4月1日(土)
エイプリルフールだというのに、今年は不発。
つまんない〜
* * *
朝の散歩。
風もなく、花たちも咲き誇っているにしては静か。
空が曇っているせいだろうか。
でも雲も薄いのだろう、明るく柔らかな光が降ってくる。
神様からの贈り物な日。
人間にとってはそんな日。
でも、モモちゃんにとってはひょっとしたら最悪の日かも知れない。
<モテモテモモちゃん追い詰められる>
チャコちゃんちの角を曲がったところにあるアパートの階段下では、
3匹(猫って3頭という?)の猫に追い詰められている。
角っ子にモモちゃんが固まっていて、
ミルボーとミルボー2号と、
あんまり見かけない尻尾の長いチャ虎のチャーちゃん。
このチャ虎、皮膚病か、怪我をしたのか、治療のために、体の左側の中央の毛を剃られている。
そんなんで雌猫引っ掛けようったって、だめなんじゃ?
とにかく、モモちゃんを狙って3頭の猫が、背を丸めてチャンスを狙っている。
そこへコチカも加わろうとした。
背を低くし、うぉ〜〜、と言い始めている。
こりゃ妙なことになってもらっちゃ困る、とコチカを抱き上げて撤去させた。
カメラを取りに行き、戻ってきても猫たちは同じ配置でいる。
写真を撮って家に帰り、夫と買い物へ。
おにぎりを買ってぶらぶらと戻ってきて、
近所の大学の桜の木の下でお花見かたがたお昼を食べて、
またアパートに見に行ってみると、まだ同じ配置。
猫4頭のこう着状態は、都合1時間以上続いている。
あれから時間がたった今、
階段の隙間から見る猫たちは険しい表情でもなく、のんびりしているように見える。
みんな、何が目的でここにいたか、覚えてる?
上:モモちゃんポートレイト(3月26日)
下:モモちゃんの追っかけ:左からミルボー2号、ミルボー、その後ろは滅多に見ないチャ虎のチャーちゃん
* * * *
▲
4月2日(日)
夜10時ごろに帰り着いた人間2人に、何してたのさ、遅いじゃない!と怒る様子もないコチカ。
昨日、
モモちゃん事件の影響で家にいてもずっとそわそわ、
リンゴ追分紛いの声を上げて窓から窓を行ったり来たりしていたけれど、
今日の低気圧な空模様に意気が減退したのか、
ご飯こそ早くして〜とねだったものの、外に行こう、とは一言も言わなかった。
雨上がりで道が濡れているし、コチカの散歩どうしようね、
と密かに相談していたのだけれど、心配無用だったようだ。
* * * *
▲
4月3日(月)
風が強い。
でも日差しが暖かいので、救われる。
のんびり散歩をした後、まだ家に入りたがらないコチカを、
駐車場のフェンスに結わえておいた。
ひとつのことに集中すると他を省みられなくなる私。
はっと気づいたら、最後にコチカの様子を見て以来、2時間半も経っていた。
あわてて外へ出て、ちゃちゃ、と呼びつつ速足で近づくと、
コチカは車の下でスフィンクス座りをして、何やってたのさ、という顔をしている。
リードをほどいて通りに出ると、陽で温まってそうな地面でごろんごろんとした。
作業の途中だった私は、早く戻りたくて、コチカを持ち上げて門に入ろうとしたら、
屋根に上っていた塗装の職人さんがちょうど降りてくるところで、
コチカ忘れてた、と言ったら、ねえ、と力を込めて言われた。
やっぱりそうだったんだね、という意味だと思うけど、
もしかして気にしてもらってたかしら。。
でも、家に入りたかったら、コチカは鳴いて私を呼ぶので、
何も言わなかったということは、それでいいはずなのだ。
それとも、鳴いてたけれど、私が気がつかなかったのだろうか。
そりゃないと思う。。
サッシのガラス一枚隔てた向こうとこっちにいるのだから。
* * *
おいしい生り節を求めたので、
カツオブシ代わりにコチカのご飯の器に入れてやったら、
胡散臭そうに時間をかけて匂いを嗅ぎ、それを除けてご飯を食べている。
いけ好かないヤツ!!!
* * *
駐車場側の縁の下の空気口のネズミ新入防止用の柵が、2本ばかりなくなっていたのを、
おととい、チャコちゃんちのご主人に網で塞いでもらった。
そろそろネズミ対策を立てないと、と3月初旬のまだ寒い頃から思っていたのだけど、
とうとう暖かくなってしまった。
もう天井の上ではごそごそ何かを企んでいるらしいネズミの物音が聞こえる。
コチカは落ち着かず、しょっちゅう天井を睨んでいる。
すると人間も気になって、一緒になって天井を見上げるが、でもどうしようもないのよねえ。。
* * * *
▲
4月4日(火)
今朝は昨日のご飯を少し残していた。
また食べ散らかしているし、どこか調子が悪いのかな。
風も止んで穏やかな一日。
桜が咲いたことにもそろそろ慣れてきたような。
今年は花が長持ちしそうだし。
そう思うせいか、今日は桜を観に行かなかった。
そう思うとなにか奇妙な焦りを感じる。
明日は行こうっと。
* * *
人間が食べているカツオブシの匂いになんとなく心落ち着かないコチカ。
夫になにやら文句をつけている(私は台所に立っている)。
あ〜、あ〜、と言いながら脚立の上に座り、
テーブルの上を見ると、ほうれん草のおひたしにかけられたカツオブシ。
気持ちが点!となったのだろうか、あ〜と言おうとしたところで、オ…、となってしまった、
と夫が大笑いしている。
でも、テーブルの上にあるものは食べられない、と知っているコチカは、
文句を言いながらも坂道を登り、物見やぐらへ行った。
私は少々食欲の落ちているコチカの器に、
コチカ〜カツオブシ〜やるよ〜、と言いながら、
ちょこっとだけカツオブシを入れ、振り返るともうそこにコチカがいた。
こういうときばかりは反応いいねえ。
* * * *
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4月5日(水)
雨でんがな。。
どうしようもおまへんなあ。
今日はコチカが起きて歩いているのを一度も見かけなかったような気がする。
あ、一度私が仕事場にいるときに、開けて〜と言いに来たかな。
しばらく私のそばの床に座っていたけれど、寒くなったのか、出ていってそれっきりだった。
そして今、ご飯を食べて、あ〜ン、と言っている。
外ねえ。
雨は止んでいるようだけど、道が濡れている。。
でも行くしかないかな。
よいしょっ、と。
* * * *
▲
4月6日(木)
朝の散歩。
風は冷たいけれど、文句なくきれいなお天気。
チャコちゃんちの角を曲がった通り。
塀の下の方の飾りの施されたブロックのまん前にきっちり座り、
飾りの隙間に鼻先を突っ込んで、動かなくなったコチカ。
しばらくすると、手を突っ込んでみた。
次にはなるべく奥へ手を突っ込んだ。
そしてそれを何度も何度も繰り返す。
積もった砂埃がどんどん掻きだされてくる。
何をやっているのか、と見てみると、
隙間の向こうに猫の尻尾!
