2006年1・2・3

~~~ミルク色のコチカ~~~

奮闘記 -57-

2006年2月



雪の上で葉っぱと遊びました(先月21日)


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2/3ニャオンが死んだとのことペッタンのこと 2/4尻尾切断決定 2/8尻尾に痛みか 2/11グレイ情報/またスプレーをするようになったコチカ
2/13コチカの一日:尻尾を切られた日 2/15不思議な声&家の中で自力ウ○チ…そろそろ発情の季節か 2/22アスカが塀の上だと気づかない?
2/23鳥の軟骨 2/24戦略としてご飯を残している? 2/27猫の尻尾がポロリと落ちる話 2/28ご飯を散らかして食べる

2月1日(日)

旧正月だというのに、雨…って関係ないか。
意気消沈して寝ているコチカ。
でもねえ、なーんか気持ちよさそうでさぁ、移ってくるのよね、こういうのって。ふぁ〜〜〜〜ぁ。

*

雨がざんざん降っているというのに、外では争っている猫たちの声がする。
いったい誰だ?と見に行くコチカ。
雨のせいで声があちこちから聞こえる。
いったいどこ?

そういえば昨日の夜も、庭で大騒ぎがあって、
物見台で前方を見張っていたコチカは、
立ち上がりながらくるっとこっちを向いたと思ったら、間髪入れずに直接カーペットに飛び降りた。

たまたま物見台側にテーブルを寄せていたので、
降りるスペースが狭く、ほとんど垂直に降りた。
体がしなり、私は背骨を傷めないか、とびっくりひやり。。

そんなことをするのは、何年かぶりなのに、
一瞬のうちに下を見、着地点を確かめ、体の具合を整えて行動に移せるのってすごい。
野生の反射神経は全く健在らしい。
すごいなー猫って。コチカって。




 *  *  *  * 


2月2日(木)

朝に散歩。
グレイがチェリーんちの車の下にいて、
ご飯を食べようとしているところに、コチカが行ってしまった。
闘志丸出しで睨みつけるコチカ。
グレイはコチカがどう出るか車の下で伺っている。
ヒモに繋がれていて自分の方には来そうにない、と踏んだのか、
ドアの下から顔だけ出して、ご飯を食べ始めた。
しかしいつでも逃走できる体勢にあるのだろう。
伸ばした首筋に緊張感がみなぎっている。
気の毒なので、コチカを持ち上げて十字路まで連れていった。

* * *

夕方の散歩。
アスカの居候先で座り込み。
わずかに開けられている門の隙間に鼻先をつっこんで、しきりに匂いを嗅いでいる。
左右の門の合わさり目には、ここをすり抜けることのあるアスカの匂いがついているのだろうか。

一旦門から離れて、駐車場側に来たが、また座り込んでしまった。
アスカがこないかどうか待っているつもりなのか。
そのうちに、アパートの上から歌声が聞こえてきた。
ん?みーちゃんち?
二人の声が演歌を歌っている。
カラオケ?
いつの間にか聞いてしまっているので、早く立ち去ろうと思い、
コチカに声をかけると、どうやらコチカも耳を澄ましている様子。
コチカは音が流れている状態…要するに音楽…が好きなのだ。
なかなか動かないコチカ。
早く行こうよ〜コチカぁ!!!
と丸くなっているコチカの肩に手をかけると、
ぅえ、と言った。
この声、何かに似ている、とずっと思っていたのだが、そうだわかった!
トッポジージョだ!

グレイを狙うコチカ
グレイを狙うコチカ↑タッチ
縁石に顎を乗せている



 *  *  *  * 


2月3日(金)

夜には冷え込むと約束されている日。
空が抜けるように青く澄んでいて、わずかばかりだけれどときどき吹く風がつんと冷たい。

*

朝の散歩。
門を出たら、小さなマルチーズがお散歩中で、
コチカを見てわわわわん!と吠え立てた。
自分の方にも来てほしいチェリーもウォンウォン吠えている。
猫と一緒に住んでいるので猫が大好きなんですよ、
という飼い主さんの声がかきけされそうで、
私も、あらあそうですかあ、と大声で言う。

チェリーは前髪をちょんまげにしてもらっていて可愛い。
マルチーズが行ってしまってもまだウォンウォン言っているので、
とうとうチェリーんちの奥さんが出てきた。

ニャオンのことを聞いた。
1月22日の明け方に死んだのだそうだ。
静かな死に際だったそうだが、その数時間前まで、
ふらふらとペットシーツに行き、用を足していたとのこと。
やっぱりできた猫だったのだ。
寂しくなってしまうな。。

18歳のペッタンのことも再度聞いてみた。
またもや驚愕。
予防接種は、子供の頃に拾われてきてしばらく経ってから2回、3種だか6種だかしただけ。
6種?って最近では増えましたがようやく5種ですよ、普通は3種、と言ったら、
もう16-7年も前のことだから忘れたわ、と奥さんは笑い飛ばしていたが、
それでもペッタンは病気もせずに、今まできたのだ。

ごく子供の頃に去勢をしたので、割合おとなしく、
外の猫たちとの縄張り争いにも参加(?)しないので、
病気も移されないんじゃ、ということだけど、
自由に外に出ているし、若い頃にはけんかも全くしないわけではなかっただろうし、
去年はお尻にすごい怪我を負ってきたが、
それでも予防接種でガードすべし、とされている病気にはかかっていないのだ。18年も。

話していたらちょうど影、とばかりペッタンが来たので、
奥さんが抱っこし、ほら軽〜いの、と私に抱かせてくれたが、
ほんと、ずしりと重いコチカに比べて、生体を抱いている、という感じがしないくらいだった。

でもときどき吐くのだそうだ。
おとといも吐いて、しばらく元気がなかったんだけど、でも今日にはまた食欲も盛り返してきたわね。。この寒いのに外行くんだもん、風邪も引くわよ、雪の日だってさ、帰ってきて、くしゅん、ってやって、鼻水ぶぶぶ、なんて垂らしてんのよ、もうやんなっちゃう、と両手で鼻の下に2本の筋を書くジェスチャーつきで、奥さん。大笑いの私。
