9月1日(木)
朝、夫を送り出してからメイルをチェックするのに藤の椅子に座って作業をしていたら、
コチカは物見台に上がって行き、待つ体制を固めた。
畳に座っているのなら、散歩に行く?と言い出すまでの間、
私の隣に寝そべっているのだが、椅子に座っていると、
景色が大きく違ってしまうのだろうな。
*
メイルチェックが終わり洗濯機をしかけに出て戻ってくると、
窓に向かってゴロリとなっていたコチカは、頭を持ち上げてこっちを見ている。
なーんてかわいらしい顔!
目が真っ黒でおもねるような表情に、つい頬がほころぶ。
さてチャチャ、散歩どうする?行く?どうする?行こっか?
とコチカの目を見ながら、からかうように何度もに言ってみる。
するとコチカは、エヘヘ〜、というように、体をひねって頭の天辺を下にこすりつける。
コチカの嬉しかったり、甘えたりするときのポーズである。
それから上体を起こし、目を輝かせたまま、うわーん、と欠伸をし、
天国への橋に手をかけ、うーんとのびをして、降りてくる。
坂の途中、東側の窓から入る明るい光の中にコチカの姿が入り、
逆光の中で、コチカの姿がしばしなくなる。
肉体が見えても見えなくても、今ここに確かにコチカの魂があるのを私は知っている。
しかも白く美しい毛皮を着て、足首にすりよってくる。
正真正銘、コチカは魂も肉体も同時に持ったままで、ここにいるのです!
ああ幸せ。。
* * *
階段下の棚の上で、熱心に足を舐めているので、
どうしたのか、と見てみると、
左足の踵と脚の関節の内側が、毛が抜けてしまっている。
舐めすぎたため?
痛いのか。
痒いのか。
軟膏を塗っておこうかと思ったが、やめる。
猫自身の"気"の方が効き目ありそうだし。
* * *
夕方の散歩。
草を食べた後、消化し切れなかった草だけを道々吐く。
ときどきこうなる。
いいのかな。
* * * *
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外、まだぁ?の心 |
9月2日(金) 4年前の今日、コチカはうちに来た。 当時、私はまだ動物を飼う、ということが精神世界に組み込まれていなくて、 拾ってきた動物を最大限に心地よく保ってやろう、という気持ちも、 見栄えの良い写真を撮り溜めしよう、という気持ちも希薄だった。 4年たった今、自分のこの変わりようは、と思う。 コチカからはいろんなことを教わった。 流れていく風にはいろんな匂いの層がある、ということ。 言霊のこと。 動物も、沈うつな気持ちでいる人間を慰めてくれる、ということ。 夫に噛み付いてしまった後、引け目を感じてしまうほどに繊細なこと。 そんなこんなをいろいろ思い出して、 精神世界も広げてくれた、と感慨深い気持ちでいるのに、 ぶー、とした表情を見せるコチカ。んったくもう。 |
* * *
夕方の散歩。
玄関を出たらすぐに、玄関脇にある木の根元辺りに吸い寄せられていったコチカ。
何があるのだろう、とよく見たら、アブラゼミが留まっている。
至近距離で動かないものはよく見えないので、
セミがいる場所とはあらぬ方向をくんくんしていたが、
臭うのね、セミも、と感心。
* * * *
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9月3日(土)
昨日の話。
夜もふけた頃、庭に誰か来ていたのか、コチカは階段下の窓と風呂場の間を何度も往復していた。
それが落ち着いたのか飽きたのか、コチカは階段下の棚の上に横になっている。
最近はいつもそこで過ごすのだが、人間はトイレや玄関に行くときに、コチカの前を通ることになる。
するとコチカは、人間のその行き帰りに、ちょい、と手を出す。
こら、なんだなんだ、とかまっていたら、
それがエスカレートして、今夜はひさびさの追いかけっこになった。
これはミュミュがいなくなって、少々淋しくなった後に1回やって以来のこと。
いつもは4、5本やるが、3回でバテた。私が。。
* * *
尻尾の黒いのは、スタッドテイル症で、
去勢していない♂猫がの尻尾の付け根の皮脂線からの分泌が多く、
毛先がべたべたして汚れがつきやすくなる、というのはもはや心得ているが、
その一部が、皮膚に黒いふけみたいなのがついている。
毛先が汚れる、というよりは皮膚に近いところに、黒いふけのようなものがついていて、
これはチー玉の汚れ方とそっくり。
なんだろう???
* * * *
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9月4日(日)
猫でも秋には哀愁を感じるの?の巻き
日曜だというのに、暑くて8時半なんかに起きてきてしまった。
メイルをチェックしていると、コチカも降りてきた。
しばらく私の横に寝そべっていたが、畳が冷たくなってきたのか、
膝の上に乗ってきて、毛繕いを始めた。
せっせと体を舐めている最中に、どういう気持ちが起こるのか、
ときどき、あー、っと細く小さく高い声を上げて、私を見上げる。
その都度、よしよし〜、とするのだが、いったい何のサイン?
そのうちに、夫が降りてくる気配が漂ってきた(笑)。
寝室でカーテンや窓を開けたり、シャツを探したりする物音が聞こえてきたのだ。
コチカに、(夫が起きてきたから)コーヒー淹れなきゃ、と言ってみたら、
毛繕いの手を止めて、じっと私の顔を見、手を伸ばしてきた。
爪が少々鼻の下に当たっ。
ちょうど顔に届きそうで届かない距離だと思ったのか、
手を目一杯伸ばしたので、爪が出ていたのだ。
あ痛たたた。
痛いよコチカ、と言うと、コチカはじっと目を見つめている。
どうしたのだろう。
ここのところずっと私が不在にしていたから?
やっとうちにいると思ったら、夫もいるし……ってコチカ、
ご飯は夫に買ってもらってるんだからね。
…そういうのではなくって、どこか具合が悪いのだろうか。
ミュミュがいる間、落ち着かなくも面白い生活をして、
そして急にミュミュがいなくなってしまい、
ようやくそのギャップを埋め合わせた、と思ったら、
車で遠距離を走って、居場所を変えさせられて。。
ふうふう言いたくなるような暑い日々が過ぎて、
過ごしやすくなったので、ちょっとはほっとしたのかな。
それで体に感じる刺激がなくなって、わけもなく淋しくなったり?
