2007/1月・2月・3月

~~~ミルク色のコチカ~~~

奮闘記 -69-

2007年2月


ソバージュ?


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2/1ライフとラッキーのおかしな関係 2/3チビクロと鼻つんつん 2/6クロキの捕獲作戦:第1段階突破 2/11ご飯を残している樹林公園の猫情報
2/16クロキ、そして子供たちとコチカ 2/20風邪? 2/23春の脱走第一弾!

2月1日(木)

<ライフとラッキーのおかしな関係>

朝、ゴミを置きに外に出ると、ライフくんがいた。
ライフ!と声をかけると元気に走ってきて私に飛びついた。
おっはようおっはようひっさしっぶり〜♪

そこへチェリーんちの猫、ラッキーが長い尻尾をくゆらせながら来た。
自分ちにも猫がいるから、猫が大好きなライフくんは、
わ、猫!とばかりラッキーのそばに寄っていき、くんくんしまくる。
ラッキーはというと、
ゆったりした動作で地面にゴロ〜ンとなって、ライフくんの様子を観察してる感じ。
ライフくんの飼い主さんは、あら、ソバージュしてる、という。
出た^^\と思う私。
ラッキーは立ち上がってちょっと歩いていって、
向かいのお宅の塀の角っ子にすりすりして、
そのまま長い尻尾を塀に這わせ、先っちょで角をつかんでいる。
器用な尻尾。。
ライフくんは、まだくんくんしたりなくて、ラッキーの後をついて歩く。
またラッキーは私たちのところに戻ってきて、ゴロ〜ン。
立ち上がって今度はライフくんの飼い主さんのすねにすりすりすり〜
あらあらあら……とライフくんの飼い主さん。
ライフくんは、ラッキーが何考えてるかなんて全然関係ない様子で、しきりにお尻をくんくんする。
猫だし、オスだってば、ライフ。。

* * *

朝の風を廊下に入れようと縁側の窓を開けた。
フェンスもきっちりして。
でも念のために様子を見にいくと、
もうコチカがフェンスを倒して、網戸を開け、そろ〜りと外側の敷居の上を歩いている。
うーん。。
今年は夏になったらなにか策(柵?)を講じないといけないな。。



 *  *  *  * 


2月2日(金)

1月の中旬くらいから指の関節が痛く、
コチカのおしっこもままならなくなってきた。
とうとう数日前から夜も朝も夫に任せている。
でも、去年の12月に実地訓練を積んだお陰で、
コチカは嫌がることもなく、すんなりとさせる。
ありがたやありがたや。



 *  *  *  * 


2月3日(土)

<チビクロと鼻つんつん>

コチカ:チビクロと鼻つんつん朝の散歩。夫と。
クロキの子供チビクロと挨拶をしたのだそうだ。
この子は、全体的に縞模様の地模様のチャコールグレイで、毛の中は白い。
とってもおしゃれな猫である。
クロキの子供は、どの子もなんだかおしゃれで上等な感じがする。
クロキ似のキイロと黒のまだらの子…キイロと命名…は、
とても繊細で、いまだにご飯をくれる誰のそばへも寄ってこない。
でもこの猫を、アスカの居候先の方がほしいのだそうだ。
アメコが死んでしまったので、色違いのウリ坊が候補かと思われていて、
ウリ坊ならもうたいぶん懐いているので、いいだろう、と安心していたのに、
ご主人が黒い猫が嫌いなのだそうで、キイロくんが候補に上がった。
また選りによって一番難しい子が。。

そしてチビクロだけれど、
夜に会ったときにも、なんとなく寄ってきたのだそうだ。
嬉しいな。
友達になってもらえれば。
大人の猫はとかくケンカの対象にしかならないけれど、
子供だったらまだ望みはあるし。



 *  *  *  * 


2月5日(月)

朝の散歩。
チャコちゃんの奥さんに会った。
今朝からチビクロちゃんがいないのよー。
いつもは奥さんが玄関のドアを開けると、
ウリ坊と一緒に奥さんの出を待ち構えているのに、
今日はチビクロがいなかったとのこと。

早くにチェリーんちのガレージでご飯を食べて、
どっかでぬくぬくしてるんじゃないですか、なんて言いながら別れたら、
当のチビクロがピューッと道を横切っていった。
その後で、キイロがピューッと、チビクロが入っていった側から出てきた。
これ、子猫たち、危ないから歩きなさい。
後で、物干し台に居る奥さんに、いましたよ、と声をかけたら、
2階の室外機の裏側でちょうど陽が当たるところにいたわ、と笑っていた。

*

いつもは地味な色合いのシャツを着ている隣のご主人が、
真っ白なVネックのセーターで庭掃除をしていた。
陽を跳ね返すようにぱーっとしてて、今日みたいな日にぴったり。
お、カッコいいじゃないですか(^o^)☆、と声をかけようとしたら、
ポタポタポタッ!と何かが降ってきた。
コートの袖口を見ると、点々と黄色い液体。。
上を見ると、モチノキの枝に2羽のすずめ。
オーマイガッ!
