3月1日(木)
<ライフとコチカのおかしな関係>
夕方の散歩。
ライフくんに会った。
例によって、ライフくんは盛んに私に飛びついて挨拶してくれる。
うんざり顔のコチカ。
愛想のいいライフくんは、次にコチカに矛先を向ける。
大分慣れて、ぎりぎりまで我慢したけれど、
最後には手を振り上げてしまったコチカ。
まだまだかな、と思っていたら、
チェリーが庭で咆えている。
誰か来るのかな、とチェリーんちの角を見ていると、
チェリーと同じくらいの大きさの白っぽい犬がやってきた。
やはりチェリーと同じようにテリアが混じっているらしく、
毛は短いけれど、ちょっと縮れている。
ライフくんを見て、お、と思った飼い主さんと白いワンコ。
それぞれの思いは違うだろうけれど、何しろ緊急事態に入ったようだ。
飼い主さんは、リードを短く引き締めて、歩いてくる。
白いワンコは、嬉々としてライフくん目掛けてやってくる。
私もコチカのリードを引き締めていたけれど、
なんたって種類が違うので、部外者の気分でいた。
ちょっと通り過ぎてから、
ライフくんに最後のメッセージを送るべく、
白いワンくんが立ち上がってリードをぎりぎりに引っ張り、後ろ足でライフくんに近づいた。
するとなんと、コチカがシャー!!!と言って躍り出た。
見たこともないくらいに背びれ(?)をずらずらと立たせて、
体だって思いっきりアーチ型になっている。
間髪置かずに、うぉ〜〜〜〜〜〜〜、とやる。。
え?なんでコチカが怒るの?
わけわかりません、と3人の飼い主さんは苦笑した。
思わぬ外野の飛び入りに、
白いワンくんは虚を突かれたようになってコチカを見ている。
私は、すみません、ごめんね、と飼い主さんとワンくんに謝った。
そのままワンくんは行ってしまったけれど、
興奮の醒めないコチカは、ライフくんにも、う〜、とか言っている。
これなのよねえ、コチカは。
これでコチカがライフくんを憎からず思っていることがバレてしまった。
いつも醒めた顔をして通り過ぎるチェリーちゃんだって、
実は、大切なご近所さんとしてインプットされていて、
ほんとのところはだ〜い好きなのである。
だから他の犬がヘタにチェリーに挨拶しようと近づくと、コチカはシャー!!!っとやる。
おやつを上げようと人間が近づいたって、シャー!!!、である。
たぶん、それと同じだと思う。
いつもライフくんがコチカに挨拶しようとしても、えい、うっとうしい、とばかりに怒る癖に、
いざ他の犬が近づくと、怒るのね。
これって嫉妬?
コチカ、素直じゃないよ。
好きならちゃんと好きって態度でいなさいよ。
* * * *
▲
3月2日(金)
クロキに会った。
寄ってきたので顔を撫ぜると気持ちよさそうにした。
チャコちゃんのご主人が、あれえ、またできたんじゃない?というので、
こないだはまだ大丈夫だったけれど、と思いつつおなかを見てみると、
おやおや!
今度こそふっくらしているではないか。
あらあ、クロキ・・とおなかに触ると、しゃー、と怒った。
おなか触られるのは元々嫌いだけれど。
手で引っかこうともしたけれど、爪を出していなかった。
腕なんかも細くって、とても軽やかに叩かれた感じ。
でも根性はしっかりしてんのよねー
* * * *
▲
3月4日(日)
<発作−誰かいる?>
夜中。
うにゃん!と抗議の声で目が覚める。
発作かな、面倒だな、と思ってコチカを見ると、
体がくっついていたわけでも布団が触っていたわけでもないらしい。
なのにコチカはすごく怒っていて、
例によって今にも私の手に飛び掛りそうにしている。
なかなか怒りが収まらないので、
起き上がって、コチカを強引に抱っこした。
大丈夫だよ、とぽんぽんしてやると、
しばらく抱かれていたけれど、もがいて下に降り、
畳に丸く座ったまま、あらぬところを凝視している。
凝視だけではなくて、対象が動いているかのように、
目がきょろきょろ動いている。
な、何???