飼い主に屈託ないと、動物たちは健康でいられるんだな、と本気で思ってしまう。。

* * *

夜なったら東京は2度を下回る寒さ。
約束どおり。
そんなことはかまわないコチカは、外〜外〜、といつもと同じ顔で言っている。
じょーだんじゃない!こんな中でじっとしてた日には凍ってしまうよ!ダメ!ダメダメだめ〜〜〜〜
とおなかの底から言ったら、何にも言わずに物見やぐらに上がっていった。




 *  *  *  * 


2月4日(土)

タム動物病院へ行こうと、人間が出かける用意をしていたら、
ふと気づくとコチカがいない。
はて、と見回しても見当たらない。
あれえ?と上を見ると、居間の天井の片隅に設けてある三角コーナー(神棚と呼んでいる)でナマコになっている。
また車に乗せられて、勝手に体をいじくりまわされる所へ連れていかれる、
と危惧したコチカは、天国への坂道を上がって神棚に上がり、平べったくなっていたのだ。
なるべく下から見えないように。。

診察の結果は、
尻尾はミイラ化しており、切断を余儀なくされた。
18日に決行。

祈ってみても、なんだか祈りきれないと思っていたら、やはりこういうことだった。
あーあ。。ごめんねコチカ。。


避難している(つもりの)コチカ


 *  *  *  * 


2月5日(日)

寒くて美しい日。
スキーに行こうとして大荷物を準備していたが、私の調子が今ひとつすぐれないので断念。
しかたなく樹林公園にジョギングに行こうということで、
着替えの荷物などを準備したら、狭い居間がいくつもの大きなバッグでいっぱいに。。
スキー用の荷物を解体して仕舞ったり、とドタバタした挙句、
なんとか型がついたので、さあ、出かけようか、とため息をついていると、ふと見渡せばコチカがいない。
上を見ると、神棚に丸く座り、じっと下を見下ろしている。
また病院に連れていかれる、と思ったのだろうか。
あるいは大荷物を見て、フェリーにも乗る遠距離の大移動だと思ったか。

私は夫と私は車で出かけるけれど、コチカは行かない、コチカはうちにいるよ、
とジェスチャーつきで5回くらい繰り返し、言った。
いい加減に言葉を覚えてくれないと、
恐れをなしつつ見られているのも、気分のいいものではないから。

*

夕方もまた、恐れさせてしまった。
夕飯を食べていたら、タム動物病院から電話があり、
壊疽しているのだからなるべく早く切断しないと他の大丈夫な体が心配なので、という理由で、
18日の約束だったが13日するのはどうか、と言われ、OKしている話がわかってしまったようだ。

12日(日)の5時ごろ連れていき、検査の結果がよければそのまま預かってもらい、
絶食もさせてもらって翌日(月)の1時には手術、という段取り。
連れてくるまでにオシッコを絞っておいてください、などと、
コチカ、オシッコ、尻尾、とコチカの知っている単語を連発していたのだから、
わかってしまうのも無理はない。。

ではそのようにお願いします、と電話を切ったら、
物見やぐらで寝ていたコチカは、半分頭を上げて目を閉じたまま、顔はこちらを向いている。
話聞いてた?
それからコチカは、眉間にしわを寄せ、むずかし〜い顔で目を閉じたままでいる。
チャウチャウ犬の子供というのは、もしかしたらこんなかも、というような、しわしわの顔。
こんなコチカを見るのも久々のような。。



 *  *  *  * 


2月6日(月)

十字路のアパートのみいちゃんのお宅にお邪魔した。
みいちゃんと至近距離でごた〜いめ〜ん!

背中やももは、話に聞いていたアメリカンショートヘア風の模様で覆われている。
尻尾が驚くほどに長い。
こんな長い尻尾を見たのはたぶん初めて。
座るときには、くるりと体を巻いて、尻尾の先っちょが前足の前に来る。

最初は警戒していたみいちゃんけれど、
ネコジャラシ風のおもちゃをちょろちょろ動かしていると、
警戒しながらも目をそちらをじっと見ている。
警戒半分遊びたい気持ち半分、というような感じらしかった。

飼い主さんが四つん這いになって歩く(?)と、
みいちゃんも飼い主さんに体を沿わせて歩く。
かわいい〜
母親猫について歩くみたいに、ぴたーとくっついて歩くのである。
本能的なものなのだろうか。

その芸(?)を見せてくれた後、私のところに来て、まん前に座り、
にゃー!!!と言った。

こういうとき、猫は何と言っているのだろう。
コチカはお客さんが来たとき、ご飯の時間になると、
お客さんに向かって同じような調子で、にゃー!!!という。
あなたがいるとご飯にしてもらえないので早く帰って!と言っているように聞こえるのだが。
みいちゃんも、お客さんが来ることでいつもと違う空気になっていることが嫌で、
早く帰って!と言ったんぢゃ、と思うのだけど。。



 *  *  *  * 


2月7日(火)

昨日の夜、雪が降ったものの日中は暖かくなる、と予想された今日、
過大な期待をしいしい待つ身にとっては異様に寒く感じた。
要するにおおハズレだったわけで、なにさ、ぷんぷん!である。

道が濡れていて散歩に出られない朝。
メイルなぞを返信している私はまた危うくコチカの尻尾に乗ったままになりそうだった。
すぐにはっと気づいたが、危ない危ない。。

気をつけねば、と心を新たにしてからしばらくしたら、
そばに寝そべっていたコチカが、ぅにゃ、と体を起こし、
尻尾の付け根をじっと見ている。

そして舐め、尻尾のミイラになっているあたりを、くんくんした。
そして、わ、とあわてた感じでまた尻尾の付け根に鼻先を戻し、2、3度舐め、
すぐそばで見ていた私の手をじっと見つめ、これじゃないらしい、と思ったか、
今度は足を上げて、股間…ももの内側なぞをぺろぺろした。

いったいどうしたのだろう。
ミイラ化した尻尾の痛みが、体の方に来たのだろうか。
しかしコトが発覚したばかりの頃は触ると痛そうにしていたが、
2、3日後には、もう痛がらなかった。
尿路結石でも?
