっと月の光が降りてきて、
頭髪にしみこむしみこむしみこむ沁み込む。。
明日こそ十五夜、満月です!

東京は連日こんなにも美しい夜を迎えられる。
なのによその地方は背丈くらいの雪に悩まされているなんて。
なんとか夜だけは暖かく心地よい眠りにつけますよう。。
と心から月に祈る。

……なんてことには全然無関心にのっそりのっそり歩くコチカ。
今夜は誰にも会わなかった。




 *  *  *  * 


12月16日(金):満月!

朝までに空にした器だけれど、やはりそれだけでは足りなかったのか、
今朝の散歩では、草を目掛けて突進していったり。
夜中に寒くて下にあまり下りてこないので食べ残すのだろうけれど、
朝の散歩の前に食べさせたりして、それが習慣になったら困るしな。。

* * *

チャコちゃんのご主人に会った。
チャコちゃんは歯石を取るため、半日入院したのだそうだ。
食べた後、人間がやるみたいに、
頭を傾けて歯をしーしーさせていたので、
お医者さんに連れていったら、歯が抜けそうになっていて、
その処置をした後、他の歯も治療しないと、ということになったのだそうだ。
半日で1万5千円。
たっかー。。

チャコちゃんは、
暖かいご飯にカツオブシをまぶしたご飯を食べているのだそうだ。
いわゆる猫まんまである。
いまどき猫まんまとはずいぶん保守的(?)だと思うけれど、
温かいご飯じゃないと食べない。
ほわ〜っと、おいしい匂いが立ち上るところがいいらしい。
それと同時に尿路結石予防キャット・フードを食べている。
おやつにホタテの貝柱を二個。
尿路結石を予防するのに、カロリーを押さえるために、
それ用のキャット・フードを食べているのに、
ホタテを食べたら差し引きゼロだけど、とご主人は笑っていた。

* * *

コチカは今日、なんだか受難だった。
電気工事の人が電信柱のそばに、んごんごんごんごー、
と不気味な音を立てる大きなトラック(?)を止めているし、
ペリカン便の車がこれまた大きなディーゼル音を立ててコチカの方に向かってくるし、
逃げようとした方向には見慣れないワゴン車がやってくるし。

なんとか無難な場所で時間を潰したが、落ち着かないコチカは、
ずっと腰が引けていて、気の毒だった。

ようやく電気工事のトラックが行ってしまったので、
ご飯とカツオブシしようか、と声をかけたら、
そ、そうそう!!!とばかりに目を輝かせ、
一目散に家に向かって駆け出し、
門をくぐり抜けてドアのまん前に座り、鍵が開くのを待った。




 *  *  *  * 


12月17日(土)

なんだか最近、コチカはきったなくってもう。。
きれいなはずの白い毛皮が微妙に薄灰色に汚れていて、
手や足の裏も真っ黒で、
コチカ、きれいに舐めるとかすれば?と夫に言われている。

去年辺りから気になり始めたのだけれど、
冬の猫の毛は油っぽくなる。
その毛で地面にゴロンゴロンやって、毛皮についた汚れが
なかなか取れないのである。

その辺に、のてー、っと寝ていると、
分厚く白っぽいぞうきんがぼってり置き忘れてあるみたいで、
あのきれいなうちの猫、コチカはいづこ?といいたくなる。
毛皮脱がせて洗いたいけどなあ。
どうせすぐにまた汚くなるんだしなあ。
そろそろまた帰省で長距離ドライヴするし。
ストレスかかる要因が多くなってしまうしぃ。。

* * *

樹林公園に行った。
枯葉の上に…別に木の幹のすぐそば、とか、枯葉がベッド状に積もっているわけでもない場所に、
ミュミュの兄弟だったらこんなか、と思うような猫が丸くなって座っていた。
もう夕方の5時前であり、あたりは暗く、走っていれば汗ばむけれど、
少しでも立ち止まれば冷気がすぅっとジャケットの上から沁みてくる。
目を閉じて、人間がそばに寄っていっても、じっと動かないでいる。
これから夜中、未明にかけてどんどん気温は下がるはず。
どうすることもできないから、ただああやって丸くなって耐え続けるのだろうか。
座っている体の下の枯葉は少々は温まってくるのだろうか。




 *  *  *  * 





見てこの汚い足〜

12月18日(日)