視線の先を見ても、私に見えるのは壁だけ。
ちゃちゃ・・と呼んでみると、私を見る目は落ち窪んでいて、
こっちの世界にいるようには見えない。
ちゃちゃ、大丈夫?・・と言ってみるけれど、今度は腕に噛み付いてきた。
がぶっと噛むわけではないけれど、
小さく噛み付いたまま、自分の方に引き寄せようとする。
コチカは噛み付いているのが私だとわかっているのだろうか。
コチカ!私だよ、しっかりしろー、とはっきりした口調でいうと、
ちょっと下がってまた丸く座った。
そしてまた、私の頭の背後に視線を走らせている。
本気で恐くなってきて、どうしよう、というと、夫が体を起こしてコチカに近づき、
コチカっ!と呼んだ。
すると、コチカは初めて、はっ、としたような顔つきになって、
手を両手を伸ばし、体を伸ばし、リラックスした姿勢になった。
私が手で頭を撫ぜてみても、もういつものコチカだった。
あれれ、自分はどうしたの?と思ってるようにも見える。
やれやれ、と布団に戻ると、しばらくしてコチカも静かに枕の横にきて、丸くなった。
ほっっっ
* * * *
▲
3月5日(月)
ヤーな天気でしたね、今日は。
晴れているのに、雨が降ったりして。
風も強く、雹でも降るんじゃ、って恐れてしまいました。
また午後に発作。
藤の椅子に座った私の膝の上で眠っていたコチカ。
ふいに私が動いたことでドキッしたのか、
急に起きて、うにゃん!と言いつつ下に下りた。
今回のは、完全に私が悪いと思う。
手を狙って気持ちの収まらないコチカに、
ごめんごめんを連発したけれど、全然だめ。
こうしてだんだん収まるのに時間がかかるようになるのかなあ。
外にはオスネコがうろうろしているのに、充分パトロールできないし、
やっつけたい相手を目の前にしながらも、人間の都合に合わせて戻らないといけなかったり、
ストレスが溜まっているのかも。
あー去勢をどうるすか…。
また悩ましい季節になったのね。
* * * *
▲
3月6日(火)
お昼に近い朝。
散歩に出ようと玄関に行くと、玄関マットが丸められている。
コチカが嘔吐したのだった。
発作もよく起こすし、やっぱりストレス?
なんか調子悪いコチカ
* * * *
▲
3月7日(水)
夜中。
にゃーっ!!!と起こしに来た。
放っておくといつまでも言っている。
昨日は夫がひどく疲れていたこともあって、
鳴かしておくわけにいかないと思い、仕方なく起きて下に行った。
ウンチにご飯。
これが理由なら納得すべきなので、納得。
起きて、よかったよかった(実はしぶしぶ)。
このところキャット・フードと粉々にして食べ、
朝には少々残していることもあったし、
くしゃみをしたり吐いたりしていたけれど、
昨日の分はペロリと平らげ、おかわりがほしくなったのは、
体調が良くなったということかな。
ならば本当によかったよかった。
しばらくしてコチカはふにゃ〜、とやってきた。
今度は、自分も寝る〜、と言いにきたのです。
布団を上げて、こっちおいで、と手招きすると、
腕と体の間に入って、もみもみし、脇に両手を置いて、
試しにちょっと座ってみていたが、
そのうちに、ぴったり体をくっつけてかっちり丸くなった。
暖かくて、なんだかとぉっても安心できた。
毛繕い…複雑な手足...
* * * *
▲
3月9日(金)
<クロキ、とうとう避妊>
チェリーんちの玄関に置かれていた、
獣医さんが持ってきてくれていたケージがなくなっていた。
クロキが捕らえられ、避妊の手術をしたのだそうだ。
今朝、クロキが来たときには、ご飯がなかった。
それでクロキが奥さんの後をついてうろうろしていたので、
ご飯をケージに向って何箇所か置き、最後にケージの中に入れたら、
クロキがケージに頭を突っ込んでご飯を食べていたので、
奥さんがそのお尻をつんと押し込み、蓋してやったのフフフ、ということだった。
*
チャコちゃんの奥さんが言うには、
クロキの子供、キイロもなんか変だ、とのこと。
兄弟の中で一番臆病で、ご飯を上げようとしても警戒していたのに、
ここ数日は、奥さんがお箸でご飯をほぐしてやろうとするのを、
待ちきれないようにして、むしゃぶりついてくるのだそうだ。
クロキもそんなだった…ということは。。
むむむ。
* * *
ちょっと離れた地下鉄の駅から帰ってくる途中のこと。
私の5mほど前を、奥さんとトイプードルが歩いていた。
茶色いトイプードルで、尻尾の下のお尻であるはずの部分が、
割合平らで、その下に2本の足が分かれている。
ハイヒールを履いたみたいな上品な歩き方。
かわいいな、と思っていると、ふいに、その犬がこっちを向いた。
あ、と思う私の顔を見て、やあやあ、とばかりに立ち上がって挨拶してくる。
なんてかわいい!