たぶんいつもこの塀の上に座っているコロチャンだろう。
太陽で気持ちよく温められた草の上でくつろいでいたのに違いない。
コチカは走り出した。
向こうも気がついて、移動したのだろう。
左へ走ったと思ったら、急に右に走り、
そしてまた急に左に戻り、右に走ったと思ったら、
そのままうちの門がある通りに出て、
チャコちゃんちのガレージへ行き、フェンスから覗いている。
猫なりにそちらの方向に行ったもの、と思ったのか。
そこでしばらく向こうを伺っていたが、何の音沙汰もないので、それでおしまい。
* * *
夕方の散歩。
チャコちゃんちの車と小さな植え込みのわずかな隙間に、
黒っぽい小柄な猫がいた。
コチカが気色ばんだの見てとると、すっと車の下にもぐりこんだ。
尻尾がすぅっと長くてきれい。
新顔猫だと思っていたら、チャコちゃんちのご主人が帰ってきた。
その猫のことを話すと、ときどき現れてご飯を食べていくのだそうだ。
へ〜
タロウとニャオンがいなくなったら、次々に新顔猫が現れる。
どの猫が住み着くようになるのかわからないが、
地域のノラ猫…要するに地域猫…の世代(魂)交代の様子を目の当たりにしているような。。
* * * *
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4月7日(金)
朝の散歩。
なんっか寒〜い。。
春に厚手のマフラーなんかしたくないけど、やせ我慢は風邪のもと。
*
お隣にアスカがいた。
朝のおやつをもらいにきたらしい。
ご主人が出てきて、アスカ、ほらやるぞー、とコチカに聞こえよがしに言う。
呼ばれて奥に行き、なんかもらっているアスカの後姿を、じっと見つめるコチカ。
アスカがすっかり食べてしまって、外へ行きたいのだろう、門の近くにお晩です〜、という感じで正座をしている。
ご主人は2匹の様子を面白がって何度か見に来たけれど、
ちんまり座ったのアスカと、アスカから目を離そうとしないコチカとの動かない関係に、
すっかり呆れてか、家の中に入ってしまった。
* * *
外出から帰ってくると、家全体のペンキの塗り替えをしている職人さんたちが、
ちょうど家に立てかけた脚立やはしごを片付けているところだった。
コチカが2階の窓の物見台にいるのを、面白そうに見ている。
私が近づいてくると、ほらほら、気づくか、あ、見た(私を)、帰ってきたぞー、とか一人が言い、
コチカが私を認めて、にゃ〜、と声を上げて中に入っていったのを見て、
別の人が、あー待った待った、長いこと待ったなあー、と言った。
リードをつけて散歩をしているのを見ている職人さんたちは、
とても暖かい目でコチカを見ていてくれて、何かとからかってくれる。
結局、みんな猫が好きなんだな、と思う。
ちょっと嬉しい^_^)
* * *
夕方の散歩。
チャコちゃんの奥さんが、チャコちゃんを抱っこしてきてくれた。
前よりもほっそりした感じのチャコちゃん。
尿路結石になったときには6Kgほどあって、獣医さんに叱られたので、
頑張ってダイエットし、今は4Kgちょっとなのだそうだ。
だったらコチカと同じ体重だけれど、コチカよりも大きく見える。
*
チェリーんちの車の下に、昨日もいた黒っぽい新顔猫。
暗隅を凝視したまま動かないコチカ。
私が帰ろうよ、と促すと、grrrrrrrrrrrrrrrrrrうっお〜ん、が始まった。
運悪く人通りが多くなったし、もういい加減寒いので、
抱っこして強制撤去。
家に入ってもしばらく落ち着かず、なんだか気の毒。
おしっこをしているわけでもないのに、すごい猫臭い。。
* * * *
▲
4月8日(土)
晴れていたのに突然突風が吹き出し、雨になって雷鳴って晴れてそのままきれいなお天気の日。
忙しい空模様の下、夫の会社の新人歓迎バーベキュー・パーティーなるものがあって、家族も、ということだったので参加した。
当たり外れの差の激しい天気予報を、狼少年だからと高をくくっていたら、今日に限って確実に当たり、ちょうど鉄板の上でお肉がいい感じに焼けているときに、カミナリが鳴り、激しい風と雨になったのだった。まさに春雷。春の嵐。歓迎されるはずの新人諸君がコンロなどを撤去するのに右往左往。あー大変そうだった。。
コチカはどうしてた?寝てた?
ヤフー・コムを見ていたら、目がひとつで鼻がない赤ん坊が生まれた猫が話題になっている、という記事が出ていた。
去年の12月の末アメリカで、ラグドールが出産した際、一緒に生まれた他の兄弟は健康な個体だったが、Cy(サイ:一つ目Cyclops)と名づけられたその子だけが、遺伝的な異常で奇形児で、生まれて1日で死んでしまった。
飼い主は、アメリカの「信じる?信じない?博物館」(「Ripley's Believe
it or Not!」ニュー・ヨークにある奇人変人や動物などを納めた博物館)からのオファーがあったが断り、興味の対象にも誰か個人の所有物にもしたくないと、しかるべき宗教家にゆだね、手厚く葬った後で、ホルマリン漬けにし、とりあえず別の博物館…学術的な立場にある…に収めたのだが、今になって「信じる?信じない?博物館」に入れるとか入れないとかいう議論が国際的になされている、ということらしい。国際的とはまた。。「信?博物館」の館長は、宗教と科学を結びつける議論のきっかけにされるだろうと言ってはいるのだけれど。
写真を見る限りやはり普通ではないけれど、でももしも生き延びられたら、かわいいし、一生懸命生きようとする姿に引きつけられて、愛せる対象になると思えた。死んでしまった今となっては、何故そういう個体ができあがったか、ということを科学的に検証するための研究材料にするのは悪くないと思う。
* * * *
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私がご飯(人間の)仕度をしている間、 何かとやーやー言ってくるコチカに、夫がよしよししてやっている。 割合久々なこと。 こういうときって何か新しい歌が生まれるものである。 チッチョーチッチョーチッチョーチッチョー とチッチョー4回をひと括りにして繰り返すだけなのだけど、 微妙に節がついていて、 初めのチッチョーの後、ぴょんと音が上がり階段を降りるように降下し、 また最初に戻って繰り返す。 サーラウンド・オーディオが鳴っているように強弱をつけると、なんか面白い。 しばらく私も口づさんでいたけれど、ご飯を食べたら忘れていたので、 夫に聞いたら、自分が言っていたことすら忘れていた。。 |
思い出したので、画像にしてみた。 私ってひま〜(=^m^=)ヽ |
* * * *
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4月10日(月)
空気の冷たい朝。
うちの前の通りの突き当たりの桜も、まばらになってきた。
どうということもない日。
コチカは一日中寝ている。
夕方になって雨が降ってきたので、
待望のお散歩は残念ながら中止。
不満を満面に浮かべ、しかたないのでよしよしでもしてもらうか、
と人の前に座りにきて、うぁ〜ん、と何度も欠伸を繰り返す。
ちょっとストレス溜まってるかな。
でも、ウンチの申告は欠かさず、一度もそこらにしていない。
偉いな。
でも、これで安心していると、後でゴーンと何か起きるかも知れないので、
気にしすぎないよう、ちょっとは気にしてみよう、と思う。
* * * *
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4月11日(火)
午後から雨が降って散歩は朝だけ。
それがいけなかったのかどうなのか。
2度も発作を起こした。
居間で仕事をしている私の背後にコチカは寝ていた。
私が居住まいを正そうとして手を後ろについたとき、
その手の先がカーペットをざざっと引っかいたのかどうか、
コチカはうにゃんっ、と声を上げ、手をじーっと見つめた。
両耳も、手を見つめている。
コチカ、と言いつつ手を出してみると、
私のカーディガンに噛み付き、
肉にまで及んでいないと思ったのか、もう一度しっかり噛み付き直した。
痛いので、体を抱き上げ、きつく抱っこしてぽんぽん背中を叩きながら、
どうしたどうした、と歌うように言っていると、だんだん目の色が褪せるように薄くなっていき、
発作は治まったようだった。
そして、2回目。
夕方近くである。
私が何をしたのか、覚えていない。
しかしコチカは、やはり手をじっと見つめた。
両耳も手の方を向いている。
手がなんだというのだろう???
