2001年11月

~~~ミルク色のコチカ~~~


奮闘記 -6-



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金色のリボンを丸く巻いたものをボールにして、
結構盛りあがり、1時間くらい遊ぶ。

左右の手でのドリブルは見もの。

2001年11月2日(金)

コチカが来て、2ヶ月が過ぎ、
脚が悪かったことなど嘘のようによくなったので、
ようやく可哀想な写真もお見せしようという気になった。

2001年9月9日。

うちに来て1週間目。
立つときには前脚で支えて腰を持ち上げ、
後脚をそろえて置き、それからそろそろと歩いていた。
後脚はつま先が猫足にならないので、
足の甲を引きずっていた。
2001年9月22日。

うさぎの毛でできたネズミの起き上がりこぼしに夢中。
このネズミのお陰でめきめきと成長しだした。
2001年9月29日。

この頃はもう左右の脚を交互に出して歩けるようになっているが、うまく体を支えきれず、遊ぶときにも脚を投げ出して
坐ることが多かった。

今はもうこんな風にはならない。

神経が完全に切れていなくてラッキ-だった。
ここまで回復するとはお医者さんも思っておられなかったろう。

尻尾も徐々に神経が繋がってきているようで、ますます動くようになってきている。
まだ見えない部分で若干の障害が残っているようだが、
ここまできたらもう普通の猫である。

あとはトイレ。もはやこれができなきゃ同情の余地は全くないよコチカ!




 *  *  *  * 




11月3日(土)

なぜかおなかがピーピー。
抱っこしたくないほど汚しているので、朝の置き抜けからお湯につけてやった。
昨日、砂肝の焼いたのを上げ過ぎたからか。
久々にオムツをして、ひと遊び。

オムツを替えてから、人間は外へ。
オムツをしているのでケージから外に出したままにしたら、
帰ってきたら、なんとオムツがとれていた。
すでにおなかは治っていたので、汚していたのはほんのわずか。やれやれ。

しかし、畳を汚したことで叱られると思ったのか、ベッドのトレーの中で
タオルの上でもなく、おしっこしてしまっている。あらあらら。

* * *

自主的にトイレに入ったとき、きちんとおしっこしていた。えら〜い!

* * *

再び外出して、帰ってきてみると、
ベッド・トレーの上でうみうしのように平べったくなってじっとこちらを睨み付けている。
なにかと思ったら、トイレをひっくり返したのだ。砂がばらまかれている。
身体が重くなったので、ここのところ毎日これをやってしまう。

それにしても私はこういうことで叱ったりしない。
あーあ〜と言うくらいだ。
なのに、身構えるところが面白い。
普段と違うことをやっちゃった イコール いけないことをした・・という意識があるのだろうか。




 *  *  *  * 




11月4日(日)

6時間の長距離ドライヴに備えての初めてのドライヴ。
移動2時間、車の中でお留守番1時間。

前のように鳴き叫ぶことはなかったが、
車の中は自分の匂いがないのでやはり落ちつかない様子。

ボックス型の新トイレを持ち込み、入れてやったらたちまち穏やかになった。
自分の匂いが満載されているので、ほっとするらしい。
トイレの中で、目をぱっちり開いたままうずらの卵スタイルで坐っている。
人間が買い物に出ている間は、七転び八起きで遊んでいた。
帰りは少々慣れたらしく、時々うとうととしていた。

*

家に着き、玄関に入ると、ああここここ!という感じでトイレから出てきた。
車の中でずっと坐りっぱなしだったので、家に帰ってきてから
ひとしきり遊ぶ。
遊んでいたと思ったら、いきなり眠ってしまった。
車の中ではよほど緊張していたのだろう。

*

起きたら、今日も金色リボンの輪で1時間大奮闘。
いったい金の輪のどこにそんなにもかきたてられるものがあるのだろう。

* * *

ケージを60cm四方拡張。
身体が大きくなってきて、スペースが狭くなってきたことと、
長時間のお留守番に備えてのこと。

* * *

外には出してあげられない、完全な家猫なので外で遊ぶとき用に、
猫用ハーネスと6mの伸縮自在リード“フリッピー”を購入。
早くどこか広いところに行って、思いきり走らせてあげたい。

* * *

今日は自主的にトイレに入ったが、おしっこは出せなかった様子。