……なんて、猫でもやっぱり秋を感じるのかしらん。
* * *
夜。
台風14号の影響で、うちの周辺だけ、大雨と雷。
自宅の最寄の駅に着いたら、晴れていた銀座とは打って変わって、
どしゃぶりだったので、びっくり。
怒号と共に点滅するような空の下、バケツをひっくり返したような雨の中を、
半べそかきながら帰ってきた。
その狂ったような天候のせいか。
コチカは真っ黒な目をらん!と輝かせて走り回っている。
そのうちに、人も興奮させようと、走り回る行き帰りにちょっかいを出していく。
乗りやすい私も面白半分に手を出してみる。
久しぶりに、狩りのまね。
座っている私の肩くらいまで飛び上がるコチカ。
こんなにノリノリなのも久しぶり。
ちょっとは運動になったかな。
猫関係ではないけれど、いろんな人にお知らせしたいことがあります。
今さかんに言われている「ゆる体操」をご存知でしょうか。
体を緩(ゆる)めて元気になろう、というもの。
その場でできる健康体操の決定版と言えるのではないか、と思っています。
何が良いかというと、ヨガ、気功などのそれぞれのいいとこ取りをしているところ。
そして、正真正銘「楽」にできるというところ。
身近な人と楽しく…本当に楽しくできる!というところ。
寝そべってテレビを見ながらでもできる、というところ。
これを編み出した高岡英夫氏は、偉い!と感心してしまいます。
すでに幾種類か本が出ているので、ぜひ手に取り実践してみてください。
楽しく楽して体が楽になります(笑)。
私が持っているのがこれ→「ファミリーゆる体操」
大きな文字でわかりやすく、しかも理論も適切に書いてあって、ほ〜、と感心することしきり。
* * * *
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9月5日(月)
台風の影響で朝から雨ふり。
どうにもしょーおまへんな。。
* * *
夕方。
血相を変えて居間に走りこんできたコチカは、
脚立に飛び乗り、坂を駆け上がり鴨居の橋渡しから、
いらいらとした様子で不審そうに天井に手をかけている。
私が見ていたら、何さ!!!と朝青龍がすごんでいるような表情でこっちを見た。
おー恐。
ネズミでもいたのかな。
* * *
夕食後。
夫と私の間に、あいまいに座り、神妙〜な顔をしているコチカ。
どしたの?
私の膝に手をかけたりやめたり、手を舐めてみたり。
夫に頭をよしよしされ、そのうちにくるんとCの字になった。
昨日から散歩をしていないので、まーっ白。
きれえ〜
* * * *
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9月8日(木)
ようやく晴れた今日。
朝から、外行こ、外!と騒ぐコチカ。
久しぶりだもんね、わくわくするでしょ、と言ってやったら、うぁ、と言った。
最近は門の外に出ても、まず、じーっと佇んでいることが多い。
5分ほども動かない。
その間、私も動かない。
チェリーんちの庭のある道…向かいの家の脇の道に入っても、またじーっ。
この間などブロック塀の装飾の隙間から、動かない帽子が見えたので、
泥棒が伺っているのかと思いました、と向かいの奥さんに言われてしまった。
なら、はーい!とか言いながらここにいましょうか、
と踊って見せたら、アハハ〜と付き合ってくれ、さっさと中へ入ってしまわれた。
そりゃあんなところに立っていたら、不審に思われても仕方ないわ。。
気持ちがいいので、玄関のドアノブに繋いでおいたが、
割合早くに、にゃおーん、と声が上ったので、中に入れた。
台風明けで配達が多いのか(?)運送屋さんのトラックが入れ替わり立ち代り来てたからかな。
コチカは、トラックのエンジンの音がうるさすぎて嫌いなのである。
* * * *
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9月9日(金)
曇り。
朝の散歩。
静かでなんだかうら寂しいな……と思っていたら、
黄色い声が向こうの角から聞こえてきた。
保育園児たちのお散歩の集団である。
思わずコチカを抱っこして逃げた(笑)。
十字路のアパートの椿の下に、アブラゼミがひっくり返っていた。
セミを見たのは初めてに等しい。
おっかなびっくり、ちょい、っと手を出してみるコチカ。
まだ息のあるアブラゼミは、激しく羽ばたいた。
驚いて身を引くコチカ。
また動かなくなったセミに、そろそろと近づき、ちょい、とやってみる。
もしも人間がいなければ、コチカは好きに遊んで、
コチカの望む望まないにかかわらわらず、
夏の終わりの断末魔のセミに、爪の先でとどめを刺してしまうだろう。
でもそばにいてしまっている私は、傍観していられない。
椿の木の枝にアブラゼミを乗せてやり、
もう死んじゃうんだからね、静かにしとかないといけないの…
とかなんとか、知ったようなことを言っている。
無垢な彼らに余計な手を入れたらだめだと思うものの。ねえ。
* * *
遅い夕方。
具合が悪くて、居間で横になっていると風呂場の方で、だだだっ、と勢い込んだ物音がした。引き続き居間へやってきたコチカを見て、私は飛び上がった。
ネズミを咥えている!
興奮のために窪んで真っ黒な目をしているコチカ。ネズミからはポタポタと血が滴っている。私はとっさに新聞紙を持ってきて畳に置き、この上に置いて、と言った。コチカはちょっと考える風をしてから、新聞を除けて部屋の隅にネズミを下ろした。私が見ていると、取られると思うのか、うーっ、と低い声で唸った。
ネズミはすでに死んでいるらしく、動かない。コチカは、ちょいちょいと触ってみたりして、ときどき爪で引っ掛けて、持ち上げてみたりしている。ネズミを捕まえるとき、全身の毛が逆立ったのだろう。脂でべたべたしている尻尾の毛が、立ったままになっている。
ネズミの鼻先に自分の鼻を寄せ、くんくんと匂いを嗅いでいる。コチカはネズミのその部分…鼻…が息をしているのかどうか、確かめているのだ。偉い!とつい感心した。鼻から暖かい息が出ていたら、まだ生きているのだということをよく知っているな、と思う。当たり前なのかなあ。
ネズミが死んでいるのが残念な様子で、息してないな、こいつ、とまた爪で引っ掛けて持ち上げる。ひょい、と宙に飛ぶネズミ。
うう。。胸が悪くなってきた。
どこから血が出ているのか、と遠目ながら目を凝らすと、なんとネズミの細い鼻の横に、ぷっつりと穴が開いて血が出ている。コチカは、ネズミの息の根をとめようとして、鼻先に噛み付いたのだろうか。なんて偉いのだろう。アフリカの草原で獲物を仕留めるライオンみたいじゃん! だだだっ、という物音がしてから、コチカがネズミを咥えて居間に入ってくるまで、そんなに時間はかかっていない。ものの数秒、長くても1分以内だったと思う。どうやっていつのまに殺したのだろう。コチカがネズミをまず弄ばないで、苦しませることなく死なせたのか、と思うと、ちょっとばかり嬉しくなると同時に、さらに胸が悪くなって眠たくなってきた。
ネズミは汚い。ダニとか撒き散らすだろうし。汚いネズミと遊んでいるコチカをどうすればいいか。
ネズミは、目を開けたまま死んでいる。つやつやと光を帯びた真っ黒な目はそれなりにかわいいと思う。でも、体長よりも長い尻尾を見ると、吐き気を催してしまう。
まだコチカはネズミを弄んでいる。裏返ったり、うつむいたりしているネズミ。ネズミの灰色の毛がむしれて落ちる。今日、夫は帰りが遅いと言っていた。コチカが物見やぐらにでも持ち込んだら、と思うと気が気ではない。私はずっとここでこうして見張っているのだろうか。まだ7時前である。
除去するとしたらどうやって?そのためには至近距離に近づかなければならない。
どうしよ。。
誰か来て。
このときひらめいた。
そうだ、チャコちゃんちのご主人に来てもらおう!