おしっこをさせてみたが、全然普通である。

どうしたんだどうしたんだ。。
手術の日をもっと早めた方がいいのかなあ。。



 *  *  *  * 


2月8日(水)

昨日心配した痛そうにしていたそぶりは今日はなかった。
大丈夫なのかなあ。

夕方の散歩。
出てみると、あっちからこっちから猫たちが顔を出す。
どうしたのかな、と思っていたら、チェリーんちの奥さんがお出かけの装いのまま、
チェリーとまー君のお散歩から帰ってきた。
猫たちのことを言うと、外出していたため、ご飯を上げる時間が遅くなってしまったのだそうで、
おなかを空かせた猫たちは、ご飯まだかな、と見ていたのだった。

隣のお宅に植え込みの下にいるグレイと見合ったまま動かないコチカ。
ご飯のお邪魔をすると奥さんも落ち着かないだろうし、と思い、強制撤去。
十字路の駐車場に連れていった。

するとまっすぐに向かう先は、アスカの居候先。
果たして開けられたままの門の向こうに、アスカがいた。
grrrrrrrがぉ〜、と切ない声を上げるコチカ。
な〜〜〜、とアスカも応える(応えてんのかな?)。
しばらくはそのまま進展せず。

散歩の途中でよく顔を合わして挨拶をする自転車に乗った奥さんが通りかかった。
よそのお宅の門の前に張り付くようにして立っている私を見て、こんばんわ〜寒いですね〜いい子ね〜♪
どこがやねん。。
寒い中に突っ立ってる私を、滑稽にも気の毒にも見えたので、
当たり障りのないことを言ってみたのだと思う。
心優しいのだ、人は。。



 *  *  *  * 


2月9日(木)

朝の散歩。
チェリーんちの車の下にいたグレイと見合って見合って〜
そぅっとそぅっと抜き足差し足するコチカ。
ある程度近づくと、グレイも抜き足差し足で、
チャコちゃんちのガレージフェンスまで行って、ポールをくんくんしている。
コチカはさらに近づいていく。
いざとなったらグレイが逃げるのだろう、
と高をくくっていた私だけれど、
リードをしっかり持った手をさらに引き締めよう、としたところで、
コチカはいきなりグレイに飛びついた。
グレイにとっても意外だったらしい。
えっうそ!という感じで逃げ出そうとしたが、
1秒か2秒間、コチカはグレイを離さなかった。
辺りに柔らかい毛が飛び散った。
グレイは向いの家の植え込みの下に逃げ込んだ。
コチカも追いかけたが、植え込みの下まで足止め。
手や口を見てみたが、血がついている様子もない。
ああいうときには、爪はもろには突き立ててないものなのだろうか。
それにしても、あーびっくりした。



 *  *  *  * 


2月10日(金)

遅い朝の散歩。
チェリーんちの奥さんが、
猫たちがいないいない、ご飯の時間になってもこないのよ、と困った顔。
昨日、チェリーがグレイを追い回してしまったので、
もうここへはこなくなったのでないか、と心配しているのだ。

なんでも昨日、向いのお宅(うちの隣)の植え込みにグレイが入っていったとき、
門に繋いであるリードをはずして中へ入れようとしていたチェリーが、
奥さんの手をすり抜けて、グレイを追っていき、そのままお宅を2周もしたのだという。
昔風の造りの大きなお宅の庭…クロボクの土である…を2周もしたなんて、
チェリーちゃんラッキーでしたね、となどと大声を上げていたら、猫たちがやってきた。
奥さんの声を聞きつけ、あ、ご飯だ、と思ったのだろう。
ミルボーもグレイも来た。
あ、来た来た!と嬉しそうな奥さん。
さっそく車の下を覗き込み、用意したご飯の器の最終チェックをする。
チャコちゃんちの奥さんもやってきて、
あらーご馳走なのね、とグレイがご飯を食べるのを見ている。
グレイはマグロが嫌いで鯛が好きなのだそうだ。
チェリー亭は新鮮な刺し身を出すことで猫たちの間では人気らしい(笑)。



 *  *  *  * 


2月11日(土)

朝の散歩。夫と。
グレイに固執してもーっ、と帰ってきて夫。

<グレイ情報>

グレイは最初、
チャコちゃんちの玄関に出現するようになったので、
チャコちゃんちのご夫妻がご飯をあげていたのだけど、
あるときここの通りの端の家の奥さんが、あら、うちの猫!と手を出したら、
なんとグレイが噛み付いたのだそうで、要するに、逃げ出した飼い猫だったのだ。
飼い主を噛み付くなんて、よほど自宅(?)が嫌だったのだろうな。
何があったのだろう。
その一件依頼、グレイはチャコちゃんちの玄関には来なくなった、
とチャコちゃんちのご主人が言っていたのだそうだ。

それで
チェリーんちのガレージでご飯をもらうようになって、
日中のほとんどは向いの家(うちの隣)で過ごし、
と、グレイは確実に自分の生活の拠点をここに移したのだ。

そういえば、その話は昨日も言っていたな。
チェリーの奥さんも聞いていた。
みんなで突然現れたグレイの顛末を理解し、
そしてグレイはここにいるもの、として界隈の人間の脳みそに登録された。
ニャオンがいなくなったので、新しい猫が来て、みんな嬉しいに違いない。

ただコチカだけが、この新顔ー!!!、と凄みたい気分になるのだ。

* * *

さかりの猫たちが派手な声を上げている。
物見やぐらから世情の様子を伺っていたコチカは、
いそいそと二階の物見窓へ見に行く。

夏から秋にかけてずっとスプレーの振りをしなかったコチカは、
最近またするようになっている。

きっと家にいても、落ち着かない気分なのだろうな。。



 *  *  *  * 


2月12日(日)

明日(月)の11時までに、コチカを病院に連れていく。