近づいていって、触っていいですか、と聞いてから手袋を脱いで、ハローハローと挨拶。
前から知っていたみたいに人懐っこい。
嬉しいじゃありませんか。
トイプードルってこんな?
いつまでも私に飛びついたままでいるし、奥さんもやらせている。
きっととっても優しい関係なのだろうな。
でもこのままでもなんなので、さあ、行こう、一緒に歩こう、と言うと、
私の顔をじっと見てから、言葉がわかったかのように歩き出した。
ふーん、と感心。
名前は、と聞くと、ジュゲムくん。
じゅげむ。。
忘れられないでしょう、と奥さんが言うから、
唱えていそうですよ、なんて冗談を言ってから、またね〜、と別れた。
また会えたらいいなあ。
* * * *
▲
3月10日(土)
昨日、夫がおしっこさせようとしたとき、
おなかにウンチがゴロゴロしていて、まずは諦めた。
手の平に小さな添うセージ状のゴロゴロがあたって、
膀胱がつかみきれないからである。
そういえば、夕方にも全然ウンチの申告をしてこなかった。
大丈夫かあ?
1時間半ほど経ってから再チャレンジすると、
おなかの中で移動があって、膀胱をちゃんとつかめ、
無事、おしっこを出せた。
* * *
そして、そんな昨日の今日は、ウンチラッシュである。
夕食の仕度をする頃から、仕度の最中、ご飯の最中、終わってから、
ときちきちと申告してくるコチカ。
これでおなかはすっきりしたかな、お律儀コチカさま?
* * * *
▲
3月11日(日)
気功の治療を受けて帰ってきて、
コチカにただいまのよしよしをしていたら、
コチカは私の顔を見上げていた。
それだけならいつもと変わりないけれど、
目だけは何かを見つけて、人の顔をじっと観察している様子。
な、なにか変?
* * *
夜の散歩。夫と。
チビクロくんがしつこくまとわりついてくるので、
コチカがとうとう猫パンチを食らわしたのだそうだ。
遊んであげたらいいのに、もーコチカったら大人げないんだから。
ゴロ〜ンとなって、
ちょい、と手を出してみるチビクロ
* * * *
▲
3月12日(月)
<散歩に行けなかった朝>
朝からずっと集中して続けていたことがあって、
はっと気づいたら1時半過ぎ。
これはいけない、と何か食べ、何か飲んだらほっとしたけれど、
こんなが溜まり溜まっていつしかがーんと痛い目に遭う。
それが今。
わかっているのに、何故また同じ繰り返しを。。
というわけで、セルフヒーリングに励んだ。
目を閉じたまま白い光のシャワーをシャーシャー浴びる。
あーなんて気持ちいい…と今度はこちらに集中しているうちに、眠ってしまったらしい。
次に時計を見たら3時過ぎだった。
わ、出かける時間だ!
