2003年1月

~~~ミルク色のコチカ~~~


奮闘記 -20- 





昔シリーズ:去年(02)の12月下旬:
メスだと思っていたのでピンクの首輪


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1月1日(水)

朝から退屈。
遊ぼ〜と不満そう。
お正月なのでゆっくり起きてお雑煮を食べてるところなので、
脱衣所の洗濯機の上に椅子をしつらえて、乗せてやったけれど、
椅子が小さくて座り心地が悪いせいか、すぐに降りてしまった。
洗濯機から向こうが見えるといいのにね。

忘れた頃に2階に行ってみたら、ベッドで丸くなって寝ていた。
かわいそうなコチカ。

コチカは私たち夫婦が使っている2階が好きなのだ。
ベッドもあるし、私が本を読んだり、
PCを使っているテーブルの下で寝そべるのが一番のんびりできるのかもしれない。
ストレスかけてるんだよね。ごめんね〜




 *  *  *  * 




1月2日(木)

実家の2階の壁の角で爪を研ぐので、ガードカバーを2つ製作。
カバーといっても板に切り売り絨毯を張り、ちゃんと爪研ぎになっている。
どうやらコチカの気に入ったようだ。

私と夫が買い物に行ってる間、コチカは母とお留守番。
コタツの中から出たり入ったりして寝そべっていた。

気持ちよかったせいか、ストレスが溜まっていたところで、リラックスできたせいか、
6時になっても出てこない。
4時ごろからご飯〜と音を上げるコチカとしては、珍しいところ。

とうとう7時近くになったので、ご飯いらないのかな〜とわざと大声で言ってみたら、
チリリンと音がして、のっそり出てきた。
言葉わかるところが、面白い。

* * *

食べてからは、夫と鬼ごっこ。
玄関から階段へターンするのに、床が滑るので、体勢を立て直すのに、
アニメのあわてるシーンみたいに足を回転させるのが、おかしい。

その後は、私とぽんぽんで遊ぶ。
これでちょっとはストレス解消したかな。



人の寝正月を見習うコチカ



 *  *  *  * 




1月3日(金)

壁の角っ子で爪を研ぐので、塗装がうろこ状に剥がれてきている。
これはまずいと、縦40cm横15cmの板を直角に合わせて、切り貼り絨毯を張り、
爪研ぎが完成。
同じ場所だし、東京の家で使っているのと同じ素材なので、コチカは安心して爪を研いでいた。

横30cm、縦60cmほどの板にも同様に絨毯を張る。
これは稼動式の爪研ぎである。
どういうわけか壁にはってあるクロスが、コチカはずいぶんお気に入りで、
あちこちで爪を研ごうとするのである。

* * *

人間はお出かけ。コチカはお留守番。
テーブルの上には決して海産物を置かないように。
居間のホット・カーペット炬燵にいるだろう、とは思うけれど、
二階へもいけるように、あちこちのドアを開けておく。

果たしてコチカはお利口でいた。
というか、ただ寝ていたらしい。
食事の時間を過ぎているのに、ご飯〜とも言わない。

* * *

人間がご飯を食べてる間中、遊ぼー遊ぼーと玄関から呼ぶ。
ご飯中なので、無視。

食べ終えてから、ダンスの番組を見ていたので、コチカを抱っこして見せてやる。
しばらく見ていたようだけれど、私の手を舐めたり噛んだりし始めた、と思ったら、眠ってしまった。




 *  *  *  * 




1月4日(土)

ベランダの一部を針金の網で覆い、コチカが外に出られるようにした。
もちろん、よじ登って上から脱出できないように、上も閉じる。
もう明日帰るのだけど、それでも明日の朝お天気がよければ、
家の中でじっとすることもなく、退屈をしのげる。
田舎の家の裏庭に面したベランダで、
山の空気や、土の匂いがふんだんにあるのだ。

コチカを出してみると、エアコンの室外機の臭いをしきりにかいでいる。
以前に近所の猫がマーキングをしていったのだろう。