腕を伸ばしてコチカを持ち上げ、玄関に行き、リードを取って、外へ出た。コチカを門の柵へ繋いで、チャコちゃんちに行ったら、ご主人はいた!
わけを話すと、ビニール袋と箸を持ってきてくれ、難なくとってくれた。偉いよ、ここの猫は。うちのチャコなんか、絶対取れないから。偉い偉い、偉い猫だ、とかやたらと誉めてくれながら、廊下を歩くご主人。ビニール袋に入れたネズミを持って帰ってくれた。
ほっっっっっっっっっっっっっ!!!
大きな背中に後光が射しているように見えた。
心の底から、ありがとうございます。
それからしばらく外にいた。コチカは壁にいるヤモリを探している。やっぱりコチカは獣なのだ、と思った。今日はどうやって一緒に寝ようか。。
* * * *
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9月10日(土)
昨日の夜、ネズミを捕まえたコチカは、朝から脱衣所から風呂場を見張っている。
もう出ないよ、と冷ややかな視線を送る人間二人。
あったりまえである。
そんなものが毎日出てたまるもんか。
興奮がずっと続いていたのだろうか。
涼しくなってから食欲が戻ってきていたが、今朝にはほとんど残していた。
* * *
コチカは猫として、オス猫として、大概のことを経験したのではないろうか。
1.家から脱走して、界隈のオス猫ともケンカして、勝ってきている。
2.自力でウンチをした(去年8月)
3.子猫に年長猫として何かを教えてやった。しかも仕返しをしなかった。
4.ネズミを捕った。
そして、5.人間に噛み付いてしまって後悔している。6.人間にも優しくしている。
ただひとつ、オシッコができていないが、そればかりは本当にどうにもならないことなのだろう。
* * * *
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9月11日(日)
夕方の散歩。
なんか行きたがらない。
朝も結局は長々と行ってきたが、
夫がいくら呼んでも、私の方に目をやり、
どうしようか、と迷う様子。
なんでかな。
* * *
ミュミュをもらっていただいたCさんから、近況報告のメイルが届いた。
→ミュミュ、その後
名前はまだ決まっていないらしくて、まだミュミュ。
それともまだみゅうみゅうと鳴いているようなので、ミュミュに決定?
スターと豪快に走りまわっている様子がなんとも幸せそう。
あまり大きくなっていないようなお話だけど、大量に食べてはいるとのこと。
また全大腸分のウンチをしているのかと思うと笑ってしまうけれど、
内臓の働きが良すぎて、全部出てしまうのかしら?ってそんなことないですよねえ。
* * * *
▲
9月12日(月)
からりと晴れたきれいな朝。
十字路のアパートのベランダに下に、顔を突っ込んでいた、と思ったら、
ざざざざ!と激しい音がした。
覗くと、傷だらけの顔のミルボーが陰険な目つきで、ぶーっとしている。
あわててコチカを遠ざけた。
* * *
ユニチャームのノンさんダーさん除去薬をつける。
ミルキーは、去年1回つけただけだったそうだ。
それもノミが大量発生したから、という理由で。
私なんか1匹でもいたら頭から湯気が出るので、薬は絶対に欠かせない。
このところ、痒みがほとんどないので、安心していたら、今日は大変な勢いで痒がった。
痒いあまりにハイになっているのだろう、走り回っている。
部屋の隅に言っては、壁に首筋をこすりつけようとし、
PCを叩いている私に、体ごとぶつかるようにして、掻いて〜と言ってくる。
膝の上に上がりこみ、掻いてもらうに任せている。
手を休めていると、発作を起こしたように体をぴくっとさせ、
どうしようとするのか両手を顔の方に伸ばしてきて、襟元に爪を引っ掛けたりする。
なんだかその必死さについ、親身になって掻いてやっていたら、
あっという間に1時間くらいたってしまっていた。
お昼も食べている間も、左手でスプーンを使い…たまたまリゾットだった…、右手で掻いてやっている。
お茶を呑んでいる間も含めて、恐らく通算2時間半くらい掻き掻きしていた。
そんなんじゃ私はなんにもできないので、
きれいなお天気だし、リードをつけて玄関先の木の株に繋いでおいたら、
コチカは季節が終わって横になっている(?)露草の茎と葉の上に横になって休んでいた。
6、7、8月と、薬をつけてもほとんど痒がらなかったのは、なぜだろう。
湿気が関係しているのだろうか。
* * * *
▲
9月13日(火)
昨日は夕方以降も大変な痒がり方だった。
膝の上にいても、手を肩まで伸ばしてきて、さらにさらに上に上ろうとする。
仕方ないので、胸の辺りで、足を折り曲げて下から支えてやり、右手で首筋を掻いてやった。
この姿勢で夜のニュース番組を見た。。
いったいこんな抱っこの仕方は、日常的にありえないのであり、
ここまで痒くなることも、恐らくは初めて。
でも幸いなことに、夜眠るまでにはなんとか治まり、夜中はちゃんと寝られた。
* * *
夕方の散歩。
最近はいつもうちの壁沿いに、ヤモリを探して歩くのだが、
今日は朝の散歩コースである十字路へも入ってみた。
空気がしっぽり湿っぽいせいか、なんだか気分もの〜んびりの〜んびり。
そろそろ帰ろうよ、という頃になってきて、なんとなく抱っこした。
すると塀の上に、新顔ネコの姿。
コチカが見つけたら大変なので、なるべく塀に寄った位置で、
コチカからは死角になるようにして歩いた。
空気に鼻を突っ込むようにして匂いを嗅いでいたコチカは、下りる〜と体をよじらせた。
下ろしてやったらさかんにくんくんしている。
でも新顔ネコがいる塀の真下にいるコチカには、とっさに気づかない。
どうなるかな、と上を見たら、新顔くんも目をまん丸にして見ている。
コチカは気づかない。
再び上を見たら、もう新顔ネコの姿はなかった。
夕方は、ときどきこのタイミングでこのネコと会うことがある。
誰だろうな。十字路のアパートのみーちゃんかなあ。。
* * *
散歩の後、ご飯をたくさん食べた。
しばらくして食べた分を嘔吐。
草の食べすぎ?ならいいけど。。
昨日の疲れだったりするのかしらん。