足元で寝そべっていたコチカを見ると、目をかっきり開けてこちらを見ている。
私と視線が合うと、丸い目がさらに、きっ!となり、起き上がって座った。
そして、にゃ・・と言う。
ごめんコチカ、外行けない、と一言言うと、
え、なんで、という真剣な顔をした。
しばらく私を見ていたけれど、
でもこんなことは珍しいので、
きっと本当に行けないんだろう、と思ったかどうか、
目の色がすぅーっと失せ、頭が若干、後ろに引けたように見えた。
ここまでのコチカの表情の流れ。
犬もここまで複雑に変わるのだろうか。
ごめんねごめんね、と繰り返し言いつつ、仕度をする。
やっぱりそれはないですぜ、
とニャーニャー言いながら私の後をついてうろうろするコチカ。
どうしようもなくて、後ろも振り返らずに玄関を出た。
* * *
<クロキ退院>
夕方には帰ってきて、
言われるようにご飯をやり、ご飯を食べて、外〜、と言われたら、
そのタイミングで出かけた。
チェリーんちのガレージに、獣医さんが持ってきたケージ。
クロキが帰ってきたんだな。
抜糸をしなくていい糸にしたと奥さんが言ってたけれど。
チャコちゃんちの角を曲ると、門扉の向こうに猫が3匹。
誰がいるのかな、と目を凝らすと、
クロキが飛び出てきて、シャーッ!とコチカに思い切り猫パンチ。
何するのさ、急に。
クロキ、どうしたの?と思わず言った私にもクロキは飛び掛ってきて、
靴のつま先を噛んだ。
つい、cha〜〜〜〜〜〜〜(ドイツ語で発音するハ〜みたいな)とやる私。
猫式の声を出したせいか、私の勢いのせいか、クロキは引っ込み、
今では大きくなった、先に産んだ子供たち…チビクロやウリ坊を振り返った。
最近には珍しく、
クロキは親離れした子供たちと一緒にいた。
あーびっくりした。
一息つくと、わかった。
身ごもって、急に子供がおなかになくなったのを、
クロキは子供を産んだ、と感じ、
子供を守らねばという、攻撃的な母性が目覚めてしまったのだろう。
先に生まれた子供たちを振り返った表情を思うと、
あれ、おかしい、いったい何がどうなっているんだ、と混乱しているのかもしれない。
うーん。
これは痛々しい。。
先に生まれたチビクロやウリ坊はどう思っているのだろう。
お母さんどうしたのかな、なんて思うのだろうか。
ちょっと遅れてから、キイロちゃんが顔を出し、
今の騒ぎは何?という表情でコチカを見、
あー、と納得したような顔で、3匹のいる方へ引っ込んでいった。
クロキはいつになったら、普通に戻るのだろうか。
* * * *
▲
3月13日(火)
やけに寒い。
ようやく冬になってきたかな…じゃなくって。。
朝の散歩。
十字路の駐車場で油を売っていたときのこと。
頭上でカラスが2羽、ギャオー、とぶつかり合ったと思ったら、
バラバラバラバラと何かが降ってきた。
地面を見ると、カリカリのキャット・フードである。
なんだこれー!!!
いったいどこに持っていたのか。
手に掴んでいた?
それともくちばしの中に入れてた?
獲物争いだったのだろうか。
カラスの世界にもいろいろあるのねー
と感心してしまったけれど、
コチカは我関せずで、なんちゃってオシッコをしていた。
地面に点!と一点だけ濡れている。
偉〜い。
次に目指すは、点!点!だね(^O^☆)
* * * *
▲
3月15日(木)
<夕方の憂鬱>
6時を過ぎて、ご飯〜の声が上がるかと思いきや、
お外〜なのである。
でも、ご飯を用意してやると、そうそう、ご飯、とばかりに、器に寄っていく。
しかし、実はキャット・フードにかけてやったカツオブシをペロペロと舐めるだけ。
それでまた、外〜、と始まる。
だめだよ、ちゃんと食べていかないと寒くなってしまうよ、と説得。
コチカは、食べないで外に出ると、急に空腹を感じるらしく、
ちょっと歩くともう帰ってきてしまうことがある。
たぶん、寒さに耐えられない…耐えたくなくなるのだろう、と思う。
それだとご飯を食べたその後に、外に行きたい欲求が高まってきてしまって、
でも人間はもうそんなことには耳を貸さないから、
夜中ににゃーにゃー攻めにあったりする。
だから、食べるべきときにはそこそこ食べて腹を作ってから、外に行きたいのである。
特に寒い折には。
ご飯もー1回食べておいで。
ご飯食べたら、外へ行く。
食べないなら、行かないよ。
と繰り返す間、
コチカは、そんな話は聞きたくない!というように、
目を疎ましそうに閉じながら、にゃ、と言ったり、
またふらりとどこかの窓に行ったり、
ご飯のところに行って、ちょこっと食べては、
食べたー、と言いに来る。
だめだよ、1回かりっ、って聞こえただけだったよ、と却下。
そして、ご飯食べたら、を10回も言うころになってようやく、
ち、しょーがない、とばかり、腹をすえて食べだし、
外出許可が下りるのである。
毎日これをやっているのかと振り返ると、
ふと、なんだかな・・なのでありんす。。
* * * *
▲
3月16日(金)
東京で、初雪が5分間降った朝。
起きて間もなくの人間がバタバタしている時刻には、
コチカは外〜外〜、とうろうろしていたが、
私が朝の紅茶を飲んでいるときに足元で寝てしまい、
朝の家事をしている間もそのままで、お昼まで起きず。
そして私は出かける時間が来たので、出かけたけれど、
それでもコチカはスーパーマンの格好で寝ていた。
め〜ずらしー
* * *
夕方の散歩。
コチカに引っ張られて、ぼーっとして歩いている間に、
コチカは満足したらしく、気がついたら門扉の前にいて、
コチカが足首にすりすりしていた。
なぜか散歩ももう終わり、という頃になると、
足元にすりすりしだすのである。
もうおしまい?と門を開けると、すんなり中に入り、
いつものように庭をちょっと点検してから、玄関に入った。
まったく無心だったらしい私。
コチカと散歩しながら、私はいったいどこにいたのだろう???