今度は長かった。
手をめがけて、じわじわと歩き出そうとさえした。
少し落ち込んだような真っ黒な瞳が、
手を、それでなければ、至近距離で私を見ているのに、
でも私の目ではなく、私を通して私の背後を見つめるところが、とても不気味。。
私はだんだん恐くなってきて、きつい調子で、噛み付いたらだめよ!嫌だからね!と何度か言った。
2分もそのままの状態だっただろうか。
視線も耳のアンテナも動かず手に寄せられたままだけれど、
コチカの緊張が少しはほどけたように思えたので、
コチカ〜、コチカはどこにいるの〜、私だよ〜、と優しく言ってみた。
うにゃん、とまだコチカは言っていたけれど、抱っこして、
背中をぽんぽん叩きながら、歌うように何か言い続けた。。
…そうしてから割合すぐにいつものコチカに戻ったが、
いったいコチカの中で何が起こっているのだろう。
別の世界に行ってしまうようにも見えるのだけれど、いったいどちらへ。。
* * * *
▲
4月12日(水)
午後に帰宅したら、
階段下の棚の上に置いてある、8段ほどあるプラスチック製の簡易棚が、
ガッシャーン(そんな音がしたはず)と下に落ちて、入れてあった本や書類が散乱していた。
この棚は、網戸の窓枠に設置したフェンスを守るフェンス(?)代わりをしている。
網戸を開けようと奮闘したコチカが、棚全部を落としたのだろう。
帰ってきたばかりの私に甘えようと、うろうろ後をついてくるコチカに、
コチカ、これ何?と棚の一つを手に持ちながら言ってみたら、
コチカは、力なくにゃ〜と言って、そこらに首筋をこすりつけた。
観念的なことを言ってもわからないけれど、物的証拠があれば、
悪いことしちゃった〜、と猫も思うのだろうか。
そういえば、昨日、夕食のおかずをテーブルに用意しているとき、
ちょうど台所から居間を覗いた夫が、コチカ!と叫んだ。
すると、白い塊が居間から飛び出てきて、台所から廊下に逃げていった。
テーブルの上には、背黒イワシのめざしを焼いたのが乗っていたのだ。
コチカはテーブルには乗ってはならないもの、とわかっているはずなのだけれど、
そこはやはり猫。
ついふらふらと鼻先の向く方向に行ったら、
テーブルの上の私の取り皿に手をつき、焼かれたイワシの真上に顔を持ってきていたのだった。
そこへ、コチカ!と声がしたので、驚いて飛んで逃げた。
ゴミ箱をひっくり返して。
やべっ!と思っただろうコチカの胸のうちを思うと笑える(=^m^=)ヽ
* * *
夕方の散歩。
チャコちゃんちのお宅の角っ子で、騒動があったそうだ。
……と言っても猫の話。
あたりが血だらけになっていたの、チェリーんちの奥さんが、心配そうに言っていた。
ふむ。
誰だろう。
*
アスカの居候先の開いた門の中にアスカ。
ちんまり座って、あ〜、と言いながらコチカを見ている。
どこかで窓が開いて、鳴いているよ、おこげちゃ〜ん、おいで〜、と声が聞こえる。
ここではアスカはおこげちゃんと呼ばれているのだ。
コチカがいるせいか、その声を無視するアスカ。
動けないコチカ。
しかたなくしばらく待った。
*
その後、チャコちゃんちの十字路を通りかかると、
コロちゃんが男性にまとわりつくようにして一緒に歩いている。
見つけたコチカは、追いつこうとする。
コチカの胸に手を廻して牽制する私。
男性は、振り返って私たちを見ている。
初めて会うし、何と言っていいか互いにわからない感じ。
先に何か言うべきだと思い、その猫、いつも塀の上にいるんですよね、
と言ってみたら、ええ、いつもこうして会うんです、ときどきエサも上げるんです、
と言っていた。
道理で仲良しさんって感じですね(にこにこ)と返事をしている間も、
なんとしたってあそこへ行く!とリードを引っ張って一人やっきとなっているコチカ。
そうはさせまい、と牽制する私。
しーんとした中で、私は男性の視線を感じて、決まり悪くなった。
コロちゃんが塀の上に上ってくれたらいいのに、と言ってみると、
男性は、ここを通り抜けるんですか、と見当はずれなことを言った。
彼は、コチカがコロちゃんにケンカを売ろうとしているとは思ってないだろう。
だから私が必死になってコチカを止めている理由も、わからないのだろうと思った。
私が一人でいたずらに体を丸めて奮闘しているの図、である。
やんなっちゃうわね〜まったく。。
* * * *
▲
4月13日(木)
夜9時ごろに帰宅したら、出迎えに来たコチカは、
あいまいな座り方をして、こちらを見ようとしない。
どうしたのかと思ったら、何回かしゃくりあげ、胃液を吐いた。
2度目には、細長く濃い緑の草を吐いた。
このせいだったのならまあ安心。
かわいそうに、この時間までずっと気分悪い思いをしていたのだろうか。
雨で道が濡れていたけれど、雨自体は大したことがなかったので外へ出た。
チャコちゃんちの角を曲がると、コロちゃんがこちらに来るところだった。
コチカを見て踵を返して戻っていき、桃の木のある家に走りこんでいった。
追いかけるコチカ。
コロちゃんの行った方向をずっと見つめたまま動かない。
しかたなくつきあう。。
しばらくするとチェリーんちの奥さんが、あら、いないわねえ、と言いつつ、やってきた。
コロちゃんのご飯を持ってきたのだった。
いつもこの時間にコロちゃんは待っているのだろうか。
いつも塀の上にいるのに雨だからいないのかしら、と塀の上にご飯を置いてから、
雨、止んでるわよ〜、と言って行ってしまった。
一番雨水の溜まっている道の端っこばかり歩くコチカに気をとられていて、
傘を差していることも雨が止んでいることも忘れていた。。
チェリーんちのガレージではミケちゃんがご飯を食べている。
またもや気色ばむコチカを抱っこして、半ば強制的に家に連れ戻し、っちゃんちゃん!