* * * *
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9月14日(水)
カラリと晴れ上がったきれいな朝。
でもあっつー
まだ意地を見せるのか、名残の夏よ。
朝の散歩。
アスカの夜の居候先の方にお会いしたので、コチカのネズミ捕り物長の顛末を話した。
あらぁ、そぉぉ、とにっこりしてくれるものの、なんか物足りない。
思うに、うちの大家さんにもチェリーの奥さんにも話したが、みなさんなんか物足りない反応ではある。
私が勢い込んで言うものだから、適当に合わせくれるが、ネズミを捕る話など、大したトピックでもないらしい。
猫がネズミを捕るのだもの、そんなの昔っから当たり前、てなわけで。
要するに私が慣れてないだけのことらしいが、
でも、居間に血を滴らせたネズミを持ち込んできた,ら、誰もがひっくり返るに違いない。
チェリーの奥さんも、うわ〜、と言っていたし、
アスカの居候先の方だって、絶対にアスカにも中には持ち込ませない、と言っていた。
そう。
アスカも結構いろんなものを捕ってくるのだそうだ。
以前、アスカをまだ家の中に入れない頃、
居はするものの、姿をなかなか見せなかったネズミが、
とうとうガス管を齧ってしまったのだそうで、
以来、庭先から物欲しそうに中を伺っていたアスカを、中に入れるようになったのだそうだ。
果たしてアスカは、ヤモリはもちろん、ネズミも咥えて縁側から上がってこようとするのだが、
そればっかりはご勘弁!と人間が異常に構えるものだから、アスカも理解して持ってこなくなった、とのこと。
広い庭には雀の頭が転がっていることもあるのだそうで、
年のせいで後足がよたよた見えているようでも、案外、ネコ:アスカは健在!らしい。
この間は、コチカも最近気にしている新顔ネコと、派手にやりあったのだそうだ。
最初は、声の応戦だったのだが、あまりにうるさいので、そこのお宅の方が仲裁に入った。
そうしたら新顔くんが逃げた。
すると、なんとアスカは追いかけ、そこで取っ組み合いになったのだそうだ。
それもなかなかやめそうにないので、人間が仲に入った。
すると、新顔は逃げたそうだが、アスカは耳の中まで切り傷を負い、
昨日くらいから少々化膿してきている、とのこと。
でも、頭をやられるなんて、負けてない証拠で、雌ネコも結構やるのね。
風邪引いて、病院で注射してもらったり、アスカもこのところ受難ならしい。
やはり、人間のみならず、ネコも人生いろいろなのですね。。
* * *
大家さんのご主人に会ったら、ネズミ捕ったって?といわれた。
うちは借家で、動物は飼ってはならない約束だったのを、
飼っていい、と言ってもらえたのは、コチカの器量もあるけれど、
ネズミが出没する界隈なので、ネズミ退治に一役買ってくれれば、という頭が大家さんにはあったのだ。
天井に上げてごらんなさい、と軽く言っていた大家の奥さんだが、
それだけは家賃が上がろうが火をつけられようが、私ら夫婦は嫌だった。
そんなわけで、
結局ついこないだまで、ネズミのネの字も見たことがなかったコチカだが、
これでようやく面目躍如ということに相成り、住まわせてもらっている私もノルマを果たした気分でいたので、
はいっ!と元気よく応えた。
そうしたら、なかなかやるじゃない、と言ってくれた。
お手柄だね、だって。
85歳のご主人は、ときどきお世辞を言ってくれる(ニコニコ)。
* * * *
▲
9月15日(木)
乾いた風ながら、空には雲。
どんよりとした空模様なのに、
空気が乾いているとなにかざわざわと騒々しく感じるのはなぜ?
コチカは午後過ぎるまで、駐車場に。
そろそろ出かける時間なので、様子を見に行ったら、
コチカは居間の南側の戸袋の下の壁、ちょうど陽の当たる場所に持たれて、眠っていた。
コチカー、とそうっと呼ぶと、薄目を開いて、ちょっと伸びをし、眠そうな目をしばたかせた。
ほのぼのと気持ちよさそうな様子がかわいらしい。
もうちょっとたったらまた来るから、と言い置いて中へ入り、
すっかり出かける用意ができてから、見にいったら、
コチカもすっかり起きられるようになっていて、
結わえてあったリードをはずしたら、すたすたと家に向かった。
* * *
夕方の散歩。
急に風が冷たくなり、どこかで雨が降っている感じだったので、
一雨こないうちに、と早めに外に出た。
十字路の駐車場の、ネコジャラシみたいな草の生えているところで、
背を丸めたまま、株になった部分に鼻先を突っ込むようにして何度も何度も匂いを嗅ぎ、
鼻を擦り付け、顔を上げるときには、舌で口のまわりをぺろぺろしている。
何がそんなに妙なる匂いなのか、と覗き込んでみても、枯葉が一枚あるだけ。
それが鼻水かヨダレかで、ぴかぴかに光っている。
またたびでもあるまいし、不気味なので、途中でやめさせてしまった。
* * *
十字路のアパートのミーちゃんの飼い主さんから声をかけられた。
外に出たがるミーちゃんに、リードをつけて出てみたのだが、
恐くて動けなくなってしまった、とのこと。
リードをつけて散歩をさせたいのに、と言っていた。
猫にもよるだろうけれど、コチカもいろいろあって今の状態があるんですよ、という話をした。
一緒に歩けるようになるといいのにな。
* * * *
▲
9月16日(金)
涼しくなって、ようやく動きが身軽になったのか、
コチカは用があり次第、なくても、飛んで走っている。
地面に落ちたサルスベリのピンクの花が風に転がされているのを、
やけにムキになって追いかけてみたり。
古新聞入れの袋の中に入ってみたり。
おとといの夜だったか、トイレに行こうと廊下に出ると、
古新聞入れの袋…文庫本コンテナの上に置いてある…が急にガサッと音を立てるので、
またネズミ!と仰天すると、白い顔がゆがんだ袋の口から覗いていた。
ったくもう。びっくりして損した。。
私がPCを叩いていても、闇雲に遊ぼう遊ぼうとけしかけてきて、
追いかけっこをさせられたりする。
元気に走り回るのはいいが、また発情の季節になるのか、と思うとちょっと気が重い。
* * *
出かけていた私が帰ってきたら、珍しくコチカが迎えに出てきた。
わーい!