 *  *  *  * 




1月5日(日)

東京へ。
強風のためにまたもやフェリーが大揺れ。
コチカはゲボゲボ。
でも人間はもうあわてない。
タオルを敷いておいて、吐いても体が汚れないようにし、
続けて吐くのであれば、折り曲げておけばいいのである。

でも、
1回は吐いたら、汚れた臭いが嫌で、にゃ〜〜〜!!!と大声を上げてしまったので、びっくり。
思わずこそこそと船内から甲板に出てきてしまった。

そしたら、すごいうねりで、フェリーが左右にゆれ、海水がばっしゃーん!とかかるし、
思わずよろっとした拍子に、キャリーのふたが飛んでいってしまい、
キャリー本体を膝に置き、外に出ようとするコチカを片手で押さえ、
パニックしてしまった。その間もフェリーは揺れている。
そばにいた男性が助けてくれたのでよかったが、どうなるかと思った。

* * *

あまりの揺れに人間も危なくなりそうだったので、
トイレの前で立っていることにした。

振動が伝わらないように、体から放してキャリーを持つ。
まるでなにかの筋トレみたいな格好。

ビニールの袋を持って走り回る乗務員の女性が、
恐がりませんか、と声をかけてくれる。
あらあ、うちの猫によく似ている、などと言って笑いかけてくれると、船酔いも緩和される。




 *  *  *  * 




1月6日(月)

久々の我が家。
昨日の夜、家に帰り着くと、嬉々として家の中を点検しまくった。
火の気もなく冷たい家の窓をあちこち開ける。
ちょー寒いのだけど、コチカの精神が参っていると、こちらも参るので、我慢。

人間が寝る時間になってもなかなか寝室に入ってこない。
あちこちをうろうろして、世情の様子を眺めている。

2度ばかり眠りを起こされた気がした。
1度は、ふとんの上で麦踏みするので、
2度めはふとんの中に入ろうと、肩口を引っかかれたので。
でも、朝おきる頃には、もうコチカはいなかった。
やはり家って嬉しいのね。




 *  *  *  * 




1月7日(火)

夜中から朝、お昼過ぎまで人間のふとんで寝ていたコチカ、
ようやく自宅にいることに慣れた、というか、落ち着いた。
駆り立てられるように窓から窓へと走り回ることもなくなった。
窓辺にじーっと座ってはいるけれど。

* * *
おしっこをご機嫌でさせない。
どこかへ行こうとしていたところをひっ捕まえてさせようとしたからか。
大変な勢いでRRRRRRRRRRRRRッと怒っている。
こちらも負けずに、おしっこはしないといけないの!と声を荒げたら、
ふっと力を抜いて、ふーっとため息をついた。




 *  *  *  * 




1月8日(水)

今日はピアノの生徒さんが来る日。
兄妹2人はコチカを触りたいのだけど、大騒ぎをする彼らをコチカは避けたい。
帰りがけに、さようなら〜また来週〜、と玄関のドアを閉めたタイミングで、
にゃ〜と後ろから声をかけるからおかしい。




 *  *  *  * 




1月9日(木)

コチカをご機嫌伺いにきた猫がいた。
コチカは、風呂場の窓をぁぁ、ぁぁ、っと小さな声を上げながら、開けようとしている。
そのうちに階段下の窓へ移動した。
見てみると、訪問にきた猫は、背中の黒っぽいトラ猫で、喧嘩しそうにないところを見ると、メス猫だろうか。
なんとかの術といわんばかりの抜き足差し足で、枯葉も落ちている地面を音を立てずにゆっくり歩いて行った。
コチカはそれをじっと見送っている。
いったいどういうサインなのだろうか。




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1月11日(土)

人間が早朝に起きたので、コチカも起こされた。
布団の中で丸くなって寝ていたコチカを、
起こそうとしてそっと背中を触ると、んん、んん、と寝言を言った。
そんなの初めて聞いた。かわい〜〜〜〜ん!!!