今日の午後11時までにご飯を終えて、手術までは一切の食べ物飲み物をあげない。
と言われていたのに、忘れてた!と思って目が覚めたことが何回かあった。
いろんな人に祈っていただいているので大丈夫だと信じているのだけど。
なんだか不安に思うのは自分の心の負い目によるものだろう。



 *  *  *  * 


2月13日(月)

<コチカの長い一日:尻尾を切られた日>

なんということもなく迎えた朝。
幸い陽がきれいで風もなく暖かなので、家を出る10時15分まで30分ほど散歩をする。

ご飯を食べているグレイに匍匐前進で近づいてみたり、
十字路の駐車場を点検したり、
隣のお宅の庭を覗いたりした後、
玄関の三和土に蓋を開けて用意してあったキャリーにコチカをスポリと入れる。
さあこれから歩きを入れて、30分の旅程である。
ではいざ!とキャリーを肩にかけたら、うわぁ重たー

* * *

病院にて。
体重を測ると4.38kg。
簡単な問診を受け、血液検査をした。
後ろ足の静脈を押さえつけて血液を採る。

体全体と足を押さえつけられて、CHA〜〜〜〜〜、とえらい剣幕のコチカ。
噛み付かないか心配、と私が言ったら、カラーをつけられた。

なんとか静脈に針を入れても、血液というのは、なかなか溜まってこないものだった。
ちょうど曲がった関節の下だからだろうか。
痛みもあるのだろう、
ぃや〜お〜、とドスを効かせた声をあげるコチカ。
若い女性の看護師さんが、がーっと両足を開いて体勢を低く保ち、
胸からコチカに体重をかけるようにして押さえつける。
あらーコチカ、ちょっといいじゃない?(笑)

検査の結果は、
カルシウムの数値が0.1高いけれど、尻尾に問題があるからだろう、とのこと。
あとはなーんにも問題なし。
では手術をしましょう、と最終決定。
歯石のことを言ってみたら、いいですよ、とのこと。
全身麻酔なんてそうそう何度もかけるものではないので、
このチャンスに歯石を取って、なるべく次回を先延ばしにしたい。

* * *

オフだというのに、ノルマが盛りだくさんでお仕事ごそごそ。
電話が鳴った。
時計を見ると、3時前くらい。
タム動物病院ですけど……とすでに馴染んだ獣医さんの声。
術後の様子伺いの電話はこちらから6時ごろにかけることになっている。
一瞬、何事だろう、と身構えていると、
今麻酔を覚ましているところなんですけど、爪切っちゃっていいですか?と獣医さん。
爪?と私。
すごい暴れて大変だったんですよ……だって。

診てもらいにきた最初の頃は、診察台の上でも何にも言わずにされるままになっていたので、
おとなしいですねえ、と言われていたコチカ。
いえ、猫かぶってるんです、と応えていたのだが、
もう何回かここに連れてこられていて、いろいろ触られて怒りの上塗りをしているし、
意識を失わせられる、という段になって、とうとう化けの皮をかなぐり捨ててしまったのか。
人の手に爪を立てて暴れてしまった。。

こりゃたまらない、とコチカの指先を見てみたら、爪を切った形跡がなかったので、
わざわざ確認と許可の電話をしてこられたらしい。
どうぞどうぞ切っちゃってください、と思わず言った。
コチカはやるときゃとことん本気でやりまくる、という性質なのだ。
誰も怪我をさせられなかったかが心配。

6時過ぎ。
電話をかけてみる。
ものすごく暴れて、今も怒ったままなので、ご飯も食べないかも知れません。。と獣医さん。
食べないくらい、いいです、と言って電話を切ったものの、
?と思いつつ、ひょっとしてうちに連れて帰った方がいいってことですか、ともう一度電話をかけた。
すると、それもありかなと思って…という獣医さん。
飼い主さん来たら静かになりますかね、と聞かれた。
そんなにすごいのか、と思いながら、はい、と答え、
怒りながらストレスを感じて病院にいるよりも、家でゆっくりした方が回復が早いかも、ということだし、
おしっこさせるのも無理至極に決まっているので、とりあえず病院へ。

2人の患者さんを待った後、呼ばれて診察室に入っていくと、
きれいな花柄のタオルにくるまれで、カラーをつけられたコチカが、抱かれて連れてこられた。
うぉ〜〜〜〜〜、とおなかの底からすごんでいる。
顔つきが変わり、もう完全にどっか別のところにいっちゃってる、という感じ。

点滴をしていた左手に薬を入れ、点滴の管が入れられているので絆創膏を貼ってもらった。
尻尾は5cmくらい切った。
壊疽してない健康な部分の皮膚をはがし、関節を切って、上から皮膚で覆い、黒い糸で縫合してある。
早く乾かすために、むき出しのままだったけれど、布団にも入ってくる、というと、
絆創膏などを貼ってくれた。

その処置をしてもらっている間中、ぅお〜〜〜〜、と言い続けている。
全身で抵抗をしているらしく、看護士さんが必死に押さえつける。
ほんと、大変そう、と思っていると、
こんなもんじゃないですね、看護士2人で押さえつけてようやく…でした。
これだけ大きくて手足が太いと、かなり力も強くてね、と獣医さん。

飼い主の言うことはよく聞くし、猫にしては聞き分けのいい方だと思っていましたけど…、
と控えめに言ってみると、
ぜーんぜん違いますねっ!!!、といわれた。
思わず、お世話おかけしました、と頭を下げると全員が笑いながら、いいえー、と声をそろえて言ってくれた。

病院からの帰り、会社帰りの夫が電話をかけてくれて車で来てくれた。
車に乗せ、キャリーの蓋を開けると、っぷーん、とおしっこの匂い。
触ってみると足の関節などが濡れている。
なんで?
麻酔をかけられていたから?