三和土から上がったところで、いつもの倍ぐらい、よしよしよし〜
夕方の散歩。
十字路の角のお宅の塀の上にアスカ。
向かいの駐車場にいたコチカに、にゃーあ、と声をかけたのだ。
久々の逢瀬である。
コチカはアスカがどこにいるかわからないようだったが、とりあえず声のする方に向かった。
いつものあの裏口のドアがあるところだ、とわかっているようである。
塀に付けられたドアに来ると、いつものように下の隙間から覗くコチカ。
にゃーあ、と上からアスカ。
ようやく気がついたコチカは、真っ黒な目をして塀に飛びついた。
例によって途中までしか上れない。
荒い石の肌に爪を立てて耐えているので、背中を支えてやった。
でも体の重みでほどなくして下へ。
アスカは、なーんだ、という顔をして塀をちょっと歩いてから向こう側に降りてしまった。
残念そうなコチカは、にゃおーんにゃおーんと声を上げながら、
塀の向こうのアスカの気配に合わせて走りだしたが、無理な話。
すぐに諦めて(諦めさせて?)、十字路を曲がった。
*
ここでまた不思議な行動。
チャコちゃんちの玄関前を通り過ぎると、桃の木のある家があって、
その向こうには広い駐車場があり、その駐車場の通り沿いの縁石のわずかな角。
隅っこなので枯葉が溜まっている。
でもわずか。
コチカは、その匂いを嗅ぎ、うにゃーと声を上げ、狂ったようにわずかな枯葉を掻いている。
そしてコンクリートの地面の上で、何度ももどかし気に体制を変え、おしっこスタイル。
なんで?
* * * *
▲
9月17日(土)
とても秋らしいさわやかな日。
コチカは、駐車場に繋いでいる。
来客と昼食を、さあ食べましょう、という段になったら、にゃ〜、と声が上がった。
居間の南、東側の窓は網戸にしてあり、居間の匂いも漏れていくのだろう。
昼食のメニューは、秋刀魚の塩焼き。
ドイツ人の友人に食べさせてあげたくて、昼間っから塩焼きにしたのだが、
コチカにバレたらしい。
ということはもちろんご近所にもバレている。
私と一緒に、友人も窓から覗いたら、コチカは彼女を見、うんざりした顔で、にゃあにゃあ言った。
何かご不満でも?
私が家人ではない人と一緒にいると、コチカはどうやら嫌らしいのだ。
猫だから仕方がないけれど。。
その点、お客さんが好きな犬はいいな、と思う。
* * *
>アスカ・ヒストリー:コチカとの馴れ初め<
夕方の散歩。
いつもアスカが夜にいる塀の下をくんくんしにいった。
アスカいるかな。
丹念に匂いを嗅ぎ、どうやらいないらしい、と諦めて離れたとき、
玄関のドアが開いて、人の声がし、門が開いた。
あら、こんばんは。
アスカが出たいときには、わざわざ門まで来て開けてやるのだそうだ。
今やアスカは、
単なる居候猫というだけではなく、このお宅の家族になっているらしい。
5年前から庭に居つくようになり、それから1年半くらいたってから、
家の中に入れてやるようになったとのこと。
その頃はまだコチカは、外を散歩することがなかったので、会うこともなく、私も全然知らなかった。
しかしコチカが外に出るようになって、うちの門に繋がれるようになった頃、
アスカは、コチカを見つけると、いきなり品を作って、悶えるようにゴロンゴロンと地面に転がり、
それはどうやらコチカにアピールしているようだった、とのこと。
へ〜!
それは知らなかった。
コチカはふらりとアスカの方へ近寄ろうとしたが、リードがあるので、どうしようもなかった。。のだそうだ。
ふむ。
それから、コチカはアスカに狂うようになったのね。
またひとつ、ご近所猫のヒストリーを知った。
人間の知らないうちに、猫も勝手に歴史を作っているものである。
ちなみにここのお宅では、アメ子と呼んでいるのだそうだ。
その話は、誰かから聞いたこともあったが、ここのお宅の方だった、と回路が繋がった。
近所のあれこれそれこれ、なんか面白い。
ちなみに、まったく初めてコチカとアスカが会ったのは、うちの2階のひさし上である。
→コチカギャラリー:ご近所さん2
*
今さっき折角出てきたアスカだが、結局コチカは会えずじまい。
人間同士が話しているのを待っている間に、
2匹のコーギーと飼い主さんが歩いてきたのでコチカは身構え、それを潮に人間も話をやめたので。
* * *
居間。
私の前で寝そべっていたコチカが立ち上がると、ノミが1匹落ちていた。
飛び上がる寸前に指で押さえてこすってバラバラ事件に。
* * * *
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9月18日(日)
午後遅くまでずっと駐車場に。
今日は十五夜である。
珍しく晴れ。
期待できそう^^\
満月のせいもあるのかな、またもや調子の悪い私は、夕方からひっくり返っていた。
コチカは定刻になると、うにゃん〜、ご飯〜、外〜、と言ってくる。
30分ほど待たせてようよう起き上がり、ご飯を用意して外へ。
向かいの家並に沿って歩き、土部分にわずかに生えた草を食べる。
もうほとんど長けていて、食べられる葉は少なくなってきた。
それでもなんとか若い葉を選って食べようとする、食い意地の張った我が家の猫殿。
うちの壁では、小さな山椒の木のあるところに、ヤモリがいたらしい。
早い動きで飛びつき、体を低くして足を開き、べちゃー、と平べったくなってヤモリの行方を追う。
暗くて写真が撮れないのが残念。
ちょうど自転車で通りかかったおばさんが、じっと見て行ったのが視界の端に見えた。
どう思ったかな。。
ヤモリだってもうすぐ冬眠だろう(でしょ?)。
今ごろ捕らえられてたまるか、のはず。
山椒の枝のとげでコチカが怪我をしないか心配なのだけど、
それでもわくわくできる瞬間が1日に一回でもあった方がいいもんね。
ある程度試して、今日はもうだめかな、と思っているらしいので、
中へ入ろう、と言ってみた。私、具合悪い。。
そうしたら、コチカはわかったのかどうか、
すーっと玄関に近づいて門に入り、
ちょっと庭をくんくんしたものの、あっさりとドアへ向かった。
ありがとー
* * *
そうこう言っている間に、満月!
とっても明るくてきれい。
* * * *
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9月19日(月)
>満月の夜、クラシックに聴き入る<
昨日、NHK教育で韓国人作曲家のパーカッションの面白い曲をやっていたので聴いていた。
それが終わっても漫然と付けっぱなしにしたまま、私は他のことをしていた。
新しく曲が始まった。
すると目の前に横たわっていたコチカが、むむ、という感じでおもむろに体を起こし、
テレビの方向にピーンと耳を立てた。
そのままの格好でじっとしているので画面を見ると、
重厚な低音で管弦楽団が何か演奏している。
オルフェウス室内楽団演奏の、シベリウスのぺリアスとメリザンド。
録音が良いのか、テレビにしては響きが損なわれておらず、いい感じ。
コチカは体を起こし、左腕を下にした格好のままで、それに聴き入っているのだ。
耳をピーンとしたまま。
コチカはこういうのも好きなの?