 *  *  *  * 




1月12日(日)

寝室の引き戸にコチカ用出入り口をつけた。

コチカが出入りするために、引き戸を12cmほど開けていたのだが、
それでは寒く、隙間の前にオイル・ヒーターを付けっ放しにして置き、
入ってくる空気を暖めていたのだが、電気の無駄使いだ、という結論になった。

180cmの板を引き戸の高さに切り、敷居にはめ込む。
これで取り外しも簡単。

下部をコチカが出入りできるだけ、切り取る。
切取り部分に、開閉自在なふた、というか、扉、をつける。

今のところ適当な材質が見つからないので、暫定的にダンボールを切ったものを、
ガムテープで止めてある。

*

コチカを通らせてみると、頭で押せば簡単に体は入るのに、
それが理解できず、開閉自在扉をなんとか手で開けようとする。
何度か、人間が手でやってみせてもだめである。

網戸でもその他の引き戸でも、横に動かす式の引き戸なので、
その開け方なら得意なのだが…。

開けようとすると、バタバタとかなりの騒音をたてる。
一晩これだったらどうしよう…と案じていたら、人間が寝るまでには学習したようだ。
やれやれ。

これでオイル・ヒーターをつけずに寝られる。。ばんざい!




 *  *  *  * 




1月14日(火)

夜中。
コチカがひげが私の頬に何度も当たるな、と思って目が覚めた。
毛づくろいをしていたのだ。そのついでに私の鼻の頭もざーりざーり。
あいたたた。。と思うのだが、眠りの途中なので、頭も動かせなかった。

* * *

お昼前。
階段下の棚のコチカに私が近づくと、コチカはぁ、ぁ、と声を上げていた。
庭に猫が来て、座っていたのだ。
争うことなく、静かにしている。

写真を何枚か撮ったら、ここは危険だと思ったのだろうか。
どこかへ行ってしまった。
残念そうなコチカ。ごめんね、邪魔して。




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1月16日(木)

近所の家の、冬の間に夏の植物を寝かせるための籾殻の入った袋の上に、
ノラが丸くなっていた。
写真を撮って見てみたら、どうやらうちに来たノラらしい。





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1月17日(金)

トラが寝ていた家の奥さんと話をした。

以前にいた、トラ:黄色いトラ猫は、コチカのことも気にしてくれて、
ときどき呼びにきていたが、

やはり心根の優しい猫だったらしい。
そこのお宅でも、ご飯をあげていたのだが、
ご飯を用意すると、トラ猫は、いつも一緒にいるミケを呼びに行ったのだそうだ。

トラは社交的な猫だが、ミケは、内気で、他の猫には寄り付かない。
ミケはトラが頼りだったのだろう。
トラ猫が交通事故で死んだとき、ミケは何日か大声で鳴いていたそうだ。

そういえば、最近、ミケを見かけなくなった。
奥さんの話では、筋向いの奥さん(シルヴィーや、2匹の犬がいるお宅の)に
ご飯をねだる声は聞こえている、ということなので、元気なのだろうけれど。

相棒をなくした猫というのは、いったいどんな気持ちで生きているのだろうか。
→2002年7月5日の日記へ

ミケ




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1月19日(日)

夫が何度もコチカの夢を見た、と言った。
コチカはいつも外へ出ていったのだそうだ。

私も最近、コチカの夢を見る。
そういえば、昨夜、布団の中に入ってきたとき、猫のおしっこ臭かった
発情していて、外に出ていきたいのだろうか。

* * *

夕方頃、居間の南側から、にゃ、ぁぁぁと外から声がする。
ガラス越しに外を見ると、この間、庭に来ていた猫だった。
コチカを呼びにきたのだろうか。

コチカはそれよりいち早く階段下の窓辺に座りに行っていた。
それまでは寝ていたのに、わざわざ起きて行ったような気がする。




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1月21日(火)

夜中に、うんち〜と声を上げながら寝室に入ってきた。
お尻を触ると、確かにウンチが、スタンバイOKである。

窓辺にでも座っていたのか、コチカの体からは、寒い空気が吹いてくる。
どうしても起きる気持ちになれず、夢の続きを追っかけていると、
コチカは布団の中に入ってきた。体が冷たい。
早く暖まるよう、覆いかぶさるようにして、抱っこした。

朝になって、目覚める頃、っっぷ〜〜んと苦い臭い。
なにこれ、コチカ?と夫。
そうらしいね、と布団を上げると、コチカは名指しで言われたので、こりゃやばい、と思ったのだろう。
そろり、と体をあげた。すると、そのタイミングで、ウンチがお尻から抜け落ちた。

今にも逃げ出しそうな体勢をとったコチカだけど、
でもコチカは、ちゃんとウンチが出そうである旨を、私に告げたのだ。
なのに無視したのは私だから、叱るのは筋違いである、
と思い、だめじゃ〜ん、と言っただけだけど、
それでも強行に叱れば、我慢できるようになるのだろうか。

ここ数日は、ヘヤボール排出用ではなく、ごく普通のキャット・フードだからか、
肉食の動物の結構な臭いがする。朝からこれ。あ〜




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1月22日(木)

最近は、追いかけっこもしないし、全然運動をしていないけれど、いいのだろうか。
相変わらず、外は見ているけど。
あちこちの窓を渡り歩いてる程度で運動になるとも思えない。。




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1月23日(金)

またもや、オシッコ臭い。
オシッコさせたときには、ちゃんと汚れたところはちゃんと拭いてやっているのに、
尿道口のおなか側に、濡れて乾いた痕がある。

うーむ。
19日(日)にもそうなっていた。
これってスプレイの痕?