膝に抱っこして、ティッシュで濡れたところを拭きながらコチカに話しかけると、
何度も私の鼻をめがけて、鼻から耳をこすりつけてきた。
好きな音楽を聴いてるわけでもないのに、ここまでしてくるのは、
解放されてよほど嬉しかったのだろう。

家に帰り着くと、コチカはご飯の定位置に座り、私に顔を向けた。
昨日の11時以来食べていないからね。
ご飯を用意してやると、一心不乱に食べ始めた。
麻酔をかけてましたから、今日はあまり食べないかも知れませんが、といわれたけどな(笑)。

長い一日だったね。
うちに帰ってゆっくりしようねー



 *  *  *  * 




窓辺でくつろぐ
物見台でくつろぐコチカ。
剃られて切られた尻尾見て。↑タッチ

2月14日(火)

昨日は、日記を書いてアップしようとしても、回線がビジーらしくて上がらず。
仕方なくPCを閉じて、おしっこをさせようとすると、
なんと満水状態だった。

病院を出るとき…8時半ごろである…
獣医さんは看護士さんのいるうちに、おしっこを出してみようとしたけれど、
まだちょっとしか溜まってなかったので、出しませんでした、と言っていた。
時間的に溜まっているわけない、と思っていた私は、
車に乗せたときにおしっこ臭かったけれど、麻酔をかけたために漏れたせいだと思っていた。

ところがそうではなかったのだ。
私と会って病院から解放された途端に、腎臓がフル回転で働いたのか、
たちまちのうちにオシッコが溜まったらしい。
もうその次点でコチカの膀胱は満水だったのであり、入りきらない分が漏れていたのである。

そうとは思わない私は、定刻の11時までさらに2時間半放置していた。
いつものように抱っこしておなかに手をかけると、
手のひら一杯にまぁるく膀胱が触った!
そういえば今日は満月だったな、と思いながら、これは恐らく300ccほど。
軽く握っただけで難なく排尿し、すっかり膀胱が小さくなって、
空にはなったけれど、もしや、と思いつかんでみると、いくらでもおしっこは出た……

……という話を、今朝病院で言うと、獣医さんはへ〜と言った。

*

今日は病院自体はお休みで、看護士さんがいないので、私が押さえている。
点滴に薬を入れ、背中に注射を打つ。
コチカはいきなり後ろを振り返って、chaー!!!やったので、
獣医さんはあわてて注射を引き抜いた。
ちゃんとつかんでないといけなかったのね。。
相変わらず、うぉ〜、は止まらない。

今日の夕方、また来る。

* * *

帰宅してから朝の散歩。
うちの門の前=チェリーんちのお庭の通り。
アスカが塀の上を来て、窓からチェリーの奥さんに何かをもらっている。
ゴム製の針がつんつん立った猫よけを、抜き足差し足で上手に歩いて、
もらったものを運び、端までたどり着くと、そこで足を前後に開いたまま食べている後姿を、コチカは座って見ている。
見目滑稽なコチカの尻尾。
毛を剃られているし、テーピングした先っちょは、脱脂綿を中にくるんでいるので、車のギアみたい。

隣のご主人と奥さん、チェリーの奥さんと顔を合わしたので、尻尾の切った話をした。

* * *

夕方。
病院へ行った。
4kgちょっとの猫をキャリーに入れて、地下鉄階段の上がり下がりを一日に2度も繰り返すのは、骨が折れる。。
でも何が原因かといえば、私がいけないのだ。
自業自得ってやつ。。
そればかりか、コチカは尻尾を切られてしまったのだ。
そのくらい我慢しなさい。はい。。

*

うちのコチカみたいに暴れる猫はいませんか、と聞いてみたら、
上には上がいるのだそうだ。
全く触らせず、ケージから出すこともできないような猫や、
ケージから飛び出してしまったきり、
手術室を飛び回り、精密機械の上に上がってしまい、下りてこないもの。
そうなるともう、飼い主さんに来てもらうしかないのだが、
飼い主さんまで、がぶがぶに噛まれてしまい、
獣医さんが、どうもすみませんでした、と謝ったりすることもあるらしい。

その点、うちのコチカは凄んで抵抗するだけで、
結局誰にも怪我もしなかったようだし、よかった……とは言えません。
看護士さんたちのガードの仕方、扱い方が巧みだったお陰です。
ナンにしても、もーこんな思いはしたくない。
明日でいちおう通院もおしまいだが、今後怪我・病気をさせないよう、心しようと思う。



 *  *  *  * 


2月15日(水)

病院は午後からの予定だったのだが、
朝から点滴の管を押さえている左腕の青いテープがいよいよ我慢ならなくなってきたらしく、
噛んではがそうとしていたので、朝一番に病院へ。

手術後に帰宅した当初から、
この青いテープがうっとうしくて、しょっちゅう手を高速で振っていた。
その際に、Barrrrrrrrrrrrrrrrrrrra、と音が鳴るのがおかしい。
毛繕いで手を舐める前にもよくやるこの動作は、
去年の7月にうちにいた生後1ヶ月足らずの小さなミュミュが、まねをしていたことを思い出す。

爪を切られているので、爪とぎに手をかけても、ずるりと滑ってしまい、ストレッチができないし、
天国への坂道も爪が引っかからないので、大変な労力を払って上っていく。

そして今日は、テープが徹底的に気になってきて、これでは全部剥いてしまいそうなので、
借りてきたカラーをつけてみたが、なんじゃこれ?と目をまん丸にして余計混乱してしまう。
どこへも飛び乗れないし、
こんなにいくつもストレスの要因を作ったままでは放ってはおけないよね。。
ウもスもなく病院へ。

*

点滴用の管に薬を入れ、皮下注射をする。
いちいちウギャウ!ハ〜〜〜〜〜〜〜〜〜と抵抗・威嚇するコチカ。
無精ひげみたいに糸のちょこちょこ出ている傷口…切った尻尾の閉じ口…は、順調に回復している、とのこと。
やれやれ。
歯石もきれいに取りました、と言われ、そういえば忘れてた。。
見てみると、ほんと、新品同様(笑)。
象牙色ですっごくきれい。
これであと4年くらいは持つかな。

* * *

<不思議な声、そして、家の中での自力ウンチ>

夕方の散歩。
うっgrrrrrrrrrrrrぉぉおん…と不思議な鳴き声を上げる。
最後の、ぉぉおん…はかなり音が下がる。
美空ひばりの『りんご追分』の、りんご〜、の、ご〜、とかすれた低音を響かす、あの声にそっくり。
思えば猫も相当に声域の広いもの。

玄関前に戻ってくると、大家さんちの玄関の隅を懸命に掻いている。
だめだこれじゃ掻けない(当たり前だ)と思ったらしいコチカは、
土の地面に戻り、掻こうとするが、まだ点滴を入れていた傷があるので、やめさせた。
するとうちに玄関前に来たので、ドアを開けるとすんなり入った。
とっとと奥へ行ったコチカは、階段下のカーペットの上でオシッコ座りをしている。
何にも出るわけないと思っていた私は脇を素通りしたのだが、
振り返るとカーペットを掻いているではないか。
なんとウンチ!である。
なんでこんなところで。。
ティッシュでブツをつかんでトイレに入れ、ここでしないと、と言ったら、コチカはおろおろしながら砂を掻いた。
いったい何がどうなったのか。
発情してるのかなあ。
そういえばオシッコも臭いし。



 *  *  *  * 


2月16日(木)

雨。
朝も夕方も外へは出られず。
ちょうどよかった、と思うのは、尻尾の先っちょをガードしていた、
マニュアル車のギアーの青いテーピング帽子がすっぽり抜けていたのだ。
もしも外へ出るなら、傷口がすっかり乾いてからの方がいいだろう。
もう乾いているけど。

骨から剥がされて関節を切断してからまた戻された皮膚が、赤く充血していて痛々しい。
黒い糸がひわひわ出ている先っちょの閉じ口も痛々しい。。
抱っこして5分くらいコウケントーをかけてやった。

ネズミの尻尾が太くなったような薄いピンクの尻尾は、
ほの暖かくてこんな触り心地のものあったな、と思うのだけど何でしょうか。
セーム皮?