今までずっと避けて通ってきていたのに、とうとう引っ掛けられてしまった。。

つい、わーん、助けて〜、なんて大騒ぎしてしまったけれど、
お隣のご主人は、きわめて冷静な人。
じっと私を見て、ここには立たないようにしないといけないな、と静かに言った。
はぁ。
どうにも気持ちのやり場がないまま、ティッシュで吹いたりしていると、
お陰でここの植え込みの葉っぱもフンで枯れてきちゃった、とご主人。
ふーん、と葉っぱを見れば、なるほど、白いフンがいっぱいかかっていて、
葉のあちこちが、茶色く変色している。
ノラニャンのご飯に、野鳥が集まってくるのはいいけれど、
ここまでフンがすごいとちょっと問題かも。

コチカは、と見ると、植え込みの下の日当たりのいい場所で、ぼっさり座っている。
人間の話し声が聞こえ、車も通らず、すっかり安心して春を満喫しているような。
そこならフンも落ちてこないしね。



 *  *  *  * 


2月6日(火)

<クロキの捕獲作戦:第1段階突破>

朝の散歩。
やたらとあったかな日。
こんなでいいのかな。

十字路のアパートのヴェランダの下にクロキ。
こないだ敷いてやった毛布の切れ端の上にちゃんと座っている。
しめしめ。

3月ごろには避妊手術をするために捕まえなければならない。
そのために何段階かを踏んで、クロキの不安を最小限に抑えつつ、キャリーに捕まえる、
という計画を、こないだチェリーんちの奥さんと相談したのだ。

毛布の切れ端を、クロキの目下のリラックス・スペースに置き、
最終的には、クロキの匂いのついた毛布を、
キャリーの中に入れておき、クロキを捕まえよう、というもの。

人間が置いた毛布の上に、クロキはすっかりくつろいで座っていたので、
まずは第1段階目、クリアーである。
次は、キャリーの中に別な毛布を入れておいて、その中でくつろがせること。
うまくいくかな。



 *  *  *  * 


2月7日(水)

今日は暖かいという話だったんじゃなかったかと思うのだけど、
夕方になってからすごく冷たくなってきた。
なのに、コチカは全然カンケーないらしく、長々と歩き続けた。

十字路のアパートのベランダの下にクロキ。
コチカが通りかかると、シャー、と威嚇の声が聞こえた。
コチカが、むむ、と顔を突っ込むと、
しゅっ、とばかりに手が伸びてきた。
おっと、と思わず引くコチカ。
クロキだから勝てないよ、やめとき、と声をかけると、
うぉ〜、と言わないけれど言いそうな体を低くした姿勢で、
そろりそろりと通り過ぎた。
どういう心持ちなのだろう。



 *  *  *  * 


2月8日(木)

チェリーんちの奥さんが、
クロキはもうおなかが大きくなっていると言うので、
今日、夕方のご飯を食べに来ているのを見たら、
なるほど、ほっそりしていたおなかが少々ふっくらしている。
早く避妊しないと、と言い続けているのだけれど。

3月ごろ、と言っているのは子供たちのことなのでした。
生後8ヶ月を待たないと、
避妊したメスの場合は、ホルモンのアンバランスが出て成長に差し障りがあり、
オスの場合もホルモンのアンバランス、前立腺に問題が出てきたりするのだそうだ。
ふーん。。



 *  *  *  * 


2月9日(金)

そういえば昨日、
隣のご夫妻が、門の前にいたとき、
ラッキーがふらりと歩いてきた。
ご主人は、
こいつチビの生まれ変わりみたい、と言いつつ、
ラッキーの頭をよしよしよし〜、としている。
顎を上げて、気持ちよさそうに撫ぜられているラッキー。
奥さんも、
ほんと、顔も体の模様も尻尾も長さも、ようく似てる、と目を細めている。
ずっと前にミュミュがいたときにも、