今度このCDを買ってあげようね。
満月の夜に、クラシックを楽しむ猫。なんて優雅な秋。。
*
夜中。
家の西側に回ってきた月の光が寝室に入ってくる。
あまりに美しい月に、みょーにハイだった私はまだ興奮気味で、
全然眠くないので、月の白い光の中で瞑想でもしようと、布団の上に胡坐をかいた。
コチカが入ってきた。
コチカシーツが用意してあるので、ここへおいで、とシーツを叩いて見せても、
私が寝ていないせいか、いやだー、と私のそばにきて、
胡坐をかいて交差した足首のまん前に背中を押し付けて横になり、
その姿勢で、毛繕いを始めた。
そわそわさよさよと毛がすねをくすぐる。
ねえそんなんじゃ瞑想できないよ。。
と言っても、コチカは私を振り返り、にやっと笑うだけ(んなわけないけど)。
* * * *
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9月20日(火)
朝から一人で盛り上がって大変な騒ぎ。
体を丸めて弾丸みたいにして居間に走りこんできて、
派手に爪の音を立てて脚立を登り、天国への坂道をがたがた言わせて天井へ登っていく。
行き着くと鴨居渡しをうろうろ歩き、凄みのある目つきで人間を見下ろして、ふぅっ、と激しい鼻息。
どしたの?
また勢いよく降りてきて、廊下に走り出て、
階段下の柱にばりばりと音を立ててのぼり、たん!と棚に下りる。
そして今度は風呂場へ。
しばらくして走り回っていて、ようやく収まったと思ったら、
庭で大家さんの奥さんが水撒きを始めた。
うわっはっはっは!驚いたぁ?と大声を上げる大家さん。
ホースから勢いよく出た水が縁側あたりでしぶきを上げる音が聞こえる。
びっくりしたような顔してる。ほら。ほらほら。
いったい誰に言ってんのかしらん。ご主人に?
なんだろう???
と思うけれど、夫が出かける支度をしていて私も手が離せないし、
どうされました?と顔を出すのもはばかられるほどのはしゃぎよう。。
果たして……
外に置いてある鉢植えのいくつかが、葉っぱの上からびしょ濡れ。
地面の上にも水が溜まって白い泡が渦を巻いている。。
縁側のガラス窓ぎりぎりに置いてある絨毯の端がぐっしょりしている。
コチカは腰辺りまで濡れている。。
大家さんも朝からハイだったのだろうか。
満月の後だから生き物全般ハイだって?
そうかなあ。
私、そんなことないけど。。
* * * *
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9月21日(水)
朝。
ずいぶん涼しくなった。
なのに大家さんの奥さんったら、ノースリーブのワンピースを着て、玄関を飛び出てきた。
燃えてますね、と思わず私。
ホントに心配になってきた。最近いやにハイなようだけど。。
* * *
夕方の散歩。
25分かけてのフルコース。
最後にうちの壁を点検。
ヤモリを二匹取り逃がした。
私としては、ほっ。。
2匹目には、コチカはフェンスのネットを上っていってしまった。
そのすばやいこと。
フェンスが終わると、窓のフェンスがあり、
ちょっとした飾りを足がかりに、まだ上に行けてしまう。
フェンスと家の壁との間は12cmほどしかないが、
しなやかな猫のこと、ひょっと隙間に入ってしまったらことなので、
慎重にリードを引っ張り、事なきを得た。
*
十字路のアパートのミーちゃんの飼い主さんが来た。
最近、声をかけてくれるようになって、ときどき話すのだが、
ミーちゃんは、渦巻き模様があるので、アメショーがちょっと入ってる、と獣医さんに言われ、
得した気分、と言う話を聞いて笑っていたら、
コチカがいきなり走り出した。
時々界隈に来る、だんだら模様の赤茶色っぽい猫が現れたのである。
塀の上を伝って向こうへ行くのを追いかけようとしてか、コチカは夫の車に飛び乗った。
あわてて下ろして、ミーちゃんの飼い主さんとも別れ、
しばらく抱っこして塀の奥を見せてやりながら、
ご飯にしよう、と言ったら、
コチカはぴょんと飛び降り、さっさと玄関の前へ行き、私が鍵を開けるのももどかしげに待っている。
急におなかがすいたのか、と思いきやさにあらず、お風呂場に直行した。
窓からさっきの猫の行方を追おう、と踏んだのである。
なんだか賢いな、と感心したけど、普通かな。。
あの猫はまだいたかな。
* * * *
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9月22日(木)
昨日の夜。
コチカはなんだかやたらとハイになっていて、
買い物用のビニール袋に入って一人で遊んでいたのが、
私にもやろう、と言ってきて、15分くらい遊ばされた。
袋を頭に被り、目の前が見えないままに、
しのび寄ってくる相手を捕まえ、両手に抱かえて、えいえい、と両足で蹴飛ばす、亜流レスリングである。
久々なのだけど、これってなんともお間抜けに思えて、私はあまり好きではない。
* * *
今日の夕方。
何か言いながら私のまわりをうろうろしていたコチカは、尻尾を追いかけ始めた。
捕まえられないので、ん?と立ち止まり、また狙いを定めて、尻尾を追いかけくるくる回る。
何これ?
こんなことは初めてなので、ちょっとびっくり。
尿路結石症にかかった猫は、
痛む下腹部に向かってわめいたり、噛み付こうとする、と聞くけれど。
しばらくするとコチカは、アッアー、と鳴いたので、
ウンチだったのか、とわかったけれど、
でもウンチで、尻尾をおいかけるなんて。
草か何かが直腸をつんつんしていたりしたのだろうか???
* * *
夕方の散歩。
ルークくんに会った。
こんばんわー、お久しぶりー。
外に出たばかりで嬉しくってしかたのないルーク君は、
コチカにも挨拶しようとしたのに、コチカを見ると、我関せずで、真下を向いている。
激しく吠え立てるルーク君。
私はなんとかルーク君の気を自分の方に向かせようとしたが、
ルーク君の飼い主さんは、コチカを見ながら、うつむいてる。。と心配そう。
何のことはない、妙なる匂いでもしたのだろう、それをくんくんかいでいるだけ。
その場所というのが、たまたま座って置いた両手のすぐ先なので、
体を丸めて鼻先を真下に向けているだけなのである。
顎をぐっと引き、とんがった鼻先が真下を向いているので、
いじけてすっかり人目を避けているか、
全くの孤独を装い、陰険に見せているかのように見える。。
へーそういうこと、と不思議そうに見つめながら、かわいー、と感心するルーク君の飼い主さん。
本当かいな。
私はコチカの陰険そうな様子がおかしくってゲラゲラ笑った。
そしてコチカは、匂いが嗅ぎ終わって顔を上げると、
急にルーク君に気がついたかのように、咆え声にびっくりした顔をして、体を引いた。
うそでしょ。
今まで気がつかなかったての?