コチカはちゃんとできないので、スプレイし損なった、痕、ってこと?




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1月26日(日)

台所から廊下に出る引き戸と、風呂場に行く方向の引き戸に、
コチカがゲートを作った。
これで、コチカが自由に行き来できるように戸をあけておいて、
寒い思いをしなくてすむようになった。

あー戸がちゃんと閉まってると、こんなにもあったかだったのね〜




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1月27日(月)

また言いたい。
戸がちゃんと閉まっていると、とても暖かい。
コチカが戻って来るのを忘れて、閉めてしまい、
ふにゃ〜と廊下からコチカが呼ぶのに、立っていく必要もない。

* * *

何もすることがないので、ずっと寝てばかりいるコチカ。
いいのだろうか。
夜、おしっこの量が少なかったので、心配になってしまった。




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1月28日(火)

相変わらず寝ているコチカ。
でも、外に異変が起きると、いきなり起きだして、緊急体勢に入って出動するから感心する。

今日の夜中も、布団の中で私の脇に両手と顎を乗せて寝入っていたはずなのに、
急に、きっ!と頭を持ち上げるので、私も目覚めてしまった。
すると、玄関の屋根あたりに物音がする。
まるで、犬。




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1月29日(水)

帰宅するのに、家に近づくと、にゃあ、と聞いたことのある声がする。
2階のフェンスで外を見ていたコチカが、私を見つけて声をかけたのである。
こういう出迎えって、嬉しい。とーっても。

それにしても、いつからいた知らないけれど、
よく寒くないもの。

* * *

夜中。
ふとんの中でごそごそやってるので、見てみると、自分の手とかをぺろぺろ舐めている。
そういうことを、眠っていても、おもむろに始めるのだ。
なんとなく、手を伸ばして撫ぜようとすると、パクっと噛み付いた。
あら、お邪魔だったのね、と手を引こうとしたら、
コチカは、手で私の手を押さえ、咥えなおした。
あいた〜と思いつつも、うとうと眠ってしまったのだが、
肘から肩にかけて、痛いようなだるいような感じに目が覚めると、
コチカはまだ噛んだまま。
あれからどのくらい時間がたったのだろう、最初よりも尖った牙が痛かった。
それにしても、咥えこんでいる理由はなんだろう???




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1月30日(木)

朝、ご飯のお皿には、かなりのキャット・フードが残していた。
起きてからも口をつけようとしなかったので、どうしたのかと思ったけれど。

夕方になったら、ちゃんとご飯を要求したので、ほっとした。

今日の夜中は寒かったのか、ほとんど下に下りて行かなかったのかもしれない。
夜中に何度か、布団から抜け出していくのは、
ご飯を食べるためなのだろうか。




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1月31日(金)

夜中。
頭の方で、冷たい風がふっと揺れた、と思い、目を覚ますと、
コチカが至近距離で座っている。
丸く大きな目がふくろうみたい。
外を見ていたのだろうか、寒さのために鼻の頭が真っピンク。
ただじっと見ているので、どうぞ、ふとんを上げてやったら、
においを嗅ぎ嗅ぎ入ってきた。
つ、冷めた〜
丸め込んで、息を吹きかけることしばし。
肉球だって、痛いほどに冷たいのだ。
あんまり冷えるとよくないよ、ほんっと。。




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