したくなると、にゃ〜と言いにくるので人間が出してあげた。
しかし、なるべく自分でしようとする本能からか、言いにくる割には前よりも嫌がる。






 *  *  *  * 




11月6日(火)

新しく拡張したケージに新トイレだけだと遊んでばかりいるので、旧トイレも入れた。
そんなわけで、山越え谷越えして遊ぶ。
新トイレは砂を掻くと下が透けて見え、気が散るらしいので、下に紙を敷いた。

この新しい空間はすぐに慣れ、気に入ったようだが、トイレをあまり使わなくなったような。

寒いからかもしれない。思いきり遊んだ後は比較的トイレに入るのだ。
その辺ではもう滅多におもらししない。






 *  *  *  * 




11月7日(水)

購入した猫用ハーネスをつけてみた。
なかなかうまくいかないものだ。

リードは小型犬用なのだが、フックがコチカには重いようである。
気になってなかなか慣れないので、キーホルダーの取りつけフックに変えてみた。
今度は軽くてよかった。
が、歩き出してみたら、ハーネスは簡単にするりと抜けてしまった。


まだ子猫なので大きいのだろうということで、いろいろ工夫して少々きつめにしたら、
余裕はあるようだが、やはり違和感があるのだろう。
コチカ!と呼んだら、前進する代わりにすすすっと後に下がっていってしまった。
その後も前に進むよりは、後に下がっていってしまう。
目を真ん丸にしたまま下がっていくので、コントみたいで笑ってしまうのだが、
コチカは非常に不可解で不愉快なことだろう、というのでハーネスはやめにし、
以前につけていたのみ取り用の薬用首輪をしてみたら、結構いけそうだったので、
首輪を買うことにした。






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11月8日(木)

猫用首輪を買ってきた。
いろいろ種類はあるのに、薄いピンクが、ない。
仕方なく、コチカの好きな黄色にした。似合わない。。

鈴がついているので興味津々で寄ってきた。
つけてみると、鈴の音がどこにあるのか、探そうとするのだが、
鈴は自分のところで鳴る。
それがわからないのだ。
きょろきょろしつづけるが見つからない。
不安そうににゃーにゃー鳴いていたが、そのうち丸く座り込んでしまった。
コチカのいらだちを思うとこちらの頭もぎーんと痛くなってくる。
とってやろうかと思っていると、
動くと鳴るし、じっとしてると鳴らない、ということがわかってきたあたりで、
コチカの神聖な場所、ボックス型の新トイレにしばし篭城。

どうしたものだろうか。
私も基本的に鳴り物は嫌いなので、鈴をとってしまおうか。
でも普段はしないのだし、ドライヴの途中に放すのであれば、鈴があった方が便利か。






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11月9日(金)

帰省。
車とフェリーで休憩を含めて9時間の旅。

ボックス型トイレに入れたままで、私と二人でリア・シートへ。
ときどきふた(ドア?)を開けてやると、外を興味深そうに眺めていた。
こちらが疲れてドアを閉めていたら、外が気にかかるのか、のっそり出てきた。
そのまま膝の上で縦になったり横になったり。
朝、下痢気味だったためにオムツをしていたので、人間も全く安心だった。

雨が降っていたので、外に出すことはできなかった。残念。
車の休憩時間にはコチカは車内でお留守番。
車のドアにトイレのドアをくっつけて置いて、出られないようにしておいた。






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11月10日(金)

実家につくと何を置いてもコチカのケージを組みたてる。
ベッドの下への侵入を防ぐための、畑を被う青い網をベッドに設置。
その間コチカはあちこちを探索。ひと通り済むと自分のベッドでくつろぐ。
その間、人間は夕食。

* * *

一緒の部屋に寝ることになるので、夜中に暴れないように、
寝る前1時間くらい遊ばせる。

リードを使ってみたい夫が外に連れだそうとしたら、
恐がって大鳴きしたので、
仕方なく家のガレージでちょっと探索しただけでおしまいだったのだそうな。

*

あとは室内で。
伸縮自在リードの先にリボンで作った花をつけて、コチカ釣り。
ジャンプジャンプ!