* * *
アイリス・オオヤマのドッグフードの宣伝で、
大豆アレルギーに対応なんて言ってるけれど、
犬も大豆アレルギーってあるのですか。
というか、そもそも犬に大豆なんか食べさせるもの?
* * * *
▲
3月17日(土)
<夫とのよい関係>
夫が言うに、
11月の末から夫がオシッコをさせるようになってから、
コチカと夫の間が急速に縮まったとのこと。
オシッコをさせるためには、
まず、コチカの心にぐーんと近づく必要がある。
人間の都合で、さあ今からオシッコをさせよう、
と急にコチカを抱き上げ、オシッコだよ、と言ったってだめなのである。
コチカは不意を突かれて不機嫌になり、
おなかを掴もうとする手に、自分の手を突っ張らからせて、
うぉ〜、と抵抗したりする。
そうならないためには、
まず、コチカ、と声かけ、しかもそうっと声をかけ、
オシッコするよ、とまた穏やかに言わなければならない。
そして、ん?オシッコ?、とあまり嬉しくなく思うコチカの心を乱さないように、
さーオシッコしようオシッコしよう、と軽やかに明るく静かに言いながら、
抱き上げるのである。
ここまでの手続きがそこそこよければ、
トイレの前に座ってから、あ、ティッシュ忘れた、
などと再び立ち上がったりしても大丈夫であり、
体の力をすっかり抜いて、楽にオシッコが出せる状態になる。
夫は、その当たりのコチカの扱いを充分にマスターしたのである。
そのようにして、12月に私が不在の間に、ぐぐぐっと縮まり、
さらに新年明けて、手の痛い私の代わりにオシッコ係りを続ける夫に、
コチカはすっかり打ち解けて、甘えたりするようになった。
今やそれを日々実感として感じている夫。
もうかわいくってねえ、と心の底から言っている。
よかったね〜(^・^)σ
* * * *
▲
3月19日(月)
<場所、そして順序にこだわる正統派ネコ>
昨日の就寝時。
布団の上で夫に肩をマッサージしてもらっていた。
そこへ、もう寝ようとやってきたコチカ。
いつになく布団の上に座っている人間二人に、
何やってんの、ちゃんと寝ようよー、と不満げ。
一度は下に下りていったけれど、やっぱり寒かったのだろう。
またすぐにやってきて、人間二人を代わる代わる見、
到底解せない・・という表情で目を真っ黒にして、にゃ〜!!!
それでもすぐには横になるつもりのない人間は、
ここにおいで、と私の隣の布団の上をぽんぽんした。
脇の下が暑くなると、ずり上がって布団の上に丸くなるのだから、
そこでもいいだろう、と思う人間の理論通りにならないのが、場所に依存する猫。
いやこの場合は、場所のみならず、順序もだろうか。
自分のシーツに腰を下ろした姿勢で、
胡坐をかいている私の左足になんとか両手を伸ばして体を置いてみる。
手の伸びた先に触った私のおなかをもみもみしてみる。
しかしこんなに腕を伸ばしていては、気持ちよくできないはず。
それでもなんとかした気になって動かなくなった。
これで脇の下に寝てる雰囲気出てきた?