散歩。夫と。
風が強くて及び腰のコチカは、ちょっと歩いてからすぐに帰ってきてしまった。

* * *

お水汲み。
出かける前におしっこさせようとコチカを抱っこすると、体を硬くしている。
タンクを車に積み込んだりしている音に、
もしやまた車でどこかに行くのに、自分も連れて行かれるのでは、とびくびくしていたのだった。
コチカは行かないよ、と言ってやると体の力をふっと抜いたのには驚いた。
「コチカは行かないよ」という言葉はすっかりコチカにインプットされているようだ。

でも、いざ出発、という段になって、物を取りに寝室に行くと、
なんとコチカがいて、私が入っていくと、目を見開き硬い表情で隅っこに丸くなっている。
私はなるべく近づかないようにして、コチカは行かないよ、行かないって言ってるでしょ、
といいながら、物を取り、知らん顔して寝室を出てきた。
疑い深いんだからまったくもう。。

* * *

お水取りに同行した友人とうちで夕食会…というよりは飲み会。
居間で、私の座る側に友人と私が座り、夫はいつもの定位置である向かい側にいる。
コチカは夫の横の空いたスペースに寝そべっている。
最近、コチカの居場所にヴァリエイションが増え、住居スペースは確実に広がっているらしい。

前にも何回か会ったことのある友人なのに、
コチカはなかなか慣れようとしなかったが、
そろそろ帰る、というころになって、友人のそばにきて、
不躾にくんくんと匂いを嗅ぎ、はーん、という顔をした。

* * *

友人が持ってきたロックのCDを視聴。
うちでは滅多に鳴らない大音量に、びっくり仰天!のコチカ。
両耳をぴーんとさせて、
何これ?大丈夫?と、
もうこれ以上は開かないだろう、というくらいにまん丸に見開いた目で私を見る。
でも逃げ出さそうとしないのが不思議。
スピーカーから聞こえてきている、ということがわかっているからか。
写真を撮ってみたけれど、失敗。。残念。




 *  *  *  * 


12月19日(月)

東京まで恐ろしく寒くなった。
夕べは零下0.5度だったそうな。
ぶるぶるぶるっ
今朝も風が強い。

調子が悪くてひっくり返っている私。
幸い本日はオフ。
寝たっきり。
朝夕の散歩もなし。

私の様子を見ていて遠慮がちに、うにゃ〜、と言うコチカに、
ごめんね、調子悪くて行けない。。というと、
ち、とばかりに重々しく瞬きし、気持ちを収めるためだろう、
あくびをして、それ以上何も言ってこない。
ありがとうね、わかってくれて。

*

ご飯が昨日から進んでいない。
ちょこちょこ食べてはいるものの、
夕方にもまだ残っているので、そのままに。
台所が寒くてあまり行かないせいだろう。




 *  *  *  * 


12月20日(火)

今日もきれいなお天気。
信じがたいくらいに澄み切った空。
赤い実のなった深緑色の葉の植物の輪郭がくっきりはっきりクリスマス色。

朝の散歩。
朝といってもお昼。
だって寒いんだもん。。
なんということもなく歩いておしまい。

*

昼間だというのに珍しいことに、
テーブル下に入って額をテーブルの裏側につけ、上目遣いに人をじっと見る。
よしよしして〜、である。
私はお昼ご飯を食べているのだけれど、お箸を置いて、
左手でコチカを撫ぜる。
コチカは掻いてほしいところに手が来るように、
うっとりとした表情で首を動かし、頭をまわす。
コチカの歌を歌い、ある程度よしよししてやってから、
左手だけをコチカの体に置いて、お箸を使う。
コチカは、セーターがふわふわと気持ちいいのか、
仰向けに寝転んだまま、もみもみしている。
なんだか嬉しい^^\

* * *

夜。
うちの前の通りの街灯が新しく明るくなった。

満月が頭上にあるか、と思うようなくっきりした影が地面にできる。
これじゃあ月もびっくりして姿を見せないのではないか、と思うほど。
2、3日前に制服を着た男性何人かが、一本一本の電信柱の下の明るさを測っていたが、
このところ通り魔的な事件が増えてるので、区が急いだのだろう。
本だって読めそう。
もう変な格好できないな。。

その明るくなった通りで、
コチカはよそから来た猫の気配を追って、
あっちへこっちへ元気一杯に走り回る。

私も頑張っていつもよりさらに速く走ってみた。
コチカは私の足音に合わせてさらに加速する。
驚いたことに、コチカはもっと速く走れるようだった。
チャコちゃんちの前と、チェリーんちの前の通りを何回か走らされた。
きっと近所の人は、コチカと私が走っている、とわかっているだろう。