慣れない場所のせいか、遊んでいてもおしっこをちょこちょこ漏らす。
私たちの部屋が板の床で本当によかった。

* * *

夜中にがさがさキャット・フードを食べている。
随分長いこと食べている。
思えば、飲まず食わずで来たのである。
道中はあげても何も口にしなかったのだ。
その次にトイレ。偉いぞ!
一度私と目が合ってしまったのでしばらくの間、遊ぼうよ〜とけしかけていたが、
完全無視したら、諦めた。やれやれ。






 *  *  *  * 




11月11日(土)

法事のためにお寺へ。
初めての場所に放っておくのは可哀想なので、連れていった。
家から1時間の旅。

早く目的地に着いたので、リードでお散歩。
やはり猫。端っこにばかり行く。
お寺の木戸の蜘蛛の巣の張っているようなところや木の茂みとか。

車の旅もすっかり慣れたようで、人間が車外に出るとなると、
割合簡単にボックス型トイレに入っていく。お利口なもの。






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伸縮自在リードをつけてのお散歩。
人の足の陰から、そ〜

11月12日(日)

またお出かけ。
車で1時間半くらいのダムへ。

ダム周辺の草地でお散歩。
草の真ん中においてみたら、及び腰でしか歩けない。
よちよちとベンチのあるところへ。
その回りをくんくん嗅ぎまわって、ようやく納得。
離れている人間のところへも元気に走ってこれた。

* * *

車の中にいるとずっと眠っているので、
夜の遊びは濃厚で長い(???)。
人間がへろへろになるまで続く。






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11月12日(月)

再び東京へ。
寝たきりになる車中のために遊ばせながらの荷造り。
動物は大好きだけれど、飼うのは嫌いな母が、ベランダでコチカの相手をしている。

やはりちょこちょこおしっこをもらす。
環境が変わったせいで、いつもなら鳴いて知らせるのに、それもない。
遊びの最中にトイレに入ることもない。

* * *

車の中では必ず膝の上に来る。
眠っているかと思うと、ときどき這いあがってきて、
あごから鼻にかけてべろべろ舐める。

これは朝起きてすぐや、何時間かぶりに抱っこするときに、必ずやる動作である。
私はたいがいお尻を押さえて縦に抱っこするのだが、
コチカは両手で人間の鎖骨のあたりを押さえて伸び上がり、
まず私のあごに鼻先をくっつけ、そしてべろべろと舐める。
ときどき手を頬に伸ばし、そして舐めることもある。
そんなときには爪も出ていない。
舌はたいてい湿り気が少なくて、ぺろぺろというよりはざらざら舐める、という感じ。
擦り傷にならないかと思うくらい痛い。

でも車の中ではずっと人間の膝の上で眠っているので暖かくなっていて、
舌も唾液で充分湿っているせいか、ぺろぺろ、とひとつも痛くなかった。

コチカはキャット・フードを食べているせいか、あるいはまだ子供だからか、
口がひとつも臭くない。
ヨーロッパ(特にチェコ)の猫は生の牛肉を食べるので口が臭い。
あんなでは、どんなに心情厚く舐められるとしても、絶対辞退したい。

* * *

膝の上で毛繕いをしているとき、
誤って私の手を舐めてしまうときがあるのだが、
それはそれでいいらしく、引き続き舐め、挙句の果てにちゅうちゅう吸う。
そして両手でもみもみと押すのだ。
まだ子供だから母親を思い出すのだろうか。
それとも猫ってこんなもの?