だんだん下半身が縮まってきて、体全体が丸まってきた。
もう朦朧としているはずなので、
両手を持って布団の上に下ろしてやろうとしたけれど、
そうすると、目を覚まして手をうーんと伸ばしてくる。
しかたないのでそれ以上刺激しないように、
おなかあたりをぽんぽんしてやると、それなりに眠ってしまった。
なんともかわいいコチカでした。
相変わらず、みょーにグレイなんだけどねf^_^;
* * * *
▲
3月20日(火)
<お隣にいた猫の話>
朝の散歩。
十字路で地面をくんくんしているとき。
隣のご主人が、
咥え煙草で自転車に乗って十字路に来た。
手に書き留め郵便の封筒を持っている。
このご主人、結構郵便局へ行くんだな、と思っていたら、
チャーチャ、と声をかけられた。
声のする方に、いちおう耳をピンと立てているコチカ。
無視はしてないつもりなんだね。
ご主人は、
長かった尻尾が短くなっちゃってみっともねえなあ。
ないかあるかはっきりさせなきゃ、とニヤニヤ笑いながら言う。
ありますよー、と私。
うちにいたチビはね、と話が始まった。
尻尾がこーんなに長くてね(ラッキーみたいに長かったらしい)、
サブは全然なかったの。
ないっていうのは、本当にないの。
駆けてくの見てるとまるでウサギみたいなの。
そのサブがすばしっこくて、ネズミでも鳥でも何でも捕まえてきてさ。
タローというのなんか全然捕らなくて、
サブが捕まえてくると、一緒になって捕ったつもりになってやがんの。
サブなんか、金魚のエサの袋咥えて帰ってきたことあったんだよ。
お前どこからそんなもん取ってきたんだ、って言ったんだけどさ(ニコニコニコニコニコニコ)。
なーるほど。
サブというネコはそんなにも活発だったのだ。
でも金魚のエサの袋なんて、生き物じゃないのに・・(笑)。
* * * *
▲
3月21日(水・祝)
夜中。また発作。
私が寝返りを打ったときに、布団がざざっと動いた。
それは確か。
でもそんなの、仕方ないじゃない?
コチカの夢と連結してるのかなあ。
しばらくなだめたけれどご機嫌が戻らないので、
無視して眠ってしまったら、コチカは朝になったら普通に寝ていた。
もうさあ・・夜中に勝手に怒るのやめてよコチカ。
せめてはっきりした理由がわかれば、と思うのだけど。。
* * * *
▲
3月22日(木)
朝、胃液嘔吐。
どうしてかな。
* * *
夕方の散歩。
タビーがいた。
黒いボディーに足先だけ白いので、足袋〜、である。
黒いボディーにおなかに白が多い猫もいる。
夫にいわせると、どうやらそのネコがクロキの今回のパートナーらしい。
結構仲良くしていて、
この間もチェリーんちの車の下で、2匹で一緒にいたのだそうだ。
だからあのふたり、できてんだよー、だって(^O^☆)。
* * * *
▲
3月23日(金)
そばへ寄ってきたので、
コチカの歌を歌い、よしよしすると、
ゴロ〜ンとなるので、しばらく手を離してから、
またふと見ると、ひっくり返ったまま真っ黒な目でこっちを見ていて、
目が合うと、ッあッ、という。
ネコ科の動物が母親を呼ぶときの鳴き方である。
するとつい、手を出しておなかをよしよしよし〜、としてやる。
コチカは後ろ足を私の腕に引っ掛け、さらにゴロンゴロンする。
そうしているうちに、自分の手をペロペロ舐めはじめ、
そのうちに動きが緩慢になって眠ってしまう。
見とれている私の目も、ついしょぼしょぼしてくる。
あ〜一緒に眠れたら。
* * * *
▲
3月24日(日)
<キッチン・マットを掻く>
最近夜、お風呂から出る位の時間に、
台所のキッチンマットがのた打ち回った状態で置かれていることがある。
誰の仕業かというと、言わずと知れるコチカなのだけれど、
トイレの砂を掻く延長で、なぜかキッチンマットにも手が伸びていき、
マットも掻きたいだけ掻きまくってから放置するので、
180cmのマットが、龍がのたうったみたいになっている。
今までそんなことしなかったのに。
昨日は、現場を目撃したので、こら、と頭をちょいとはたいてやったら、
うにゃん、と当惑したような顔つきをしてから、
さらに前進して洗面所兼脱衣所まで行き、
バスマットをくんくんしてから、それも掻いた。
なんで?