どうしよう。。
本物の泥棒が走って逃げても、大丈夫、コチカちゃんたちだから、と思われるようになったら(笑)。。

* * *

首輪がきつくなっている。
もう一番外側なのに!
コチカ、太りすぎ〜
外へ出る以外は、はずしておこう。
大きめのを買わなければ。。




 *  *  *  * 


12月21日(水)

東京の寒さは緩和されたらしい。
でも寒い。。
基本的に体が元気なら頑張って外にも行けるが、
どこか不都合があると、たちまちダメ〜な気分になる。
今日も朝の散歩はパス。
コチカは何も言わない。
しかし夕方には、まじめな顔をして、外。を主張してきた。
はいはい、参ります、と私^^\

月もなく何の面白みもない散歩。
しこたま着こんでいるせいでさして寒さも感じないけれど、
新しい街灯が、どうにも気分になじまない。
明るくなって安心できていいのだけど。
誰も人のいない暗隅というのを、私は好きだった……のかな。
いったい暗いところで何を考えていたのか。
我ながら奇妙に思うけれど、
なにもかもぜ〜んぶ見えるようになった今は、なんにも面白くない。




 *  *  *  * 


12月22日(木)

さっむーい曇り。

お昼に近い朝の散歩。
辮髪猫がいた。
こないだもいたけれど、あれからずっとこの辺にいるのだろうか。
それとも自分の家から1kmほどの道のりを、
数日後とに通ってきているのだろうか。

いつもこんな時間にはいないはずの猫がうろうろしていて、
コチカは出張猫たちの姿を見るたび、あっちへダッシュ、こっちへダッシュ。
でも気の毒なことに、植え込みぎりぎりか、縁石からリードの長さ分しかいけないのだ。

結局どこへもいけない、ということと、あまりの寒さのためか、
カツオブシする?と言ったら結構あっさりと玄関に向かった。

* * *

夜遅くに帰宅したら、コチカは洗面台の窓から通りを見ていた。
ちゃ!と声をかけると、にゃ!と返ってきた。
だだっ、とかけてくる足音が聞こえる。

私を迎えに玄関に来て、よしよししながら、
台所に入ると、コチカは階段下の棚に上って、
丸く腰を下ろし、外を見る体勢に入った。

台所から引き戸のガラス越しに、外行こう、と誘うと、
え、ほんと?という目をしたが、すぐに玄関に走り出した。
駅から歩いてきたときの暖かさが体に残っている間、散歩した。

* * *

<ゴロンとなるにもタイミングがある?>

最近にしては珍しく長時間家にいなかったので、
コチカは、居間の私が座るいつもの場所で、待っている。
テーブルの下側に額をくっつけて、じっと見る。
私と視線が合うと、何となく鼻先を突き出すので、
ちゅ〜♥ってして、って言ってるみたい^_^

顔の横辺りを撫ぜてやっても、視線を私の目に合わせたままそらさない。
歌を待っているらしいので、撫ぜながら何か歌いかけたら、
コチカはバタン、と倒れるように転がった。
でもまだ早いと思ったかどうか、すぐに起き上がった。

いつもの3番まである歌は長い、と感じることがあるらしいので、
短めのを歌ったが、ゴロッ、となりかけて、またまた起き上がる。
ならばリクエストにお応えして、と3番までの歌を歌った。
歌い終わってゴッロ〜ン、というと、
ようやくコチカはゴロンと寝転んだ。

ゴロンとなるのはすっかり安心しているときや、
甘えたいときらしいが、
別に寝転んだまま歌を聴いたっていいのに、と思うのだけど、
何を期待するのか、起き上がるのだ、いつも。こんなふうに。




 *  *  *  * 


12月23日(金・祝)

よそから来たオス猫が、庭で悶着を起こしたりすると、
寝ていても出動開始し、お風呂の窓などに見にいく。

年中網戸にしているお風呂の窓は、
全開した窓の半分を升目のフェンスでガードしている。
ガードしていない半分は、コチカが敷居に座るだけのスペースがある。

最近コチカは、
ガードしていない網戸は、ひょっとしたら開くかも、と悟ったらしく、
ときどき爪で引っかいたりしてみている。

ガードなし網戸を引っかくためには、フェンスのある側に座らなければならないが、
しかし、フェンスのある側は、座るには狭くて今ひとつ不安定なので、
爪というか腕がうまく使えず、ガラス窓に手や爪が引っかかってしまい、
思いがけず、ガラス窓を閉めてしまったりする。