チビによく似てる、と言っていた。
黒っぽいトラ猫はよくいるけれど、
持っている雰囲気、というのに違いもあるだろうし。
生まれ変わりかあ。
思いはいろいろですね。。

* * *

夕方の散歩の後、なかなか中に入ろうとしないので、
門の柵に結わえておいた。
そのまますっかり忘れていて、はっと思い出して、
あわてて玄関の外に出ると、なんと雨が降っていて、
コチカは濡れた地面の上に座っていた。
あらあ、ごめんね。
わずかな雨だったし、そう寒くもないので、
にゃあの音も出なかったらしいけれど、
雨が降る中に結わえられて座ってる猫なんて、かわいそ過ぎ(涙)。。



 *  *  *  * 


2月10日(土)

夜、夫がおしっこをさせ、猫砂をトイレに捨てに行こうと出て行った直後に、
コチカは、うぁ〜、と言って居間に入ってきた。
よしよししてー、と言いつつ、ウンチだったのである。
すぐに夫に言えばよかったのに。。
夫が戻ってから、ウンチだってといったら、
まだあった?と言いながら抱っこして連れていった。
ご苦労さま。



 *  *  *  * 


2月11日(日)

朝、2階から降りてくる夫が、こっちこっち、とか言っている。
ナンだろうと、台所と居間との仕切りのカーテンを見ていると、
夫が開けてやっているカーテンをくぐって、コチカがのっそり入ってきた。
階段の下で、コチカが右に行こうか左に行こうか迷っていたから、
教えてやったんだ、と夫。
行き先を人間に教えられてるなんて、変な猫(笑)。

*

朝になっても、ご飯を3分の1ほど残している
どうしたのかな。
夜中に寝室に来たときには、盛んににゃあにゃあ言っていたけど。
それでもなんとか布団に入って寝てから私がちょっと動いたら、
うにゃん、と発作を起こしそうになったのだった。
私が無視していたので、それ以上のことは起こらなかったけれど。
なんか機嫌の損ねるようなことでもあったの?

* * *

<樹林公園の猫情報>

コチカに似た白い猫と、クロキをもう少し黄色くしたような猫、
その猫をさらに黄色くしたようなトラ猫と、
コチカが小さい頃、樹林公園に来たときに、遊んでくれようとした大人の猫、
に会った。

公園のウォーキングコースを外れた場所に、鳩が無残な姿をさらしていた。
白い羽毛が飛び散り、あばら骨の周りの肉を食べられている。
まだついさっき食べられたばかりのような、生々しさ。
きっと猫だろう。
今日会った4匹の中で一番黄色いのが、
するどい目をして鳩の死骸の割合近くに座っていたから、その猫だろうか。
それにしてもまあ、大変なご馳走だったことだろう。


遊んでくれようとした猫です→2001年12月1日


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2月12日(月・祝)

お昼の2時ごろ。
台所の流しに立っていて、ふと振り返って下を見ると、
いつの間にかコチカがご飯の器の前に座っている。
私が見ていることに気づくと、あ、という感じでお尻をぴょーんと上げて、
ご飯〜、ご飯ちょーだい〜、くれないなんてなんていけず〜、ケチ〜!!!
といきなり悪態をついてきた。
ご飯ちょうだいというのに、そんな言い方ってある?
器を見ると、犬が舐めまくったみたいに、きれいになっている。
よほどおなかがすいだんだね。
でもさ、こんな時間には上げられないよ。
今食べる時間じゃないから、
今から食べてたら夜中にはご飯がなくなって目が光ってくるよ、
と得々と言ってやったら、
むぅ、とした顔のままどこかに行ってしまった。

昨日の朝はご飯を残していたけれど、
その分が今日になって効いてきたってこと?