* * *

車中ではトイレに入ろうとしても揺れてできないので、
おねしょを容認していた。
でも人間が外にいる間に一度くらいしたようだ。イェイ!

* * *

家に着いて玄関に下ろすと、やったーとばかりに走っていった。
角も上手に曲がっていく。当たり前か。
人間が荷物を下ろしている間、あっちへこっちへとはしゃぎまわっていた。
コチカ、お疲れさま!






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11月14日(水)

いつもの日常にすっかり戻った。
あまりおねしょをしなくなっている。
ウンチも前ほど粘液を出さなくなっている。
まだ自分でトイレには出せないけれど。

* * *

日に一度の人間の手とのレスリングはさらに激しさを増してきた。
こちらもどうすればコチカがより興奮するか、
というのを知っているからだけれど、
なかなかやめないので、手などおでんに入れる、
練り物のタコの揚げ物状態である。






 *  *  *  * 




11月15日(木)

今日は一身上の理由で脱力感にみまわれて過ごしたので、
コチカのことをなんとなく忘れていたせいか、そこらここらで
おもらしした。最も前にしたのの臭いが残っていたらしい場所
でのことなのだが。

いつもコチカのおしっこを頭の片隅で見張ってないといけないのだ。
いつまで続くのやら?

* * *

とんでもないことをしてしまった。
私は居間で籐の椅子に座って仕事をするのだが、
椅子を持ち上げて坐りなおしたとき、ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
と聞いたこともないような悲鳴を耳にし、心臓があふる思いがした。
コチカが椅子の下にいるのに気がつかず、尻尾をふんづけて
しまったのだ。その後逃げてしまったが私が近寄っても恐がらないし、
普通にしているのでほっとしたが、ごめんねコチカ。

* * *

昨日の夜、遊びに夢中になっているのに、ミルクでおびき寄せ、
無理やりケージに入れ、ドアを閉めてしまたのが、いやな印象として
残っているのか、お水もキャット・フードも細切れにしか食べにいかない。
食べている間に締められる恐れがあるからだろう。
ミルクを上げようとしても、ケージの中に簡単に飲みにこない。

思わぬストレスをかけているものである。
これからは、ケージに入れるにしても何かでおびき寄せることはやめよう。






 *  *  *  * 




11月16日(金)

寝室の窓からひさしへ出ていってしまった。
いつもは寝室の戸を閉めてあるのだが、わずかに開けてあったのを
自分でこじあけて部屋に入り、布団を干してあったので開けてあった
窓から出ていったのだ。
大家さんが住む母屋とは棟続きになっているので、かなり広いスペース
を散歩できる。母屋の物干し台の下にもぐったり、あっちへこっちへと走りまわる。
今日は暖かく良い日だったのでさぞかし気持ち良かっただろう。
しかし窓の柵からすぐのひさしは傾斜が急なのでちょっと心配した。

おいで、といっても来やしない。

陽射しが強く、顔がじりじりする。参ったなと思っていると、
どうしたの?と顔を出した大家さんが笑いながら、こらっ!と言ったら、
コチカはびっくりして飛んできて、抱き上げたらおしっこをした。

やれやれである。
しかしながら、やはり外に出たいのだ。

いつも窓の敷居に坐ってしきりになんかつぶやいている。ときどき
こちらに向かって大声で叫んだりするのは、外に行きたい!といって
いるのだろうと思う。

* * *

階下に下りてくると、用事を続ける私の後をついて、にゃーにゃーと苦情を言っている。
まだ外にいたかったのだろう、と勝手に思っていたが、食事をしようと
テーブルにつくと、膝に乗るやいなや毛繕いもおざなりにして寝こけてしまった。
疲れて眠かったのである。よほど緊張して歩き回っていたのだろう。

* * *

今日はおしっこは言いにくるし、自分でトイレにも入ってしていた。
一進一退というところか。