そうすると、これは自分の責任だと思うらしく、
恨みっこなしで、うんざりするでもなく諦めている。

しかしクリアするのも時間の問題だと思う。
さて、次にはどんな技を見つけることか。
それまでに、人間も何か方策を編み出さねばならない。。




 *  *  *  * 


12月24日(土)

夜中。
鼻のてっぺんにあっつ〜いものが当たっているのを感じた。
ん?何だこれ、とわずかに顔を動かすと、
ピヨン、と鼻に触っていたものがどいた。
夢とうつつの間で、う、うさぎがこんなところに???
と目を開けると、何のことはない、コチカだった。
コチカの耳が私の鼻に押し付けられていたのだ。
布団の中でコチカはすっかり温まっていて、
耳の先まであっちっち〜になっていたのでした。

*

何度か夜中に出ていっては戻ってきていたコチカ。
入ってくると必ず私の腕でもみもみ、そして腕枕…から始めるらしく、
そのうちに熱くなってくるのか、
腕の上で競りあがっているので、
コチカの胸の下辺りに私の腕がある。
コチカのあばら骨が結構痛いので、
ときどきそうっと腕を抜く。

今朝起きるときにも、最後の腕抜きをした。
そして布団を上げると、
コチカはうつぶせのまま、右足を大きく上に曲げ、左足をピーンと伸ばし、
階段を上るかのような格好で寝ていた。
酔っ払って寝倒れたおやじ、みたいでおっかしかった^o^/
写真を撮りたかったけれど、コチカはすぐにぴょん!と起きてしまった。残念!




 *  *  *  * 


12月25日(日)

<ミュミュ似のちょっと黄色がかった猫>

昨日、今日と樹林公園に行った。

昨日は、
ミュミュ似の猫が二匹…ミュミュの親かも知れない猫と、ちょっと黄色がかった猫、
コチカ似の真っ白な猫が丸くなって眠っていて、
大きめの黄トラが長い尻尾を揺らしながら、のっしのっしと歩いていた。
この公園には4匹いるのかな。
あと、子供時代のコチカに興味を示して近づいてきた、
堂々とした毛並のきれい猫が顔見知りなのだけど、最近ずっと会っていない。

今日は、
ミュミュ似の猫のちょっと黄色がかった方が、1匹でだったが、
いつものように、1kmのトラックの出発点の草地にいた。

ここは目の前のトラックの内側に、シーソーや鉄棒などの遊具があるところで、
多くの人々が通りかかる場所であり、子供もちょっかいを出しに来る。
放っておいてほしがりやの猫にとっては、面倒な場所か、と思いきや、
それでも見晴らしがいいからか、
日当たりがいいからか、
人々がわらわらといて景色が刻々と変わるのがいいのか、
いつも何匹かがそこにいる。

ちょっと黄色がかったミュミュ似の猫が、
念入りに時間をかけて毛繕いをしていた。

その様子を見ていた小学生の女の子二人が、
寒そうだから布団を作ってあげようと、
落ち葉をせっせと集め始めた。
なんかあげたいけど、ハトやネコにエサをやらないように、
って書いてあるしぃ、とか言いながら。
父親らしい人が、苦笑しながら寒そうに待っている。

うるさくなったのか、
ちょっと黄色がかったミュミュ似の猫は毛繕いをやめ、
その場を離れた。
女の子の一人が、あ、つかまえて、ここにいさせて!
ともう一人の子に言っている。
子供の相手をするのも、大変だーというようなあいまいな表情で、
女の子たちをちょっと離れたところで見ている。
さて、それからどうなったのかなあ。


→続き:そして翌年の1月(06jan09)




 *  *  *  * 


12月26日(月)

<決闘を避けた辮髪猫とのやりとり>

夜の散歩。

辮髪猫がいた。
コチカがよそを向いているうちに、すれ違おう、としたのか、
こちらに歩いてきた。
気づかないわけないコチカは、肩をいからせながら、そばへ寄っていく。

座り込んでしまった辮髪猫。
久々に間近で見ると、ずいぶんと小さい。
以前に彼(?)の家であるだろうお肉屋さんの前で会ったときには、
コチカと同じか、もっと大きく感じたのだけど。
家を離れてずっと流浪の民をしているのだろうか。