 *  *  *  * 


2月13日(火)

なんか薄汚いコチカ。
毛が抜けて夏毛になるまでこのままだろうか。
そういえば、冬はいつもこもこで、
脂っぽくなって毛も割れ割れになってきてたのだった。
今年は毛の割れ割れは気になるほどではないけれど、
やっぱり脂っぽくはなっているのかしらん。
頬の汚れとかが取れないのである。
露出が足りない気味で写真を撮ると、
汚れたところが強調されて、んま〜これほんとにうちの猫?なんてがっかりしてしまう。
コチカ、もっときれいに顔洗おうよ。



 *  *  *  * 


2月14日(水)

バレンタインデーの今日は、日本列島に春一番が吹き荒れる日になった。
東京は朝から曇っていて、そう寒くもないし、雨が降りそうなので早く出よう、
といつもよりうんと早く…9時ごろに外に出たのだけれど、
すでに雨がぱらぱらしていて地面は濡れていて、
十字路で工事をしているために、グォーンとコチカの大嫌いな音が響いているので、
ちょっと門の前をうろうろしただけで、もう家の中に入ってきてしまった。
でもさして不満そうでもないコチカ。
よしよしして〜、と擦り寄ってきて、さっさと気持ちよさそうに寝てしまった。

*

夜は夜で、雨が降っていたので、お外はなし。
その代わり…でもないのだけれど、
ここ最近、ネズミがおおっぴらに天井の上を走り回っているので、
コチカもついつい走り回る。
鴨居渡しの上で待機したり。

そういえば、
今朝夫が出かけるときに、玄関に出ようとすると、
廊下の角を曲ったところで、コチカが窓を向いて座っていた。
一瞬、おなかでも痛いのかと思い、
どうしたの!と声をかけると、
Grrrrrrr、と立ち上がって、窓をくんくんしながら奥へ引っ込んでいった。
窓の外に何かが来るのを待っていたか、気配を感じていたのらしい。
でも人間が来て緊張感が解け、どうでもよくなったみたいな感じだった。



 *  *  *  * 


2月15日(木)

もうそろそろ終わりかけではあるけれど、まだ夕飯の最中でのこと。
コチカが、ぅわ〜ん、と言いながら居間に入ってきた。
ウンチである。
ところがしまった…コチカのトイレは人間のトイレの中に入れたままである。
ちょっと待ってて、取ってくるから、
と仕切りのカーテンを開けてもらうのを待っているコチカに言いながら居間を出た。
するとコチカは、いつもの場所にトイレがないのを確認してから私の顔を見て、
だだっと廊下へ走り出た。
私がコチカトイレを取って戻ってくると、ちょっと猫砂を掻いてみている。
さ、ウンチしよー、とコチカに近づくと、
えへへ、てな感じで、まただだだだと玄関の方に走っていく。
こら!
こっちはまだご飯中なんだけれど、コチカはすっかり遊ぼうモードに入っているらしい。
こういう場合は、しばらく放っておくしかないのだけど。
でもウンチを気にしながらご飯食べるのもちょっとナニ。。



 *  *  *  * 


2月16日(金)

<クロキ、そして子供たちとコチカ>

遅い朝。
近所に買い物に行くのに、十字路のアパートの前を通りかかると、
クロキがうろりとしていた。
声をかけると、ゴロ〜ンとなって、う〜ん、とイナバウアー(?)。
おなかを見ると、さしてぽっちゃりもしていない。
あれれ、やっぱりまだ懐妊はしていないのかな。
クロキは胴体を触られるのが嫌いなんだった、と思いつつ、
目から耳にかけてを撫ぜたら、目を閉じて気持ちよさそうにした。
小さな顔。
こうして撫ぜると、大概の猫はうっとした顔つきをするけれど、
猫って子供の頃に母親にこうして舐められるせい?