 *  *  *  * 




11月18日(日)

ここのところ、コチカは急に大きくなった。
もうあお向けになっているコチカを、脇から手を入れて起こすのに、
昨日まで片手でできていたのに、今日からできなくなった。

コチカは目覚めると、4回くらい立て続けにあくびをし、何度ものびをする。
他の猫とどの程度どうなのかわからないが、ずいぶんのびするな。。という気がする。
そのせいか無駄なくメキメキと大きくなっているように思う。






 *  *  *  * 




11月20日(火)

いまだにダニがいて、人間までかゆくて閉口するので、入浴させた。
前ほど怯えなくなった。3回鳴いたくらい。
ダニとり用シャンプーで書かれている通り、5分ほどごしごし。
ずいぶん肉付きがよくなって、水に濡れてももうちっともみすぼらしくない。
立派になったもの。

* * *

ときどき黒いウンチをする。
どうしてだろう。
その場合いつも小さい。

* * *

ここ数日はそこらにおもらししなくなってる。
自分のベッドでもほとんどしない。
遊んでいるときに2度ほど、トイレに行く。
しかし、やはり自分では出せない。
よほどぎりぎりになってくると、あたりの臭いを嗅ぎはじめ、にゃーっと鳴いて知らせる。

肛門の締まりもよくなってきて、
ウンチが出るときにもじくじく粘液が出ることもない。
尻尾が動くようになったことと関係があるのだろうか。
歩くときにもピーンと立つようになったら、おしっこも自分でできるようになる、ような気がする。






 *  *  *  * 







ひさしで羽を伸ばすコチカ。
猫らしい姿。。

11月22日(木)

一度出ていって味をしめたので、外に出たくて仕方がない。
獣医さんに相談したところ、まだ妊娠しないし、
身体が完全に整うためにも出してあげた方がいいでしょうということだったので、
大家さんにそれを話したところ、承諾してくれ、コチカをうちから母屋にまたがるひさしに出した。
広い部分でゴロゴロと背中を擦りつけ、母屋の物干し台とひさしの間にもぐり込み、探索。
汚れるな、と思うが仕方がない。放っておいた。

40分後。どこかで聞いたような声がするので探しに行ったら、
出した方とは反対側の窓のひさしで不安そうにしている。
上から順々に下りてきたものの、
上にも戻れず地面に下りるには高いしで立ち往生になってしまったのだ。
足元を掻いているのはびびっておしっこをもらしたのだろう。

なんとか近所の人々に助けられて救出できたが、
今後もこういうことだと困ってしまう。
それにおとといお風呂に入れたばかりなのに、すっかり汚れてしまい、
グレイのコチカになってしまった。
白い猫というのは汚れが目立つのだった。
色つきの猫なら、気にも留めずに抱いていることだろうが。






 *  *  *  * 




11月24日(土)

コチカを公園に連れて行き、木に登らせたりして遊ばせた。
最初のうちこそリードをつけていたが、考えてみれば知らないところは恐いので、
勝手にどこかに行ったりしないのだ。
リードをとって、人間が移動し、後を追わせた。

木の葉の上をおっかなびっくりに及び腰でついていく。
子供の声や犬の走る様子が気にかかるようだ。
ときどき追いついて、足に飛びついてきたりする。犬みたいな猫である。

* * *

古い桜の木が何本かあり、上るのに丁度良い傾斜なので、
そこでしばらく木登りした。
ちょっと上っては私たちがいるかどうか、視線を送ってくる。
私たちが見ていると安心するのか、どんどん高いところへ上っていく。

行きは良い良い帰りは怖い〜。
上ってみたのはいいけれど、戻るときには急だったりする。
あ〜れ〜とか恐いよーと言っているのだろう、みゃーみゃー声をあげながら下りてくる。
手をぱーっと広げて爪を立て、筋肉を思いきり緊張させて。

よく見ると、まだ後足が不完全である。
つま先が前足のようにぱあっと開かないのだ。
充分に爪が出ないので、あまりに急な幹だと恐くてなかなか下りられない。
ときどき後足をずるずるとひきずったままだったりもする。

*

あまり爪を切らないでいてよかった。