* * * *
▲
4月14日(金)
私の母が来ている。
夫と3人で出かけるのに、
荷物をあっちにやりこっちにやり、としていたら、
コチカは二階の寝室の隅っこで体を縮めていた。
コチカも連れていかれると思った?
○〜○○と○○とお母さんは出かけるけれど、ちゃちゃは行かないよ、
と5、6回は言った。
それでもコチカは体勢を崩さない。
ったくねえ、疑り深いんだから。。
* * * *
▲
4月15日(土)
朝の散歩。
なんか寒い。
まだ日本のどこかで雪が降っているのだろうか。。
久しぶりにシェットランド・シープドッグのソラちゃんに会った。
一緒に住んでいた猫が12月に死んだそうだ。
猫の心臓病であるという話はいつ聞いたのだろう。
でもそんなに心配な様子だとは聞いていないので、
12月よりずっと前だったと思う。
それを聞いて、えー!!!と驚いていたら、
なんと、これまで絶対にそばに来なかったソラちゃんが、
座った私膝のそばに来て、頭などを撫ぜさせてくれた!!!
またまたびっくり。
ふわんふわんの毛並のソラちゃん。
ソラちゃんちの家族に、私が心を寄せたのがわかったのだろうか。
* * * *
▲
4月16日(日)
シネマ歌舞伎『坂東玉三郎−鷺娘』(同時上映『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』)
→http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/(←めちゃめちゃお勧め!)
を観に行こうと、早く起きてばたばたしている人間3人を意に介さず、
嬉々として外行こー外〜外〜、と言うコチカ。
気の毒ながらそんな時間はなかったので、
ごめんね、今行けないよ、帰ってきたらね、
と撫ぜながら何回か繰り返し言ったら、
じっと聞いていたコチカは、事情を理解したのか、
いきなり、くぁ〜、と欠伸を3回ほど繰り返した。
そしてそれからは何にも言わなかった。
わかってくれて、ありがとうね、コチカ。
* * *
夕方の散歩。夫と。
チェリーんちの奥さんが箒を持ってあちこちを見回っていた。
もうね、猫たちがケンカしてねえ、怪我しなければいいんだけど…
と、ケンカを見つけたら追い払うための箒だったよ、と夫が笑っていた。
モモちゃんも姿を見せなくなってしまったし。
心配は心配…よね。。
* * * *
▲
4月17日(月)
昨日、<コチカの右目に魚の鱗のようなものが付着>していた。
ぬるま湯に塩を入れ、薄めの塩水を作り、
注射器スポイトで、ぷしゅっとひと噴射。
何物かがちょっとずれたところで、夫が綿棒でくるりと巻き取った。
目やにか、毛のようなものだった。
簡単に取れてよかったよかった。。
ときどきこのように何かがついている。
痛くないのだろうか。
* * *
夕方の散歩。
チャコちゃんちの角を曲がったところの塀の上にコロちゃん。
丸く座って世情の様子を眺めている。
すぅっと触って、コチカに引っ張られる私。
桃の木があるお宅の前までくると、
コチカは向かいのお宅の家の塀の飾り窓から中の庭を覗き、
うにゃん、とつぶやくように言った。
しばらくじっと見ていたけれど、そのうちに、ずぼっ、と手を突っ込んだ。
すると、驚いたことに、ずぼっ、と黒っぽい猫の手が出てきた。
飛びのくコチカ。
数回、すぼっ、すぼっ、と互いにやりあう。
むむむ。
こないだは、コロちゃんがいるんだ、と思っていたが、別人(猫)だった。
いったい誰だろう。
どうしたって近づくことのできない相手に、業を煮やしてイライラしているコチカを、
行こう行こう、と促して、通りに向かって歩き出す。
* * *
<塀の上のコロちゃんとのやりとり〜風の嗅ぎ分け方など>
またコロちゃんが見ているので、よしよし〜としてみた。
ふかふかのコロちゃん。
私がこうしていることをコチカが知ったら、どう思うだろうかと思いつつ。。
コロちゃんから手を離してコチカを見ると、
視界の端に私の手を見てからくんくんと風の匂いを嗅ぎ、
これは何だ、と不審な視線を宙に漂わせた。
それから、ふいに顔を上に上げ、コロちゃんを認めた。
ふーん。
こんな風に匂いを嗅ぎ分けるのね。
さて、コロちゃんに気づいたコチカは、冷めかけた興奮がまたまた戻ってきた。
うにゃん〜〜、とたまらなそうな声を上げ、壁に飛びつく。
コーティングしてあるブロックなので、どうにも歯(爪)が立たない。
それにもめげないコチカは、3度、チャレンジした。
3度目には、私が支えてやった。
コチカの鼻先が近づくと、コロちゃんは、はーっ!!!と威嚇した。
優しい顔をしているけれど、コロちゃんはしっかり者なのだな。
コチカも、むにゃむにゃむにゃむにゃ、とやり始めた。
下に下りても、ふっふっふっと、鼻息を荒くし、むにゃむにゃやっている。
偶然なのだけれど、私がコチカの鼻先に手を持っていくと、
コチカは、はっ、と咳き込むような息を一瞬した。
コロちゃんの匂いがついていたからかな???
こんなことは初めて。
どうせ届かないのだから、と抱っこしてやると、
コチカは私の腕を踏み台にして、コロちゃんに向かっていく。
コチカの冷たい肉球が腕の内側にペタペタと触る。
興奮しているのだな、と思い、もう思いとどまらせようと思った。
下に下ろし、体をぽんぽん叩きながら、ご飯しよ、カツオブシしよ、とつぶやくと、
コチカは、grrrrrrrrrr、といいながら、歩き出した。
* * * *
▲
チャコちゃんちのご主人が植木の植え替えをしていて、ほら、あそこ、と指指した。 うちの隣のお宅の屋根の上。 どこから上ったものか、一階部分につけられたひさしの全部を行きつ戻りつして、 興味深そうにくんくんしまくっている。 なすすべもなく見守る。 チャコちゃんちの奥さんも出てきて、ご主人と一緒に見てくれている。 なんとか早く降りてきてくれないか、 と気を揉む人間の気持ちなぞ、どこ吹く風…である。 コチカが入っちゃったんで入らせていただきま〜す!とわめきながら、 庭へ侵入。 ご主人も出てきて、チャチャ〜降りておいで〜、と叫んでくれた。 思いがけず優しいトーン。 コチカが振り返って、あ、あの人ね、という顔をした。 ご主人は長い箒を持ってきて、コチカを庇の端にそぅっと追いやってくれたけれど、 コチカは箒の下をくぐり抜けて、逆方向へ抜け、さらに上に上がってしまい、失敗。 ご主人退場。 |
二つ折になって方向転換する |
私が、ご飯しよ、カツオブシしよーよー、と何度か声をかけると、
コチカは降りてきたそうにしたけれど、どうして降りたらいいやら、さっぱり思いつかない様子。
もう一軒隣のお宅のひさしをじっと凝視。
そのお宅は、家の構造上もっと降りづらそうなのではらはらしたが、
コチカも、飛び移ることは無理と判断したようだった。
ちょうどそのとき、当のお宅の奥さんが出てきた。
状況を見て、コチカ〜おいで〜、と叫んでくれた。
思いがけずのびやかできれいな声…
と思ったら、
たまにはのびのびさせてやった方がいいのよぉ!