朝、と言ってもお昼の散歩。
チャコちゃんちのガレージの前を通りかかると、
クロキの子供たち…チビクロとウリ坊が、あ、コチカが来た、という感じで、
フェンスの間から顔を出した。
チビクロが果敢にコチカに近づいてくる。
コチカが顔をぬっと突き出したままにしていると、
チビクロは顔を後ろに引き気味にしながら、手をちょいちょいと出してきた。
コチカがひるまずに、さらにぬーっとしたままでいると、
チビクロは、ごろ〜ん、となった。
これ、ラッキーもこうするけれど、どういう意味なのだろう。
親子だから、遺伝子的に同じことをするのか、
それとも、猫としての流儀で、敵意はありません、という意味なのだろうか。
誰か知ってるひとー

チビクロがそうしてコチカとやりあっている間、
ウリ坊が、ちょっと後ろからじっと見つめている。
それらすべての様子を、通りをへだてた向かいの家の庭にいるクロキが、
身じろぎせずに見つめている。
うちの子供らは大きくなって、ちゃんと猫の挨拶をしている、と思っているのだろうか。

チビクロとウリ坊はとっても仲良しで、いつも一緒にいる。
夕方の散歩のときにも、コチカの行くところ行くところについてきて、
コチカがくんくんしている間、少し離れたところで、2匹して見ている。
そしてコチカが通りを歩くと、植え込みの向こうを平行して走るのである。
まるで影のように。
コチカは普通にいつもの点検をしているだけなのだけれど、
子供たちは息をひそめて、興味津々でいるらしいのがおかしい。



 *  *  *  * 


2月17日(土)

関節炎jの私に替わり、夫におしっこをさせてもらう。
このように手を引っ掛けると、
おしっこ周りの筋肉やら管(?)やらがスムーズな排泄に向くらしいです。


おなかを掴まれているコチカ→突っ張らかるパジャマ↑タッチ


 *  *  *  * 


2月18日(日)

明け方にニャーニャー言って起こしに来る。
布団を開けてやっても入ってこないので、
どうしたの、と尋ねながら撫ぜようとしても、コチカに手が触らない。
何か問題でも?と思って明かりを点けてコチカを見ると、
到底手の届かない位置に神妙な顔で座っている。

ここ最近、明け方に肩が冷えてひどく痛くなり、
起きて階下に行き、暖かいものを飲んだりして暖まっているうち、
そのまま起きてしまうことがたびたびあるのだけれど、
その間、コチカは私の足元で丸くなってよしよしされ、寝てしまう。

きっとそれが気持ちいいのだ。
なにしろもう布団は暑いし、謎の関節炎のために、
私の腕の動きが不自由で、コチカはきっと布団に寝るには心地悪いのだろう。
だから、下に行こう、と言っているのだろうと思う。

でも、今朝は起きたくなぞなかった。
私は起きないよ、下に行かないよ、だからコチカ、おいで。
と念を押してやったら、通じたらしく、ようやくおとなしく私の腕の中に納まった。
こうして脇にぴったりくっついてくれると温まり、肩も楽になってありがたい。



 *  *  *  * 


2月19日(月)

チャコちゃんちのガレージの向かいのお宅で、
茶色い靴べらを噛んでいるのかと思ったら、
流浪のトラ猫が、ビーフジャーキーを食べているのだった。
チェリーんちの奥さんが行方不明の流浪犬シロちゃんのために、
門扉の隅に置いてやっているものだと思う。

猫にとってビーフジャーキーはやっぱり口に大きく、堅いものなのだろう。
鼻の頭にしわをよせ、ばりっばりばりっ、と噛み砕いている。
コチカがずっと見ているので、つきあって見ていたけれど、
あー頭痛ぁ。。

* * *

一匹消えたらまた一匹、
と次から次へと流浪のオスネコが顔を出すので、
なかなか散歩をやめられないコチカ。
退屈なことこの上なしの私。
春よ、早く去れ!
ってなったばっかりじゃん。。



 *  *  *  * 


2月20日(火)

<風邪?>

そういえば昨日の朝、
コチカは何度かしゃくりあげて、嘔吐したのだった。
泡のような胃液を少々吐いただけだったけれど、今ごろ何?