* * * *
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9月23日(金)
夜のトイレ。
物見台で寝ているコチカに、オシッコしよう、というと、
上を見た。
頭上の鴨居の三角コーナーに逃げよう、という算段をまずするのである。
でも大概は、すぐに観念して抱っこしてずり下ろされるがままになっているのに、
今日は、少しではあるが、本気で抵抗しようとした。
こういうことがあると、オシッコするのに問題があるのか、と心配してしまう。
* * * *
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9月24日(土)
台風17号の影響か、朝から雨。
コチカもわかっていて、朝も夕方も散歩のさの字も出てこない。
*
そういえば夜中に、なにか抗議の声が上がったが、
多分私が布団を動かしたときに、コチカに触ったのだ、
と思って、ごめん、というと、コチカは発作を起こさなかった。
こういうことが2回目。
もうすっかり自分の気持ちをコントロールすることに慣れたのだろうか。
* * *
夕飯の後、夫は健康のために体操をする。
最近のやり方は、30秒足踏み30秒筋トレを繰り返す、というもの。
有酸素運動と筋トレを交互にすることで脂肪を燃焼しやすくなるのだそうだ。
その足踏みをしているとき、コチカの物見台が相当に揺れる。
寝込みを襲われて、うんざりなコチカ。
ゆらゆらと揺れる物見台の上から、夫をじろっと見ていたりする。
その横目が、なんとも人間臭くておかしい。
* * *
今日はオシッコのときに抵抗はなし。
昨日の抵抗は単なる気まぐれだったのかな。。
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9月25日(日)
涼しくて体が軽くて、ハイハイハ〜イ!なコチカ。
一人でハッスルして走り回っている。
私のワンピースの背中のリボンに狙いを定め、足踏みをしてすわっと飛び掛る。
何回か目には、私が手をすっと出してやると、仰天し、
後ろの柱……切り売りカーペットが貼ってある……にましらのごとく駆け上る。
あるいは、
動揺しながらもすばやい身のこなしでUターンして走り去っていく。
まるで、流星号のように。
注)ご存知でしょうか、スーパージェッター。
こちらジェッター。流星号、流星号、応答せよ、と言うと、
最新型の新幹線のような流星号が、鼻先を曲げてUターンしてやってくるやつ。
1000年先の未来からやってきた、というような、たぶん日本最古のSFアニメ。
あった!これ→WWW
* * * *
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9月26日(月)
秋の朝の日差しがとってもさわやかな朝。
時間切れ時間切れ、と言いながら、
近所の人たちとだべりながら、なかなか家に帰らない。。
十字路の駐車場では、ほどよく暖められたコンクリートに、コチカは何度も背中を擦り付ける。
ショッピング・キャリアを押して散歩している丸っこいおばあさんとしゃべりながら、
いつまでもコチカのゴロンゴロンを見ている。
ござでも敷いて、私もごろごろしたい気分。
でもいよいよ時間切れで、コチカを抱っこして強引に家に帰る。
*
まだまだ外にいたかったコチカは、ぉぉ〜、と憂鬱そうに鳴くので、
玄関前の門の柵に結わえておいた。
まだ陽がさんさんと当たっている。
鳴き声が聞こえるので見に行くと、玄関ドアのそばの木株に結わえられている。
リードをほどいていると大家さんが出てきて、門の柵に巻き巻きになっていたのだ、と言った。
普通、コチカは身動きがとれなくなると、鳴いて知らせるのに、私は気づかなかったのだろうか。
そういえば夢中でPCを叩いていたな。。
あるいは、苦しいほどでもなかったのだろうか。
*
草をそうたくさん食べてもいないのに、嘔吐。
食が進んで、朝になるまでにご飯がなくなっていたので、
散歩の後、カツオブシと一緒にキャット・フードをちょこっとやったのだが、
それを全部吐いている。
外にいる間にちょっと冷えたかな。
それとも、散歩から強制的に戻されることで、ストレスがかかっているのだろうか。
* * * *
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9月27日(火)
朝、雨戸を開けたら太陽がイヤに白茶けていた。
本物の秋になったのですねえ。
暑いのが苦手な私もちょっぴり淋しい気持ち。。
* * *
朝の散歩。
やっぱりアスファルトが白い。
ひたひたという感じでコチカが歩いていく。
メロンちゃんという犬に出会った。
なんというのかな、シーズーを小さくしたみたいな犬で、5歳とのこと。
私が手を出すと、メロンちゃんは愛想よくよって来た。
コチカのすぐそばまで来ているが、コチカはだまって見ている。
ということは、メロンちゃんは穏やかな性格の優しい犬だということだろう。
なんだか親しみを感じて、めろんちゃん〜、と言いながら撫ぜていると、
飼い主さんのおじさんは、猫も言うこときくからねえ、と言った。
メロンちゃんが来る前に、猫を飼っていたのだそうだ。
きっとおじさんも優しい人なのだろうな。
今度は写真を撮らせてもらおう。
メロンちゃんのを、ですよ^^\
* * *
夕方の散歩。
居候アスカの飼い主さんがご友人と連れ立って歩いてきた。
コチカは、壁にヤモリがいないのでがっかりしていたところだった。
いたのだけど、高い位置にいてコチカからは見えなかったのだ。
居候アスカの飼い主さんは、
アスカがコチカに色気を振りまいた話(アスカ・ヒストリー)を一緒にいたお友達の方に話したので、
私も、それからコチカは参りっぱなしアハハー、などと補足した。
二人できれいな猫だと誉めてくれ、ではまた〜、と行ってしまうと、
コチカはしばらくの間、猫の正座をしてじっと座って二人の後姿を見ていた。
黒い影が、ここの通りの入り口の電信柱のあたりに行くまで、である。
うちは電信柱3本目なので、猫が人間を見ているにしては、結構な長さだと思う。
ふむ。
あの人は朝ときどき会う人で、アスカがいる家にいる人だ、と猫なりに思っていたりするのだったりして。。
* * * *
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9月28日(水) 寒い朝。 十字路を東に折れたところの桃の木のあるお宅の駐車場で。 ゴロンゴロンが止まらない〜 オス猫が車にマーキングしたののとばっちりが地面についているらしく、 車の置かれていない広々とした地面を念入りにくんくんし、 ゴロンゴロンを繰り返すのである。 なるべく奥に行きたいコチカは、リードをぎりぎりに引っ張っている。 私は縁石までしか行けないので、体を斜めにして腕を伸ばしている。 リードも私もぎりぎりなのだ。 私の目線は家の方を向くことになるので、わざとらしく桃の木の上の空なぞを見ている。 敷地内にあるアパートから女性が出てきた。 おはようございま〜すと挨拶し、朝からノゾキの体制で申し訳なくて…… と言い訳すると、いえいえ大丈夫ですよ〜、と言ってくれた。 夏には、家の周りにあるフェンスの端に私が立っていたものだから、 道に出ようとしたところに、いきなり私に出っくわし、仰天させてしまった女性である。 悪くは思われていないようで、ほっ。 * * * 早い午後に一度帰宅したときには、コチカは二階の寝室の布団の上で寝ていて、 階段の上から部屋を覗き込んだら、頭を上げもせずに、薄目を開けてちらりと見た。 再度出かけて夕方帰宅したときには、 おなかをすかせたコチカは、居間の物見台から外を見ていて、 私を認めるや、ぴょん!とはずみがついたように立ち上がり、窓にすりすりした。 かぁい〜^o^/ 疲れなんぞいっぺんに吹き飛ぶ感じ。 |
薄目を開いてこちらを見ている。 |
* * * *
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9月29日(木)
日差しが柔らかく、気持ちのいい朝。
の〜んびり散歩。
脳みそのひだ…そんなものあったのか…を伸ばしてお洗濯。
は〜よかあんびゃあ(良い塩梅)。
もうそろそろ帰ろうか、と家に近づいた頃に、宅配便の軽乗用車が来た。
うちの近くに来る車が恐いコチカは、大急ぎで門の柵を抜け、
玄関のドアを開けたら、とっとと入ってしまった。
そんなに恐い?