みょ〜に気持ちよくて何でもないのに触ってみる。
くせになりそう(笑)。

少々毛が生えてきて、朝見たときよりも夕方の方が白っぽくなってきた。
そして、これがスタッドテイルの正体(?)なのかしらん。
薄いピンクできれいだった尻尾の付け根…すでに付け根から15cmもない…が、
むらむらと茶色く汚れてきている。
きっと脂っぽくなっていて、汚れがつくのだろうな。
といって、触ってもべたべたした感じとかないけれど。



 *  *  *  * 


2月17日(金)

昨日の夜。
布団に入ってくると、私の腕と体の間に入り、脇やら二の腕をもみもみする。
いつものように、
尖った爪の先がちくちく痛いのを覚悟すると、ぜ〜んぜん痛くない。
痛くないどころか、ちょうどツボのあるところなのだろうか、
指圧されるみたいで気持ちよく、あ、そこそこ、って感じ。
圧力がまたちょうどよく、やめてしまうと、もうおしまい?と惜しい気持ち。
病院で思い切り爪を切られたので、頬に手を当てても、全く肉球しか当たらない。

いつもこうならいいのになと思うが、実際は気の毒なのだ。
爪が引っかからないために、切り売りカーペット巻いた柱にも上れない。
いつもの要領で飛びついても、するする、と下がってきてしまう。
天国への橋も、腕力だけで耐えながら上るのがきついらしく、
私が暇そうにしていると、ゎ〜、と声をかけるので、手伝ってやる。
夫と話しこんでいたりすると、自分で上っていくのがおかしいが、
なにしろ、日常生活が少々不便なのである。

静脈に点滴の管を入れる際には、
コチカの手をぎゅっと握らなければならないし、それでなくとも暴れるしで、
肉球ぎりぎりにまで切る必要があったのだろう。
ま、しかたないよね。

* * *

今日は尻尾にジッパー付のビニール袋をつけての散歩。
なかなか笑える出で立ち。

やはり発情しているのだろうか。
グレイが座っていた地面の匂いを嗅ぎまくり、しきりに鼻やら顔の横やらをこすりつける。
雨上がりの地面はほとんど乾いているけれど、まだ黒っぽい湿った細かい砂が体にいっぱいくっつく。
やめさせたいけれど、こんなに必死にやるものを止められない。
ぼー然と見守る。

* * *

夕方。
アスカが居候先にいた。
わぉ〜わぉ〜grrrrrrrrrrr!と繰り返すコチカ。
するとアスカが、お豆腐屋のプーみたいな、あ〜、で応える。
でもアスカが何か言うと、コチカは後ずさりしている。
あっち行って、とか言ってるのだろうか。

ジッパー付ビニール袋をつけたコチカ
チャコちゃんちの庭を覗くコチカwithジッパー付ビニール袋

 *  *  *  * 


2月18日(土)

早朝に起きてすぐ出かけていった人間を、ニャンとも言わずに送り出すコチカ。
ホットカーペットを弱にしてコチカのいる側だけつけていく。
でも6時間で切れてしまうので、藤の椅子の上にコチカの座布団を置いておく。
これで起きたばかりなのでベッドカバーをしていない人間の布団に暖を取りにくることもないだろう。

夜8時ごろ帰宅。
車を車庫の前に止めると、いつものように物見台にいて、お帰りお帰り〜のポーズで迎えてくれた。
ご飯にして、すぐ外へ。
ジッパー付ビニール袋をつけて。
コチカの尻尾は、ますます茶色い何かが付いていく。
どうしたら阻止できるか。

そう寒くもないのに、猫たちの姿は一匹もない。
もう寝る時間なので、それぞれのねぐらで丸まっているのだろうか。
穏やかに一通りチェックすると、あっさり家へ。
散歩はほぼ思い通りだったはずなのに、大きなウンチを2個も申告せず。
なんでなの?
人間がずっといなかったから?



 *  *  *  * 


2月19日(日)

病院へ行く朝。
散歩から戻ったらコチカをキャリーに入れ、すぐ車を出せるよう、
準備周到にいろいろ打ち合わせをして、それじゃ、と夫はコチカと散歩に出て行く。
私はキャリーの蓋を開けて、玄関の三和土に用意しておく。

門の閂をあける音がし、玄関のドアも開いたらしいので、
ホットカーペットのスイッチをオフにして、廊下に出ると、
コチカが背中を丸くして走り抜けていった。
あらら。
何失敗してんの?
だってさー、と悔しそうに入ってくる夫。
再度コチカを抱っこして玄関に向かった。
…と思ったら、またコチカが走って戻ってきた。
キャリーに入れたら、丸くしゃがんだから安心してたらピョンって飛び出ていったんだよ、と困った顔。
何だまされてんの?