お水を飲むのにも、ご飯を食べるにも、周辺を掻くことがある。
トイレは、オシッコをさせるときだけ、台所に持ってくるので、
そんなものの臭いが飛散するとは考えにくいのだけれど、いったい。。
* * * *
▲
3月26日(月)
夜の散歩。
隣のお宅の木戸までくると、そのまた隣のお宅の車の下から、
しゃー!と威嚇の声。
クロキである。
まだお母さんやってるらしい。
Grrr、とコチカ。
座って首を下げて車の下を覗き見ている。
やめときな、負けるだけだから。
それでもコチカは寄ってってみる。
しゃー!と共に、レーザービームみたいな激しい目線。
おー、恐。
コチカは、そろそろと木戸の下まで行って、様子を見るらしかった。
あーあ。
私はしばらく待つしかないのね。。
とても暖か。
短いジャケットでも大丈夫。
そういえば昨日、うちの庭で鶯が鳴いていた。
ちょっと前まではまだへたくそで、ひらすら練習していたのが、
このところの暖かな陽気で、習得にも加速がついたのか、
すっかりマスターしたらしく、すばらしい声で鳴いている。
嬉しそうに、何度も何度も。
涙が出そうに豊かな声。
今年生まれて大人になった鶯なのだ。
今が春。
生も性も精一杯満喫しなね。
夫が、桃の木のお宅、桜が咲いてたね、と言っていたのを思い出した。
おかしな夫。
なんでわざわざ桜と言い換えるわけ?
桃の木です。
花びらがつつじのようなラッパ型で、桜よりも色が濃い。
もうすぐ新しい葉も出てくる。
文字通り桃色の花と黄緑色の瑞々しい葉とのコントラストがすばらしく、
そのお宅の前はしばし別天地になる。
そうだ……
ときは春、
日は朝(あした)、
朝は7時……だった。。
片岡に露満ちて、
揚げひばり名乗り出で・・
それからなんだったかな、とぼんやりしていると、
いきなり、うぎゃっと声が上がり、クロキがコチカに飛び掛った。
門の壁があるので、咄嗟に逃げ場のなかったコチカは、
逃げ腰のまま停止して、クロキを恐々見ている。
だから言ってるじゃない、勝ち目ないって。
玄関に繋がれていたチェリーが立ち上がって、ウォンウォン咆えた。
さあ、もう行こう。
疲れてきたよ。
カツオブシしよ。
クロキ、嫌だって。
と諭すと、なんとなくわかったように歩き出したが、
でも道の反対側までいくと、また迂回して、クロキの方は吸い寄せられていく。
クロキは今、相思相愛の相手がいるんだってば。
およびでないってさ、ともう強引にコチカを抱っこして、家に連れて帰った。
庭に入り、玄関までいくと、実はこうしたかった、
とでもいわんばかりに、早くドア開けて〜、というそぶりを見せた。
なんちゅうネコや!(笑)
ひょっとしてクロキに参ってる?
ああいう、おきゃんなメスネコ、好きなんだよね、コチカは。
しばらく悩めるね。
ところで、春を言祝ぐ詩。
ロバート・ブラウニングの「ときは春」の続きはこちら→★
* * * *
▲
3月27日(火)
<チャコちゃんちの屋根の朝>
朝の散歩。
チビクロやウリ坊がチャコちゃんちの屋根で休んでいた。
そこへ夫妻が出先から帰ってくると、
あ、帰ってきた!と2匹は連れ立って庇を回り、夫妻を見に来た。
奥さんが玄関前で、おいしそうなものをちらりと見せてしまったらしい。
下に下りたいけれど、そこからは降りられない。
庇をぐるり回り込んで向こう側の塀か柿の木から降りようと、
またも二人して戻っていった。
いつも連れ立っているところが面白い。
この二人、地面にいるカラスにも果敢に挑んでいく。
もちろん、カラスだってうまく飛び立つけれど、
あんな黒くてバッサバッサ飛ぶ鳥、よく恐いと思わないね。
チビクロなんか、
アスカの居候先の庭のモチノキに登って、なんとかしようとしていた。
大したもの。
* * *
<伸びするウリ坊>
この兄弟、コチカにも何回か挨拶にきたけれど、その一こま。
チャコちゃんちのガレージ前でコチカがくんくんしていると、
ウリ坊が、さっと中へ入っていき、
ぁ、ぁ、と小さな小さな声で鳴きながら、
両手を伸ばし、お尻を上げて、うーんと伸びをした。
そして、今度は顔を突き出す段になって、
そのままぬーっとコチカに鼻先を突き出した。
めでたく鼻つんつんしたけれど、
挨拶の前に伸びとは、太ぇヤロウじゃありませんか。
今までずっと動いていたのに、
ここで伸びをするとは不思議といえば、不思議。
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3月28日(水)
夜の散歩。
チェリーんが散歩から帰った後、奥さんがノラニャンたちに夜食をあげたので、
ラッキー、クロキ、チビクロがなんとなくそこらに佇み、
この界隈には珍しく、ネコたちの会合の様相。
<ミミズで遊んだらいけません!>
その平和な空気を乱しに行こうとする白いネコ。