辮髪猫とコチカは、顔をつき合わせている。
コチカは、ぅわぁ〜おぉ、うにゃうにゃうにゃ(口をくちゃくちゃ動かす)、と始めた。
辮髪くんは、というと、
なんと、左右の耳を外側に向けている。
上から見ると、一直線になっている。
その耳で、何にも言わずにコチカをじっと見ている。

私は辮髪くんは闘う意思がないのでは、と思った。

しつこくうにゃうにゃやっているコチカに、
辮髪くん、いやだって。今日はやらないって言ってるから、もう帰ろ。
と言った。
3回も言うと、果たしてコチカは、驚いたことに、引き下がった!
南の島の爬虫類のように、ゆっくりゆっくり腕を一歩一歩、後退させている。
体には緊迫感がみなぎっている。
笑えたのは、そんなでありながら、右腕の内側にきていたリードを、
よっこらしょーと腕を上げて、除けたこと。

それにしても、感心な理解力だと思う。。
まさか私の言ったことを理解し、行動に移したとは思わないが、
恐らくは猫なりにあの一直線の耳のサインをわかっているものの、
しかしオス猫として挑み始めた果し合いを、そう簡単には終わらせられない、
というところだったのかもしれない。
そこへ私が声をかけたので、撤退する気になった……のではないだろうか。か?

辮髪くんは、空腹が過ぎて闘う気がなかったのかも知れないし、
でもだったら折角遠くに遠征に来ている意味がないじゃん、と思うけれど、
あるいは、
コチカがリードで人間に繋がれていることで、
闘う価値のある相手ではない、と踏んだのかも知れない。
年を重ねた猫は、いろいろ考えるらしいし。

ちなみに、この辮髪くん、
チェリーの奥さんがくれるご飯を食べていくらしいが、お肉しか食べないらしい。
みーんな、魚缶を食べるのにねえ、と奥さんがこぼしていた。
さすがお肉屋さんの猫ってことかな?




 *  *  *  * 


12月27日(火)

居間に来て、テーブルの下に入っていく気配。
…にしては、座って私を見上げるでもなし、
横になるでもなし、
丸くなるでもなし、妙な感じで空気が止まっている。
覗き込むと、あいまいに猫座りをして、かーっ、と目を見開いている。
何かを見ているようでもない。
どしたの?
何か考えてるの?

何か工夫したいことでも?
お風呂の網戸をどうやって開けるか、とか?

妙に知的で、哲学的な風情なのである。
猫がこんなじゃ困るじゃない?
何にも考えずに、ただ無心に毛繕いをして、
まぁるくなって寝ているところに、猫の役割があるんじゃあ?
そんな真剣な顔して座ってると、なんだか落ち着かないのよねえ。。




 *  *  *  * 


12月28日(水)

またもや大移動の年末である。
明日の早朝、東名をひた走り、伊良湖岬からフェリーに乗る。

その旨を、昨日コチカに言おうかどうしようか迷ってやめた。
昨日一日落ち着かない気分になっても気の毒だし、
ひょっと窓から逃げ出すことがあっては困るし。

で、
今日の夕方、言ってみた。
テーブルの下でスフィンクス座りでくつろいでいたコチカに、
○〜○○と○○とコチカと、お母さんの家に帰るよ。
と3回ほどゆっくり言ってみた。
するとコチカは目をまん丸にして、耳をピーンとして聞き、
腰の辺りをもぞっと動かすようにして、尻尾を動かした。
あまり動かない尻尾も、何か言いたいときには、それなりに意思通りに動く。
今日の動かし方は、ちょっといつもと違うような。
いつもは尻尾の先まで軽やかに動かそうとする感じ。
でも今日のは腰の辺りから重々しい感じ。
気のせいかなあ。。




 *  *  *  * 


12月29日(木)

今年最後のビッグイヴェント、一家の大移動。
夜逃げのように夜中に大荷物を積み、
さあ、最後にコチカ、という段になって、コチカを探すと、いない。
案の定、寝室に逃げ込んでいる。
情状酌量の余地もなく、車へ。

出発すると、
後部座席の背もたれの上にいたコチカは、
過ぎていく近所の景色を見ながら、
いゃお〜ん、いゃお〜ん、切なそうな声を上げた。

しかしコチカは、首都高に乗った頃から、前に来た。
こういうことは、生まれてから初めて。
私が防寒のために、ふわふわの毛皮仕様のひざ掛けをかけていて、
それが気持ちよさそうに見えたからか。