といつものドラエモン風肝っ玉母さんの声に戻った。
他の猫たちは庭に植えられた木を伝って降りるという。
コチカにも木ぐらい視界に入っているはずなのだが、
どういうわけか今日のところは、家の庇にしか注意が行かないらしかった。
ったく応用が利かないったら。。
でも、他の猫たちの様子などを見ていたことがないし、
初めて来たところだから、仕方ないのかな。
結局、うちの方側の庇で困り果てているところで、
再度隣のお宅に入らせてもらい、庭に置いてあった脚立を立て、コチカを捕獲。
私の背丈より高い脚立に上ってみると、上空(?)は焼き魚のいい匂いが漂っていた。
ちょうどお昼時だから。。
でも、どこのお宅だろう、通りでは全然しなかったのに。
こんな匂いの中で、カツオブシ、と聞いたら、さらなる冒険よりもそそられるものがあったのかもしれない。
コチカは逃げもせず、私が来るのを待っていた。
あちこちにすりすりしたので、顔が隈取りを描いたみたいに、きったなーくなっている。
抱っこするの、ヤだよーん。。
でもまあ、とにかく捕獲。
ほっ
ご近所のみなさん、お騒がせいたしました。
ご心配いただき、ありがとうございました。
家に連れ帰って、ご飯をまたちょこっとやり、カツオブシを奮発した。
なんか疲れた。
顔の皮膚がぱりぱりする。
そういえば太陽の方角を見ていたのだった。
そばにあった車の照り返しもまぶしかった。
日焼けしたのかなあ。あーあ。。
* * * *
▲
4月19日(水)
昨日、お隣の庇などを散策し、
すりすりお掃除(?)したのできったなーい顔のコチカ。
寝室に入ってきて、
にゃ〜、と言いながら寝ている私の脇の下に向かってくるのだけど、
うわ、やだな。。と思う感じ。
でもそんな私の気持ちをよそに、
当たり前に腕の付け根でもみもみして、
当たり前に前足を折り、
当たり前に顎を置いて、目を細めている。
憎めないわね〜やっぱり。。
* * *
朝、といってもお昼近くの散歩。
チェリーんちの奥さんに、昨日大変だったんだって?と言われた。
へ?という顔をすると、聞いた、とチャコちゃんちの方に顎を向けた。
そうなんですよ、かくかくしかじか、と話すと、
んもーねえ、上がったはいいけど降りられなくっちゃ困るじゃない、コチカちゃん?
とコチカに言ってくれた。
ガリガリに痩せた猫が近づいてきた。
これがこの通りの端っこの空き地に住んでいる猫?
チェリーんちの奥さんが何か食べ物を上げているそうだけれど、
今までは絶対にこちらまで来なかったのに、ようやく来れるようになったのだろうか。
ヨダレを垂らし、この猫もエイズを発症しているのだな。
奥さんは、そばにいたペッタンに、意地悪しちゃだめよ、と言い置いて出かけていった。
コチカも、ふー、と言って戦闘態勢に入ったけれど、
具合悪いんだからだめよ、と胸を抱かえて何度かいったら、
ふっふっ、と言いながらも諦めて、別方向に歩き出した。
* * *
夕方の散歩。
チャコちゃんちの角を曲がって桃の木のあるお宅までくると、
右手の塀の上、奥からぬっと現れたのはコロちゃんだった。
まず私を見てからコチカを見る。
コロちゃんは、コチカが3回ほどこの通りを歩く間中、
猫の正座をきちっとして、じぃーっと見ていた。
かわいいな、コロちゃんも。
* * * *
▲
4月20日(木)
風が強く、上空でも憂鬱そうな雲が押し流されている。
いやな雰囲気の朝。
チャコちゃんちの角を曲がって桃の木のお宅の隣のアパートまでくると、自転車が倒れていた。
敷地内の縁石から道路に向かって倒れているので、
立て直そうとして片手を自転車を持ち上げると、コチカが音に驚いて、道路の端に逃げた。
コチカの首が締まるといけないという頭があるので、私はコチカの方に引っ張られる。
自転車はスタンドが上がってしまっている。
コチカはリードをぴんぴんに張って、さらに逃げようとする。
コチカにリード、私の広げた両腕と自転車で、道一杯である。
ちょっとこっちへ来て、と言ったって、ダメ。
もう一度自転車を倒して置くには、体勢が悪すぎる。。
他人の自転車を放り出すわけにもいかないし。。
ど、どうしよう。。
運悪く、前から自転車に乗ったご婦人がやってきた。
当然、彼女は私がどく、と思うだろう。
ところがそうはいかないのである。
ご婦人の視線を感じたまま、あーらえっさっさー状態の私。
すみませ〜ん、どうにもできませ〜ん!と嘆きのネを上げた。
ご婦人は、あらまあ、どうしましょうねえ、まずあなたを助けましょうか、
と、自転車から降り、私が片手で支えている自転車を直してくれた。
別にそのくらいどうということもないのだろうけれど、
すーっと通り過ぎるところを、手数をかけた、と思いが立って恐縮。
最敬礼でお礼を言った。
ねこちゃんのお散歩なのね、と場つなぎのように言いつつ、ご婦人は行ってしまった。
もーねえ、コチカねえ、こういうのを気が利かないって言うんだよ。。
* * *
夕方の散歩。
肌寒いけれど、でもジャケットを着なくても心地よい程度。
チャコちゃんちの角を曲がってしばらくすると、コチカは背を低くして身構えた。
アパートの階段を下を覗くと、コロちゃんがいる。
コロちゃんは走り出した。
チャコちゃんちの裏口の通路から、駐車場に抜けたらしかった。
コチカは、同じ場所からは行けない、と知っているので、一旦通りに出てから駐車場に向かった。
しばらくフェンス越しに駐車場の奥を見ていたが、再び角を曲がってアパートに向かう。
コロちゃんは、チャコちゃんちの裏口へ続く通路にいた。
コチカは盛んにリードを引っ張り、コロちゃんに向かおうとするが、
コロちゃんは、うぉ〜、と威嚇した。
コチカは、何も言わずに頭を低くしてコロちゃんに向かおうとする。
私はコチカの胸から抱き込み、コロちゃん、嫌だって、放っといてあげよ、と5、6回言った。
コチカはしばらく頭の低い姿勢を崩さなかったが、
次第に体から力が抜けていくようだった。
さ、行こ、と促すと、コチカは桃の木のあるお宅の方向へ向かった。
とぼとぼと歩くコチカの足がぴたっと止まった。
向こうの通りに、
大人になりきらない尻尾の長く黒っぽい猫が、嬉しそうに走って行ったのだった。
向こうは、車が2台すり違える少々大きな通りである。
危ないぞー
* * * *
▲
4月21日(金)
朝、ゴミを出しに行ったら、チェリーがお散歩から帰ってきたところだった。
私を見つけて、おはよー!!!の挨拶をしに突進しようとするチェリー。
私はしゃがんで待っている。
でも、奥さんにリードを引っ張って牽制されてしまった。
ダメよダメダメ!お尻汚れているからー
ウンチがゆるくて毛足の長いお尻の毛が汚れてしまっている、のだそうで。
でも、挨拶するのにお尻は関係ないし、と思ってしゃがんだままでいると、
じゃ、ゆっくりよ、ぶるぶるしないでね、もうね、飛ぶのよー、
としゃべり続ける奥さんの言葉を聞いているうちに、だいたいのことが予測されてきた。
でもあからさまに、逃げるわけにもいかないので、
大丈夫だもんねー、とか言いながら手を出そうとしたそのとき、チェリーがぶるぶるぶる、と体を振るわせた!