のっしのっしと歩き、まずチビクロに近づいた。
チビクロの前には細い棒が一本落ちている。
チビクロはそれをじっと見ているのだった。
コチカが近づくと、後ろからクロキが、シャー!と躍り出てきた。
驚くコチカとチビクロ。
チビクロは、クロキが元いた場所に逃げ込んだ。
クロキはチビクロのそばに駆け寄り、鼻つんつんした。
大丈夫だった?とでも言っているように見えた。
もう子供ではないチビクロはさぞかし当惑していることだろう。
さて、チビクロの前にあったと一本の枝はさっきはまっすぐだったと思ったのに、
今見ると、湾曲している。
不思議に思って目を凝らすと、逆に折れて、前に進んだ。
ミミズだった。
動き始めたミミズに、またチビクロがやってきて、ミミズに鼻先を近づけて座った。
それをしばらく眺めていたクロキは、
声にならないような切れ切れの声を上げて、チビクロのそばに寄ってきた。
チビクロがミミズに鼻を近づけると、
背後からクロキが毛を軽く噛むらしかった。
痛っ!というようにチビクロはゴロリと背を地面につけ、
クロキに軽くネコパンチする振りをする。
そんなことを3回も繰り返した後、クロキは離れた。
それでもまだ心配そうに、息子を見ているクロキ。
コチカもその様子をじっと見ていて、このまま膠着状態になりそうだったので、
私はスニーカーをわずかにずらし、ざざっ、と音を立ててやった。
チビクロは驚いて、母親のいる方に駆け寄った。
そうしてその場は、っちゃんちゃん、だったのだけれど、
ミミズに触るといけないのかな。
何故ですか、クロキ母さん?
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3月29日(木)
チャコちゃんちの奥さんによると、
クロキは、にゃあにゃあ鳴いてうろうろし、玄関から入ってこようともする。
ご飯が欲しいわけではなく、ずっと鳴き続けていて、
きっと子供を捜してるんじゃないかしら、とのこと。
クロキはまだお母さんしているのだ。
いるはずのものがいなくて、何がどうなっているのかよくわからず、情緒不安定になっているに違いない。
かわいそうに。。
今日もコチカは、何度も飛び掛かられた。
ツレなくされると、余計気になるらしいコチカは、
n゛〜、と言いながら(?)、クロキのまわりをうろうろし、
クロキを食い入るように見つめたまま、座り込んだりする。
しつこいってば、コチカ。
そうっとしてあげようよ。
ウリ坊に会った。
コチカを見ると、また両手を伸ばし、お尻を上げて伸びをした。
そして前に体を伸ばしながら、コチカの方に向ってくる。
コチカは、grrrrrr、と言ったまま無視して歩き出した。
なんだろうねえ、ウリ坊のあの態度。
ネコの流儀に反するのでは?
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3月30日(金)
午前中、胃液を吐く。
チャコちゃんもここ何回か吐いたそうである。
やっぱり最大の原因は、春、ということか。
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3月31日(土)
<哀れmyスリッパ、コチカトイレでネコ砂まみれ>
夕方。
人間のトイレに隠してあったコチカトイレを居間の近くへ持っていくのに、
先に廊下へ出し、ついでに用を足した。
その間、コチカが砂を掻いている音が聞こえていた。
そして、トイレから出てみると、
なんと私の赤いスリッパの片方が、コチカトイレの中でネコ砂だらけになっている。
2度目である。
あー、コチカ!またやったね!
とコチカを見ると、
玄関の三和土で、尻込みするように座り、
上目遣いに私を見ようとして視線を合わさず、
うぉー、とか言っている。
悪いと思ってるなら、するのやめてよ!!!!!!!!(湯気)
スリッパは洗おうかとも思ったけれど、
とぉっても感じが悪いので、ゴミ箱に捨てた。
でもすぐに別のスリッパを持ってくるのも面倒で、
片方だけ履き、どうにか両方履いている気分になっていた。
夫とお寿司を食べに行き(フッフッフお寿司大好き^o^/)帰ってくると、
玄関の上がりかまちに、
夫の青いスリッパと片方だけの赤いスリッパの3つが、めだかみたいに頭を寄せ合って横に並んでいる。。
なんだかみょ〜
妖怪の家じゃあるまいし。
コチカのせいのせいだからね、もー
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4月1日(月)
朝起きてきてみたら、居間の物見台の上に、コチカのウンチが。
なんと芽吹いている。。
春なのね〜(*^ー゜)ノ
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