居間に走りこんだコチカを私が追いかけると、
コチカは脚立に上ろうとして身をかがめた体勢のまま固まっていた。
まだ爪がちゃんと生えていないので、坂をすんなり上れないのである。
それをコチカも急に思い出したのだろう。
思考が止まってしまったところで、あえなく御用。

*

病院につき、診察台に上がっただけで、Cha〜〜〜〜〜〜〜!!!とやみくもに言うコチカ。
もう怒ってんの?と獣医さんに呆れられた。

経過はとっても順調。
シッカロールみたいな白い粉をふりかけ、また1週間分の薬をもらい、おしまい。
よかったね、コチカ。



 *  *  *  * 


2月20日(月)

遅い…と言っても暖かくなったので、ちょっとは早い朝。
雨がぽつぽつ当たってきた。
よかったね、今出てきて。

尻尾のサックを忘れてきたので、地面に着きそうになると、
足をさっと出して、靴の上にブタさんの尻尾を乗せる。
普段履きの茶色い運動靴に、薄汚れたピンクの尻尾はどうにも異様。

* * *

私が座っている藤の椅子の下で、寝そべっているコチカ。
不用意に動いて、また尻尾なぞを踏んづけないよう、気をつけねば、
と緊張しながら、テーブルに向かう。
ちょっと重荷なのよねえ。
別の方法考えなくては。。



 *  *  *  * 


2月21日(火)

昨日は、
普段ならNHKのニュースを見ているところだけれど、
あまりに悲しいニュースと腹立たしいニュースが多いので、
見るのをやめて早く寝ようと言っていたのに、
オリンピックのスキーのグランド・ストロームなんかやっていたからつい見入ってしまった。
コチカがうにゃ〜ん、よしよしして〜と言いに来るのだけれど、
なにせライヴでやっているものだから、
よしよししてコチカの歌を歌いながらも、目はテレビから離せない。
テレビを見ていることをばれないように、手や体の位置を微調整するのだけれど、
やはりコチカにはわかってしまうのだ。
薄目を開けてちらちら私の顔を見ながら、顎をさらに前に伸ばしてくる。
ちゃんとやってよ、と言葉にならない声は聞こえてるんだけどね。
でもオーストリアのライヒ選手が完璧な滑りをしているところだったのだもの、
見ないわけに行きますか。

* * *

朝の散歩。
アスカに会った。
チェリーんちのガレージ、車の脇で、
ちんまり両手をついて、
お晩です〜、なんていいそうなおばちゃん座りをしている。
その前にじーっと座って動かないコチカ。
あまりに長いので、なんか言っておいでよ、アプローチしな、
とか言ってやると、腰を上げてアスカの方に2歩ばかり歩み寄るが、また座ってしまう。
なにやってんのもう!

* * *

テーピングも何もしていない尻尾は、
なぜか一日たつと擦り傷がいくつかついている。
どこでこすれるのだろう。



 *  *  *  * 


2月22日(水)

昨日、布団に入ってきたコチカの尻尾を見ると、
黒い糸のついている先っちょが、赤く充血している。
今朝からこうだったのか?
どこかでぶつけたのだろうか。
握ってみると心なしか冷たい。
むむむむむ。

*

夜中に一度、うにゃん!と声が聞こえ、噛まれた。
ごめんごめん、と謝ったらすぐに収まったが。
なんだったのだろう。

朝起きて夫が言うに、コチカは上布団の上、夫と私の間に乗っていたのだそうだ。
全然知らなかったけど、もうそろそろ暑いのね、布団の中も。

* * *

朝の散歩。
尻尾のサックを忘れずに。
歩き始めてしばらく経つと、ビニール袋の内部が曇ってくる。
猫は発汗しないというし、どういうわけか。
外気との温度差によるものだろうか。

またチェリーんちのガレージにアスカ。
車の向こう側にいるので、しゃがんで覗き込み、あすかー、と私が言うと、
コチカは、ぃゃ〜ん、と言いながら私の顔のまん前に来て座った。
うるさいーとかほっといてよ、とか言っているのだろうか。
笑って見ているチャコちゃんちの奥さん。

向い(うちの隣)のご主人が出てきたので、アスカいますよ、と言ったら、
久しぶりなのか、へ〜と懐かしそうな様子で、あすかー、なんかやるぞー、と呼んだ。
ちょっとの間、猫たちは沈黙した。
それからアスカは、コチカとは反対側の車の脇に来た。
走り寄るコチカ。
するとアスカは、何さ、という顔で立ち止まり、コチカも動けなくなった。
きっと、アスカはこっちへ来ないで!と光線を送ったのだろう。
向いのご主人も、アスカ怒ってる、こっちへ来たいのに来れないから、と言っている。
私がコチカのリードを引き締めると、アスカは通りを渡って、植え込みの下へ潜っていった。
コチカも追いかけるけれど、はいそこまでー

* * *

<アスカが塀の上にいることに気づかないコチカ>

夕方の散歩。
アスカの居候先にアスカ。
塀の上にいて、コチカを呼んでいるようなのだけど、気づかないコチカ。
耳も体も声の方向を向いているのだけど、なぜか塀の上に目が行かない。
わからないもの?
自分は塀に上れないし、
能力の限界を超えているので、気もまわらないのだろうか。
そんなことある?
天井裏に目に見えないネズミの気配はわかっても?

* * *

なんか発情しているくさいコチカ。
枯葉の中に鼻を突っ込んで、長々と匂いを嗅いでいたり、
葉っぱが積もっているわけでもないのに、掻くそぶりをしてトイレ座りをしようとしてみたり。。
それからまたアスカの居候先に行ったりして、40分ほど外にいた。



 *  *  *  * 


2月23日(木)

<軟骨に熱い視線>

夕食(人間の)。
左の頬にやけに視線を感じると思ったら、
寝そべっていたコチカが顔をあげ、私をじーっと見ている。
よしよししながらコチカの歌を歌ってやると、歌っている間は目をうっとりさせたが、
歌い終わると、目に光が戻ってきて、また私をじーっと見る。
結構な眼力なのであるこれが。
なんだろう???