ここ数日、1日2回くらいずつくしゃみをしていたけれど、
風邪でも引いていたのかな。
ご飯も粉々になっていることがあるし、おなかが悪いのかな。
ま、そんなこともあるよね。

* * *

朝の散歩は、行こうとしたら雨が降ってきて、出られなかった。

そして待望の夕方。
チャコちゃんちの角を曲ると、コチカと一緒に息を潜めて走る影。
チビクロである。
アパートの階段のところまでくると、階段の向こう側から顔を出し、ご挨拶。
ちょいちょいと手を出しながら、ゴロ〜ンとなる。
悪い気のしないらしいコチカ。
ちょっとチビクロくんを見ていたが、
すぐに興味をなくしたようになって、あちこちを点検。

十字路に戻ろうと歩き出すと、またも、ささささ、と影が走る。
必ず植え込みの向こうである。
おかしいねえ、チビクロくんは。

他の場所を点検して、またチャコちゃんちのガレージに来てしまった。
なんちゃってマーキングをしていると、
向こう側に、ちゃーんとチビクロ。
ちょいっと手を出して、コチカのお尻を触る。
grrrrrrr、と振り返ったコチカは、またコイツかい、といった風情で、
gr、ともう一度言って、歩き出した。

私もチビクロくんと仲良くしたい。
そうしたら、コチカとチビクロくんの中ももうちょっと進展するかもしれないのだから。



 *  *  *  * 


2月21日(水)

夜中。
暑いので私の脇の下からずり上がっていって、
肩の上から手をかけ、丸くなる。
こうするのも充分暖かくって嬉しいんですよ^^\

朝。
体を起こして振り返ると、灰色の猫がうつ伏せで、
顔だけこちらを向けてかわいく寝ている。
とってもかわいいのだけれど、如何せん灰色。
どうしてこう汚いわけ。。

お昼を過ぎてからの散歩。
知らないワゴン車のバンパーの下にもぐりこんで、
唇がめくれ上がって歯がむき出しになるくらいに、
鼻やら頬やらをこすりつける。
口に沿って黒い何かがび〜とついた。
もー嫌〜ん。。

* * *

夜9時ごろに、いつもはあまり通らない方角から帰ってきたら、
どこかで見た金魚色のエプロンの奥さんに犬2頭。
チェリー!と呼んでみると、チェリーは半信半疑ながら、駆け寄ってくれた。
マーくん、ハロー!と言ってみたけれど、
立ち止まって突っ張らかった表情に、まん丸の目をしてじっと見ている。
アハハー誰だかわかんないじゃない?と奥さん。

行ってらっしゃーい、とすれ違いながら声をかけると、
なんと、ラッキーも尻尾をくゆらしてついてきている。
こんなに遠くまで一緒に来るのね。
ラッキーもまったねー、と言うと、
彼も尻尾を立てたまま、私を見ている。
いつもよしよしするのに、今日はなし?って思ってる?



 *  *  *  * 


2月23日(金)

<春の脱走第一弾!>

今日の夜中というか、昨日の続きの夜。
夫が12時半を回ってから帰ってきた。
帰宅がこんな時間ということは、言うに及びませんけれど、ヨイヨイです(^_^)。
私はコチカのおしっこをちゃんとさせてくれるかどうか心配で、待ち構えていた。
私がお風呂に入っている間、コチカが窓から窓をうろうろしていたのは知っていた。
夫が廊下の雨戸を閉めている音が聞こえる。
お風呂から出ると、夫にオシッコをさせるよう言った。
うん、これから、と応えた夫がコチカを探したけれど、家の中にコチカの気配がない。
妙にしんとしている。
あちこち探し回ったが、やっぱりいない。
むむむ?
考えられるとしたら、庭に面した廊下の雨戸を閉めるときに、
足元をすり抜けていったのに違いない。
きっとそうよ!
でも夫は気づいていなかった。

しばらく外を歩いてみたが、姿なし。
雨降ってるのに。。
すごーく心配な気持ちがするかと思えば、なんだかそうでもない。
全然嫌な感じがしなかった。
いいよ、帰ってくるよ、と私はあっさり寝た。
夫はもうちょっと探していたようだけれど。

* * *

7時に目が覚めたので、外に出てあたりをうろうろ。

ラッキーに会うと、ハロ〜!とばかり足元に擦り寄ってきたので、おはようおはよう、とご挨拶。
コチカ知らない?と言いつつ歩き出すと、
しばらくラッキーもついてきてくれたけれど、そのうち、消えた。

チャコちゃんちの角を曲ると、玄関に置かれた台の上にウリ坊が、
大人みたいなきりりとした顔をして、丸く座っている。
おはよー、コチカ知らない?
とふらりと近づいて言ったら、ちょっとばかりびくっとした。
んーな、警戒しなくっていいよ。

大きな通りまで行ってみる。
一部屋ずつのベランダに大きなボイラーがある古いアパートの前を通りかかると、
1階端の部屋のボイラーの上にみいちゃん。
寝返りを打って、寝心地を確かめているところだった。
こうやって冬を越すのね。

何度かこうして、リードをポケットに入れ、
傘を差してコチカが行きそうな界隈をうろうろしてみたけれど、
全く姿は見えず。

うちの向かいのお宅の庭に向って、チャチャ、と呼んでみていると、
カイちゃんともう一匹の犬を散歩させているおじさんがゴミを出しているところに会った。
コチカ、出てっちゃいました、と話すと、
では見かけたらお知らせしますよ、ええ、お世話おかけします、どうぞよろしくお願いいたします、なんてお辞儀をして、
家に帰ろうとすると、足元をたったったった、と走り抜けていく、ややグレイのぽっちゃり猫。
コチカ!わ〜コチカコチカ!