いつだか切り過ぎてしまい、カーテンも網戸も上れなくて、
かわいそうだったことがあった。

以来、あまり切らないのだが、時期が来るといもむしが脱皮するように
古い爪がはがれるので、切る必要性をあまり感じない。
だから切るとしても1mmの半分くらいにして、
人間が爪を立てられて、痛くない程度に切るくらいにしていたのだ。

* * *

1時間ほど木登りしていて、もう寒くなってきたので帰ろうとしても
降りてこようとしない。慣れてきたので面白くなってきたのだろう。

車に入ると、ボックス・トイレにのそっと入り、すぐに丸くなった。
家についてもその辺に坐ったりして元気がない。
ケージに入れてみると、ミルクを少し飲んだだけで眠ってしまった。
いつもと違う環境で緊張もし、筋肉をいっぱい使ってちょっとハードだったかもしれない。

家に帰ってきても自分のベッドの中でおまんじゅうを押しつぶしたような顔でじっとしている。
人間が食事をする頃には、顔を隠して眠りこけ、2時間くらい爆睡した。

* * *

後足をなんとかしなくてはならない。
度々木登りなどでトレーニングさせようと思う。






 *  *  *  * 




11月25日(日)

普段とは違う運動をして死んだように眠ったコチカは、
今日また一段と大きくなった。
いつもの通りおしっこさせるのに、なんか具合が全然違う。
生き物の成長ってすごいですね。






 *  *  *  * 




11月26日(月)

キャット・フードがなくなったので、病院に調達に行ったついでに
コチカの足を見ていただいたら、右の爪が減ってませんね、と言われた。
心配していたのは、左だったのだけど。
素人ではわからないものである。

木から下りてくるときに、爪が立たなかったりするのは、
まだ下り方がへたくそなんでしょう、といわれた。
ふむ。そうかも。

* * *

かなり前から肛門の両脇に小さな穴が開いていて、
排便毎に白い膿が出ていたのだが、
これは肛門腺といって、機能していない器官なのであり、
そこに膿がたまることはあるが、なんの異常もないのだそうだ。
ふーん。。
知らないことってたくさんあるもの。

* * *

今日は最近には珍しくベッドにおもらしをしていた。






 *  *  *  * 




11月27日(火)

今日はあまり運動ができなかった。
そのせいかベッドでおねしょしている。
トイレにも自分では1回くらいしか入っていない。
う〜ん。
こういう日は気が重くなってしまう。






 *  *  *  * 




11月28日(水)

ピアノの部屋に初めていさせた。
私がピアノを弾いている間中ソファーで寝ていたが、
大きな音を出したときに見てみると、うるさそうにこちらを見ている。
自分の部屋にもどればいいのに。






 *  *  *  * 




11月29日(木)

夫を避けるようになってきた。
コチカ!と呼んで、遊んでいるところを急に捕まえたりするから。
可愛さ余って、というところらしいしが、
コチカはちょとしたことでもすぐ驚くし、
邪魔されるのが大嫌いなのだ。
はんせいしましょ。






 *  *  *  * 




11月30日(金)

体がますます大きくなってきた。でも、まだおしっこができない。
トイレには入るのだけど。。
すごく我慢するので、おなかがぱんぱんに張っている。

ウンチは相変わらずコントロールできず。

* * *

ピアノの部屋に入ってきて探索。
ものが多い部屋なので、隅っこに行くと真っ黒けに汚れる。
もういいのです。諦めました。。

私がピアノを弾いているときには、私の座る椅子のあまったスペースを陣取る。
コチカがようやく丸くなる広さしかなく、丸まると私のお尻に当たる。
5分もすると当たっている場所があつーくなてきて、
1時間もすると低温火傷しそうなくらい。
大変な騒音だろうし、腕を動かす都度に椅子も揺れるだろうに、よく眠れるものだ。






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