夫と顔を見合わせながらテーブルを見ると、
そうだった、鳥の軟骨をオーヴンで焼き、クレイジーソルトをかけてビールのつまみにしていたのだった。

コチカは子供の頃、軟骨が大好きで毎日1本食べていたが、
いつの頃からやらなくなって、去年あたりになってやってみると、
忘れてしまっていて、興味を示さないこともあった。
でもまたここのところ、鼻先に持っていってやると、
何このおいしいもの!と言わんばかりにぱくついた。

そして今日は、軟骨の匂いに、むむむ、と食べたい意思を見せてきたのだ。
一本取って塩気を舐め取り、3分の1くらいやると、少々戸惑いつつ食べた。
食べ終えたタイミングで、私が台所にお味噌汁か何かを取りに行った。
その間、コチカは夫ににゃーにゃー言っていた。
しきりに言うので、夫はウンチかと思い、
私の座る側に来てコチカの尻尾の付け根を確かめてみたが、そうでもない。
何だろうねー、などと言っていると、コチカは脚立の上に乗った。
そして丸く座ってじーっと見る視線の先には、軟骨のお皿が。。
これには笑った。
まだあそこにあるじゃない?軟骨、との無言の視線に、
はいはい、とまた3分の1ほどやった。
今度から、軟骨を焼いたら味をつける前にコチカのお皿に入れてやろう。

そういえば今日のお昼、チェリーんちの奥さんが小さな器を手に持って、
みいちゃんにあげんの、と言って、口をクチャクチャさせてるから、
何かと思ったら、スルメだった。
ペッタンにゲソを長いままやったら口も喉にもつかえて、ゲーッてやってたから、
と言って奥さんがクチャクチャ噛んであげてるのだけれど、
ちょうど出てきたチャコちゃんちのご主人は、小さく切ってやるといいですよ、
でもあんまり上げちゃ消化悪いですよ、とか言った。
猫にスルメ上げる話が通じていくなんてちょっと意外。。
だって、しょっぱいし、猫にイカってよくなかったんじゃないかな。



 *  *  *  * 


2月24日(金)

<戦略としてご飯を残している?>

最近コチカは朝になってもご飯を残していて、お昼を過ぎても食べきらない。
私は油脂分を多く含んだキャット・フードを長く外に置いておくのを避けたく、
夏は残った分はなるべく捨ててしまう。
冬はそう神経質になることもないかと思うが、
朝までに全部食べきるよう、ご飯を少なめにやる。
それでも残している。

これはコチカの戦略なのではないかしらん、と夫に言ったら、
僕もそう思う、とのこと。

夕方近くになって食べるものがないと困るので、とコチカは猫なりに考えて、
自主的に残しているののだとしたら、
なんと利口なことだろう、と心底感心するのだけれど、

夕方のご飯の時間までにまた食べたくなるのなら、
毎日のご飯を食べ切れる量にして、午後またあげようかしら。



 *  *  *  * 


2月25日(土)

病院へ。
糸の縫い付けてある尻尾の先っちょ。
上側はくっついているようだが、下側がまだ。
ということで抜糸は先送り。
また来週。

* * *

今日はなぜかおなかがすいてたまらないコチカ。
なのにご飯の前に病院に連れていかれ、
人間がレストランでご飯を食べるを待たされて、
帰ってきてから、ようやくご飯と散歩が叶った。



 *  *  *  * 


2月26日(日)

朝から雨降りだったので、外へ行きたくなる煩悩も目覚めなくて静かなもの。
いつものように薬を飲ませて、おしっこをさせて、じゃね〜、と人間二人は出て行く。

* * *

帰宅すると、玄関へ出迎えに来ていない。
居間の藤の椅子の上でエマニュエル夫人状態。
夫が入っていっても動かず、私が行くと、あ、来た、という感じで降り、
すぐ擦り寄ってくるのかと思ったら、
うーん、と両手を伸ばしてお尻を突き出し、
うーん、と両足を突っ張らかせて伸びをし、
そして座りなおし、お帰り、という目を向けた。
そらまあね、それが順序だと思うけどね。。
着替えをして戻ってみると、
同じところにポツンと座ったままでいて、
でも目だけはえらく力が入っていて、きっと私を見据えた。
もうそれだけで、何、ご飯?と口にしてしまうところが自分でもおかしく思う。



 *  *  *  * 


2月27日(月)

<猫の尻尾がポロリと落ちる話>

隣のご主人に仰天な話を聞いた。
弟さんが飼っていた猫の、長い尻尾が壊疽を起こし、ある日3cmほどを残してポロリと落ちた、というのだ。
ポロリと落ちた尻尾は、枯れ枝みたいに細くなっていた。
猫は気にしてしきりに舐めたりしていたので、飼い主も気づいていたが、
獣医さんには見せなかった。
原因はわからない。
しもやけだったのかもしれない。
でも尻尾が落ちてからもずっと元気で20年近く長生きをしたのだそうだ。
むむむむむむむ。
今回のコチカの症状と似ている。。
コチカの場合は、私が踏んづけていたのが原因だと考えるのが妥当だけれど。
その猫はなんで?

一番最初にコチカを獣医さんに見せたときには、
壊疽を起こしてミイラ化した部分がポロリと落ちる、ということもある、と言われたが、
待っていたら、そうなったのだろうか。
ぅわ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!
そんなもの、心配で待てるわけなかった。。

ご主人は、ビニールを付けられたコチカの尻尾を眺めて、
もっと切ってしまえば(たぶんまたそういう可能性もあるだろうから)?というから、
そんなことできるか、と黙っていたら、
犬だって尻尾切ることあるし平気だよ、かわいくてできないんだろう、とにやにやした。
じょーだんじゃない!
今回尻尾切断手術をして、6万円ちょっとかかっているのだ、もうそんなことはできない。
…じゃなくって、切る必要もないのになんで切らなくっちゃなんないだって!!!



 *  *  *  * 


2月28日(火)

最近、ご飯を食べ散らかす。
歯が痛いせいかと思っていたのだが、
歯石も取って貰い、きれいになったと言われたが、
でも前よりも、粉々に砕いて器に残っている。
なんでだろう。。





56 ⇔ 58