私は思わず、2mは飛びのいた。
無意識には勝てませんね、と奥さんと大爆笑。
洗ってやろうと水をかけると、チェリーは怒って噛み付くのだそうだ。
優しいチェリーが噛み付くとはよほど水が嫌いなのね。
でもねーちょっとねーやっぱりねー^^;)
* * *
<お隣のネズミ退治情報:蓄積型ワルファリン入り殺鼠剤の巻>
3月31日に書いた、ワルファリン入り殺鼠剤(さっちゅーざい、と読む?)を置いていたその後。
縁の下に置いておくと、必ずなくなっていたワルファリン入り袋の13袋目が、
運んでいく途中でだろう、袋をやぶり、そこらで中身を食べた形跡があって、
とうとう巣に持っていく体力を失ったらしい、とは数日前に聞いていたが、
以来、今のところネズミは一匹も出ていないらしい。
そのお宅の隣の縁側付近にも石鹸を置いてみたが、かじられていない。
だから、辺りを住みかとしていたネズミの一家は、全滅した、と考えていいだろう、
と隣のご主人は言っていた。
そういえば、ここしばらくネズミの物音を聞いていないような。。
コチカが天井を見つめていることがない気がする。
とりあえずは一軒落着ということだろうか。
* * *
夕方の散歩。
チャコちゃんちの角を曲がると、
コロちゃんはいつものように桃の木のあるお宅の前の塀に留まっていた。
コチカは、コロちゃんの匂いがするのだろう、しきりにくんくんしているけれど、上を見ないので気がつかない。
あちこち行った後、チャコちゃんちの角を2度目に曲がったら、
コロちゃんが通勤帰りの男性にまとわりつきながら歩いていくところだった。
向こうの通りを曲がっていってしばらくしたら、男性はコロちゃんを抱っこして戻ってきた。
いつもそうして戻してあげるんですか、と聞いてみると、
向こうの通りは落ち着かないと思って、と言って、小さな袋を開け始めた。
コロちゃんは男性の手元を見上げている。
コチカは、ンニャロ〜、と意気込んでコロちゃんに向かっていこうとする。
私は胸を抱くようにして牽制し、ご飯しよ、カツオブシ〜、などと言いながら、
なんとか通りに出て、興奮の収まらないコチカを時間をかけてなだめ、家に戻ってきた。
家の門を入ったら、もう諦めてたのか、そこらに首筋をこすりつけながら、すんなり玄関に入った。
ご飯とカツオブシをやけ食いのように食べたあと、2連発でウンチを申告した。
えらいえらい。
最近、コチカの怒りは後を引かなくなっているようだ。
うちの大切な猫に歌う歌、募集中です!
http://www.alles.or.jp/~himauari/songforyourcat._collect.html
結構歌ってしまっているものですよねえ。
http://www.alles.or.jp/~himauari/discussion5_uta.html
よろしければ、教えてください。
* * * *
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4月22日(土)
朝の散歩。
チャコちゃんちの角を曲がっていって桃の木のあるお宅の前の塀の中に、誰か。
コチカが鼻先を突っ込んでじっとしているので、私も腰をかがめて覗くと、
黒っぽい猫の背中が見えた。
横になっているらしい。
コチカは手を突っ込む。
3回目くらい攻撃(?)したときに、向こうからもシュッ!と手が出てきた。
のけぞるコチカ。
引っかかれるぞ。
*
チェリーんちの奥さんによると、
うちから2本向こうの通りに、やはりリードをつけて歩いている猫がいるのだそうだ。
真っ白で、コチカによく似ているとのこと。
へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
会ってみたい!
* * *
夕方の散歩。夫と。
隣の植え込みにアスカがいた。
コチカは、アスカに近づいて、お尻までくんくんした。
ラッキー…と思ったのは人間だけだったらしい。
コチカは急に興味を失ったようになって、
門扉まできて、物欲しそうに下から覗いていたのだそうだ。
アスカの何がどう気に入らなかったのだろう。
* * * *
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4月23日(日)
明け方何度か起こされた。
1度目は声高ににゃーにゃー言っていた。
私は、あまりの眠気に何か言うどころか目を開けることもできなかった。。
2度目はコチカシーツをひっかく音で目が覚めた。
私は、いいからいいから、と適当なことを言ってなだめ、コチカを寝かしつけた。
いよいよ起きる時間になってみると、
コチカは、シーツを折りたたんだ状態で布団の外に出し、私の枕の横に縦長になって寝ている。
思い返すに、ウンチ〜出る〜トイレ〜!!!と必死で私を呼んでいるにもかかわらず、私が起きなかった。
で、ところてん状態でウンチが押し出されたことに気づいたコチカは、シーツを引っかいていたのだ。
果たして、くしゃくしゃになったシーツを両手に持って広げてみると、ころりとブツが落ちた。
当のコチカは、知らん顔して寝こけている。
ちゃんとすべきことはしたもんね、ちゃーちゃ。。
* * *
夕方の散歩。夫と。
ひげ雨。
人間には傘が必要だが、コチカは全然平気、というやっかいな雨。
しかたなく夫は傘を差して行った。
当然だぁれもいなくて、とても平和に帰ってきたそうな。
足がちょっと汚れるけれど、悪くはない感じ。
* * * *
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4月24日(月)
朝、チェリーんちの奥さんが、キャリーを借りに来た。
<怪我した猫を見つけたので、獣医さんが来てくれるまで中に入れておく>のだ、と言っていた。
4月12日に、チャコちゃんちのお宅の角で猫のケンカがあり、
そこらが血だらけになっていた、と奥さんは心配していたけれど、
どうやらそのとき怪我した猫らしい。
以来、姿を見せなかった。
見に行ってみると、尻尾が長くアメショーらしい猫。
姿を見せなくなるまで2、3回、チェリーんちのガレージにご飯を食べに来ていたのだそうだ。
私は見たことがなかったけれど。。
今朝チェリーたちの散歩のときに見つけたとき、声をかけたら、すりすりしてきたから、
飼われていたんじゃないか、と言っていた。
右手首を噛まれていて、くしゃみをしている。
すぐよくなるといいけど。。
* * *
朝の散歩。
丸っこいおばあさんに会い、しばらく立ち話をした。
不思議なことに、コチカは話が続いている間は、動かない。
でも、今話している話題が終わり、次へ移ろう、とする頃には、
うゎぁ〜とか低く言って、歩き出そうとする。
話が収束するのがわかるのだろうか???