おばかさんコチカ〜、帰ってきたんだね^_^!

コチカは当たり前のように玄関を開けてもらうのを待って、たったか家の中に入っていった。
コチカが庭から帰ってきても中へ入れるように、廊下の窓を開けておいたので、
またもひやりとしたけれど、今度はまったく無視。
雨で湿った土の匂いが強烈にするのにも興味を示さず、とっとと台所へ。
カツオブシを待たずに、ご飯にがっつき一心不乱に食べだした。

汚くはなっているけれど、この雨だから誰にも会わなかったのか、けんかした様子はない。
やれやれ。
トイレットペーパーを持ってきて、ご飯を食べ終わるのを待ち、足と体を拭いてやった。

というわけで、コチカは今、足元でゴロリとしている。
ときどき毛繕いをし、ときどき、きったな〜い顔を向けて、
あっ、と私を呼び、よしよしを催促する。
やれやれ。
無事戻ってきた日常だけれど、
コチカがいるといないのとでは、部屋の中のエネルギーの量感が変わるような気がする。
不思議な存在ですねえ、猫って。



 *  *  *  * 


2月23日(金)

昨日は、おしっこをさせる前に出ていってしまったのだった。
帰ってきて、私がさせてみたけれど、手が痛く、また感覚もあまりないので、
全部は出し切れなかった。
ま、いいけど。
今日は半休するんだとかいって、大手を振って寝ている夫がもうすぐ起きてくるはずなので。
酔っ払って帰ってきて、おしっこもさせずコチカを逃がして、いつまでも寝ていて、
ったくもー
ペナルティーをどうしようか。

* * *

どうにもきったないコチカ。
きれいなところと言ったら、顔の真んまん中の鼻の周りだけ。
早く夏になって冬毛が抜けてくんないと。



 *  *  *  * 


2月24日(土)

遅い朝の散歩。
チャコちゃんちのご主人に会った。
きったなくなったなー、と言われた。
100回くらい言ってやってください!

奥さんと話していると、
いつの間にか玄関の屋根にウリ坊が来ていた。
丸く座ってこちらを見ている。

奥さんが玄関に出ると、
とりあえずウリ坊とチビクロがやってくるのだそうだ。
出かけるのかな、帰ってくるのかな。
出かけるんだったら、だめだー(何かがもらえるわけではないから)、と思うらしい。

* * *

それはそうと、コチカはこの間脱走したものの、大した収穫はなかったようだ。
雨が降っていたので、誰にも会わなかったのだろうか。

誰かとケンカして帰ってきたときは、
けだるそうな中にも、
なにか魂が高揚して充実した時間を過ごした後の余韻に浸っているかのように見えるけれど、
今回は、何にもわくわくしたことがなかったように思える。
私に対しても全然変わらないし。
ケンカしてきた後のコチカは、
人間なんてオロカな生命体にはまるで興味なし、
と言ったようにふるまうのだから。

外から帰ってきてもいつもと同じように、
甘えた声でご飯をねだり、
子猫が母親を呼ぶように短く、
っあ、と私を呼んでよしよししてもらうコチカを見ていると、
本当に満足な人生ならぬ猫生を送っているのだろうか、
とちょっとばかり不憫になる。



 *  *  *  * 


2月25日(日)

夜。
夕飯を食べた後、
人間がくつろいでいるとコチカがやってきて、
んあっ、と言って目の前に座った。
見ると、目がしょぼしょぼしている。
顔を撫ぜてやると、
眠気のあまり目が落ち込んで二重になり、
トロンとしたまま私を見ようとするので、寄り目になっている。
大丈夫かぁ。。
そのまま顔を撫ぜ続け、塩梅よか塩梅よか〜などと言っていると、
バタン、と腰を落としてしばらく眠った。

寄り目の猫の顔。
おかしくてもー(=^m^=)ヽ
犬だったらこんな表情するかなあ。



 *  *  *  * 


2月26日(月)

朝の散歩。
チャコちゃんちのガレージの隅に、
クロキの子供3兄弟は箱を置いてもらっている。
その中に今日は、キイロがいた。
今頃気がついたけれど、キイロは顔はトラ柄で、ウリ坊にそっくりだった。

箱の中で毛繕いをしていたキイロは、
コチカが通りかかると、あ、という感じで顔を出した。