散歩の後のカツオブシをもらってしばらくしたら、
うぁ〜うぁ〜、と当惑したような顔で、何かを訴える。
何?と尋ねると、後ろを振り返りながら玄関へと私を連れて行く。
外?と言ってみると、背中をややアーチ型に丸めながら、
ちょっと嬉しそうに頬をあちこちにすりすりした。
まだ玄関先には陽が当たるし、いいだろう、と思い、
外に連れ出し、玄関脇の木に結わえておいた。
ところが、30分もしないうちに、宅配便が来て、ベルが鳴った
玄関のドアを開けると、
もうダメ、殺される!と言わんばかりに玄関へ逃げ込もうとしている。
リードがぴんぴんに張っているので、宅配のお兄さんの足元でリードをはずしてやった。
転げ込むように入っていくコチカ。
その後もまだコチカは、うぉ〜、と小さな声で訴え、外に出たそうにしているので、
また出る?と言って外に出してやったが、
ちょっと考えてから、やっぱりもういい、という感じで中へ入った。
意思確認するまでに、時間をかけるのが必要なこともある。。
* * *
来客。
私がお客さんと熱心に話をするのがコチカは気に入らない。
にゃ〜、と話を割って入ってきて、お客さんの顔をきっとした目で見ている。
人間だったら口をへの字に曲げているところだろうか。
でもそのあとで、お客さんにすりすりするのだ。
ひどく事務的にしているように見えるのは、
気に入らないけどうちに来るのも許してやるぜ、という意思表示なのだろうか。
* * * *
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9月30日(金)
9月最後の今日は金曜日でした。
めでたい!……て何が?
* * *
>隣のご主人に写真を見せてもらった…動物に好かれる人となりを考える<
暖かで気持ちのよい朝。
ふら〜と歩いていると、
隣のお宅のご主人が雑巾がけをしたらしいバケツの水を、
ばしゃっ、ばっしゃ、っと通りにぶちまけるようにして撒いた。
豪快ですね、と言って笑っていると、
おもむろに、猫の写真見せてやろうか、と言われた。
はいっ、と返事をして待っていると、
プリントしたときにもらう、見開き4枚ポケットのアルバムを7、8冊持って出てきた。
昭和60年と書いてあるアルバムを開いた。
黒トラの母親が4匹の子供を生んだ写真。
大きいのが二匹、小さいのが二匹。
ミュミュみたいな猫の中に一匹だけ違うのがいる。
その中で、チビと呼ばれていた一番小さい猫と、
ミュミュに似ている、と言われたサブローという猫が残り、
あとの体の大きくてしっかりした猫たちはもらわれていった。
あとは母親の兄弟に当たるおじさん猫タロウ。
ご主人は、これが本物のタロウ、と言った……本物って?
当時はそういうわけで、4匹飼っていた。
もうどこにも行けなくて、みんな死んだからもう飼わないの、と奥さんが言っていたが、
4匹を置いてどこにも行かなかったくらい、かわいがっていたということですよね。
みんな行儀がよくて、
ご飯も1匹ずつが器を用意してもらっている。
大皿に1つにしておいても互いに遠慮しあうみたいにして食べないし、
他人の器のご飯は互いに食べようとしなかったのだそうだ。
それって結構すごい。
鳥もいた、と言って鳥のアルバムも見せてくれた。
なんと、尾長(おなが)である。
尾の長い、全身が青っぽい姿の美しい小鳥である。
都心近くではあるが、まだ木々の多い界隈ではよく見かける野生の鳥である。
捕まえたのですか、と聞いたが、いや、勝手に来て、うちに入ってきたんだよ、という。
家の中で、カゴの中にも入っている。
よくカゴの中に入りましたね、といったら、勝手に入っていったんだよ、とのこと。
カゴの向こうには猫がいてご対面しているが、
カゴの外にいても、誰一人として、尾長に手を出す猫はいなかったのだそうだ。
ふ〜ん。。
このご主人、奥さま連中の中では、強面で、いわゆる変人の堅物、ということになっているようだけど、
本当にそうかな、と思う。
表現するのが苦手なだけで、本当はとっても優しい人なのではないか、と思う。
それでなければ、猫が寄り付かないし、ましてや野生の小鳥が入ってくることなんかないんじゃないか。
それにまた、猫たちがみんな行儀がよい、ということ。
人間だって良い人々に囲まれていたら、自分の内面のよい面が引き出されて、
穏やかで、よい人間でいられる。
動物世界だって同じで、穏やかで優しい飼い主と暮らしていたら、
性格の良い要素だけが取り出されて、のんびりした日常を過ごせるのではないだろうか。
だって4匹ともが、他人のご飯を食べてしまうこともないのだし、
鳥みたいなものが大好きなはずの猫が、家に入ってくる小鳥に手を出さないのだ。
それはきっと、うちの優しい飼い主が大事にしている小鳥だから、というわきまえがあるからではないか、
と思うのだけど、違うかなあ。
今いるノラのタロウだって、ご主人の後をついて行き、
買い物をしている間には店の前で待っていて、また一緒に帰ってくるくらいだし。
このやろう、出てけ、と軽くではあるが蹴っ飛ばすのを、見かけることだってある。
でもノラたちは懐くのだ。
その秘密はどこにあるのだろうか、と、はたと考えてしまうではありませんか。
もうひとつ思い当たることがある。
ご主人は、庭掃除でもきっちり丁寧にする人で、しかもゆったり静かにする。
優しさ+静かに行動する、というところがマルなのかな。
あ〜たくさん書いた。
ご精読、ありがとうございます。。