それから私は2時間熟睡した。
たぶん、コチカも熟睡した。
なかなか順調だったかな。

*

フェリー。
8人がけの横長のシートに、2人と一匹で陣取る。
前のシートから、おかっぱの女の子が身を乗り出し、
ニコニコしながら話しかけてきた。
いきなり、まりえちゃんのおとーさんあそこにねてる、と指差す。
その方向を見ながら、まりえちゃんってだぁれ?と聞くと、
横に顔を出した兄らしい男の子がこの子と女の子を指差した。
まりえちゃんは、中指と薬指と小指をよいしょっと立てて、3つ!と言った。
3つになったのね、と私は言い直した。

コチカを見て、あ、猫ちゃん!と歓声を上げるので、
覗き窓を開けてやると、二人は、シートの背もたれから落っこちそうになりながら、
コチカを覗き込んだ。
するとコチカは、不自由な身の上に恐れをなしたか、
はーっ!!!とやった。
私は驚いて、ごめんね、初めての人恐いのよ、といったら、
女の子が、そうなの、ごめんなさい、と言った。
おしゃまさんなだけではなくて、3つにして物分りがよくて優しいことに、ちょっとびっくり。

2人が覗き込む中、コチカは酔って嘔吐した。
子供たちが見ている手前もあって、妙にさっさとシートを替え、
あっさりとコトをし終えた。
1時間があっという間に過ぎて、なんだか楽しい旅ではあった。。

* * *

家につくと、もう心得ているコチカは、
屋上へ行くためのドアの前に座り、外〜外〜、と言っている。
陽のあるうちに、と連れていく。
久々に嗅ぐ田舎の匂いに、私もリフレッシュ。
コチカは、フェンスから鼻先を突き出して、念入りに風の匂いを嗅いでいる。
あー、これで義理が果たせた、という気分になる。。




 *  *  *  * 


12月30日(金)

私は昨日の夕食後、睡眠不足からダウンしてしまった。
コチカのおしっこも何も考えられないくらい気分が悪くなり、
9時過ぎには、就寝。
その後どうなったか知らないが、
夫はおしっこをなんとかさせたらしい。
途中でコチカが怒ってしまったので、やめたから夜中に起きたらさせてほしい、
と夢の中で聞いたような。。

夜中に起きたけれど、コチカは外に出たくて猛っていて、
おしっこどころではなかった。
外〜外〜を繰り返すので、鳥小屋のように網を張った小さなベランダに出してやった。
朝まで窓は開けっ放し。
でもそれで気が済んだらしく、朝になったらいつものように私の腕枕で寝ていた。




 *  *  *  * 


12月31日(土)大晦

夜中。
昨日、12時間以上寝こけたお陰で中途半端な時刻に起きてしまい、
枕元の明かりをつけたりしているので、コチカも起きた。
トイレに行ったりお水を飲んだりしている私を、
ベッドの上で、猫の正座をして待っているのだが、
なんだか手間取っていてなかなか寝ないことにじれたのか、
コチカは夫のところにとぼとぼと歩いて寄っていき、
夫の左腕に寄りかかり、寝の体勢を取った。
へ〜、待てなかったんだ、という夫。
結局は誰でもええんかい、とむっとする私。

* * *

夕方の散歩。
屋上から対面する裏山の斜面に、
2匹の猫がいて、しゃ〜、とコチカに威嚇してきたのだそうで、
対抗するコチカも久々のことで、意気揚々とやりあってたのだけど、
何しろ建物の上から山の斜面に向かってのことだし、
そんなにずっとは待ってられないくらいの空気の冷たさに、
強制送還を余儀なくされたコチカは、
あまりに唐突で中途半端な結末に、思考が止まったようになったのだろう、
台所に戻ってきてカツオブシを食べても、なにかぼー、っとしている。
ドアに向かって座って、ぼー
風呂場の前まで来て座って、ぼー

何かもくもくした表情で、こりゃちょっとまずいかも、
と思っていると、案の定、その後3回のウンチ申告せず。。

* * *

珍しく早い時間から…紅白の最初から…寝転んでテレビを観ている人と人との間で、
狭い思いをしながらもくつろぐコチカ。
テレビに向かっている人間とは全然別方向を見ていたり。
このように今年も平和に過ぎていくのね。
若干コチカは心に引っかかるものを残してしまったようだけど。


紅白を観る人間のそばで


 *  *  *  * 


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