話の途中でチャコちゃんちの奥さんがチャコちゃんを抱っこして出てきた。
またカメラを持ってきていない。ち。
* * *
夕方は、6時を過ぎてもなかなか散歩に行けないでいるうちに、
雨が降ってきてしまった。
どしゃぶりである。
納得いかない……というより、納得いきたくない(?)コチカ。
悲痛な声を上げてうろうろしている。
あきらめんさい!
* * * *
▲
4月25日(火)
夕べ降った雨で濡れた道の乾くのを待って散歩。
チャコちゃんちのご主人と話し、
アパートのみいちゃんとみいちゃんの飼い主さんとベランダ越しに話してから、
のんびりして歩いているうちに、かーっと陽が強くなり、
のっそりのっそり歩いているコチカの毛並がまぶしい。
目が痛いほどにまぶしく感じるのは、少々肝臓でも疲れているのかな、
別に飲みすぎてるわけじゃないのに…なんて思っていたら、
空が異様に曇ってきた。
そそくさと散歩を切り上げて家に入ったら、
南に面した居間の空気が黄色がかったグレイで。
きったなーい色して、こんなところで仕事すんのヤだな、
別の部屋に行こうかな、と考えていると、
重たそうな雨音が庇を叩き始め、間もなくざざっときた。
同時に、ばりばりばり!と雷。
花火が炸裂するみたいな派手な音で、さすがのコチカもはっと顔を上げた。
うーん。これにはまいった。。
たいてい、ちょっとした雷にはコチカはピクリともしない。
雷が鳴ったときのコチカの動じない様子は、
一人でいる私の唯一の頼みの綱である。
なのに、コチカがびびっていたら、私は誰を頼ればいいのよー
* * *
昨日、
チェリーんちの奥さんに保護されて獣医さんに連れていかれた猫が、戻ってきた。
50cm四方くらいのケージに入れられていた。
ということは、しばらく安静にしていれば、大丈夫ということかな。
* * * *
▲
4月26日(水)
<怪我した猫情報:チェリーんちの奥さんから>
手の指が千切れそうになっていたので切断し、
皮を伸ばして傷口を覆う手術をしたのだそうだ。
痛そ。。
ではコチカのように腕の毛を剃り、皮膚がむき出されているのだろうか。
色のついた(?)猫の肌はいったい何色なのだろう。
元々体も大きいし…コチカくらいあるのだそうな…、よく食べる、
ということなので、回復も早いだろう。
* * *
キャリーが返された。
洗って乾かした、と言っていたので、
受け取ったままいつもの場所に置いたら、
コチカが持ち手やふたを丹念に匂いを嗅いでいた。
これでどれだけの情報を得たのだろう。
* * * *
▲
4月27日(木)
夜中から結構な雨。
朝もやまず。
お散歩はお預け。
* * *
外出した際に、韓国料理資材店(?)に立ち寄ってみた。
日本ではお目にかかれない鍋などを興味津々で見ていると、
店の奥まったところで、小さく黄色い虎猫が出てきた。
ダンボールの切れ端などが乱雑に置かれているので、
何かの下から飛び出てきたのだろう。
か〜わい〜!と見とれていると、次から次へ、全部で4匹、出てきた。
去年の7月にうちに来たミュミュ改めミニ・ミーよりも大きく、足取りもしっかりしている。
生まれて1ヶ月ちょい、ってとこかな。
2匹がマジックペンを転がして遊んでいる。
尻尾をピーンと立て、追いかけたり互いにぶつかったり。。
別の1匹が私の足元に来たので、
おなかの下にそっと手をやってみると、ぽんぽんによく太っている。
私のひものないスニーカータイプの靴をくんくんし、
ズック部分で爪で掻いた!
こらこら、と言いそうになったけれど、足に何も響いてこないくらい、大したことないのだ。
かわいいよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。。
* * *
夕方の散歩。
桃の木のお宅の隣のアパートの低い塀のところで、
コチカがやけに身を低くしてじっとしている、と思ったら、
塀の裏側に小さな黒っぽい新顔ネコがいた。
この猫はいったいどこに住んでいるのやら。
<コロちゃんと男性>
男性が、チャコちゃんちの角を曲がってきた。
塀の上のコロちゃんを撫ぜると、待ちかねていたようにコロちゃんは下に下りた。
しなやかな身のこなし。
夜に見る猫の肢体ってなんてステキなんだろう、と一瞬思ったら、
新顔ネコを狙っていたはずのコチカが、コロちゃんに気づいた。
狙いの方向を変えて、新たに凄み直して(?)いる。
コチカに気づいたコロちゃんは、また塀の上に避難してしまった。
二人のお邪魔をするわけにはいかないので、
私はコチカを持ち上げて、角まで歩いた。
通りへ出て、
さーコチカ、帰ろう、ご飯しよ、カツオブシしよ、と言いつつ歩くのだけど、
どうにもコロちゃんが気になるコチカは、コロちゃんのいる方向を向いて、座り込んでしまった。
コチカと私、
互いに別な方向を見てシカト状態でいると、チャコちゃんの奥さんが出てきた。
ほらあそこ、と一緒に角から覗くと、
男性は、桃の木のあるお宅の縁石に腰を下ろして、コロちゃんを抱っこしている。
あらあ。。
もうべったり。
まさに蜜月ですね、とひそかに笑いあった。
あっちへ行かねば!といきり立っているコチカを胸から抱いて牽制しながら、
しばらく奥さんと、いろいろうわさをした。
奥さんもチェリーんちの奥さんに聞いているのだろう、
コロちゃんと男性との関係(?)を、ほぼ正確にわかっているようだった。
そんなこととは露知らずなんだな、彼は(笑)。
* * * *
▲
4月28日(金)
<塀の上のコロちゃんに飛びついた>
夕方の散歩。
コチカは塀の上にいるコロちゃんに飛び掛ってしまった。
2度ほど塀の下を歩いたときには、塀の上にいるコロちゃんに気づかなかったコチカも、
匂いが上から降り注いでいる、ということにようやく気づいたのか、はっと上を見た。
暗がりに真っ黒な目が見開かれている。
塀に飛びつこうとしているな、と思ったけれど、
どうせ上までは行けまい、と高をくくっていたら、
なんとコチカは上まで行けて、コロちゃんの肩か頭に爪をかけた。
ぅぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜!と叫んだのはコロちゃんだったのだろうか。
塀の向こうに降りようとしたコロちゃんから手を離さなかったコチカは、
そのまま引きずられるようにしてずり上がった。
このままでは向こう側に降りてしまう!と思った私は、
コチカの尻尾をつかんだが、いかんせん、まだブタの尻尾。
手が滑ってしまった。
コチカの背中が丸くなり、後足も塀の上に届きそうである。
とっさにコチカの脇腹あたりの皮を両手でつかみ、指先に力を込め、力任せに引き摺り下ろした。