コチカが箱に一番近い場所の植え込みに後ろ向きに腰を下ろすと、
ちょっとちょっと何してるの、あのおじさん?という風に首を伸ばし、
なんとか見ようと箱から出てきた。
ウリ坊もいつの間にか、キイロと顔をそろえている。
コチカはその後2匹にはまったく興味を示さず歩き出してしまったので、
はい、そこまーでーよ、でおしまい。

あたりをうろうろして戻ってくると、
チャコちゃんちのガレージにチビクロがいた。
奥へ入って行こうとしたところだったのだけれど、
コチカが、小さな声をかけると、走り寄ってきて、鼻つんつんした。
私も嬉しい*^_^*

*

1つ気になるのは、散歩の最中に、
コチカがお尻を擦り付けるようにして座ったこと。2度。
どうしたのかな。
おしっこまわりが気持ち悪い=尿路結石とかでなければいいけれど。

* * *

午後。
藤の椅子に座っている私の足元で寝ていたコチカに、
膝掛けが落ち、それで寝込みを襲われて驚いたのかどうか。
うにゃん!と発作が起こった。
藤の椅子に座って膝に置いた私の手に怒った視線が注がれている。
恐くなって、膝掛けの中に手を隠したけれど、
うにゃーん、とどうしたって手を攻撃してやる、という意思がありありと読み取れる。

私は謝るより前に、
私のすぐ足元に寝てるのが悪いいんじゃない、
いつもいつも足とか踏んづけないように気にしてやってんのに!
と怒った声を出した。

するとコチカは、
歩いて私の反対側に来た。
ちゃちゃ?と声をかけると、自分が悪かったと思った……とは思えないけれど、
ちょっとすねた様子で丸く座ったので、すかさず抱っこして膝に乗せ、
ごめんねごめんね、急に膝掛けが当たったからいけなかったね、
と言いながらぽんぽんしてやったら、静かになって、そのまま眠ってしまった。
やれやれ。

これには布石があったように思う。
散歩から帰るときに、
なかなか帰ってきたくなかったコチカをガレージに繋いでおいたのだけれど、
ふにゃふにゃ鳴いているので中に連れ戻そうとしたら、
また散歩に出ようとしたので、それを阻止し、中に入れた。
そして一旦は居間でくつろぎかけたコチカの体を見たら、
砂埃がいっぱいついていたので、
これはぶるぶるっと体を振る以外には取れないと思い、
また玄関前に繋ぎなおしていたのだ。
それゆえに、ご機嫌を損ねていたのかもしれない。

最近、道路の隅っこでゴロゴロすることが多く、
ぶるぶると払い落とすこともせず、
砂ぼこりを平気でくっつけたまま家に入ってくるのだ。
そんなもの、家の中で振り落とされたら、嫌よ〜(苦)。



 *  *  *  * 


2月27日(水)

夕方の散歩。
チビクロがどこかから姿を現し、着かず離れずの距離を測りながら、
あっちへ走り、こっちへ走り、している。
それとなく私を気にしているようなので、
私はそちらへは近寄らないよ、というスタンスを保ち、
なるべく視線を合わせないようにした。
斜めから走りこんできては、コチカの数歩前で、
ごろ〜ん、とする。
あーあの柔らかそうなおなか、よしよししたい〜〜〜〜〜〜!!!



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2月28日(水)

夕方の散歩。
ここ最近にしては空気がつーんと冷たい。
それでも全然平気なコチカ。
後姿がもこもこして。。

チャコちゃんちのガレージを通りかかると、コチカが急に身を引いた。
フェンスの向こうの闇から、闇が手を出してきたのだった。
闇は猫の腕の形である。
目を凝らすと、白い毛がわずかに見えた。
チビクロ君である。
チビクロ君の胸の白い毛が見えると、
ようやく濃いグレイの顔に目鼻が見えてくる。

こんな風に、顔見知りの猫に手を出してくるのって、
何を表現しているのだろう。

チャコちゃんの奥さんが出てきた。
チビクロ君は、ゴロンゴロンとしている。
奥さんが近寄って話しかけながら、
おなかを撫ぜたり、幽霊手になった両手を救い上げたりしている。
奥さんにはすっかり懐いているのだ。
かわいいなぁもー



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