地面にぼたっと落ちたコチカは、塀に沿って走り出した。
玄関を通り過ぎた向こう側の庭部分で、センサー式の電灯が点いた。
きっとコロちゃんが走り抜けたのだろう。
あー危ないところだった。
塀の向こうにコチカが下りてしまったら、リードを私の手首に巻きつけていたので、
首吊りになってしまう、という頭があるから、私はきっと塀を乗り越えただろう。
いや、手首のリードをうまくはずせたとしても、
リードがついていたままでは危ないから、何にしても塀を乗り越えたはずである。
こういうときの人の反射神経は、自分が思っている以上に無意識のうちに的確に働くのである。
自分が何をしたか気づくのなんて、塀の内側にどさっと落ちて、
不審者侵入を感知した警備保障の警報が鳴ってからだろう。
コチカが大丈夫だと確認したら安心して、ことの次第がわかるだろう。
しまった、と思ってからの動きは途端に鈍くなり、今度は塀を乗り越えるのにもほうほうの体になるに違いない。
そして、警備員が来たりして、事情聴取などされ、始末書なぞを書かされ、
そこのお宅には、菓子折りかなにかを持って謝りに行き、
ご近所の一軒一軒にも、お騒がせしまして、と言って歩いていたことだろう。
ツルカメツルカメ。。
こうして今何事もなかったかのように知らん顔していられる今、なんて幸福なんだろう、と思わずにはいられない。。
それにしてもコチカの力の強いことったら……
渾身の力を込めてコチカを引き摺り下ろしたお陰で、
膝ががくがく振るえ、泣き出しそうに興奮してしまった。
なぜコチカが塀を登れたのか、と後になってよく見てみたら、
長きの風雪に耐えたせいだろう、ブロックとブロックの継ぎ目がこそげて、
ちょうどコチカの手足の爪が引っかかりやすいようになっていた。
これでは、足の弱いコチカでも登れてしまう。
いつなんどきでも油断は禁物なのですね。。
コロちゃんは大丈夫だったろうか。
あれからまた、男性を待つために、塀に登っているだろうか。
ちょっと心配。。
* * * *
▲
4月29日(土)
はっきりしない空模様に、今日一日どう過ごすべきか、
よくわからなくなってしまって、ただ寝そべるだけの人間二人。
みょ〜に静かな空間。
平和の極意ここにあり!みたいな。。
うとうとしている夫のすぐそば、夫と体を平行にし、同じ方向を向いてコチカが寝ている。
気持ちよさそ〜
私が台所に出ようとして、そーっと立ち上がると、
む?と夫とコチカが頭を上げ、同じようにしょぼしょぼした目をしてこちらを見る。
そして頭を平行移動させて元の位置に戻し、また目を閉じる。
ビデオにでも撮れたら面白かったろうな。。
* * *
夕方の散歩。夫と。
コロちゃんは、いつものところにいたそうだ。
よかったよかった。。
でもコチカを見て、すぐに姿を隠したそうな。
しばらくはしかたがない。
*
午後8時ごろ。
うぎゃ〜〜〜にゃぁ〜〜〜!!!という猫たちの叫び声が。
7回を数えた頃、チェリーんちのドアの開く音が聞こえた。
奥さんが箒を持って出てきたのかなあ。
* * * *
▲
4月30日(日)
ありゃあ、もう4月も終わりでっか。
初鰹でんがな。。
って、今年は山菜が出てくるのが遅かったので、今ごろまでまだ楽しめます。
よい春じゃ^o^/
……と夕食まではよい調子、よい気分で布団に入ったのはよかったが、
(↓ここから長いです、すみません。。)
<縁の下に下りてしまった……忍者の抜け道発見?>
朝4時ごろだろうか、目が覚めたきり眠れずに居間に下りてきて、
ネットをつらつら見ていたら、あっという間に5時半を過ぎたので、
さあ、寝ましょう、その前にちょっとトイレへ、と玄関の方に向かったら、
玄関の上がりはなの脇にかけたスリッパかけ…すだれに4足分ほどのひもをかけて作った…が、
ちょっとずれていて、
その裏にある、元は小さな靴箱だった名残の引き戸が、猫1匹分、開いているっ!
この引き戸、靴箱として作られたスペースを、ある理由によって塞いであり、
引き戸を開けると、ベニヤ板が打ってあるのは知っていたが、
ちょっと向こうへ押してみると簡単に押されて、なんと、下側が真っ暗に開き、縁の下の冷たい風が吹いてきた。
こうなっていたとは!
まるで忍者の抜け道みたいではないか。
コチカはここから下に下りていったのね!あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あーもー知らない知らない。
こういうときには、一旦忘れた振りをするに限る、一旦寝よう、と寝室に向かった。
布団に入ると、夫が何かむにゃむにゃ言ったので、
こういうわけでコチカ縁の下に行っちゃった、というと、
向こうを向いて寝ている夫の顔の辺りの空気がピタリと止まるのが感じられた。
なにそれ?
と言って、また空気がピタリ。
そして、
ちょっと見てくる…がばっ!と起きて、夫は下に下りて行った。
私は、縁の下からコチカはうまく出てこれるのだろうか、と考えをめぐらした。
後から夫に聞いたら、コチカは明るいところをめざすだろうから、
縁の下の小さな格子状の空気口まで来て、助けて〜と声を上げたら、
鉄の格子をゴリゴリ切断するのか、と思っていた、と言ったが、
私は私で、夫が頭に懐中電灯をくくりつけて、
縁の下に潜りこみ、コチカを引きずり出すのかと思っていた。
二人とも真っ黒になって出てくるんだろう。
お風呂を沸かしておくべきか…
暗澹とした気分でいると、
階下の縁側のある廊下辺りから、チチョー、と夫がコチカを呼ぶ声が聞こえた。
あわてて下に下りていくと、コチカ歩いてるよ、と夫。
窓から外を見ると、白いもこもこが、のうのうと庭を散策している。
ほっっっっっっっっっっ
とした同時に、新たな問題が浮上した。
コチカが縁の下から出てきた、ということは、
忍者はもちろん、コチカ大のネズミが出入りできる、ということである。
むむむむむ。
なんとかせねば。。
でも、まず目の前にいるコチカをなんとかせねば。
私が庭に下りようとすると、まあいいじゃん出てきたんだから、と夫は暢気なことを言っている。
もう心配するのは、嫌だ。
私は寝たいの!
と私はスニーカーを持ってきて、パジャマのまま庭に降りた。
伸び放題になっている木々の枝をくぐって、コチカに近づき、
興味深げにくんくんしているコチカをそっと抱き上げたが、コチカは何にも言わなかった。
家に入れ、すかさず台所につれてきて、ご飯をやった。
コチカは不満そうな様子でもなく、ご飯を黙々と食べ、
人間が二階の寝室で寝ようとすると、当たり前にやってきて、当たり前に布団に入ってきた。
灰色〜の顔をして。
ったくねえ。
またやってくれたな、あーあ、な朝でした。。
* * * *
▲